■ 今後の見通し
NSグループの2026年12月期業績は、営業収益が前期比10.9%増の33,069百万円、営業利益が同20.5%増の11,898百万円、EBITDAは同17.7%増の13,779百万円、税引前利益が同21.5%増の11,379百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同24.9%増の7,900百万円の見通しである。中間期決算発表時点で通期予想に変更はない。
営業収益は、家賃債務保証における新規契約の増加と家賃水準の上昇により、引き続き拡大する見込みである。新規保証料(期間按分前)は前期比10.8%増の16,703百万円を計画しており、その内訳を見ると、件数成長率は同5.1%増、単価成長率は同5.7%増を見込む。住居用保証では、世帯数の増加や都市部の賃貸需要の底堅さを背景に同社の強みを活かして安定的な成長が続く見通しである。事業用保証では、店舗やオフィス向けの賃料保証需要が拡大しており、同社が成長分野と位置付ける事業用保証の伸びが収益拡大をけん引すると見られる一方で、競争環境の激化が著しく、営業戦略の差別化が求められる。新規保証料の内訳は、住居用保証が同6.7%増の10,686百万円、事業用保証が同18.7%増の5,298百万円、その他が同20.1%増の718百万円である。また、これまで積み上げてきた契約の更新に伴い、更新保証料も安定的な拡大が続く見通しである。
コスト面では、回収体制の強化と審査精度の向上により、引き続き貸倒関連費用の抑制を図る。同社は滞納債権を段階別に管理する体制を整備しており、高い回収率を維持することでリスクコストを安定させてきた。2026年12月期もこの体制を維持し、貸倒関連費用を適切に管理する方針である。併せて、社内の生産性向上に向けたIT投資を進め、AI技術の活用範囲を審査以外の業務にも広げることで業務効率の改善を図る。これにより業務品質の向上とコスト効率の改善の両立を目指す。
利益面では、収益の拡大に加え、貸倒関連費用の抑制や一時費用の減少が寄与し、営業利益は前期比20.5%増と高い成長を見込む。なお、2025年12月期には東証プライム市場への上場に伴う関連費用など1,449百万円の一時費用が発生しており、2026年12月期はこれらの費用が剥落することも利益押し上げ要因となる。中間期の営業利益は通期計画に対して51.2%まで進捗し、中間期計画も上回った。新規保証料は中間期計画に対して95.7%の進捗となったものの、通期計画に対する進捗率は50%を超えており、下期も中間期並みの水準を維持すれば計画達成が見込まれる。ストック収益の拡大と貸倒関連費用の適切な管理も続いていることから、通期計画の達成確度は高く、一定の上振れ余地もあると弊社では考えている。
また、同社は7月に九州で家賃債務保証事業を展開するアルファーを完全子会社化した。2026年12月期業績への影響は軽微と見込まれるが、約5,500社の取扱店網の獲得や業務効率化により、中長期的な収益基盤の強化が期待される。株式上場後初となる通期業績は、計画達成に向けて順調に進捗していると評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)