■要約
スカラは、「倫理的価値観を持つ」「社会的責任を全うする」「永続的に繁栄する」という企業理念の下、DX事業、人材事業、TCG(トレーディングカードゲーム)事業を主力事業として、M&Aも活用しながら企業価値向上に取り組んでいる。
1. 2026年6月期の業績概要
2026年6月期の連結業績(継続事業※)は、売上収益で前期比4.3%増の8,533百万円、営業利益で同30.5%減の522百万円となった。売上収益は、前期に大型案件の受注等があったことによる一時売上の反動によりDX事業が減収となったものの、TCG事業や人材事業の増収でカバーした。営業利益は、前期に計上した一部事業の売却益がなくなったことでDX事業が減益となったことに加えて、M&A費用の増加が減益要因となった。一過性の損益を除いたNon-GAAPベースの営業利益では同6.0%減の528百万円と1ケタ台の減益にとどまった。
※ 2025年6月期に(株)Retool及び日本ペット少額短期保険(株)の全株式を譲渡したほか、(株)レオコネクト及びSCSV1号投資事業有限責任組合の清算を完了しており、これら非継続事業を除いた継続事業ベースの業績及び前期比増減率で表記している。
2. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の連結業績は、売上収益で前期比18.4%増の10,100百万円、営業利益で同62.6%増の850百万円と2ケタ増収増益を見込んでいる。1年前に発表した中期経営計画(2026年6月期~2028年6月期)の目標値を据え置いた。既存事業の着実な成長に加えて、M&A効果が上乗せ要因となる。2026年7月にカードショップを運営する(株)HATO、同年9月に通信キャリアショップ向けPOSシステム等を手掛ける(株)テラを相次いで子会社化しており、2社合計で17億円強の増収、1億円強の増益要因になると見られるが、このうちHATOの業績については計画に織り込んでいない。HATOの業績は2025年6月期で売上高625百万円、営業利益2百万円だったが、2027年6月期は好調な市場環境を背景に売上高で10億円近くまで伸びる可能性がある。
3. 中期経営計画
中期経営計画では、事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じ主力事業の成長を図りつつ、収益性や効率性を重視しながらさらなる利益成長を目指す方針を掲げ、2028年6月期に売上収益11,800百万円、営業利益1,100百万円を目指す。DX事業、人材事業、TCG事業の主力3事業ともに年率2ケタ成長を目指しており、AI技術の活用による業務効率化や提供サービスの高付加価値化につなげ、収益力を強化する。また、M&Aも既存事業とシナジーが見込まれる案件について引き続き検討する方針だ。
4. 株主還元方針
株主還元方針については、2025年6月期より特殊要因を除いた税引前利益の50%を目安に配当を実施する方針を決定した。同方針に基づき、2026年6月期の1株当たり配当金は前期比0.5円増配となる17.0円とし、2027年6月期も同1.0円増配の18.0円を予定している。
■Key Points
・2026年6月期は増収減益となるも実質的には堅調に推移
・2027年6月期は既存事業の成長にM&A効果が加わり2ケタ増収増益を見込む
・2028年6月期の営業利益目標1,100百万円の達成に向け順調に進捗
・配当は特殊要因を除いた税引前利益の50%を目安に実施する方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)