■事業概要
1. ビジネスモデル
アクシスコンサルティングは、企業に対し「採用」という手段だけではなく「課題解決」という価値を、人材に対しては「転職」という選択肢だけではなく「最適なキャリア」という価値を提供している。近年の経営アジェンダは、従来のIT化やコスト削減といった業務効率中心の経営課題から、複数領域にまたがる高度で複雑なものへと変化している。一方、経営アジェンダを解決することができる戦略実現人材が、労働人口減少や産業構造の急激な変化を背景に質・量ともに不足している。企業には人材の価値を最大化するための仕組みが求められているが、こうした経営アジェンダに対峙できる優秀な人材を、組織を横断して最適配置・活用することは年々難易度が高くなっている。同社は、そうした企業の経営アジェンダを解決に導き成長を支援するため、約11万人の豊富なスキルデータベースから戦略実現人材を選定し、人材紹介とスキルシェアの両面から効果的に人材を配置するソリューションを提供している。一方、人材に対しては、人材一人ひとりの志向やライフステージに合わせた多様なキャリアの機会を提供している。
人材紹介とスキルシェアを展開
2. サービス内容
同社のサービスは、正社員の採用を支援する人材紹介「AXIS Agent」とスキルシェアに大別される。スキルシェアは、独立してフリーランスとなったコンサルタント(フリーコンサルタント)など外部人材を活用して手軽に企業の課題解決を図るサービスで、プロジェクトなどにより経営課題や事業課題を解決するフリーコンサル「AXIS Solutions」と、経営相談や資料作成など様々な面で経験や知見を生かせるスポットコンサル「AXIS Advisors」がある。いずれも求職者(人材側)と求人企業(企業側)をつなげるサービスである。なお、2026年2月にSSPを子会社化し、新たにシステム開発・運用など実行・実装領域までサービス提供範囲を拡大したが、現在はPMI(M&A後の統合効果を最大化するための統合プロセス)を進めているところである。
(1) 人材紹介
人材紹介「AXIS Agent」は転職を目的とするサービスで、コンサルティングファーム向けと事業会社向けに分かれる。サービスの内容は、ともにキャリアアドバイザーが橋渡しをし、祖業であるコンサルティングファーム向けでは、大手コンサルティングファームを中心に人材を紹介している。マネージャー以上のハイエンド人材の転職紹介に強みがあり、支援した転職者からフリーコンサルなどの発注を受けることが多いのも特徴である。事業会社向けは、経営人材などの紹介が中心となっている。現在、コンサルタントの約半数が事業会社への転職を指向しているうえ、経営アジェンダの高度化・複雑化とともに事業会社側もハイエンド人材へのニーズを強めているため、事業会社に対する同社の認知度向上が成長のカギになっていると考えられる。
収益構造は、求職するハイエンド人材が直接または外部求人サイトから「AXIS Agent」に登録し、同社が戦略実現人材としてコンサルティングファームや事業会社に紹介することで、転職先から紹介手数料(売上高)を受け取り、外部求人サイトに利用料(売上原価)を支払うという流れになっている。このため、売上総利益率は約9割と高率である。
(2) スキルシェア
フリーコンサル「AXIS Solutions」は、コンサルタントとして独立することを目的としたハイエンド人材に対するサービスである。同社アドバイザーが橋渡し役となって、コンサルティングファーム向けに戦略やDX分野での実績が豊富なフリーランスを紹介、事業会社向けには戦略展開やDX課題の解決に最適なハイエンドのフリーランスを紹介し、プロジェクトの遂行を支援している。スポットコンサル「AXIS Advisors」は、ハイエンド人材の副業紹介を目的とするサービスである。主に事業会社向けで、1回30分からコンサルの依頼が可能なため、スタートアップを含めて様々な企業が手軽に利用している。また、同社アドバイザーが関与しないWebによる自動マッチングの仕組みにより、多数のコンサル人材が登録しており、「AXIS Agent」や「AXIS Solutions」への入口にもなっている。
収益構造は、同社が受注したプロジェクトに、フリーランス人材をアサインすることで売上を計上する。フリーランス人材への業務委託料を原価として計上するため、売上総利益率は1割~3割と相対的に低くなっている。しかし、経営アジェンダに応じて多彩な戦略実現人材をアサインできるため、需要が加速度的に拡大しているようだ。また、コンサルティング経験のある同社社員がコンサルタントとしてプロジェクト・マネジメントを行うことで、複数のフリーランス人材の活用や他社との連携を図るなど、プロジェクトチームを柔軟に運用することができる。このため、大規模かつ複雑な案件の受注も可能となっている。
(3) SSP
同社が2026年2月に子会社化したSSP(みなし取得日2026年1月1日)は、サーバーインフラ領域を中心にシステム開発・運用支援事業を展開している。売上規模は5億円強、収益性は高い模様である。現在PMIを推進しているところだが、SSPが有するシステム開発・保守・運用に関する技術力と、同社のハイエンド人材サービスとの連携を進めることで、開発・実装領域まで含めて経営アジェンダの解決を支援するサービス体制を構築する計画である。スキルシェアサービスとの連携による上流領域への関与拡大による単価の向上に加え、同社顧客基盤を活用したSSPの稼働率向上、人材データベース活用による採用力強化、間接部門の合理化や業務プロセスの共通化などのシナジーを期待している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)