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タカミヤ、「タカミヤプラットフォーム」で建設業界を変革 「OPERA」「OPE-MANE」を軸にDX・生産性向上を推進

登壇者

安田秀樹氏(以下、安田):取締役常務執行役員、経営戦略本部長の安田です。みなさま、本日は株式会社タカミヤのIRセミナーをご視聴いただき、誠にありがとうございます。本日のスピーカーは私、安田が務めます。

それではさっそく、ご説明に移ります。

Takamiya Platform ∞ DX

安田:本日みなさまにお持ち帰りいただきたいことは1つです。それは、当社が現在、変革の成長戦略として推進している「タカミヤプラットフォーム」という新たなビジネスモデルです。

このビジネスモデルは、当社の事業基盤やノウハウを建設業界全体に提供・供給するという構想です。本日は、なぜ当社がこの事業を展開するに至ったのか、これまでの事業を振り返りながらご説明します。

基本情報

安田:まず、当社について簡単にご紹介します。設立は1969年、大阪府摂津市で創業し、当初は足場に使う丸太材など、木材の販売を手掛けていました。

現在、本社は大阪の梅田と東京の日本橋の2拠点体制となっており、グループ会社は国内外に12社あります。従業員数は現在1,351名で、前期の2026年3月期の売上高は452億円、営業利益は32億円と、創業以来、右肩上がりに業績を伸ばしています。

仮設足場を中心としたビジネスを展開

安田:当社の事業についてですが、スライドの写真のように、建設工事現場で使用される仮設足場をはじめとした仮設機材を商材としてビジネスを展開しています。

当社の事業

安田:仮設機材を利用する際には、多くの工程があります。開発・製造、販売・レンタル、設計、施工、管理、物流といったすべての工程をワンストップで提供しています。

当社の製品が使われている場所

安田:スライドに記載のとおり、当社の製品である足場やサービスは、商業施設やマンションの建設および改修工事、鉄道、高速道路、ダムや橋などの建設および維持補修工事といった、暮らしを支える社会インフラの建設や補修工事においてご利用いただいています。

当社の強み 次世代足場 Iqシステム

安田:スライドに示しているのは、当社の主力製品である「Iqシステム」です。従来の足場から大きく進化したもので、次世代足場と呼ばれる規格に基づいています。「Iqシステム」の大きな特徴は、広くて大きな作業空間を確保しながら、高い安全性と効率性を両立している点です。

注目すべき特徴としては、スライドに記載のとおり、1段の高さが190センチであることが挙げられます。従来の足場は170センチ、他社の次世代足場は180センチであるのに対し、当社の「Iqシステム」は最も高く、広い空間を確保できる製品です。

従来の足場の規格である高さ170センチは、足場が使われ始めた数十年前、日本人の平均身長が低かった時代に合わせて設定されたもので、長らくそのサイズが標準規格となっていました。

しかし、現在では平均身長も高くなり、工事現場ではヘルメットや安全靴を装着して作業するため、作業者が天井に頭をぶつけたり、腰をかがめた無理な姿勢を取ったりして怪我をする場面も少なくありません。このような状況を踏まえ、当社では思い切って規格を190センチに拡大し、新たに標準となる規格を確立しました。

当社の強み 次世代足場 Iqシステム

安田:その他、他社の足場では通路に隙間や段差がある場合がありますが、当社の「Iqシステム」では隙間や段差がほとんどなく、物を落としたり足を引っかけたりする心配が少なく、安全性が向上しています。

さらに、軽量化やコンパクト化により、保管スペースの削減や運搬に必要なトラックの台数削減にも寄与し、ご利用者の保管や運搬のコスト削減にも貢献しています。

仮設足場の国内市場シェア

安田:現在、「Iqシステム」がどれだけ浸透しているのかという点についてですが、足場市場でのシェアは徐々に高まっています。

次世代足場シェアでは当社の「Iqシステム」が約35パーセント、足場全体シェアでは「Iqシステム」が約12パーセントを占めています。

増井麻里子氏(以下、増井):ご質問を挟みながら進めたいと思います。次世代足場のシェアについてお話しいただきましたが、従来型とどのような違いがあるのかうかがいたいと思います。

例えば、軽量で組み立てが容易であり、耐荷重にも優れているということですが、部材や構造はどのように進化したのでしょうか?

安田:従来の足場は、いわゆる鳥居型の足場と呼ばれ、コの字型に組み合わされた形式でした。一方で現在のシステム足場では、部材が1点ずつ分かれており、それをシステム的に組み合わせることで必要な量だけ使うことができます。この構造により運搬効率が向上し、また職人が施工する際の負担も軽減されています。

従来の足場は重量があり、施工そのものが重労働でしたが、次世代足場ではその点が大幅に改善されています。部材がバラバラに分かれたかたちになっており、1本あたりのパイプも軽量化しており、職人の組み立て作業のしやすさが格段に向上しています。

増井:実際に進化した分、値段が上がってしまったのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

安田:現状、私たちは主にレンタルを通じてこれらを供給するビジネスを展開しています。そのため、新しい足場と従来足場でレンタル価格を大幅に上げられるかというと、難しい面があります。昨今は鋼材価格の上昇などもあり、一定の価格転嫁が進んでいますが、大幅な価格引き上げはこれまでの流れとして難しかった状況です。

しかし、私どものサービスや、これからご説明するプラットフォームサービスとともにこの足場を提供することで、現在、徐々に利益率が改善しています。

増井:それ単独では難しいのですが、サービスの組み合わせによって利益率の改善を実現しているということですね?

安田:そのとおりです。従来のレンタルビジネスでは価格改定が進みにくい状況でした。しかし、さまざまなサービスを増やし、付加価値を高めることで、現在は価格改定が進んでいます。

増井:ところで、足場のレギュレーションについては変化があったのでしょうか?

安田:この話をすると少し長くなります。従来は高さ170センチの足場が大量に世の中にストックされていました。しかし、平均身長の向上に伴い、職人のみなさまが重労働を強いられているという問題があり、当社の社長はこれをなんとか改善したいと考えました。

当社はもともとメーカーではなく、最初はレンタル事業だけを行っていました。その当時、数社のメーカーに「もう思い切って高さのある足場に規格統一した上で、一緒に開発して、市場に流通しようよ」という提案をしました。しかし、従来の足場が世の中に十分なストックとして存在していることもあり、各メーカーの賛同を得ることが難しかったのです。

それで当社は、「自分たちで行うしかない」という判断に至り、メーカーをM&Aで買収し、自社での製品の開発・製造が可能となりました。その結果、「Iqシステム」の開発に着手した経緯があります。

増井:1969年に創業ということで、初めは足場に関するビジネスが主業だったかと思いますが、足場をビジネスとして選ばれたのはなぜでしょうか?

安田:先ほど少し創業のお話をしましたが、当社は関西で1970年に開催された大阪万博の少し前に創業しました。その頃、関西では建設ラッシュが起きており、創業者は丸太の販売を事業として行っており、丸太を建設現場に提供していました。

工事が終わった後、職人の方々から「次の現場に丸太を持っていくのが煩わしいので、買い取ってもらえないか」というお話がありました。それで、私どもがそれを買い取り、別の工事に提供するというビジネスがレンタル事業へと派生しました。その後、材料も木材から鋼製へと移行し、鋼製足場のレンタルを主業とするようになりました。このような経緯があります。

増井:そこからさらに進化され、現在ではプラットフォーム事業にまで発展したということですね。

当社の強み 仮設足場のサービスをワンストップで提供

安田:あらためて当社の強みについてご説明します。まず、自社で製品を開発・製造するメーカー機能を備えたレンタル会社という点が挙げられます。そのため当社は業界でも非常に珍しい存在であると考えています。当社は国内外に4ヶ所の工場を持ち、「Iqシステム」など付加価値の高い製品を自社で開発し、市場に展開しています。

次に、仮設機材の供給力についてですが、これはレンタル資産をどれだけ保有しているかという話になります。当社は、新品換算価格で約800億円相当のレンタル用仮設機材を保有しています。

これを全国29ヶ所の拠点から提供しています。工事現場では、超高層から地下工事に至るまで、また建築から土木にかけて、さまざまな分野の工事に対応することが可能です。全国各地の工事現場へ豊富な量の足場を安定的に供給できる体制を整えています。

また、当社は足場工事の計画から図面作成、組み立て工事まで行える工事会社です。全国に工事会社のネットワークを有しているため、最寄りのレンタル拠点にある当社の足場を使用し、工事を実施することが可能です。

当社の強み 仮設足場のサービスをワンストップで提供

安田:当社は、サプライチェーンにおいて仮設機材の製造から始まり、レンタルや販売を通じて現場へ提供するだけでなく、組立図面の作成や実際の組み立てまでを一貫して担うことができます。仮設機材の全工程をワンストップで提供できることが、当社の最大の強みです。

業績推移

安田:スライドに記載のとおり、1969年の創業以来、当社は仮設足場のレンタル事業を中心に、右肩上がりで業績を拡大してきました。

スライドの棒グラフをご覧ください。新型コロナウイルスの影響で一時的に業績が落ち込んでいますが、その後は順調に回復し、業績を伸ばしてきました。しかしながら、当社は現在、新たなビジネスモデルである「タカミヤプラットフォーム」を変革の原動力として推進しています。

建設投資額の推移

安田:これまで順調だった事業を大きく変革する必要があった背景についてご説明します。当社が事業を変革する背景は、建設業界の持続性に懸念を抱いたためです。

スライドのグラフは建設投資額の推移を示しています。国家プロジェクトである第1次国土強靱化中期計画によるインフラ整備、リニア中央新幹線や北海道新幹線の延伸工事、さらに最近では各地でのデータセンターや半導体関連施設の建設ラッシュ、関西では大阪のIRや副首都構想などの都市開発における大規模工事など、多くの工事が控えています。スライドのグラフのとおり、2027年度には名目投資が86兆円に迫る見込みです。

工事量が増加していることから、実質値も伸長しており、建設業界の需要は右肩上がりで増え続けているのが現状です。

建設後50年以上経過する社会資本の割合

安田:道路や橋、トンネルなどのインフラは、今後、建設後50年を超えるものがほとんどを占めるようになっていきます。老朽化したインフラを安全に利用するためには、維持・保守管理や更新工事が急務です。これらの工事は今後20年間で加速度的に増加する見込みであり、長期的な工事需要は底堅いと考えています。これは当社を取り巻く環境の現状です。

建設業の労働者不足と高齢化

安田:一方で、建設業界は深刻な人手不足に直面しています。建設業の就業者数はピーク時から3割減少し、現在は477万人となっています。そのうち、現場で働く職人が約300万人に減少しています。

また、主要な産業の中でも若い働き手が不足しており、現在では従業員2.7人に1人が55歳以上という状況で、高齢化も進行しています。

近い将来、熟練技術者が大量に退職し、若い世代への技術継承が途絶えることが懸念されています。

労働死亡災害の発生状況の推移

安田:建設業界は、以前から「3K業界」と言われてきました。改善は進んでいるものの、依然として危険な作業が伴い、全業界で最も多く労働死亡災害が発生していることが、人手不足の大きな要因となっています。

建設業と全産業の労働生産性の推移

安田:「人手が足りないと本当に仕事が進まないのか?」という点についてですが、DXや省人化、省力化などによって業務効率化が進んでいる業界であれば、人手不足でも仕事を進めることは可能です。

スライドのグラフは、かけた労働力に対してどれだけ成果を生み出したかという、いわゆる労働生産性を表すものです。ご覧のとおり、建設業は全産業と比べて生産性が低い業界となっています。

いったいこれはなぜなのでしょうか? それは、建設業が昔から労働集約型で、人に依存してきた特殊な業界だからです。

建設業では、昔から職人の手作業に頼っていたことや、デジタル技術を活用したDXが進みにくいこと、さらに業界特有の多重な下請け構造の影響で、多くの会社がプレイヤーとして関わっていることが原因です。また、多くの煩雑な業務が存在することもあり、なかなか効率化が進まないという背景があります。

工事需要は長期的に高まっている しかし、リソースが維持できなくなっている 結果、工事ができず、社会インフラを維持できなくなる

安田:これまでのご説明でおわかりいただけるかと思いますが、工事需要は底堅く、長期的に見込まれています。しかしながら、工事を行う人材などのリソースは減少しており、工事を担う事業者がリソースを維持できなくなっているのが現状です。

増井:ここで1つ質問します。さまざまな課題を抱える業界かと思いますが、労働死亡災害において建設業が約3割を占めているという実態は、高齢化や人手不足が大きな要因なのでしょうか? それとも、労働環境や処遇といった他の要因も関係しているのでしょうか? その点については、どのようにお考えでしょうか?

安田:高齢化も大きな要因の1つだと思います。建設現場ではかなり改善が進み、労働災害自体は減少してきています。しかしながら、全産業の中で建設業が占める割合が依然として高いことは変わっていません。

これは、工事の進行過程で人の手に頼る作業が依然として多いことが背景にあります。DXや機械化、ロボット化といった技術が、建設やものづくりの分野ではなかなか浸透しづらいという点が、この状況に影響を及ぼしていると思います。そのため、人が手作業を行うことで発生する災害を完全に防ぐことは難しいという現状があります。

増井:例えば御社の事業に関連して考えると、足場からの転落といった事故は依然として多いのでしょうか?

安田:転落そのものは、次世代足場と呼ばれる形状で、かなり安全性に配慮した足場が、当社以外の企業でも多く提供されており、その結果、重大な死亡災害が頻発しているわけではありません。

ただし、足場の隙間から物を落としてしまうなどの落下事故は依然として多いです。そのため、当社ではシステム足場において、特に安全性に配慮した商品開発を進めているところです。

やはり割合的に見ると、工事現場の事故全体の中でも足場で怪我をする事故は、どちらかと言うと多いのではないかと感じています。

増井:「建設業は人手に頼る作業が依然として多いビジネスである」ということについてですが、労働集約的な業界である一方で、DX化や省力化の余地については、どのようにお考えでしょうか?

安田:これについては、大いに可能性があると考えています。私どもも現在、DX化に関して取り組みを進めており、後ほどあらためてご説明します。

例えば受発注についてですが、現在はまだ電話とFAXで受注を受け付けている割合が半分以上を占めています。現場は常に状況が変化するため、現場の職長が1日の工事工程を終えてから次の日の工事準備に入るかたちになります。

そのため、現場の進捗に合わせて翌日に必要なものや調達するものを各業者に発注することが多いです。このような事情から、前もって発注をしたり、なんらかのシステムを通じてやり取りしたりすることが、現場の環境では難しいという現実があります。

増井:そのような部分で、徐々に予測の精度が向上していくと考えられているということですか?

安田:そのとおりです。工程管理において、当社の仕組みである「OPERA」を活用し、Webで受発注が可能な仕組みを提供しています。この取り組みを現在推進しており、全受注のうち約3割がWebで発注いただけるようになりました。進展はしていますが、まだ改善の余地があると考えています。

先ほど触れた課題のように人手を維持できないと、その結果、工事ができなくなったり社会インフラを維持できなくなったりして、業界全体として社会の持続性を確保できなくなる可能性があります。

このような状況では建設業界の大義を果たすことができません。そのため、改善が必要です。もし建設業界が現状のままであれば、需要が増加している建物の建設やインフラの維持管理工事が進まず、相次いで発生している異常気象や災害による被害の拡大リスクが高まることが懸念されます。

建設業界の社会問題は、この業界だけの問題ではなく、みなさまの命と暮らしを支える社会インフラ全体に甚大な影響を及ぼしており、差し迫った未曾有の危機に直面しています。

それを少しでも解決するための取り組みが、これからご説明する「タカミヤプラットフォーム」です。

プラットフォームが実現する価値

安田:「タカミヤプラットフォーム」は、建設業界の社会問題を解決するために、当社がこれまで培ってきた開発や製造、販売、レンタル、設計、施工、管理、物流といった全リソース、および事業基盤やノウハウを建設業界全体へ供給します。それによって業界の規格を統一・標準化し、生産性を高めていこうという構想です。

それが実現すれば、当社もお客さまも収益構造が変わります。建設業界のすべてのプレイヤーが共存できる世界を実現することで、建設業界の社会問題が解決できると確信しています。

業界の課題に対して、これまで当社が培ってきた事業基盤を共有インフラとして開放することで課題を解消し、持続可能な社会インフラの構築を支えます。これが「タカミヤプラットフォーム」です。

Takamiya Platform ∞ DX

安田:「タカミヤプラットフォーム」には、デジタルポータル「OPERA」を軸として、さまざまなソリューションをラインアップしています。それぞれが顧客課題の解消を実現しています。

タカミヤプラットフォーム OPERA(オペラ)

安田:「タカミヤプラットフォーム」のソリューションをご紹介する前に、その中核を担う「OPERA」についてご説明します。

「OPERA」は、「タカミヤプラットフォーム」の基盤となるWebポータルです。当初はレンタルサービスのWebオーダーとしてスタートしましたが、現在はこれから紹介するすべてのソリューションの入口となるポータルサイトです。

また、今年の春から「OPERA Cloud」というサービスを開始し、中小規模のレンタル会社に対し、サブスク形式でWeb受注システムを開放しています。このサービスにより、お客さまは24時間どこからでも注文が可能となり、導入企業では受注業務を削減でき、企業のDX化を支援します。ソリューション提供の中核を担う存在が「OPERA」です。

タカミヤプラットフォーム OPE-MANE(オペマネ)

安田:代表的なサービス「OPE-MANE」を紹介します。当社は足場メーカーであるとともにレンタル会社でもあります。「OPE-MANE」は、その両方のリソースを活かした、「タカミヤプラットフォーム」の中核となる当社独自の仮設足場の運用マネジメントサービスです。当社からご購入いただいた足場を当社で預かり、ユーザーさまに代わって保管や管理、メンテナンスを行います。

ユーザーさまはこのサービスにより、工事現場に近い当社の拠点から足場を持ち出し、ご利用いただけます。また、足場という資産を所有しながらも、所有コストがかからず、当社が管理し、常にメンテナンスを行っている安全な足場を使用して工事を進めることが可能です。

当社にとってのメリットについてです。従来のレンタルビジネスでは賃貸用の足場を大量に保有する必要がありました。しかし、「OPE-MANE」のユーザーさまからお預かりしている足場は当社も共有資産として活用できます。そのため、ユーザーさまからお預かりする足場の量が増えれば増えるほど、当社も「物を持たない経営」へのシフトを実現することができます。

通常であればユーザーさまは足場を使用するために、大きな経営リソースを割く必要があり、それに伴って相当な資金が必要となる点が課題でした。

足場を保有する企業では、初期の購入費用に加え、その後のメンテナンス費用や足場の保管・管理のための土地代や人件費など、所有するためのコストが必要です。また、足場を保有せずレンタルで調達する企業の場合、足場を使い続ける限り永遠にレンタル費用の支払いが発生し、さらに今後の値上げにも応じざるを得ません。その結果、最終的には手元に資産となるものがなにも残らないという状況になります。

「タカミヤプラットフォーム」の「OPE-MANE」では、ユーザーさまは足場を自社の資産として保有しながら、メンテナンスや保管・管理にかかる業務をタカミヤに任せることができます。そのため、費用はわずかな月額手数料と不足分の足場のレンタル費だけで済み、コストを抑えて足場を維持することが可能な仕組みになっています。

タカミヤプラットフォーム OPE-MANE(オペマネ)

安田:「OPE-MANE」では、ユーザーさまは当社が全国に保有する800億円相当のレンタル用足場を、現場に近い当社の拠点から直接持ち出して利用できます。そのため、日本全国どこの現場で工事を受注しても、足場をトラックで運ぶ必要がなく、ユーザーさまの利益や事業拡大に寄与します。

タカミヤプラットフォーム Platform Partner(プラットフォームパートナー)

安田:先日、「Platform Partner」という新たな仕組みをプレスリリースしました。これは、パートナー企業が持つ機材保管拠点や地域ネットワークと、タカミヤの品質管理や機材供給、DXの仕組みを相互に共有するビジネスモデルです。パートナー企業の機材保管拠点を「OPE-MANE」の入出庫拠点として登録し、全国の「OPE-MANE」ユーザーが利用できるようになります。

タカミヤプラットフォーム Iq-Bid(アイキュービッド)

安田:こちらのスライドは「Iq-Bid」という仕組みについてご説明しています。「Iq-Bid」は、「OPE-MANE」ユーザー専用のデジタルマーケットで、所有している足場の使用状況に応じて使っていない足場を、フリマアプリのようにユーザー同士で売買することが可能です。

「OPE-MANE」を利用するユーザーさまの保有足場は、当社でお預かりし管理しているため、経年劣化という概念がなく、価値が下がりにくい特徴があります。そのため、「Iq-Bid」の利用により、購入時よりも高い金額で売却されたユーザーさまの事例もあります。

タカミヤプラットフォーム OPE-MANE収益フロー

安田:これまでご説明したように、「OPE-MANE」は顧客に多大なメリットをもたらします。これは当社にとっても同様で、お客さまが当社のインフラを利用することで、サービスの継続利用が可能になります。「OPE-MANE」では継続的なレンタルと購入が発生し、各種手数料収入をもたらすことで、当社の収益のストック化が進んでいます。

タカミヤプラットフォーム OPE-MANE収益フロー

安田:アカウント数および販売契約高の増加は、当社の製品およびサービスの利用が増加していることを示す指標となります。

利用規模の拡大や複数の工事現場への展開が進むことで、当社の継続収益であるリカーリング収益が増加しています。

タカミヤプラットフォームの実績

安田:こちらのスライドは、前期末時点での「OPE-MANE」のアカウント社数と管理受託機材高を示しています。年々増加しており、現在ではアカウント社数が156社、管理受託機材高が約75億円まで増加しました。この積み上がりが、プラットフォーム事業の収益増加の源泉となっています。

タカミヤプラットフォームの実績

安田:こちらのスライドは、プラットフォーム事業における収益推移を示しています。プラットフォーム事業をセグメント開示して以降、売上は右肩上がりに推移しています。前々期と比較すると、プラットフォーム事業売上高は約2.4倍、事業利益は約2.8倍となりました。

タカミヤプラットフォームの実績

安田:事業ポートフォリオの転換が着実に進んでいます。プラットフォーム事業の構成比が増加したことで、売上高や利益だけでなく、当社全体の利益率も向上しています。

タカミヤプラットフォームの推進を軸に目指す指標

安田:現在、当社は中期経営計画の実現を推進しています。今年度は最終年度にあたり、各指標の達成を目指しています。

売上や営業利益の拡大はもちろんですが、プラットフォーム事業の売上高の増加は事業の成長性を可視化する重要な指標です。この点に注力し、取り組んでいきます。

増井:プラットフォーム事業を大きく拡大していく方針とのことですが、将来的に事業ポートフォリオはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

安田:先ほどグラフでもご覧いただいたとおり、アカウント数の増加によりプラットフォーム事業の売上もリカーリング収益が伴って伸びていくと考えています。

当初の中期経営計画では、現在が最終年度となりますが、資料のとおり約87億円を目指しています。これから先、中長期的にはプラットフォーム事業の割合を早い段階で50パーセント以上、6割から7割にまで引き上げていきたいと考えています。

増井:その他のセグメントに関しては、現状維持といったお考えでしょうか?

安田:そのとおりです。ただし現在、プラットフォームのインフラ整備やシステムへの投資が進んでおり、既存のレンタルや販売事業でしっかりと収益を上げられています。その収益や利益、資本を、今後はよりプラットフォーム事業に厚く配分し、事業の転換を図っていくことが当社のプラットフォーム戦略です。

増井:プラットフォーム事業を拡大するにあたっては、例えば営業の仕方など、どのような施策を検討されていますか?

安田:営業については、従来のレンタルビジネスとは異なり、足場の運用サービスの提供を行っています。そのため、ユーザーさまが足場を当社のプラットフォームに預け、運用効率や利益率をどのように上げていけるかというデータをフィードバックしています。

また、「収益構造がこのようになりますよ」というコンサルティング的な営業に切り替え、ビジネスを推進しています。当社は足場ビジネスのコンサルティング営業を進めており、これが少しずつ広がっています。

増井:営業の担当者にもかなり高いスキルが求められるのですね。

安田:そのとおりです。そのため社内では勉強会やレクチャーを行いながら取り組みを進めています。

増井:かなり利益率が高いことがうかがえるので、御社全体の利益率も上がっていくように感じます。

安田:前期末では、プラットフォーム事業の利益率が24パーセントでした。構成比率も徐々に上がってきていますので、必然的にプラットフォーム事業の売上構成比率が上がることで、会社全体の利益率も向上していきます。

私たちは現在、プラットフォーム事業の拡大に全力を尽くしています。

タカミヤプラットフォームの推進を軸に目指す指標

安田:こちらのスライドは、中期経営計画の主なKPIです。プラットフォーム事業の成長なくしては、これを達成することはできません。本日ご説明した取り組みを全社で推進することで、プラットフォーム事業を確立し、中期経営計画の達成を目指していきます。

TAKAMIYA FAIR 2026 未来を、共に。ここから。

安田:今年の秋には、「タカミヤプラットフォーム」をさらに加速させるため、当社の研究開発拠点であるTakamiya Lab. Westでイベントを企画しています。このイベントでは、業界の垣根を越えて多くの企業に出展いただき、建設業界の未来を共創する取り組みを発信していきます。

多くの企業を巻き込み、「タカミヤプラットフォーム」の完成を目指していきます。

株価推移

安田:株主情報および株主還元についてご説明します。株価は7月末時点で421円です。近年、IR活動の効果により流動性が高まっています。

株主還元

安田:こちらのスライドは株主還元に関するものです。当社は累進配当を採用し、配当性向は35パーセント以上を維持する方針です。

これまでも配当を下げることなく、安定した配当を実施してきました。今後も業績に応じて還元を高める方針で進めていきます。前期である2026年3月期の配当は、中間が6円、期末が10円の計16円でした。進行期である2027年3月期も、同様に16円の配当を計画しています。

私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:競合他社との差別化や優位性について

分林里佳氏(以下、分林):「競合他社との違いについて教えてください。例えば優位性やすみ分け、『そもそも収益モデルはこういうところに違いがあります』というのがあれば知りたいです」というご質問です。

安田:競合他社はさまざま存在しますが、仮設にまつわる製造や販売、レンタル、さらには新たなプラットフォームまでをワンストップで提供しているのは当社だけです。例えばレンタルのみを手掛けている企業や、メーカーであれば販売のみに特化している企業が多い中で、当社がワンストップでこれらを提供できることは大きな強みだと思っています。

また、当社はメーカー機能を有しているため、自社で製品開発が可能です。今後、新たに推進しているプラットフォームにおいて、開発した新商品や製品を「OPE-MANE」ユーザー限定で利用できる仕組みを検討しており、さらに多くの企業にプラットフォームに参加いただけるよう、しっかりと企業を獲得していきたいと考えています。

質疑応答:プラットフォーム事業への転換による利益率と継続利用率の改善見込みについて

分林:「プラットフォーム事業『OPE-MANE』への転換が掲げられていますが、これによって中長期的に利益率や顧客の継続利用率をどのように改善していく見込みですか?」というご質問です。

安田:プラットフォーム事業の利益率は、リカーリング収益が積み重なっていく構造になっています。そのため、前期末時点で24パーセントとなっており、他のレンタルや販売セグメントと比較して実績として高い利益率を達成しています。

プラットフォーム事業の売上構成比が、私たちの活動によって拡大することで、会社全体の利益率も上昇する見込みです。そのため、現在はそちらに注力しています。

また、プラットフォームユーザーのお客さまに関しては、1社あたりの取引高が、追加のレンタルや販売を通じて高まっています。現状では、ほとんどがリカーリングのオーダーであることから、お客さまに末永くお付き合いいただけるとともに、リテンション率も向上していくと考えています。

質疑応答:新築工事と補修工事の割合と今後の見通しについて

分林:「インフラ老朽化に伴う補修需要は追い風だと思いますが、今後の売上構成において、新設での工事と補修工事の需要の比率はどう変化していくと予測されていますか?」というご質問です。

安田:昨今では、補修工事はインフラの再整備という観点で、今後大きく増加していくと考えています。これについては、公共工事の予算が毎年どの程度割かれるかにも影響されますが、安定的に投資は進んでいくはずです。ただし、この比率が大きく変わるかという点については、それほど大きな変化はないと見ています。

当社では、新築工事が全体の50パーセントから60パーセントを占め、それ以外が補修工事にあたります。傾向としては新築工事が毎年わずかに多くなるかたちです。この比率が大きく逆転したり、どちらかが大幅に減少したりすることは、あまり起こりにくいと考えています。

質疑応答:プライム市場からスタンダード市場への変更後の経営環境について

増井:「市場変更がありましたが、経営上で何か変化があれば教えてください」というご質問です。

安田:残念ながらプライム市場からスタンダード市場に移行しましたが、その後、当社の経営環境にネガティブな影響があったかというと、まったくありません。株価はまだ当社として努力が必要な水準ですが、流動性は徐々に高まっています。投資家のみなさまからの評価に基づいて何か大きな変化があったかという点についても、特に目立った変化はないと考えています。

これまでどおり、中期経営計画の推進や企業価値向上に努めています。経営環境に大きな変化があったかどうかについては、特に大きな変化はないというのが私のお答えです。

質疑応答:海外展開の計画について

増井:「海外展開の計画はありますか?」というご質問です。

安田:海外事業についてですが、当社は韓国とベトナムに製造工場を構えています。また、フィリピンと韓国では仮設機材の販売およびレンタル事業を展開しています。

ただ、現在の海外市場にはさまざまな事情があり、海外事業の収益状況はあまり良くありません。そのため、海外で大規模なビジネス投資を行い、大きく伸ばしていく方向性ではなく、当面は国内における潤沢な投資環境を活用し、国内でのプラットフォームを着実に確立させていく方針です。

増井:現在の海外市場は環境もあまり良くないというところですね。

安田:おっしゃるとおりです。為替の問題やさまざまな地政学リスクを考慮すると、現在は国内に特化して軸足を置くべきだと考えています。

質疑応答:建設業界での最も深刻な課題とタカミヤの事業による貢献について

増井:先ほどから建設業界のさまざまな課題についてお話しいただいていますが、最も深刻な課題は何だとお考えでしょうか? また、それに対して御社の事業がどのように貢献していくのでしょうか? その点をもう一度お願いします。

安田:やはり一番の課題は人手不足と高齢化の進行です。DXやIoTはどの業界でも進んでいますが、建設業界は少し後れを取っています。人がいなければ、どの業界でも事業を推進することが難しいのは共通の課題だと思います。

当社が最も危惧しているのは、高齢化と人手不足がボトルネックになる点です。そのため、当社のプラットフォームを通じてこのような課題を解決できるDXや、お互いが効率良く業務を推進できる仕組みをサービスとして開発していきます。「OPERA」というプラットフォームを通じ、みなさまにご利用いただけるサービスを今後どんどん実装していきたいと考えています。

増井:やはり人手がないとどうにもならないところがあるかと思いますが、それ以外の部分はなるべく御社のサービスで課題を解決していきたいということですね。

安田:できるだけDXの推進を当社が発信し、浸透させていきたいと考えています。

安田氏からのご挨拶

安田:私たちは、長年にわたり足場のレンタルを主要な事業として行ってきました。仮設業界や建設業界の課題解決のため、これまでの事業基盤を改良し、「タカミヤプラットフォーム」にさまざまなサービスを付加しました。これにより、付加価値の高いサービスを提供し、さまざまな課題を1つでも多く解決したいという思いで事業を推進しています。

このような会社が1つでもあることを、今日ご視聴のみなさまの記憶に留めていただければ幸いです。今後とも当社のプラットフォームの成長と拡大にご期待いただきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

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