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原田典子氏(以下、原田):みなさま、こんにちは。AI CROSS株式会社代表取締役CEOの原田です。
本日は2026年12月期第2四半期の決算と事業についてご説明します。スライドに沿って、業績のハイライト、KPI、現在のビジネスライン、第2四半期のトピックスについてお話しします。
FY2026.2Q業績ハイライト(2026年4月1日~6月30日)
原田:まず、業績ハイライトです。第2四半期の業績は、売上高が12億2,400万円、営業利益が1億4,300万円、経常利益が1億4,200万円、四半期純利益が1億500万円となりました。
売上高(四半期毎推移)
原田:四半期ごとの推移についてご説明します。売上高は前四半期比で減少していますが、第1四半期には毎年SMSやRCSのスポット送信を利用されるお客さまが多く、今年は特にその傾向が顕著でした。
そのため、前四半期比では下がっていますが、積み上がりの分についてはしっかりと伸びており、前年同期比で23.51パーセントの成長を記録しています。
売上高の増減要因
原田:売上高の増減要因です。まず前年同期と比べて、スマートメッセージング事業が堅調に伸びている点が挙げられます。SMSは今後も成長が見込まれる市場であり、新規のお客さまと既存のお客さまの双方で成長が見られました。
また、テキストだけでなく動画や画像も送れるRCSは、既存のお客さまを中心に利用者数が増加しました。これによりRCSの配信通数および配信単価がともに増加する傾向にあり、しっかりと伸びが見られました。
AIトランスフォーメーション事業では「Deep Predictor」の利用者数が増加したこと、そして、昨年には存在しなかったマーケティングソリューション事業で、株式会社ロウプの子会社化が業績にしっかりと反映されている点が挙げられます。
一方、四半期ベースで見ると、スマートメッセージング事業は一時的な利用が多い傾向にあります。特に3月が年度末となるお客さまが多く、予算消化の意味で利用されることが多いことや、今年は3月のキャンペーンが多かったことから、前四半期比では減少しています。
また、AIトランスフォーメーション事業の中には、毎月月額料金をいただく「Deep Predictor」のようなSaaS型のサービスと、スポットで収益を得る受託開発やコンサルティング費用の2つがあります。
このうち、スポットの計上進捗がやや後ろ倒しになっていることから、第2四半期では減少している状況です。AIトランスフォーメーション事業については、後ほど詳しくご説明します。
さらに、マーケティングソリューション事業においても、前四半期と比べると既存顧客向けの追加案件が遅れるなどの影響がありました。
このように、AIトランスフォーメーション事業のAIコンサルティング案件やマーケティングソリューション事業は、月額型のSaaSとは異なり、季節性による多少の変動があります。そのため、今回は前四半期より減少する結果となっています。
営業利益(四半期毎推移)
原田:営業利益の四半期ごとの推移です。昨年は第2四半期に株主優待を実施していたため、前年同期比で見ると大幅な増益となっています。
一方、先ほどお話ししたAIコンサルティングは比較的利益率が高いものの、受注獲得の進捗遅れにより、前四半期比で減少している状況です。
経常利益(四半期毎推移)
原田:経常利益は、営業利益とほぼ同様の推移となっています。
四半期純利益(四半期毎推移)
原田:純利益です。第2四半期には、子会社で行っているスタートアップ投資における売却益が1,900万円ほど発生しました。
そのため純利益は伸びていますが、先ほどお話しした売上高の減少により、前四半期比では少し減少する結果となりました。
(参考)前年同連結累計期間比
原田:参考までに前年同連結累計期間比のスライドをご用意しました。第1四半期から第2四半期の累計で見ると、売上高、営業利益、経常利益ともに上場来最高となっています。
メッセージングソリューションの積み上げが順調に伸びていることに加え、AIトランスフォーメーション事業も着実に業績に反映されるようになっています。引き続き戦略どおりに進めながら、業績をさらに向上させたいと考えています。
2026年12月期 第2四半期 連結業績(セグメント別)
原田:2026年12月期第2四半期のセグメント別連結業績です。
説明が少し重複する部分もありますが、スマートメッセージング事業については、SMS市場が依然として成長しているため、さらなる拡大を目指しています。本命であるRCSでは単価や通数の向上だけでなく、単価・通数以外の分野でも月額固定収益を確保し、売上と利益の向上を図る考えです。
現状では、RCSの業績貢献度はまだ大きくありませんが、既存のお客さま9,000社以上の中でもRCSを利用するお客さまが増えており、その成長が売上に貢献する結果となっています。
AIトランスフォーメーション事業については、私たちは2018年からAIの研究開発に取り組み、さまざまな事業を展開してきました。この中で「Deep Predictor」を中心に黒字化を目指してきましたが、その黒字化が少し前倒しとなり、この第2四半期でしっかりと実現することができました。
あらためて申し上げる必要はありませんが、現在、AIにおいては完全に追い風です。生成AIのテクノロジーの発展に伴い、当社のサービスのクオリティはアルゴリズムの活用により急激に向上しています。
また、お客さまのAI活用に対する意識も高まり、自社の事業を伸ばすためにAIを積極的に取り入れる流れが強まっています。この追い風を受けながら、しっかりと利益を出しつつ、今後も「Deep Predictor」の拡販を進めていきます。さらに、AI化およびAIコンサルティング事業も引き続き拡大していく方針です。
ロウプ社については、昨年10月の買収以来、シナジーを模索しながら事業を進めていますが、現在はロウプ社の既存事業の業績が中心です。今後は私たちのRCSとのシナジーを活用し、来期以降に業績を本格的に伸ばしていく計画です。
1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):スマートメッセージング事業の売上が前年同期比で約17パーセント増加している一方で、利益は約10パーセントの増加にとどまっています。この理由を教えていただけますか?
原田:私たちは来年からRCSが本格的に展開されると見込み、この分野に先行投資するかたちでシステムの開発に注力してきました。その先行投資の影響で、売上の伸びに比べて利益の伸びが抑えられています。ただし、第3四半期以降には改善が見込まれると考えています。
Ken:既存のSMSと比較すると、RCSは1通あたりの単価が大きく異なるという認識でよいでしょうか?
原田:そのとおりです。価格モデルについては今後さらに多様なものを提供していきたいと考えていますが、単価は確実に上がります。
その理由として、提供する価値がテキストの70文字だけにとどまらず、画像も送付できる点が挙げられます。さらに、送付されたどの画像が効果的であるか、コンバージョンに反映させることが可能ですので、テキストよりも効果の幅が広がります。
効果的な画像の提案なども行うことで、単価の向上やプラットフォーム利用による月額固定収益の拡大を目指していきたいと考えています。
四半期毎 販売費および一般管理費推移(四半期毎推移)
原田:販管費の四半期推移です。当社の販管費は、人件費、広告宣伝費、その他販管費で構成されています。現在、投資の主な部分は開発を含む人件費であり、開発から営業までしっかりと人件費に投資を行っています。
一方、広告宣伝費については、大規模な広告を打って広げる手法よりも、広告費用対効果の高いデジタルマーケティングや、最近ではリアルなセミナーなどを活用することで新規のお客さまを獲得する方向に投資しています。
その他販管費については、前四半期に弁護士費用などの一時的な支払いが発生しましたが、第2四半期ではその分が減少しています。また、採用フィーや人事関連費用などにより、四半期ごとに多少の変動が見られる状況です。
FY2026業績予想進捗
原田:業績予想に対する進捗についてご説明します。現時点では、通期の業績予想に対して、売上高は48.22パーセント、各段階利益は55パーセントから65パーセント程度の進捗となっています。
「けっこう良い進捗ではないか、上方修正をするのか」といったご質問もいただいていますが、私たちの計画どおりに推移しています。下半期にはもともと予定している投資もありますので、通期の業績予想については予定どおりに着地すると見込んでいます。
売上高の推移と中期目標(KGI)の進捗
原田:私たちはFY2025からFY2027までの中期経営計画を開示しています。ちょうどその約半分を終えたところですので、現段階でのKGIの進捗についてご説明します。
左側のグラフをご覧ください。当初の中期経営計画に対し、FY2026の業績予想をやや下方修正して開示しています。先ほどお話ししたとおり、FY2026は開示した業績予想どおりに進捗していますが、中期経営計画から見ると少し遅れています。
FY2027の業績予想はまだ開示していませんが、先ほどお話ししたRCSをしっかりと伸ばし、AIを加速させることで成長を図りたいと考えています。
営業利益の推移と中期目標(KGI)の進捗
原田:営業利益の推移とKGIに対する進捗についてお話しします。
左側のグラフには営業利益率の推移を示しています。中期経営計画を発表した際にもお話ししましたが、SMSを中心とした取り組みから、AIを活用して黒字化を実現し、利益率を向上させていく方針です。また、RCSにおいて単価の引き上げや月額固定収益の獲得に取り組むことで、利益率全体を引き上げていきます。
さらに、AIによる自社内の効率化も推進しています。業務時間の削減などを目標に掲げ、1人あたり売上高を意識しながら改善を図っています。これらにより、営業利益率の向上を目指しています。
Ken:FY2027の利益のポイントとなるのは、やはりRCSがしっかりと伸びてくるかどうかという点でしょうか?
原田:おっしゃるとおりです。SMS市場は成長し続けていますが、その利用用途がかなり限定されており、付加価値をつけにくい側面があります。
例えば、パスコード送信のような利用用途は、お客さまにとっては売上アップに直接つながるものではありません。ユーザーのセキュリティや利便性のために用いられるものですので、早く、安く、安全に提供すること以外はそれほど重視されていないのです。そのため、競合他社がいるプラットフォームでは価格競争に陥りやすい面があります。
しかし、RCSでは画像の送信が可能なほか、AI技術の進化によって自動応答が可能になり、ユーザーに響くメッセージや画像を効果的に提供できるようになります。AI活用によって付加価値を高め、単価を引き上げていくことが、利益率改善に大きく寄与すると考えています。
Ken:お客さまの予算自体が変化し、マーケティング予算などの売上を伸ばすための予算に変わってくるようなことも考えられますか?
原田:2つ考えられると思います。
1つは、例えば督促用途で使用されているお客さまの場合、お客さまの予算自体は変わらないものの、RCSに変更することで視覚的なインパクトが大きくなり、督促の回収率向上につながります。つまり、効果や効率が向上するのです。
その結果、たとえ価格が上がったとしても、回収率が向上するのであれば費用対効果は高いと判断され、予算を上げていただくことができます。
もう1つは、売上アップに直結するマーケティング予算は、従来のSMS予算よりもさらに規模が大きいため、この部分にアプローチすることで単価引き上げを目指しています。
1人あたり売上高推移と中期目標(KGI)の進捗
原田:1人あたり売上高の推移です。1人あたり売上高もKGIとして掲げており、着実に積み上がっています。社内DXやAXによる生産性向上により、進捗は順調です。
ただし、連結ベースで見ると、子会社のロウプ社はプロジェクトに参加する人数に応じて収益を得る事業モデルであるため、1人あたり売上高は当社のプラットフォームよりもやや低くなっています。しかし、AI化を通じて全体的に成長させていく方針は変わっていません。
KPIサマリー(四半期状況)
原田:スマートメッセージング事業のKPIサマリーです。スマートメッセージング事業では、SMSの時代から開示している指標として、取引社数、SMS配信数、ARPU(顧客平均売上高)があります。
スマートメッセージング事業取引社数
原田:各KPIの推移についてご説明します。
取引社数は着実に伸びており、主に販売パートナー経由での顧客増加が大きな要因となっています。
当社の直販では人材業や金融業などのお客さまが多くなっていますが、そこでSMSやRCSがどのように活用され、効果が出るのかといったノウハウを蓄積しています。これを各業界に精通するパートナーに展開していただくモデルを採用していることから、パートナー経由での取引社数が最も多く伸びています。
SMS配信数
原田:SMS配信数です。売上と同様に季節性の影響が大きく、前四半期比ではやや減少しましたが、国内を中心に前年同期比ではしっかりと伸びています。
スマートメッセージング事業ARPU(顧客平均売上高)
原田:ARPUについては、これまで海外と国内という観点でお話ししてきました。海外のSMS市場は特にGAFAのような外資系企業を中心に伸びてきましたが、海外のお客さまの特徴として、本人認証などの低単価のものを多数送る傾向があります。そのため、戦略的には海外よりも国内に注力し、国内をしっかり伸ばしていく方針です。
ARPUは全体の数値を開示していますが、海外に比べて国内のお客さまのARPUが下がる傾向があります。社数が伸びて国内のお客さまの比率が増えることで、全体としてのARPUは下がるものの、今後は先ほどお話ししたRCSなどの戦略を含め、国内のお客さまのARPUを上げていく方針によって改善していく予定です。
Ken:差し支えなければ、海外の大口顧客で売上が減少している理由を教えていただけますか?
原田:積極的に海外のお客さまを取りに行っていないことが主な理由です。先ほどお話ししたように、海外のお客さまは、本人認証の用途がほとんどです。
GAFAのような企業がユーザーに対してなにかトランザクションが発生した際に、セキュリティ目的でSMSを送るのですが、この分野は価格競争に陥りやすく、これ以上の付加価値をつけにくい状況です。
そのため、海外では一定の価格に止め、現在は国内にリソースを集中転換していることが海外での売上減少につながっています。
スマートメッセージング事業の戦略
原田:第2四半期におけるビジネスラインの状況です。
こちらのスライドは、スマートメッセージング事業の戦略マップです。スマートメッセージング事業ではプラットフォーム利用を推進しており、SMSとRCSの通数を増やし、それに伴い単価を上げていく「通数×単価」のビジネスモデルに取り組んでいます。
特にRCSはこれから始まるビジネスであり、市場を創出していく段階です。この分野をしっかりと成長させていくことは、変わらず重要と考えています。
「通数×単価」のビジネスモデルに加えて、月額課金も拡大したいと考えています。画像の送信や、チャットボットを用いたAIによる自動応答が可能となることで、提供できる価値やクリエイティブの価値が向上するためです。これにより、プラットフォーム利用モデルの追加も視野に入れ、さらなる成長を目指したいと思っています。
Ken:メッセージングにAIを組み合わせることで、どのようなことが実現可能となるのでしょうか? RCSなども含めて、その具体例を教えていただけますか?
原田:わかりやすい例として、チャットボットの自動応答が挙げられます。これまではAIの進展が不十分なこともあり、機械学習的なアプローチで「どのように送ったらどのように返す」といった単純な応答しかできませんでした。しかし、私たちのプラットフォームがRCSに対応することで、この自動応答をAIで実現できるようになります。
お客さまの保有するデータと私たちのプラットフォームに蓄積されるデータを活用することで、人が介在しなくても完全なやり取りが可能になれば、プラットフォームに対するコスト効率が上がり、カスタマーサポートやコールセンターといった分野での利用が拡大すると考えています。AIの活用は、これらの分野で特に大きな効果を発揮します。
さらに、ECサイトでも活用が進んでいます。例えば、本人認証やカゴ落ちソリューションが挙げられます。ECにおいて、多くの商品をカゴに入れるものの、コンバージョンせず売上につながらないケースがあります。
このような状況で、Webサイトやアプリを見なくなった方にリマインダーを送る方法として、SMSが非常に効果的です。プッシュ通知では効果が期待できない場合でも、SMSで「カゴに商品が入っていますよ」「キャンペーンを今やっていますよ」などのリマインダーを送ることは非常に効果的です。SMSを活用したカゴ落ちソリューションは、現在大きく伸びています。
さらに、送信できるのは文字情報だけではありません。例えばユーザーがどの商品とどの商品の間で迷っていたのかをクリエイティブで示し、そこにキャンペーンの内容も加えて送信することで、さらなるアプローチが可能になります。
また、お客さまがユーザーの購買履歴を保有している場合、それを基にしたキャンペーンを展開することも可能です。その結果、売上に対するコンバージョン率は、テキストベースの場合と比較しても大幅に向上します。
このような活用例や、先ほどお話ししたコールセンターでの活用例などが具体的な事例として挙げられます。
RCS普及の追い風と当社の成長戦略
原田:RCS普及の追い風と当社の成長戦略です。今年はNTTドコモとソフトバンクがRCSをiPhone向けにしっかりデフォルトで導入する年となります。
現在、RCSを利用している企業が見るユーザーは、ほとんどがKDDIユーザーです。これがNTTドコモやソフトバンクにも広がることで一気にユーザー層が拡大します。その結果、送る側の企業としてはカバー率が向上し、RCSをもっと活用してみようという流れになると考えています。このような状況を私たちは普及への追い風として捉えています。
Ken:三大キャリアが出揃ったことで、だいぶ土台は整ってきたように感じます。やはり今後は企業側に理解を浸透させていくことが重要なポイントとなるでしょうか?
原田:おっしゃるとおりです。そのため、私たちも現在は既存ユーザーであるKDDIユーザーに向けて、どのような送り方が効果的なのかを検証している段階です。
今後は企業からどんどんRCSを送っていただき、例えば郵送やメール、「LINE」など他の手段との費用対効果を比較することで、どのような送り方が最もコンバージョン率を上げるのか、どのような用途で最もROIや費用対効果が高いのかについて理解を深め、普及を進めていくことを考えています。
Ken:ちなみに、Androidでも今後利用できるようになる可能性はありますか?
原田:誤解されやすいのですが、Androidではすでに利用可能です。海外ではAndroidユーザーが多いため、進展が早い状況です。Googleはすでに約10年前からRCSに非常に力を入れています。
一方で、日本は世界的に見てもiPhoneユーザー比率が非常に高く、AppleがデフォルトメッセージをRCSに対応させたことは日本市場にとって追い風といえます。
Ken:お客さま側では、iPhoneでもRCSが利用できるようになったことで、「Androidも含めて対応しよう」といったケースは増えそうですか? Androidのみが対象であれば「iPhoneユーザーが多いのだから、対応しなくてもいいだろう」と考えるお客さまもいるのではないかと思いました。
原田:やはりお客さまは、iPhoneかAndroidかというよりも、「これを送ることでどれくらいの人数をカバーできるのか?」という観点で考えています。
現状では、Androidの全キャリアとiPhoneのKDDIユーザーを合わせると、全体の40パーセントほどしかカバーできないため、送る内容が限られてきます。しかし、これがほぼ全ユーザーをカバーできるようになると、さまざまなことが可能になります。
AIトランスフォーメーション事業「Deep Predictor」サービス戦略
原田:ここからは、AIトランスフォーメーション事業についてご説明します。AIトランスフォーメーション事業には、大きく分けてAIコンサルティングと「Deep Predictor」の2つがあります。
「Deep Predictor」は予測モデルを簡単に作成できるプラットフォームです。予測モデルにはさまざまな利用用途がありますが、現在は製造業向けの需要予測において非常に引き合いが強く、事例が蓄積されるにつれて本番利用のお客さまが増加しています。
需要予測は非常に幅広い分野ですが、特に仕入れ部門などで在庫を最適化することに焦点を当てています。生産計画というよりも、在庫の最適化を図ることで機会損失や在庫過多を防ぎ、結果としてコスト削減や売上アップにつながるため、利益貢献度が非常に高くなります。精度検証の結果でも高い精度が確認されるケースが多く、本番利用に進むお客さまが増えています。
「Deep Predictor」カスタムプラン、アシスタントプランに注力
原田:「Deep Predictor」のプランです。「Deep Predictor」は月額サービスですが、「カスタムプラン」では利用開始時に当社のデータサイエンティストが現場の方へのヒアリングを実施した上で、個別最適型のプランを一緒に作り、その後はお客さまに使っていただきます。そのため、初期費用と月額費用に分かれています。
現在は代理店を通じて数をしっかりと伸ばしていきたいと考えており、代理店経由では「カスタムプラン」と「アシスタントプラン」の両方を提供しています。
「アシスタントプラン」はデータサイエンティストが不在で、精度は多少落ちるものの、ほぼ自動的に代理店で販売可能な仕組みとなっています。これをSaaS型の成長モデルとしてスケールさせていきたいと考えています。
「Deep Predictor」の導入実績の一例
原田:導入実績の一例です。製造業を中心に増加しており、特に典型的で多いのがスライド中央のIKO社の事例です。これは発注量の予測に関する例です。
これまで多くのお客さまが、現場の方々が季節性や過去の実績を参考に「Excel」で需要予測を行い、発注を行っていました。これは属人化の原因となり、業務効率の面でも課題が生じることが多く見られました。
しかし、これを私たちの「Deep Predictor」に置き換えていただくことで、業務時間の削減が可能となり、発注業務の標準化が図られます。その結果、誰が担当しても対応できるようになり、本番導入に進むケースが多くなっています。
スライド右側は大手ITソリューション経由の医薬品卸企業の事例です。こちらは販売代理店経由の事例です。販売代理店のお客さまご自身に需給管理基盤の構築を行っていただき、「Deep Predictor」による月額固定収益を得る仕組みです。
このようなSIerやITソリューション企業は、これまでシステム構築やAI構築といった受託開発に重点を置いて収益を上げてきました。しかし、やはり月額固定収益を得たいという考えをお持ちです。このように、パートナーに「Deep Predictor」をご活用いただく事例を増やしていきたいと私たちは考えています。
マーケティングソリューション事業戦略
原田:マーケティングソリューション事業についてご説明します。
ロウプ社を買収した意図は、RCS分野において、私たちがSMSプラットフォームを提供する際の通数や単価をいかに伸ばしていくかという点で、このプラットフォーム提供に強いチームを形成するためです。
また、RCSになると、どのようなクリエイティブがお客さまのコンバージョンを向上させるかといった提案の幅を広げる必要があり、このような知見を補うためにロウプ社をグループに迎え入れました。
現在はロウプ社の案件を通じてお客さまにRCSをどんどん広めてもらい、そのプロセスを型化し、私たちのお客さまにも展開する取り組みを一つひとつ進めている状況です。
【販売代理店経由の本導入事例】旭産業株式会社に「Deep Predictor」を提供開始 – 本社・大阪の2拠点にて本番運用
原田:トピックです。販売代理店経由の事例で、旭産業株式会社で本導入いただいたものです。今年5月から開始されています。
この事例では販売代理店であるリコージャパンを通じてエンドユーザーに使用いただいています。リコージャパンは自社サービスやコンサルティング、SIなどのサービスを提供する会社であり、旭産業以外にも製造業のお客さまを多く抱えています。
このような会社を経由して、私たちも「Deep Predictor」を拡販し、このモデルを横展開していきたいと考えています。
「絶対リーチ!RCS」導入事例 – ライフカードが開封率75%・コスト約85%削減へ
原田:RCSの導入事例として、ライフカード社の事例を紹介します。
SMSを利用しているクレジットカード会社は非常に多いのですが、送信内容は「ゴールドカードにアップグレードしませんか」のような案内だけではありません。「重要書類を提出してください」「住所変更してください」といった、必ず返答が欲しい重要なご案内も少なくありません。
そのような案内についても、従来はSMSで送付し、そこからWebページに誘導することが一般的でしたが、最近ではRCSを利用してその場で完結するケースも増加しています。
このように、RCSは業務利用や販促利用で広く活用されており、開封率やクリック率も向上しています。さらにコスト削減も見込めることから、クレジットカード会社での事例は増えています。
質疑応答:スマートメッセージング事業におけるKPIの減少について
飯村美樹氏(以下、飯村):「主力のSMS配信数や顧客単価が前四半期比で減少傾向でありますが、既存事業の成長に頭打ち感はないでしょうか? また、スマートメッセージング事業のARPUが低下傾向にありますが、これに対する危機感や打開策などがあればお聞かせください」というご質問です。
すでに解説した箇所ではあるかと思いますが、あらためてご説明いただけますか?
原田:現時点では、既存事業の頭打ち感はまったくありません。SMS事業についても企業の浸透率ではまだ25パーセントから30パーセントに届かない程度であるというデータもあり、市場レポートでも引き続き成長が見込まれる市場です。
SMSの利用用途は、電話番号に届くことからもさまざまな場面で広がっており、引き続き伸びています。さらにRCSを拡大していくことで、これまで存在しなかった市場を開拓できると考えています。
SMSを利用しているお客さまに対してRCSをどんどんアップセルすることで、通数と単価、ARPUを向上させる方針です。
質疑応答:パスキー導入による影響と対応について
Ken:昨年頃から金融機関ではハッキングの影響がかなり出ており、それによってパスキーの導入が増えていると感じています。EC分野でも同様の動きが進んでいるように思います。パスキーへの移行によって、御社に影響はありますか?
原田:影響として考えられるのは、本人認証に関わる部分です。しかし、先ほどお話ししたように、主に海外のお客さまが本人認証用途で利用しており、国内では本人認証が付加価値を提供しにくいユースケースが多いため、当社では他の利用用途の拡大に注力してきました。そのため、影響はゼロではありませんが、現在のところ業績に大きな影響を与えているわけでもありません。
また、私たちはSMSの本人認証を提供し始めた時からさまざまな認証方式が登場することを予想しており、それに置き換わる可能性も数年前から考えていました。その分野で私たちが提供できる付加価値は少ないと考え、それ以外の利用用途を開拓してきました。その結果、パスキーの影響は今のところ限定的だと考えています。
一方で、少し追い風のような状況もあります。お客さまが「多要素認証を導入しました」といったSMSやRCSを送るケースもあり、このような点はむしろプラスに働いています。
質疑応答:ロウプ社買収によるシナジーについて
飯村:「ロウプ社買収によるシナジーを最大化し、マーケティングソリューション事業の新規受注を加速する戦略はなんでしょうか? また、既存事業との具体的なクロスセルやシナジーの現状はいかがでしょうか?」というご質問です。
原田:大枠は先ほどお話ししたとおりですが、RCSのマーケティング利用や販売促進をさらに広げていきたいと考えています。
ロウプ社はお客さまのマーケティング戦略から関与し、「どのようなチャネルを使いましょうか」「どのようなWebを作りましょうか」「どのようなクリエイティブを作りましょうか」という知見を多く持つ会社です。
RCSにおいても、先ほどのライフカード社の事例でいえば、ゴールドカードの案内を単に画像を送るだけではなく、どのようなクリエイティブがコンバージョンを高めるかについて、ロウプ社のほうがそのようなノウハウを持っています。
そのため現在はロウプ社のお客さまに対し、さまざまな提案の中でRCSの提案も組み入れてもらっています。これにより、同じ業界や業種での利用用途を私たちのお客さまへ横展開することを考えています。
また、広告に関しては、私たちはSMSの時代からさまざまな提案を広告代理店に行ってきました。現在はBtoCでさまざまなチャネルが活用されていますので、ダイレクトメールや紙媒体、メルマガ、SMS、「LINE」など、それぞれのチャネルの活用についても提案しています。
その中で、RCSをこのようなチャネルの1つとして活用できるものだと広めることが重要ですが、私たちのようなSMSやRCSプロバイダーがその利点を説明しても、全体のマーケティング戦略における必要性を十分に伝えるのは難しい場合があります。
その点、ロウプ社はマーケティング戦略のノウハウを持つ企業として提案力がありますので、大きな役割を果たしてくれると考えています。
質疑応答:「Deep Predictor」拡販における販売代理店の貢献見通しについて
飯村:「『Deep Predictor』の拡大が期待されていますが、代理店経由の進捗と今後の見通しを教えてください」というご質問です。
原田:代理店については、先ほどご紹介したようなリコージャパンの事例やSIerの事例などが出てきています。また、最近は中堅のコンサルティング会社も増加傾向にあります。
現在、お客さまのニーズとして、いかにAXを進め、効率化して売上を拡大するかに注目されています。このような背景から、SIerやコンサルティング会社は人材不足と言われるほど業績を伸ばしている状況です。
このようなパートナー企業のお客さま、特に製造業を中心としたお客さまに、「Deep Predictor」をご利用いただいています。パートナー企業からは、特に需要予測に関するニーズが非常に多い一方で、需要予測の精度が十分ではないという課題も寄せられています。
パートナー企業に「Deep Predictor」をしっかり導入いただくことで、私たちが直接リーチできないお客さまに対してサービスを広げていきたいと考えています。現状ではすでに数社に導入されていますが、来期以降に本格化していくと見込んでいます。
質疑応答:資本政策と株主還元施策について
Ken:「上場後、ある程度の年数が経ち、若干株価も少し低迷しています。長期投資家に報いるような大胆な配当による配当政策などは考えていないのでしょうか?」というご質問です。
原田:今年、当社は個人株主向けの優待を終了しました。現状として、機関投資家にも一部株を保有いただいており、機関投資家とのIRミーティングにも力を入れていますが、現時点の当社の規模を考えると、個人投資家がかなりの割合を占めているため、一定の時価総額に至るまでは事業の成長に投資することが最優先であると考えています。
そのような理由から個人株主向けの優待を廃止した背景もあり、すぐに配当を増やすというよりは、株主のみなさまにとって最も効果的な還元策はなんなのか、都度議論しています。
しかし、今は市場の変化が非常に激しく、RCSもAIも大きな追い風の良いタイミングだと考えています。そのため、システム投資や人的投資を最優先し、企業価値を向上させることが最も重要であると考えています。
原田氏からのご挨拶
原田:当社では、RCSとAIにおいて、来期から市場のチャンスだと捉えています。この追い風を活用しながら企業価値向上に努めていきます。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問>
質問:新規開拓のチャネルにはどのようなものがありますか?
回答:比較サイトやSEO経由での問い合わせ、セミナー・ウェビナー参加企業からの流入が主なチャネルとなっており、安定的なリード獲得源になっています。