■要約
システムサポートホールディングスは、業界トップクラスの技術力を強みに各種クラウド基盤やERP、データベース等の導入・利用支援を中心に成長を続ける独立系IT企業である。データセンターサービスやSaaSで提供する自社プロダクトなどストック型ビジネスも順調に拡大し、ここ数年は2ケタ増収増益が続いている。
1. 2026年6月期の業績概要
2026年6月期の連結業績は、売上高が前期比15.4%増の31,091百万円、営業利益が同33.7%増の2,966百万円と過去最高業績を連続更新した。AI活用を前提としたIT投資の拡大が続くなか、マルチクラウドに対応できる強みを生かして、主力のクラウドインテグレーション事業の高成長が続いた。特に、ServiceNow※関連の売上高は同25.5%増となり、収益のけん引役となった。また、システムインテグレーション事業ではM&A効果と高収益案件の拡大、プロダクト事業では契約数の増加に伴うストック型収益の積み上げにより、それぞれ2ケタ増収増益となった。
※ 米国ServiceNow
2. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の連結業績は、売上高で前期比11.7%増の34,722百万円、営業利益で同15.0%増の3,412百万円を見込んでいる。AI活用を前提としたIT投資に対するニーズは依然旺盛で、クラウドインテグレーション事業を中心に2ケタ成長が続く見通しだ。AI関連ビジネスとして、新たに米国Databricks Inc.とパートナー契約を締結し、データ・AI統合プラットフォーム「Databricks」と同社のマルチクラウド環境の構築力やデータベース領域の知見を融合し、顧客企業のAI活用を支援していく。また、社内向けにAI開発支援プラットフォーム「Smart DevFlow(スマートデブフロー)」を開発し、システム開発など実案件での運用を順次開始しており、開発の生産性向上を図っていく。同社の試算によれば、同プラットフォームの活用により、開発工数で少なくとも約30%の削減効果を見込んでいる。そのほか、公共SaaS「空き家データベースシステム」を開発し、2026年10月より自治体向けにサービス提供を開始する予定だ。空き家問題は多くの自治体で課題となっており、中期的に収益貢献するものとして注目される。
3. 中期経営計画
新たに発表された「中期経営計画2029(2027年6月期~2029年6月期)」では、AIの普及を前提としたIT需要の拡大を成長機会として捉え、売上成長だけでなく生産性向上にも注力することで、収益性を高めながら利益成長を目指す方針を打ち出した。最終年度の業績目標は、売上高43,618百万円(年平均成長率11.9%)、営業利益4,513百万円(同15.0%)を掲げ、事業セグメント別の年平均成長率はクラウドインテグレーション事業で18.5%増収、19.5%増益、プロダクト事業で18.0%増収、21.8%増益と、両事業が収益ドライバーとなる。また、M&Aについても両事業で引き続き検討していくが、業績計画には織り込んでいない。弊社では、AIの普及拡大は同社にとって収益拡大の好機になると見ており、業績目標を達成する可能性は高いと見ている。
4. 株主還元策
株主還元については累進配当を基本に業績や利益水準に応じた配当を実施する方針で、2027年6月期より新たに、連結配当性向40%以上を目安として設定した。2026年6月期の1株当たり配当金は前期比実質7.0円増配※の32.0円を予定し、2027年6月期は同10.0円増配の42.0円と8期連続の増配を予定している。
※ 2026年1月に1:2の株式分割を実施。
■Key Points
・2026年6月期はクラウドインテグレーション事業がけん引し、過去最高業績を連続更新
・AI利活用ニーズを取り込み、2027年6月期も2ケタ増収増益が続く見通し
・AI活用で生産性向上を図り、収益性を高めながら年率2ケタ成長を目指す
・連結配当性向40%以上を目安に累進配当を行う方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)