■成長戦略
1. 成長戦略
Jトラストの今後の成長戦略として、日本金融事業を安定的な成長ドライバーと位置付けグループ全体の成長をけん引する方針である。日本金融事業(信用保証事業、証券事業)では不動産事業と同様に富裕層を主要な顧客層としていることから、グループ企業及び提携先金融機関とのクロスセルを通じて、富裕層向けビジネスをさらに拡大し、利益成長を図る。また、韓国金融事業と不動産事業においても安定的な利益を計上する見通しである。一方、東南アジア金融事業においては、カンボジアは堅調に推移しているものの、インドネシアでは銀行の立て直しが大きな課題となっており、当面は新たな不良債権の発生抑制に注力する。こうした各事業の課題解決と並行し、掲げた成長戦略を完遂することで、グループ全体での増益基調の維持を目指す。
ただ、同社グループでは、比較的資本効率が高く安定的な収益基盤を有する国内事業セグメント群と、一定規模のバランスシート及び自己資本を活用しながら中長期的な成長を目指す海外事業セグメント群、すなわち収益構造、資本効率、リスク特性及び成長投資の時間軸が異なる事業群が同一の企業集団内に混在している。そこで、国内事業セグメント群と海外事業セグメント群を分割して別個の企業集団とすることが、それぞれのセグメント群に対する適切な評価につながり、株主の利益にも資すると考えて、海外事業セグメント群(韓国金融事業、東南アジア金融事業)及び投資事業セグメントの子会社のスピンオフ(会社の一部門を切り離して独立させること)の検討を開始した。ただ、現時点でスピンオフの対象とする子会社、スピンオフの手法などについて具体的に決定している事項はない。資本効率やリスク特性の異なる海外子会社の切り離しにより、同社グループの企業価値向上が期待されることから、今後の取り組みの進展が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)