■要約
1. 純国産RPAや次世代AIプラットフォーム、人財育成プラットフォームを提供
FCEは、DX推進事業と教育研修事業を展開している企業である。DX推進事業では、主力の純国産RPA※1ソフトウェア「ロボパットAI」※2や次世代AIプラットフォーム「AI OMNI AGENT」を販売している。教育研修事業では、自社製の定額制オンライントレーニングシステム「Smart Boarding」、子どもの「自立力」向上を支援する小中高校生向けビジネス手帳「フォーサイト手帳」、世界的ベストセラー『7つの習慣』を基盤としたプログラム・研修などを販売している。両事業ともに、手厚いサポートや高採算のストック型収益に特徴がある。同社は「『主体性』×『生産性』で人的資本の最大化に貢献する」ことをミッションとし、人口減少に直面する日本企業の成長を支援することで自らの事業拡大と収益性向上を進め、企業価値の拡大を図っている。
※1 RPA(Robotic Process Automation)は、パソコンの事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術。
※2 AI機能を実装したことから、2026年3月より「RPA Robo-Pat DX」を「ロボパットAI」へ名称変更した。
2. 商品力やコンサルティング力などの強みを背景に高い業界の評価
同社の強みは商品力とコンサルティング力にある。商品力は、たとえば「ロボパットAI」では現場の業務に精通した担当者が使いこなせるよう商品を設計している点が強みである。コンサルティング力は、無料トライアルを入口に導入から活用・定着までワンストップでサポートするきめ細かな「伴走型営業」が強みとなっている。結果的に顧客が使いこなせるようになるため、解約率は1%台と業界のなかで特に低くなっている。ほかに、紹介パートナー制の拡大などにより強化された営業力、AI製品導入で拡充されたラインナップ、高採算のストック型収益なども強みである。こうした強みを背景に、国内最大級のIT製品・SaaSのレビューサイトで「ロボパットAI」が5年連続受賞するなど、業界における評価は高い。
3. 高採算の「ロボパットAI」が好調に推移する一方、AI関連事業を本格化
2026年9月期第3四半期の業績は、売上高5,171百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益1,092百万円(同18.3%増)と好調であった。「ロボパットAI」へのAI機能の追加や「AI OMNI AGENT」の投入などAI関連事業を本格化するなか、高採算の「ロボパットAI」が好調に推移したことが主因で、事業拡大やAI関連事業向けに費用が先行したものの、2ケタ増収増益となった。2026年9月期の業績について同社は、売上高6,800百万円(前期比11.5%増)、営業利益1,130百万円(同23.9%増)を見込んでいる。通期業績予想に対する進捗率は高いが、2027年9月期の成長へ向けて先行費用を投じる予定のため、期初予想線に着地する見込みである。なお、「ロボパット」の新シリーズである「ロボパットAI Agent Studio」を、今秋にも投入する計画である。
4. 東証プライム市場上場を目標に経常利益で年率20%~25%以上の成長を目指す
同社は、2026年9月期以降の中期的な事業方針を策定した。既存事業を一層拡大するとともに、新規事業への投資を継続し、AI関連事業で成長をさらに押し上げる考えである。その結果、中期的に売上高で年率10%以上、経常利益で年率20%~25%以上の高成長を持続し、2027年9月期には東証プライム市場の形式要件を充足させる計画である。さらに、ROE改善やIR強化、成長分野への継続投資など資本コストや株価を意識した経営も実践して、時価総額の上昇をねらう。形式要件についてはすでにほぼ充足しているが、残るハードルの一つである「経常利益25億円基準」も、2026年9月期経常利益が予想どおり1,160百万円に着地できれば、2027年9月期は前期比15.5%増の1,340百万円を達成すればよく、東証プライム市場の形式要件の充足は視野に入ったと言える。
■Key Points
・DX推進事業、教育研修事業ともに商品力と「伴走型営業」が好評
・「ロボパットAI」が好調に推移する一方、AI関連事業を本格始動
・事業方針に沿って経常利益を拡大、東証プライム市場上場が視野へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)