■要約
And Doホールディングスは、不動産フランチャイズ網を活用し、主に不動産と住宅に関連する多様なサービス・ソリューションを提供する企業である。2022年1月に持株会社体制へ移行しており、2026年6月期からは「フランチャイズ事業」「不動産売買事業」「金融事業」「ハウス・リースバック事業」を主要なセグメントとしている。全国規模の店舗ネットワークに加え、不動産取引における査定力や販売力を強みとしており、不動産流通に金融機能を融合させた独自のビジネスモデルを通じて、高齢化社会の老後資金をはじめとする社会課題へのソリューション提供を推進している。
1. 2026年6月期の連結業績
2026年6月期の連結業績は、売上高が前期比23.4%減の49,617百万円、営業利益が同57.3%減の1,120百万円、経常利益が同61.9%減の1,120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同38.0%減の1,452百万円となった。当期純利益の減益幅が小さいのは、リフォーム事業の譲渡益(1,382百万円)を特別利益として計上したことによる。事業ポートフォリオの再構築を進めている中で、不動産売買事業の大型案件の期ズレ及び人材補強に向けた先行投資によって利益率が低下し、各段階利益は期初予想を下回った。しかしながら、不動産売買事業での人材補強や中古買取再販を含む仕入契約は伸長しており、金融事業を成長ドライバーとした資本収益性の改善に向けた取り組みも着実に進展している。
2. 2027年6月期の業績予想
2027年6月期の連結業績は、売上高で前期比9.3%減の45,000百万円、営業利益で同25.0%増の1,400百万円、経常利益で同20.5%増の1,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同38.7%減の891百万円を見込んでいる。当期純利益が減益となるのは、前期に特別利益を計上したことによる。売上高については、リフォーム事業譲渡やハウス・リースバック事業縮小の影響により減収を想定しているが、不動産売買事業と金融事業をドライバーに、営業利益及び経常利益は増益を見込んでいる。同社は下記のように、2030年6月期を最終年度とする中期経営計画を発表しているが、2027年6月期はこの計画に沿って引き続き事業ポートフォリオの移行期と位置付けている。セグメント別では、ハウス・リースバック事業はさらに縮小するものの、フランチャイズ事業、リバースモーゲージ保証を中心とした金融事業、中古住宅買取再販を中心とした不動産売買事業に注力して増益を目指す。年間配当は前期と同様に46.0円(予想配当性向103.1%)を予定している。
3. 中期経営計画
同社は、2030年6月期を最終年度とする「中期経営計画」を発表している。主な定量的な目標には、最終年度に売上高800億円、経常利益80億円、親会社株主に帰属する当期純利益53.0億円、自己資本比率30%以上、ROIC6.0%以上、配当性向30%以上を掲げている。事業内容としては、これまで同社の業績をけん引してきたハウス・リースバック事業はレピュテーション問題や金利上昇下において、流動化のためのファンドスキーム継続懸念などから縮小均衡とする一方で、フランチャイズ事業、リバースモーゲージ保証を中心とした金融事業、中古住宅買取再販を中心とした不動産売買事業に注力する計画だ。初年度である2026年6月期は記述のように計画を下回ったが、現時点で目標値に変更はない。引き続き計画に沿った施策を実行していくことで目標を達成する予定だ。今後この計画に沿って事業形態がどのように変化するかが注目される。
■Key Points
・2026年6月期は不動産売買事業の期ズレで57.3%の営業減益
・2027年6月期は期ズレ案件を取り込み、25.0%の営業増益を予想
・中期経営計画目標(2030年6月期に経常利益80億円)は変更なし
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)