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システムサポート Research Memo(8):AI活用で生産性向上を図り、収益性を高めながら年率2ケタ成長を目指す

■今後の見通し

2. 中期経営計画
(1) 中期経営計画の概要
システムサポートホールディングスは2029年6月期までの3ヶ年の中期経営計画を新たに発表した。これまで「成長と更なるイノベーションの創出」をテーマとして掲げ、クラウドインテグレーション事業を中心とするビジネス拡大や、収益及び人材基盤の強化に取り組むことで成長を続けてきた。今回の中期経営計画では、AI技術の進化及び普及により、同社グループを取り巻く事業環境が大きく変化している点を踏まえ、こうした変化を成長機会として捉え「顧客・社会の成長・変革を支え、持続的に価値を創出する」ことを目指す姿として掲げ、売上成長と収益性向上の両立を実現していく方針とした。

目指す姿を支える3つの柱として、以下の点に注力していく。
a) 提供価値の進化:AI・データ・業務変革領域まで提供価値を広げ、顧客の成長・変革を最前線で支援
b) 競争優位の強化:顧客知見とAI×データ×クラウドを横断する実装力を強化
c) 価値創出力の向上:人材基盤強化と1人当たり利益の向上により持続的な利益成長を実現

2029年6月期の業績目標は、売上高で43,618百万円、営業利益で4,513百万円とした。CAGR(年平均成長率)は売上高で11.9%、営業利益で15.0%となり、直近3年間のCAGR(売上高17.3%、営業利益26.8%)と比較すると伸び率は鈍化するものの、引き続き2ケタ増収増益を目指す方針となっている。また、営業利益率も2026年6月期の9.5%から2029年6月期は10.3%に上昇し、1人当たり営業利益についても同様に1.49百万円から1.83百万円へと増加する計画となっている。AIを積極活用することで人員の増加ペースを年率10%台から5~6%程度に抑え、1人当たりの生産性を高めることで利益率の向上につなげていく意向だ。

売上の成長ドライバーはクラウドインテグレーション事業となり、クラウドを起点にAI・データ活用、業務システム刷新へ提案領域を拡大していくことで、顧客数及び顧客当たり取引額を拡大していく。また、クラウドのリセールやデータセンターサービス、自社プロダクト等のストック型収益についても積み上げを図っていく方針だ。

収益性向上のドライバーとしては、AI・データ・クラウド等の高付加価値分野への人材配置に注力し、旺盛な需要を取り込んでいくことに加えて、プロジェクトの上流工程(構想策定・設計等)から関与することで提供価値の高度化を推進していくこと、さらにはAI開発支援プラットフォームの活用により開発の生産性向上を図っていくことなどが挙げられる。

AIの普及によってITエンジニアの業務の一部が代替可能となるため、IT企業の先行きについてマイナスの影響を受けるといった見方をする向きもあるが、実際には企業がAIを導入する場合に様々な課題を抱えており、こうした課題を解決するための支援が必要となっている。例えば、AIに対応したデータ基盤の未整備や、情報セキュリティ・ガバナンス対策、部門ごとに分断されているシステムの統合、IT・DX人材の不足などが挙げられる。同社グループではこれまで蓄積してきた顧客知見※やクラウド構築の技術力、先進技術・サービスの展開力、及び提案から導入、運用・定着・業務変革まで一気通貫で伴走支援する対応力を強みに、こうしたAI導入支援ニーズを取り込みながら高成長を続けていくものと予想される。

※ (株)システムサポートのエンドユーザー直接売上比率は74.8%(2026年6月期)で、顧客業務やITシステムに対して深い知見がある。

成長投資(人材投資(採用関連費用・研修費)、研究開発費、M&A関連費用)は3年間で23~27億円程度を計画しており(直近3期の累計は18.6億円)、引き続き積極的な投資による成長サイクルを創出していく考えだ。M&Aの効果については業績目標に織り込んでいないが積極的に検討していく方針であり、主な対象としては、クラウドインテグレーション事業で扱っている、コンサルティング領域を手掛けている企業や自社プロダクト(SaaS製品)を持っている企業などを想定している。

(2) 事業セグメント別成長戦略

a) クラウドインテグレーション事業
2029年6月期に売上高19,509百万円、営業利益2,718百万円を目指す(CAGRは売上高で18.5%、営業利益で19.5%)。AI・データ領域の拡大、提供価値の高度化、並びにリセールによるストック型収益の積み上げによってグループ全体の成長をけん引していく。

b) システムインテグレーション事業
2029年6月期に売上高18,204百万円、営業利益1,021百万円を目指す(CAGRは売上高で6.3%、営業利益で5.4%)。顧客基盤と顧客知見を持つ強みを生かして、AI時代のITシステム変革需要を取り込んでいく。AI技術の進展によってシステム開発工程の一部がAIに代替され、価格競争が激化することも十分に想定されるが、同社においても既にAI開発支援プラットフォームの運用を開始し、開発工数の削減に着手している。今後は、AIの活用によっていかにコスト競争力を強化できるかが、成長のカギを握るものと見られる。

c) アウトソーシング事業
2029年6月期に売上高3,220百万円、営業利益389百万円を目指す(CAGRは売上高で9.6%、営業利益で2.7%)。売上高はデータセンターサービスやERP保守サービスなど継続利用型サービスを強化することで、年率10%成長を目指す。営業利益の成長率が低くなっているが、データ入力サービスの需要は縮小するリスクもあり、やや保守的な計画になっていると見られる。

d) プロダクト事業
2029年6月期に売上高1,955百万円、営業利益369百万円を目指す(CAGRは売上高で18.0%、営業利益で21.8%)。月額課金型プロダクトの拡販や、既存顧客内での利用拡大を進めていくことで、年率2ケタ台の増収増益を目指す。

e) 海外事業
2029年6月期に売上高728百万円、営業利益14百万円を目指す(CAGRは売上高で9.4%)。北米での最先端IT情報をリサーチし、グループ全体のサービスラインナップ拡充に取り組むほか、北米に進出する日系企業向けにITインフラ構築や人材採用、マーケティング等の支援サービスを提供していくことで売上規模を拡大し、単年度の営業黒字化を目標とする。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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