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Fusic、通期売上高は過去最高を更新 増収率の再加速により上方修正計画を更に上回り着地

目次

納富貞嘉氏(以下、納富):はじめまして、株式会社Fusic代表取締役社長の納富です。ご説明後の質疑応答より副社長の浜崎も登壇し、さまざまなご質問にお答えしたいと考えています。

本日のアジェンダは6つです。1つ目は会社概要、2つ目はビジネスモデル、3つ目は競争力の源泉、4つ目は2026年6月期通期の決算概要、5つ目は進行期である2027年6月期の業績予想、最後に事業計画および成長戦略についてお話しします。

会社概要

納富:まず、会社概要です。初めて当社のことを知る方もいらっしゃるかと思いますので、あらためてご説明します。

スライドに記載しているとおり、社長である私と副社長の浜崎の2人で創業し、現在に至ります。創業は、23年前の2003年、大学院生のときになります。その後、3年半ほど前の2023年に、東京証券取引所グロース市場および福岡証券取引所Q-Boardに上場を果たしました。

事業内容については後ほど詳細をご説明しますが、AI・機械学習/IoTシステム開発、クラウドインフラ、プロダクト事業を展開しています。

本社は福岡市中央区天神に位置しており、本日の配信も福岡から行っています。また、東京支社については、今年1月に品川駅から直結のビルに移転し、約10名の社員が勤務しています。現在、福岡本社と東京支社の2拠点体制で事業を展開しています。

マネジメント・プロフィール

納富:マネジメント・プロフィールについてご説明します。取締役は私、納富と、後ほどご紹介する浜崎、社外取締役は安浦寛人氏と中村陽二氏です。

安浦氏は私の大学時代の恩師で、九州大学の副学長も務められた方です。また、昨年9月の株主総会で就任が決まった中村氏は、大学時代にセキュリティや半導体分野の研究を行った後、外資系コンサルティング会社などで豊富な経歴を持っています。取締役会をはじめとするさまざまな面で当社に貢献いただいています。

マネジメント・プロフィール

納富:引き続き、マネジメント・プロフィールについてご説明します。常勤監査役として栗林絹江氏、非常勤監査役として柏木街史氏と弁護士の西原隆雅氏に入っていただいています。

スライド下段には、執行役員を4名記載しています。当社は4部門(4本部)体制を採用しています。組織開発本部には杉本慎太郎氏、エンジニアを多数抱える事業本部には濱野泰明氏、セールス&マーケティング本部には東京支社長を兼任し今年1月にジョインした千葉将樹氏、経営企画本部には髙橋一輝氏をそれぞれ本部長とし、この4名の執行役員体制で運営しています。

Brand Slogan / Mission / Vision

納富:Brand Sloganは「OSEKKAI × TECHNOLOGY」です。当社が大切にしている価値観や外部に向けて提供する価値、社会に与える影響について言語化しています。

これは、ここ数年であらためて言語化したものです。創業以来、「おせっかい」というものとITを中心とした「テクノロジー」を大切にして事業を展開していることから、「OSEKKAI × TECHNOLOGY」を社内外に価値提供していると言語化しました。これは、引き続き実行していきたいと考えています。

当社が提供する価値「課題解決を売る。技術はそのための手段」

納富:ビジネスモデルの核心についてです。スライドに記載しているとおり、当社が提供する価値は課題解決であって、技術はその手段です。システム開発会社の場合、開発工数などで積算されるかもしれませんが、当社は課題解決を売っています。

スライド左側の「顧客の課題」をご覧ください。みなさまも、現在の顧客の課題は「ビジネス環境の急速な変化」であると感じていると思います。そのような中で、より迅速な課題解決や、より多くの価値創出をお客さまから求められる状況があります。一方、課題に対する選択肢は非常に複雑化しています。このため、課題解決そのものが当社に委ねられるケースが多いのが現状です。

そのような中で、当社は「課題設定の精度」「投資対効果の適正性」「継続的な課題解決」といった価値を提供しています。具体的には、スライド右側に記載しているクラウド、AI・機械学習、IoT、Webシステム、ネイティブアプリ、UI・UXデザインといった分野に社内リソースを持っています。これらの技術結合力を保有するメンバーがプロジェクトごとに少数精鋭でチームを組み、課題解決に取り組んでいることが当社の特徴です。

さまざまな技術を保有するメンバーが少数精鋭のチームで開発を進めることで、コミュニケーションコストが抑えられるというメリットがあります。また、お客さまに対しては、迅速に対応できるというメリットを提供できていると考えています。

ビジネスモデルの全体像

納富:ビジネスモデルの全体像です。スライド上部には注力する顧客領域として、大学・研究機関、大学発スタートアップ・ディープテック、宇宙関連機関、新規事業などを記載しています。

さまざまな企業からの「新規事業を展開したい」「業務を高度化したい」といったニーズに対して、当社ではフロー型のシステム開発を行います。具体的には、課題の定義から始まり、さまざまな技術を結合した設計を行い、実装するだけでなく運用にも関わっていきます。

一方、スライド右側に記載しているとおり、ストックビジネスも提供しています。具体的には、MSP(クラウド技術支援)や、作成したシステムをストックしてさまざまなシステムのメンテナンスや機能追加などに対応しています。さらに、AWSを中心としたさまざまなクラウドリソースを再販することもあります。また、後ほどご説明しますが、「360」や「sigfy」といった多くの方にご利用いただいているツールをプロダクトとして提供しています。

このように、フロー型の収益だけでなくストック型の収益を実現し、さらにストックのお客さまをフローに回すことで、フローで開発したものをストックでさらなる収益へとつなげています。当社の収益構造は、フロー型とストック型の2つが両輪として機能していると考えています。

事業内容

納富:事業内容についてご説明します。フロー型とストック型の売上構成比はほぼ半々です。フロー型は全体の51.5パーセント、ストック型は48.5パーセントを占めています。この2つが良いバランスで相互に事業拡大していることが、これまでの成長につながっていると考えています。

ポジショニング:コンサルティング会社×システム開発会社

納富:当社のポジショニングについてです。先ほど司会の方にもご紹介いただいたように、システム会社とコンサルティング会社の間を取ったようなポジショニングだと思っています。

なぜそのような状況になったのかについては、スライド上部に記載しています。当社は福岡で創業し、本社も福岡にあります。

首都圏などは案件規模が大きく、例えば数億円規模の案件では「AI開発はこの企業」「システムのインターフェイス部分はこの企業」「データベースはこの企業」といったように、リーダーとして上に立つ企業がまずあり、その企業が複数の企業に業務を分担する、というのが一般的な進め方かと思います。

一方、当社は福岡で創業したということもあり、案件規模がそれほど大きくなかったり、課題が明確化されていなかったりと、多種多様な案件の依頼が寄せられる場合がありました。結果として、構想の整理から実装や運用までを一気通貫で行わざるを得なかったという経緯があります。そのため、必要に迫られてさまざまな技術を学び、結果としてそれらの技術を結合することができました。

それらは当社の文化にも根づいており、当社の強みにもなっています。スライドに記載しているとおり、「コンサルティング会社とシステム開発会社の強みを併せ持つ第三の型」を築くことができました。

積み上げてきた強みとしては、5つ挙げられます。1つ目は「前に立つエンジニア」です。技術を判断できる人間が顧客の最前線に立ち、コミュニケーションを行います。

2つ目は「構想段階から関与」です。構想段階からしっかりと関与し、仕様が固まる前の「何を作るべきか」から入り込みます。場合によっては「何を作るべきか」「何を作るべきではないか」という判断をすることもあります。

3つ目は「一気通貫で速い」です。少数精鋭の体制により、課題定義から実装・運用までを分業せず一気通貫で行うことで、非常に速く提供できています。

4つ目は「技術結合力」です。さまざまな技術を選び、組み合わせることができます。

5つ目は「投資対効果」です。特定の技術や特定のプロダクトを持たないからこそ、必要に応じて最適なものを客観的に比較・検討しながらソリューションを提供できます。

市場機会:創業以来の注力領域と政府施策の合致

納富:市場機会についてご説明します。当社は創業以来、大学や学術研究機関といったパブリックセクターとの取引が多い傾向にあります。スライド左側に記載している国公立大学や国立研究機関では、研究データの増大とAI活用の進展に伴い、市場が拡大していると認識しています。また、政府の後押しとして、文部科学省による「AI for Science 推進の基本的な戦略方針」に関連するさまざまな予算も組まれています。

2つ目は、大学発スタートアップやディープテックの領域です。解析基盤やクラウド設計といった分野で非常に高いニーズがあり、当社も積極的に関わっています。これらの調達は単年度や複数年度にわたることもありますが、仕様の検討が非常に複雑であるため、大手企業の参入が少ない状況です。この点において、当社は非常に強みを持っている領域であると認識しています。

3つ目は宇宙分野です。昨今宇宙ベンチャーの上場が相次いでいることもあり、「宇宙戦略基金」として1兆円規模の予算などがついています。防衛などを含む幅広い要素もあり、宇宙は非常に注目を集めている分野だと思います。当社は早い段階から宇宙分野に取り組んでいることもあり知名度が向上しており、徐々に収益化が進んでいると認識しています。

競争力の源泉①:制約が生んだオールラウンドな体制と新技術への適応力

納富:ここからは、当社の競争力の源泉についてです。大きく3つあります。

1つ目の競争力の源泉は、「制約が生んだオールラウンドな体制と新技術への適応力」です。これは、福岡で創業したことから、さまざまな制約の中で多様な技術を習得する必要があったこと、また、上流から一気通貫で対応する体制を取る必要があったことが関連しています。

スライド左側に記載しているとおり、一般的な体制では、顧客があり、その上に元請けのコンサルティング会社が存在し、さらに複数の開発ベンダーが関与します。一方、当社はこれを一気通貫で行う体制を構築してきました。この体制は創業以来ずっと続いており、現在は非常に追い風であると認識しています。

スライド右側の図をご覧いただくと、当社の競争力を支える技術の進化が見て取れます。創業当時の20数年前には、OSS(オープンソースソフトウェア)のような、さまざまなソフトウェアを共同開発する考え方が普及してきました。その後、クラウドやデータセンター、複数のデータセンターを統合して必要に応じて利用する技術、そしてSaaSといった革新的な技術が登場しました。さらに、ここ10年ほどでIoT・AI/機械学習といった技術が発展しています。

直近の数年間では、生成AIの進化が目覚ましいものとなっています。OpenAIやAnthropicを中心に、さまざまな生成AIが登場した結果、1人のエンジニアが対応できる仕事量が大幅に増加しています。以前であれば10人必要だった開発プロジェクトが、現在では1人のエンジニアが1日で完了させることも可能になっています。

このように、1人のエンジニアが対応できる範囲が拡大している現状において、当社の一気通貫での対応や少人数での業務遂行は、非常に大きな強みとして加速していると考えています。

競争力の源泉②:技術の専門家が構想段階から直接相対する体制

納富:2つ目の競争力の源泉は、「技術の専門家が構想段階から直接相対する体制」です。顧客と「技術を判断する人」の距離をゼロにする、すなわち直接対峙することを創業以来大切にしてきました。

よくあるケースとして、技術を理解していないエンジニアや営業担当者が技術選定や仕様決定を行うことで、現場のエンジニアが混乱するという問題があります。しかし、当社では基本的に技術を理解した人物が前に立ち、直接コミュニケーションを図ることで、技術選定や取捨選択が的確に行われ、さらに迅速な対応も可能となります。それにより、「これはできますか?」といった質問に対しても「この技術であればできます」もしくは「こういった対応のほうがより良いです」といった提案を行うことができます。

この体制を成立させている3つの仕組みについて、スライド左側に記載しています。1つ目は「ビジネス課題を理解するエンジニアの採用・育成」です。採用段階からコミュニケーション能力を重視しており、採用後もその能力を育成することに努めています。

2つ目は「構想段階からエンジニアが顧客に同席する体制」です。さまざまなエンジニアがフロントに立つ体制を整備しており、それが多様な営業機会においても成果を上げる要因となっています。

3つ目は「一次情報への継続投資(AI・クラウド・宇宙)」です。AI・クラウド・宇宙、そして現在話題の量子コンピューターなども該当する場合がありますが、当社エンジニアはさまざまな分野で積極的に学ぶ姿勢を持っています。

そのため、社内では多くの勉強会を開催しています。当社では、採用条件の1つとして「好奇心」を一貫して掲げており、技術領域に興味を持つ人材を採用してきました。その結果として、エンジニアの学ぶ姿勢や学ぶ文化が根づいていると感じています。

競争力の源泉③-1:事業を牽引するエンジニアリング力(AWS)

納富:3つ目の競争力の源泉は、「事業を牽引するエンジニアリング力」です。1つ目は、当社の中核事業でもあるAWSです。

スライド左側に「AWS Ambassadors」とあります。また、スライド右側の「2026 Japan AWS Top Engineers (Services)」ランキングでは、当社の5名が選出されています。ランキングにはさまざまな企業が並んでいますが、会社規模を考えると当社の5名というのは非常に高いランキングではないかと思います。この点については、自信を持って「エンジニアのレベルが高い」と言えると考えています。

競争力の源泉③-2:事業を牽引するエンジニアリング力(技術結合力)

納富:2つ目の技術結合力については、さまざまな技術をしっかりと推進している点が挙げられます。スライド右側にあるように、AWSの資格に関していうと、エンジニア数は100名に満たないものの、延べ300を超える資格を有しています。

また、IoTデバイスを販売しているSORACOMという会社から「SPS SELECTEDインテグレーションパートナー」に認定されています。さらに、「Claude」で知られるAnthropicとのAWSリセールプログラムを通じた再販契約を締結するなど、さまざまな取り組みを行っています。

競争力の源泉③-3:事業を牽引するエンジニアリング力(組織知の共有)

納富:3つ目は組織知の共有です。牽引するエンジニア力という点でお伝えしたいことは、当社内でも「学ぶこと」を重要視しており、さまざまな知見が社内に蓄積されていることです。これは、エンジニア個々の頭の中だけでなく、さまざまなドキュメントにもまとめています。

その結果、類似案件の経験や技術検証の知見、過去の設計資産、さらに社内に存在する多くのエキスパートなど、豊富なリソースが活用可能です。

このため、社内勉強会なども頻繁に開催しています。勉強会のキーワードとしては、AI/AWS/IoT/セキュリティ/テスト/UI・UX/デザインなどさまざまな分野があります。例えば、AIに関する勉強会だけでも、昨年の開催数は年間で30回にのぼりました。これらの勉強会は自由意思で参加できる形式ですが、興味を持ったものであればすぐにアクセスできる環境が整っており、非常に活発であると考えています。

「課題に対して、知見が即座に集まる」という点も当社の特徴であると考えています。例えば、「Slack」というコミュニケーションツールを活用しており、社内にはほぼ全社員が参加している「ヘルプチャンネル」という仕組みがあります。そこに困りごとを投稿すると、多くの社員が回答してくれます。

例えば、3人で進めているプロジェクトで1人が課題に直面した場合、「この技術領域においてこんなことで困っています。過去に同様の経験がある方はいますか?」と投稿するだけで、おそらく1時間ほどで「こういう経験あります」「これ試してみましたか?」など多くの知見が集まり、課題が解決されることがあります。

お客さまからも「3人のエンジニアが関わっているプロジェクトだとしても、実際にはその背後に100人ほどのエンジニアの知見が集約されている」と評価されることがよくあります。実際に関わっているのは3人のプロジェクトでも、その裏には多くの社員の知見が集約されていることが、当社の大きな強みだと考えています。

ここまで、ビジネスモデルおよび競争力の源泉についてお話ししました。

エグゼクティブサマリー

納富:続いて、先々月の6月末に終了した2026年6月期通期決算概要についてご説明します。エグゼクティブサマリーとして4つにまとめています。

1つ目です。通期売上高は24億700万円、前期比プラス23.3パーセントとなり、過去最高を更新しました。増収率も2025年6月期の前期比プラス8.5パーセントから再加速しており、過去6年間のCAGR(年平均成長率)はプラス25.0パーセントの水準を維持しています。

2つ目です。営業利益は7,900万円となりました。期初計画では「利益は出しません」と公表し、投資フェーズと位置づけて進めていましたが、売上高が計画を上回ったこともあり、5月の上方修正をさらに上回り最終的に7,900万円の営業利益を計上することができました。

3つ目です。継続的な採用強化により、エンジニアリソースを前期比15.6パーセント拡大しました。さらに、東京支社を品川に開設し、そこに人員を配置することで営業機会が増大しました。その結果、MSPが前期比プラス31.5パーセントと大きく伸長しました。

4つ目です。通期で約3億4,000万円の重点投資(生成AI・宇宙・プロダクト)を実行しました。翌期以降に投資効果を顕在化させ、中期ビジョン達成と企業価値の向上に努めます。

2026年6月期 決算概要

納富:数値面については、スライドに記載のとおりです。売上高は24億700万円、営業利益は7,900万円となっています。売上高は増加したものの、計画どおりではありますが営業利益以下は前期比でマイナスになっています。

サービス別売上高の概況

納富:サービス別売上高です。全社、およびクロステクノロジー・MSP・プロダクトの3つに分けた場合、全社は前期比プラス23.3パーセント、クロステクノロジーは前期比プラス17.1パーセント、MSPは前期比プラス31.5パーセント、プロダクトは前期比プラス26.5パーセントとなりました。

営業利益の増減要因分析(前年同期比較)

納富:営業利益の増減要因分析です。前々期である2025年6月期の営業利益は2億7,000万円で、スライド左側に記載しています。前期の営業利益は7,900万円で、スライド右側に記載しています。

プラス要因としては、クロステクノロジーおよびMSPが牽引するかたちで、売上高が4億5,400万円増加しました。

一方、マイナス要因としては、人員を大幅に増やす方針のもと前期に採用を進めた結果、人件費が増加し、2億8,200万円のマイナスとなりました。さらに、成長投資に関する広告宣伝費や社内インフラ費、支払報酬料の増加によって1億1,300万円のマイナスとなりました。また、売上高の伸長に伴う原価の増加および営業活動強化に伴う販管費の増加により2億5,100万円のマイナスとなり、最終的に営業利益は7,900万円で着地しました。

長期業績推移

納富:長期業績推移についてお話しします。スライド左側の売上高は、6年前の2020年6月期時点で6億3,100万円でしたが、2020年6月期決算から6年間で約4倍に成長しました。

スライド右側の利益は多少の凸凹はあるものの、当社としては25パーセントの成長を目指しています。その中で、前期を投資の年と位置づけて、積極的に投資を行いました。今期については、しっかりと利益を出していきたいと考えています。

KPI:従業員数及びエンジニア数の推移

納富:従業員数およびエンジニア数の推移です。従業員数は、前期の期初時点では120名でしたが、146名となり26名の純増となりました。エンジニア数についても83名から96名となり、13名の純増です。

スライド右側に記載しているエンジニア1人当たり売上高については、積算方法を変更しています。スライド下部に小さな文字で記載していますが、クロステクノロジーの売上高を、そこに従事するメンバーで頭割りして算出しています。その結果、2025年6月期は1,661万3,000円でしたが、2026年6月期は1,793万2,000円、前期比プラス7.9パーセントと順調に増加しています。

KPI:顧客平均単価及び取引顧客数の推移

納富:顧客平均単価の推移です。2026年6月期のクロステクノロジーにおける1社当たりの取引額を2,000万円と計画していましたが、1,884万9,000円となりました。

ただし、これに関してはそれほど悲観していません。スライド右側に記載しているとおり、取引顧客数は計画の160社から172社に上振れしました。新規取引が増えると、初回発注ではそれほど大きな金額にならないため、結果的に顧客平均単価を引き下げる方向にあります。このため、取引社数が増えた分、顧客平均単価が計画未達となったという実態があります。これは仕方ないことだと考えています。

2027年6月期 通期業績予想

納富:進行中の2027年6月期の業績予想についてお話しします。前期の売上高実績は24億700万円でしたが、今期の通期予想は32億3,300万円としています。前期比増減額はプラス8億2,600万円、増減率は34.3パーセントと非常に大きな成長を見込んでいます。

サービス別に分けると、クロステクノロジーは12億4,000万円から16億1,000万円と、前期比29.8パーセント、約30パーセントの成長を見込んでいます。売上構成比は全体の半分ほどを占める計画です。MSPは、前期の9億7,900万円から13億5,100万円、前期比プラス38.0パーセントと大きな伸びを予想しています。「360」「sigfy」からなるプロダクトは前期の1億8,700万円から2億7,100万円、前期比プラス44.9パーセントと特に大きな成長を予測しています。

営業利益は、前期の7,900万円から今期は2億7,100万円を見込んでいます。前期から大幅に増加しますが、中期ビジョンの一環としての過渡期と捉えています。そのため一定の利益を出すことを重要視しつつ、前期との比較自体には大きな意味はないと考えています。ただし、営業利益率10パーセントを意識した計画を立てています。

主要な経営指標:生産性と顧客基盤

納富:主な経営指標です。

1つ目は、エンジニア1人当たり売上高です。先ほど、2025年6月期の1,661万円から2026年6月期は1,793万円へと前期比7.9パーセント増加したとお伝えしましたが、これをさらに伸ばし、1人当たり2,100万円を目指しています。前期比プラス17.1パーセントという非常にストレッチゴールではありますが、しっかりと実現していきたいと考えています。

この背景には、前期にAIへの投資を進め、さまざまなAIツールやAI基盤を構築してきたことがあります。その結果が徐々に成果として現れていると認識しています。AI活用による生産性向上と、前期に採用した26名、うちエンジニア13名をしっかりと育成し稼働率を向上させることで、キャパシティの拡大を目指します。

2つ目の顧客平均単価は2,200万円、3つ目の取引顧客数は190社に増やしていく方針です。4つ目のストック売上高比率は、前期の48.5パーセントから50.2パーセントに引き上げることを目指しています。

長期的に高い成長を実現するための中期ビジョン

納富:最後に、事業計画および成長戦略についてご説明します。スライドは以前から掲載している資料で、現在は赤色の部分になります。「テクノロジーを軸に多角的に成長する企業グループへの転換を図ると共に、中長期的な高成長を実現するための基盤を構築する3年間」と位置づけています。

2026年6月期以降、進行期も含め、オーガニック成長×M&Aにより多角的な成長を目指しています。

売上高/営業利益CAGR目標

納富:スライド左側のグラフのとおり、進行期の売上高は32億円を計画していますが、2028年6月期にはM&Aも含めて50億円を目指しています。

スライド右側の利益については、進行期で2億7,100万円を計画していますが、2028年6月期にはのれん償却前で7億5,000万円まで増やすことを目標としています。M&Aなども含めて、この水準の利益を達成したいと考えています。

4つの成長戦略

納富:具体的に4つの成長戦略を引き続き掲げています。AI-Nativeは実装コストを下げ課題解決に注力すること、リセールは顧客接点を広げて開発案件を転換すること、宇宙ビジネスは保守的な計画とアップサイド、そして同業ロールアップのM&A戦略を掲げています。

次ページ以降で、これら4つについて簡単にご説明します。

AI-Native:実装コストを下げ、課題解決に注力

納富:1つ目のAI-Nativeについてです。実際に、AI-Nativeの実装コストを下げる取り組みは開発現場で進んでいます。従来のような人がコードを書くシステム開発から、AIとともに構築するシステム開発に完全に移行しています。これは、2年前や1年前と比べても大きく様変わりしていると感じています。

実施済みであり現在も継続している主な施策として、AIスキルの整備や、AIコーディングエージェントの全面導入を行っています。夜間AI稼働は非常に興味深い取り組みです。退社前にAIへ指示を出すことで、AIが夜中に作業を進めてくれ、翌朝出社すると朝レビューを行い、それが本番に反映できるかどうかを判断します。その後、昼に仕様を整備し、夜に再びAIに依頼します。このように、ある意味で24時間体制での作業が可能となる仕組みが整っています。

AIによるレビューの導入やテスト自動化により、人間は自身の得意分野やドメインに集中し、設計開発に専念することが可能になっています。そのため、人的資本の再配置において、より上流の工程やお客さまとのコミュニケーションなどに注力することが非常に重要だと考えています。

収益への転換という観点では、1人当たりの生産性向上はもちろんのこと、前期に採用したメンバーを育成し戦力化することでキャパシティを大幅に拡大し、収益化を実現していこうとしています。

リセール:顧客接点を広げ、開発案件へ転換する

納富:2つ目のリセールについてです。ここには東京支社を構えたことが大きく寄与していますが、顧客接点を広げて開発案件に転換するという取り組みを行っています。冒頭でストックとフローの図をご覧いただきましたが、ここではストックの部分をフローに転換し、それを循環させていくという方向性を示しています。

第1の現在地としては、MSPに関して通期で前期比プラス31.5パーセントの成長を記録しました。

第2の商材ごとの役割と時間軸としては、主力はAWSですが、チャネルとしてはSORACOMの紹介や、「Claude Code」や「Claude」を提供するAnthropicのリセール契約も含まれます。そうした取り組みをしっかりと形にしていこうと考えています。

第3の「商材を広げる」についてです。当社では、リセール商材としてAWSが現在大きな強みとなっていますが、今後はマルチクラウドや国産クラウドであるさくらインターネットの「さくらのクラウド」の重要性がさらに増してくると考えています。また、他のクラウドについても提供を行っており、費用対効果やお客さまのご要件に応えながら、しっかりと提供を進めていく方針です。

宇宙ビジネス:保守的な計画と大きなアップサイド

納富:3つ目の宇宙ビジネスについてです。現状は非常に保守的な計画を立てているつもりですが、2026年までのフェーズ1では実績を構築し、当社の知名度も高まってきたと認識しています。

その後は拡大期に入り、さまざまな基金に名前を掲載して応募している状況ですが、結果がどうなるかはわかりません。ただし、そのような取り組みを通じて、フェーズ2である2028年6月期までに開発売上5億円を目指しています。それ以降となるフェーズ3については、ストック化を目指して取り組みを進めていきます。さまざまなストック案件や、フローとストックを適切に組み合わせていく取り組みを進めていこうと考えています。

アップサイドとしては、リセールが増加する可能性もあります。また、数ヶ月前にはシンガポールで2番目に優秀とされる南洋理工大学との共同研究を発表し、MOU(基本合意書:Memorandum of Understanding)を締結しました。このような活動を通じて、海外にも事業を広げていきたいと考えています。

1週間ほど前には、人工衛星データの管理や加工・運用を行うTellus Globalという企業への一部資本参加を公表しました。Tellus Globalは、もともとさくらインターネットの一事業として始まり、その後カーブアウトのかたちで独立した企業となりました。

この件に関しては、さまざまなベンチャーキャピタルが名を連ねている中で、事業会社としては当社のみが名を連ねている状況です。したがって、投資対効果として資本に対する直接的なリターンを追求するのではなく、事業的なシナジーをしっかりと創出することを目的として出資しています。

Tellus Globalはさくらインターネットの技術を大いに活用しています。そのため、当社としてもマルチクラウドという観点から非常に大きなプラスになると考えています。

M&A:同業ロールアップを軸に、規律ある投資で非連続成長を取り込む

納富:4つ目の同業のM&Aについてです。同業ロールアップを軸に、規律ある投資を進めていきたいと考えています。現在、大きなM&Aの発表には至っていませんが、水面下では着実に動きを進めています。ただし、高値で買収することがないよう十分に検討し、規律ある投資を実践しています。財務規律を守りつつ、当社と合致するカルチャーや優れた技術を持つ企業と認められる場合に、適切に買収を進めていきたいと思います。

M&Aについては契約が締結されたタイミングでしか公表できないため、途中経過をお伝えすることができないのが残念ですが、水面下ではさまざまな企業との接点を持ち、着実に取り組んでいる状況です。

中期ビジョンの進捗と目標PER水準

納富:最後になりますが、中期ビジョンを実現する新たな成長戦略であるAI-Native、リセール、宇宙ビジネス、M&Aを着実に進めています。

現状としては、スライド右側のグラフのとおり、営業利益2億7,100万円の計画に対してPER約19倍にあたる30数億円の時価総額となっています。ただし、ここをさらに引き上げ、赤色で囲んだラインに到達させていきたいと考えています。

そのタイミングで営業利益7億5,000万円を達成することができれば、目標としている時価総額100億円を十分達成できると考え、このグラフを作成しています。現状では株価が徐々に上昇する場面も見られますが、確実に実績を重ねることで、時価総額100億円をクリアしていきたいと考えています。

OSEKKAI × TECHNOLOGY

納富:スライドには「OSEKKAI × TECHNOLOGY」と記載しています。これは当社のブランドスローガンでもあり、これを通じて価値を提供していきたいと考えています。

私からのご説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:Tellus Globalへの出資について

kenmo氏(以下、kenmo):中小企業診断士、個人投資家のkenmoです。「Tellus Globalへの出資について、収益化する見込みの時期を教えてください」というご質問です。

納富:当社はTellus Globalへの出資を決定しました。出資比率などについては非開示としていますが、出資金のリターンを見込むのではなく、事業シナジーを見込んでいます。

現在はTellus Globalの社長とやり取りを進めており、共同で勉強会を開催するなどの企画も進行中です。Tellus Globalとしては、当社が持つAWSなどのクラウド関連を含めた幅広い知見を活用したい意向があり、一方で当社は、彼らが持つさくらインターネットや「さくらのクラウド」に関するノウハウを取り込みたいと考えています。このように双方の目指す方向性が一致したため、今回の出資に至りました。

また、収益化という観点については今期中にもさまざまな売上が計上される可能性があると考えており、Tellus Globalと共同で新たな事業に取り組む可能性も見込んでいます。

質疑応答:利益率向上の余地について

kenmo:「各サービスともに高い売上総利益率となっていますが、さらに利益率を上げる余地はあるのでしょうか?」というご質問です。

浜崎陽一郎氏(以下、浜崎):取締役副社長の浜崎です。スライドに記載のとおり、売上総利益率では特にクロステクノロジーやプロダクトが高い利益率を誇っています。また、別のページにも記載していますが、前期については新規顧客が多く増えたことが要因となっています。

納富からのご説明にもあったように、1社当たりの売上高が計画の2,000万円に対してやや未達となった点もあるものの、その背景として、前期は新規顧客へのアプローチが多かったことがあります。今期については、その新規顧客が既存顧客へと移行することを踏まえ、顧客に対するアプローチを強化することで、利益率をさらに向上させられると考えています。

加えて、当社は単価の引き上げを進めています。インフレの影響も考慮し、自然な流れで単価を順次引き上げており、昨年も今年も徐々に上げています。ただし、長期的な関係を持つ既存顧客については、関係性の維持を考慮するため、単価を引き上げきれていないケースもあり、大きなところでは顧客ごとに単価で1.5倍ほどの差が生じていることも事実です。

この差を平準化するのは難しい面もありますが、新規顧客と関係性を高めつつ利益率を向上させるアプローチや、既存顧客に対して引き続き単価を引き上げていくことで、利益率をさらに向上させる余地があると認識しています。

質疑応答:エンジニアの採用方針について

kenmo:「エンジニアの採用を控えている企業が多いですが、御社はエンジニアの積極的な採用を行っていく方針でしょうか?」というご質問です。

納富:今期については採用を抑え、厳選採用を進めようと決めています。前期は大幅に増やす方針を掲げて積極採用を行い、しっかりと実行しました。一方、今期は前期に採用したメンバーをしっかり育成し、戦力化することで収益につなげることを重視しています。

そのため、このサイクルが完成した際には、来期にアクセルを踏む、場合によっては「もうAIでいいのではないか?」という判断をする可能性もあると思いますが、今期に関しては前期ほど採用を行わず、しっかり絞っていく計画です。

ご質問にあった「各社が採用を絞っている」というのは、AIの台頭が要因であると考えています。今後この動向をしっかりと見極めた上で、場合によっては採用枠を増やすという判断を行う可能性もありますし、やはり絞るという選択になるかもしれません。ただし、今期に関しては採用をいったん絞るという意思決定をしています。

kenmo:同業他社のIRを見ても、多くの企業が新卒採用を抑えつつ、中途採用やベテランの採用に注力していく傾向があり、比較的共通の動きのように感じます。特に厳選採用やハイエンド人材の採用が実際にしっかりとできているのか、そのあたりも詳しく教えていただけますでしょうか?

納富:おっしゃるとおり、来年4月入社の新卒採用は数名程度にとどめました。一方で、厳選採用に関しては、ハイレイヤー人材をしっかりと採用しようと考えており、その取り組みにおいて一定の成果が出ていると認識しています。

質疑応答:人材育成における特有の教育メソッドについて

kenmo:「人材育成について、御社特有の教育メソッドなどはあるのでしょうか?」というご質問です。

納富:他社との比較ということになるとわからないため、特有かは断言できませんが、教育に関してはさまざまな技術領域を担当する講師やエンジニアがおり、「Slack」でのコミュニケーションなど、非常に風通しの良い環境があります。

そのため、わからないことにしっかり答える体制が整っており、OJT形式でお客さまに同行させることも行っています。これについても、一定の教育メソッドがしっかりと確立されていると感じます。

また、創業間もない頃から新卒採用を継続的に行ってきた経緯があり、その中で蓄積されたノウハウもあると考えています。

質疑応答:フロー型とストック型の転換の割合について

kenmo:「クロステクノロジーというフロー型の案件と、MSP・プロダクトというストック型のビジネスを循環させることが御社の特徴ですが、実際にはクロステクノロジーからMSPへ、あるいはMSPから開発案件へ転換する割合はどの程度なのでしょうか?

また、MSPを大きく伸ばす方針ですが、MSPの売上総利益率は22.3パーセントと他サービスと比べて低くなっています。MSP単体の売上総利益率ではなく、その後の開発案件まで含めて収益性を見るべきビジネスなのでしょうか?」というご質問です。

浜崎:まず、クロステクノロジーからMSPへの移行についてご説明します。いわゆるクロステクノロジーとMSPは、当社にとってほぼ等しい意味でビジネスを展開しています。理由としては、AWSのさまざまなサービスを活用し、それらを有効に使いながらソフトウェア開発を進めるのが当社の開発スタイルであるためです。

クロステクノロジーにおける受注案件の多くの割合では、当社の得意とするAWSを活用しています。このため、当然ですがMSPも関連してくるため、クロステクノロジーからMSPへの移行の循環が大部分で成り立っているのではないかと考えています。

ただし、すべてではない部分もあります。例えば、クライアントの依頼によって「Microsoft Azure」や「GCP」を使用する場合があり、その際は当社のパートナー外の企業に依頼するケースもあります。

次に、MSPからクロステクノロジーへの移行についてご説明します。次の質問にも関連しますが、現在、当社としては2つの転換点があります。1つ目に、従来はMSPからクロステクノロジーへの流れが比較的大きかったという点です。具体的な数字はお伝えできませんが、スライドビジネスとして存在していました。

納富が紹介したとおり、この度東京支社を新設し、多くのメンバーを迎え入れました。彼らはAWS、特に学術系スタートアップ分野においてMSPのみを提供することに非常に秀でたチームであり、当社にとって非常にありがたい存在です。

従来は競合となるような人材を当社に迎え入れることができた点や、現東京支社長の千葉がAWSのバックグラウンドを持ち、内部のビジネスストラテジーを深く理解している点も大きな強みです。

そのため、まずは彼らが得意とするMSP分野に集中し、売上を着実に伸ばしていきます。この分野はストック型収益である一方、利益率が低い部分もありますが、売上のトップラインを伸ばすことに大いに貢献すると認識しています。

当社はこれまで、トップラインの成長よりも、MSPとクロステクノロジーのシナジー創出に注力してきました。その結果、トップライン形成にはなかなかつながりませんでした。しかし、クラウド再販や保守運用の分野で非常に大きなクライアントに対応できる強力なチームを活用し、まずはこの分野を確実に成長させることを今期の目標としています。

したがって、売上のトップラインは拡大すると予想していますが、ご指摘のとおり、利益率に関しては一時的に低い状況が続くのではないかと認識しています。

ただし、そのお客さまに対して時間差はありますが、今期後半や来期以降についてはクロステクノロジーに向けたベクトルを強めていくことが次の作戦になると考えています。今期においてはMSPからクロステクノロジーというベクトルはそこまで重視せず、まずはMSPでしっかりと売上を上げ、トップラインを伸ばしていくことに重点を置いています。これは、2028年6月期に売上高50億円という目標達成に寄与すると認識しています。

質疑応答:生産性を評価する指標について

kenmo:「生産性を評価するのであれば、エンジニア1人当たり売上高だけでなく、エンジニア1人当たり粗利率も測るべきではないでしょうか?」というご質問です。

浜崎:非常に良いご質問をいただき、ありがとうございます。実は売上高を見ているということで少し説明不足な部分がありました、ご容赦ください。

当社の案件においては、ありがたいことに案件ごとの粗利率の変動幅がそれほど大きくないという特徴があります。すなわち、粗利率としては非常に一定している部分が社内で確認できています。そのような場合に何を指標として見るべきかというと、やはり1人当たりの売上高に注目することで粗利も含めて一定の評価が可能なのではないかと考え、現在は売上高を指標の1つとして見ています。

現状としては、売上高を見れば粗利率を直接見なくても、先ほどの売上総利益率にもあったとおり、一定の数字を測ることが可能です。当然ながら、現在は生成AIの活用や1人当たりの生産性向上について、さまざまな指標を検討していますが、その中でも売上高を重視することで粗利の把握が可能であるという認識を持っています。

質疑応答:天郷醸造所M&Aのトピックスについて

kenmo:「天郷醸造所のM&Aについて、その後トピックスはありますか?」というご質問です。

浜崎:今年に入ってからの大きなトピックスとしては、5月にフランスのカンヌで行われるヨーロッパ最大の映画祭であるカンヌ国際映画祭において、日本のお酒としては初めて授賞式とその前夜祭に公式リカーとして提供されたことです。

これは、日本のお酒として初の快挙です。フランスでは基本的にワインが主流となる場にもかかわらず、日本のお酒が提供されたことで、ヨーロッパにおける知名度が大幅に向上したことが非常に大きな成果だと考えています。

実はそれに伴い、現在日本国内よりも海外からの取引が非常に多く、ありがたいことに多くのオファーをいただいています。天郷醸造所は2つの顔を持っています。1つは、いわゆる清酒、日本酒を製造する顔で、米と水を使用して作られます。

もう1つは、日本におけるその他醸造酒というカテゴリに分類されるもので、一般に「クラフト酒」と呼ばれるものです。これは米と水に加え、副原料を使用します。同社では、副原料としてほうじ茶やレモン、苺などを使用しています。このように2種類のお酒を製造しています。

外国人は日本人ほど「米と水だけでなくてはいけない」とは思っていないこともあり、特に後者は自由な発想が非常に高く評価されています。その結果、カンヌ国際映画祭の効果も相まって、国内以上に海外での取引が大きく拡大しています。

国内外での評価を比較すると、海外での評価が比較的高く、日本酒に関しては8月以降、百貨店などの催事が活発化してきています。冬にかけて日本酒の需要が高まるシーズンでもあり、特に富裕層をターゲットにした大規模な催事が増えてきました。ありがたいことに、大手百貨店の催事にはほぼすべて出店が決定し、大阪や東京を中心に販売が順調に進んでいる状況です。

この状況を踏まえると、昨年の今頃からお酒の製造を始めた当社にとって、この1年は非常に大きな成長を遂げたと感じています。国内外において順調な進展が見られる一方で、さまざまな取り組みが現在ダイナミックに展開されています。これについては、今後のIR発表などを通じてみなさまに情報をお届けしていきたいと考えています。

質疑応答:2028年6月期目標達成に向けた進捗について

kenmo:「2028年6月期の売上高50億円以上、営業利益7億5,000万円以上という目標について、現時点で達成に向けた進捗は順調でしょうか? 特に今後の成長を牽引すると考えている事業や案件について、詳しく教えていただけますか?」というご質問です。

浜崎:スライドに記載のとおり、成長を牽引するための要素として4つを挙げています。

売上高50億円という観点でいうと、先ほどご説明した内容と重複しますが、リセールにおけるフロー×ストックの中で、ストック収益の特に売上高に関して、ここはリセールがトップラインを伸ばしていくことが非常に重要だと考えています。そのため、前期は非常に大きな決断として、東京に精通したチームを引き入れるという投資を実行しました。

また、売上高を伸ばすだけでなく、利益を伸ばすという観点も不可欠です。まずはスライド1つ目のAI-Native、すなわち生産性を向上させる取り組みにおいて、利益をしっかりと伸ばしていきます。

2つ目のリセールでは売上高が上がっても利益率が低いという課題がありますが、この点についてはクロステクノロジーによる生産性の向上を図り、利益の改善に努めています。さらに、来期以降についても、リセールで獲得したクライアントに対し、クロステクノロジーによるクロスセルまたはアップセルを行っていく計画です。

これらを推進することで、売上高50億円、営業利益7億5,000万円の達成を目指しています。

さらにここに、スライド3つ目の宇宙ビジネスが入ります。宇宙ビジネス分野では、売上・利益の両面で大きく貢献する可能性があると考えています。直近ではデータ利活用もありますが、国から総額1兆円規模の「宇宙戦略基金」が用意されており、宇宙関連企業にとって非常に大きなビジネスチャンスとなっています。

当社は「宇宙戦略基金」に真っ先に飛びつく企業ではなく、宇宙におけるさまざまなビジネスをソフトウェアの面から支える立場を目指しています。具体的には、Tellus Globalをはじめとする多様な宇宙ベンチャーをソフトウェアの面から下支えする考えです。

宇宙ビジネス分野については、非常に長期にわたる多額のビジネスになると認識しています。前期は、宇宙ビジネスを支えるソフトウェアカンパニーであることをアピールするため、積極的に投資をしてきました。この取り組みが功を奏し、多くの企業から「宇宙戦略基金」におけるパートナーとしてお声掛けをいただいています。この成果は、今期のみならず、来期以降に大きく花開き、大きな力になると考えています。

ただし、これを達成するには非常に高いハードルがあることも認識しています。冒頭でも触れましたが、スライド4つ目のM&Aについては詳細をお話しすることが難しい部分もあります。しかし、さまざまなリソースをM&Aに一部割り振っており、私自身もその一部に関わることで補強を進めている状況です。

このような意味では、スライド1つ目のAI-Nativeと2つ目のリセールがまず達成すべき非常に重要な部分であり、そこに対して3つ目の宇宙ビジネスが来期以降に効果を発揮し、4つ目のM&Aについては随時補強を進めるかたちを取る戦略を立てています。

質疑応答:防衛・宇宙分野でのAI活用の拡大が追い風になる可能性について

kenmo:「宇宙で監視情報を分析するAI衛星の開発を防衛省が発表していますが、このような防衛・宇宙分野でのAI活用の拡大は、御社にとって追い風になるとお考えでしょうか? また、今後御社がこの分野に関わっていく可能性について、現時点でお話しいただける範囲でご教授ください」というご質問です。

納富:まず、現状として宇宙利用の衛星データの利活用が進むことで、その裾野が広がるという意味では、当社にとっても非常に追い風になるのではないかと思います。

さらに、今後関与する可能性は当然あるのではないかと考えています。ただし、防衛省関連となると、取引費用が限られるなど、さまざまな制約が生じるため、簡単ではないと思います。しかしながら、今後の展開次第では、そのような話に関わる可能性も十分にあると考えています。

質疑応答:株価評価と期待値向上への取り組みについて

kenmo:「納富さまと浜崎さまの人柄と事業内容に魅力を感じて投資をしています。しかし、現状の株価にはお二人とも納得していないと思います。率直に、御社の株価向上のために、現状何が足りないと思いますか? 応援しています」というご質問です。

納富:株価に関しては、基本的に「期待値×実績」だと考えており、「PER×利益」で表されます。そのような意味では、まずはしっかりと実績を出し計画を達成していくことが重要だと思います。

上場してから3年半ほど経過していますが、やはりまずは計画を達成していくこと、そして魅力ある事業やマーケットに参入しているという期待値が重要だと考えています。

そのため、まずは確実に成果を積み重ねていきます。そして、宇宙ビジネスやAIなどの新しい分野にも積極的に関わることで伸びていく市場に対応し、「この会社はしっかり成長する」という期待値を向上させていく必要があると考えています。

ただし、むやみに株価を上げること自体を目的とはしていません。実績に伴い株価が上がっていくことが理想だと思っています。「現状において納得していないでしょうが」というご意見について、正直納得していない点はご指摘のとおりですが、これは当社の実力の表れであると受け止めています。謙虚に、しっかりと期待値と実績を積み重ねていきたいと考えています。

質疑応答:ロールアップ型M&A後の収益性向上施策について

kenmo:「ロールアップ型M&Aとのことですが、M&A後どのように収益性を上げていくのでしょうか?」というご質問です。

浜崎:当社は、長年IT会社として事業を行ってきた経験があります。一方、利益率を向上させるために、お客さまにしっかりと対価をいただくことも必要ですが、「値上げをさせてください」と交渉することは非常に難しい局面もあります。しかしながら、当社は顧客価値を高めながら、しっかりと成果を上げてきました。

他方、ロールアップ型でM&Aを進める際に同業のIT企業を見ると、顧客との関係性や、上場したことで値上げが難しい状況があることなど、課題が見受けられます。また、業務内容や技術においては、例えばAIをはじめとしたさまざまな技術を組み合わせることで、利益率をさらに向上できる可能性があります。すなわち、潜在的に大きな利益率の拡大余地を持つ同業企業が非常に多いとの印象を持っています。

こうした企業をロールアップ型M&Aによって取り込むことで、当社は自社の顧客接点の持ち方や企業に対する接し方をPMIというかたちで提供し、相手企業が持つ潜在的な売上・利益を向上させることが重要な視点だと考えています。

一方、当社自身がすべてを持っているわけではありません。今回のM&Aでは、当社にない顧客基盤や技術、例えばフィジカルAIといった異なる視点を持つ企業を対象としており、そうした企業を通じて新たな収益機会を創出し、自社の収益の柱を別のかたちで構築することを期待しています。

kenmo:優秀なエンジニアを抱えているものの、なかなか価格交渉ができず収益性が上がっていない企業をM&Aして、そのエンジニアを徐々に御社の単価の高いビジネスにアサインし、お客さまと価格交渉を進めることで収益性を向上させるという理解で合っていますか?

浜崎:まさしくおっしゃるとおりです。かつ、そのような点がうまくできていない企業が非常に多いと認識しています。

kenmo:すなわち、人月ベースのビジネスから徐々に成果物ベースのビジネスモデルへ転換を図っていくようなイメージなのでしょうか?

浜崎:そうですね。もちろん、その企業が抱えるビジネス環境もあるので、すべてを急激に変えていくことは難しいですが、提供する価値をどのように変えていくかという点を当社がサポートしながら徐々に転換を進めていきます。

また、保有する技術アセットも変化する必要があるかもしれませんが、それも含めて、利益率がより高まるような、かつM&A先にとっても、それが自分たちの成長につながるモチベーションとなるような接点を持ちながら進めていきたいと考えています。

質疑応答:2028年6月期における投資計画について

kenmo:「2028年6月期で大きく利益が伸びる計画になっていますが、2028年6月期は2026年6月期や2027年6月期のような投資計画はないのでしょうか?」というご質問です。

浜崎:テクノロジー業界は日進月歩なところがあるため、来年の今頃がどのような状況になっているのか、正直なところ予想がつきません。

2026年6月期の投資については、当社も生成AIによる非常に大きなインパクトを実感しており、それに対応するための体質の転換や宇宙ビジネス、そして50億円を目標としたリセールの強化を進めました。そのため「生成AIを除けば、もともと計画していた事業投資の方針に従って投資を行った」と言えると思います。

また、生成AIについては、前期の段階でしっかり対応しようと決め、一気に取り組んだのが現状です。突発的というわけではありませんが、それらの投資は今期や来期につながってくると認識しています。

今期の投資として重要な判断を下したのは、セキュリティに関する分野です。みなさまもご存じのとおり、現在多くの企業がセキュリティリスクを抱え、そのリスクが顕在化して企業運営上のさまざまな困難に直面している例もあります。当社も数百社にのぼる企業のセキュリティを含むシステムを管理しているため、これに対応する必要があります。

このような背景から、当社自身のセキュリティを強化し、お客さまの仕組みも含めたセキュリティを強化することは、将来的な企業収益に直接影響すると認識しています。そのため、前期に発生したセキュリティに関するさまざまな社会的な動向を受け、あらためて投資を決定しました。

今期については、特に当社自身のセキュリティを強化する目的でAIをフル活用する計画です。このような投資は、現在の時流において必要不可欠なものであり重要な施策として実施しています。

ご質問の来期については、生成AIやセキュリティなど、この時代に即した投資を進める中で、来期の今頃も同様のトピックスが出てくる可能性はゼロではないと考えています。そのため、そのような状況においては臨機応変に対応したいと思っています。

一方で、ありがたいことに前期に行った投資は、今期や来期につながってくると考えています。また、今期のセキュリティ投資についても、セキュリティを当社のビジネスとしてどのように捉えるかを含めて投資を行っているため、これも来期につながってくると認識しています。そのため、もし2028年6月期にさらに投資を進める場合でも、それは次の成長につながるものと認識しています。

このように、世の中の変化に即した投資については、今後も行う可能性があるというのが現時点での考えです。

質疑応答:エンジニア1人当たり売上高計画の確度について

kenmo:「エンジニア1人当たり売上高が今期急増する計画になっています。AIによる生産性向上や稼働率向上が主因と思われますが、予想はどの程度の確度でしょうか? 上振れ・下振れの可能性についてお聞かせください」というご質問です。

浜崎:始まったばかりのため、確度という観点から見るとまだまだ課題は多いと考えています。ただし、現時点での想定としては、大きな上振れも下振れもしないと捉えています。

スライドにも記載していますが、前期は非常に多くの人員を採用しました。この採用人員をしっかりと稼働させることが重要であり、単なる採用だけでなく、当社としての開発方法や作法を浸透させることも含めて取り組む必要があります。そのため、どうしても前期は教育に注力した結果、稼働率や案件への本格的な参画が鈍った側面がありました。

しかし、前期に大規模な採用ができた点に着目すると、それを基に今期は本格的な案件稼働を進めていきます。前期の教育コストや、教える側・学ぶ側双方の取り組みを踏まえると、前期比プラス17.1パーセント、2,100万円という数字は大きなジャンプアップとまではいかないと認識しています。

顧客平均単価の向上などの要因も影響はしますが、現状では、このまま順調に推移すれば大きな上振れも下振れもなく着地するのではないかと認識しています。

質疑応答:役員の役割分担について

kenmo:「納富さまと浜崎さまの役割分担についてお聞かせください」というご質問です。

納富:明確に役割が分かれているわけではありませんが、例えば、採用や会社の制度設計、カルチャー、育成といった分野については、主に私が担当しています。一方、事業サイドにおける数値管理などについては、主に浜崎が担当しています。

また、対外的な交渉については、それぞれが担当する部分があり、明確に分けているわけではありません。私自身、営業的なことや事業サイドを担当することもあります。ただし、濃淡でいうと、人と関わることや、採用・育成、教育、制度設計などは私が行い、事業サイドについては浜崎が担当しています。いわゆる一般的なCEOとCOOの役割分担のように考えていただくとわかりやすいかと思います。

kenmo:M&Aについてはどのような体制で行っていますか?

納富:主に浜崎が担当していますが、私も関わっています。そのため、どこからタッチポイントがきたかによって変わることがあると思います。例えば、天郷醸造所については浜崎が担当しました。現在進めているM&Aについては、それぞれがいくつかを担当している状況です。

質疑応答:営業組織があることに対する意味や強みについて

kenmo:「『前に立つエンジニア』という体制の場合、営業が担う役割は相対的に小さくなるのではと思いました。御社では、営業組織があることにどのような意味や強みがあるのでしょうか?」というご質問です。

浜崎:1年前を振り返ると、営業という役割がどこまで明確か、またその意義や強みが十分に理解されていたかという点について、正直なところ、そうではなかった部分があったと思います。

その中で、当社が前期に行った大きな変革の1つは、東京に営業チームを新設したことです。このチームを設けたことによって、大きく状況が変わったと考えています。

また、「前に立つエンジニア」に関しては当然取り組んでいますが、当社はお客さまの会社規模やエンジニアリングの前段階での課題解決に注力する必要性を認識しています。さらに、クロステクノロジーからMSP、MSPからクロステクノロジー、そして自社プロダクトにおけるアップセルを体系的に行うことが重要です。これらが、前期の1月から今期の開始前までに重点的に検討してきた課題であり、ポイントでした。

結果として、東京の営業チームが体系をしっかりと整理し、どのように進めていくかを明確にしてくれました。例えば、自社プロジェクトである人事評価サービス「360」を提供していたチームは、これまではその中で完結していましたが、東京のいろいろをトータルしたセールスチームと連携するかたちになり、サービスごとに独立していたセールスチームがクロスセル可能な体制に変更されました。その結果、全体として各クライアントに対し、さまざまなシステムをマルチに提案・販売できる仕組みに転換したことが、大きな変革となりました。

先ほどのお話に戻りますが、どのプロダクトにおいても、またクロステクノロジーやMSPでもそうですが、顧客のクラウド規模が大きくなったことで、「エンジニアが前に立つ」というプロジェクトベースの案件が中心ではありますが、その枠を超えて、企業内の他部署や他の顧客へも深く入り込み、より深耕した提案を行う体制を築きました。

このような営業チームの変革は、さまざまなチャネルを活用しながら、組織全体で進められ、特に今期においては大きな組織転換となったと考えています。

今期については、これまで役割が小さかった部分もありましたが、営業組織がしっかりと成果を出す体制が整いました。しかも、各セールスがそれぞれの担当商材に限らず、横断的に営業展開することで強みを発揮し、意義のある結果を生み出してくれると思っています。まさにそのようなかたちで第1四半期がスタートしたと考えています。

質疑応答:足元の事業環境について

kenmo:「プログラミングの工数が減ることにより、足元でプロジェクト自体の総額が下がっているといったようなことはないのでしょうか? また、現状高収益の案件を選べるような状態なのでしょうか? 足元の事業環境についてお聞かせください」というご質問です。

浜崎:高収益案件の選択について、もちろん潤沢になんでもというわけではありませんが、ありがたいことに現実としてそのような状況をある程度作れているのではないかと思っています。

プログラムの案件が減少することに関しては、その側面も確かにあります。ただし、当社は課題解決の核心が必ずしもプログラミングではなく、よりお客さまの根本的な課題に踏み込む領域にシフトしてきたと感じています。

そのような観点でいうと、システム構築も課題解決の基本的な手段の1つではありますが、それ以外のアプローチ、例えばお客さまがAIを効果的に活用することで解決できる領域もあります。こうしたケースでは、コンサルティングが主な業務となります。その結果、プログラミング収益が減少する可能性はありますが、お客さまと継続的な関係を築く観点からはコンサルティングフィーをいただける状況が生まれています。

当社としては、プログラミング業務が減少するケースもあれば、逆に増加するケースもありますが、減少した場合でも、タッチポイントを確保することでコンサルティングが実現できていると考えています。

また、プログラミングそのものはAIによってますます自動化が進む時代であると認識しています。そのため、プログラミングだけに価値を依存させるのはリスクであり、収益の多角化を積極的に図ることを目指しています。

質疑応答:1人当たり売上高の向上施策について

kenmo:「今後、1人当たり売上高を大手同業者以上にするための方策があれば教えてください」というご質問です。

浜崎:非常に難しい課題だと思いますが、大手同業者以上に1人当たり売上高を上げたいと考えています。ただし、2つの側面があると考えています。

1つは、無駄に工数をかけている会社も多く存在します。したがって、そのような企業のように、お客さまに対して適正な人員と価格を超過したかたちで提供し、1人当たり売上高を上げるようなことは望んでいません。

当社はお客さまに対して価値をしっかり発揮し、その結果として適正な額をいただくべきだと考えています。その前提に立った上で、1人当たり売上高向上を実現している企業をベンチマークし、どのように追いつくかを日々考えながら取り組んでいます。

お客さまに対するチャージ額について、1人当たりのチャージ額が当社の1.5倍や2倍といった企業も存在します。そのような企業のように、当社も自分たちの価値をさらに磨き、適正なかたちで評価されるよう努力したいと思います。

一方で、前述のような価値以上のものを漠然としたかたちで付加していくことは、当社は決して望んでいません。そのため、大手企業をベンチマークにする際には、後者のように質と価値が伴った企業を基準としています。まだそこに乖離がある部分もありますので、そこをしっかり目指していきたいと考えています。

彼らとの違いについて述べると、当社は福岡を拠点としてきたため、東京に集中する投資体力のある企業との接点が少ないことが挙げられます。東京支社を開設することで、投資体力のある企業に当社の価値を適切に提供できる機会を増やしていくことが、直近の具体的な取り組みの1つだと考えています。

納富氏からのご挨拶

納富:本日はしっかりと時間をかけてご説明しました。今回の成長可能性資料についてですが、過去の上場時から作成してきた資料を大幅に刷新したものとなります。一方、自分たちの強みをしっかりと言語化できたとも感じています。

社内も一丸となっていますので、投資していただいた方に「投資してよかった」と実感いただけるような会社を目指し、株価の上昇も含めて実現していきたいと考えています。上場はゴールではなく、長期的に会社を成長させることにコミットしていきたいと思います。引き続きのご支援を何卒よろしくお願いします。

浜崎氏からのご挨拶

浜崎:みなさま、本当に長時間お付き合いいただきありがとうございます。納富からのご説明のとおり、成長可能性資料を刷新しましたが、その過程で、上場後にお客さまから支持をいただきつつさまざまな仕事を進めていく中で、当社の事業ステージや取り組むべき範囲の広さ、深さが大きく変化したことを認識しました。

これは、当社にはまだ成長の余地が十分にあることを再認識したということでもあります。この成長余地というのは、これまで踏み入れることのできなかった領域であり、それにあらためて気づかされました。そのため、セールスや組織を新たに構築し、チャレンジャーとしての気持ちを持ちながら、市場でのプレゼンスを高めていきたいと考えています。

また、先ほどご説明したM&Aも含め、当社が成長するためには自らの努力だけでなく、非連続的な成長を模索していくことも重要です。それも含めて今後とも推進していきたいと思います。引き続き、みなさまに見守っていただければ幸いです。ありがとうございました。

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