■要約
フォーバルは、中小企業の「ESG経営を可視化伴走支援する企業ドクター(次世代経営コンサルタント)集団」を基本戦略として事業を展開している。
1. 事業概要
同社の売上・利益は、主にフォーバルビジネスグループとフォーバルテレコムビジネスグループで構成されている。事業の柱であるフォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。
2. 業績動向
2027年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%増の16,865百万円、営業利益が同67.4%増の344百万円、経常利益が同80.3%増の444百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同79.3%増の115百万円と増収増益となった。売上高に関しては、DX推進の機運の高まりを受けて企業ドクターによる可視化伴走経営支援事業が堅調に推移したほか、電力サービスなどが増加したことにより増収となった。「企業ドクターグループ」では、「F-Japan戦略」に沿って全国の企業ドクターによる可視化伴走経営支援事業が堅調に推移した。「ビジネスソリューショングループ」では、電力サービスの増加を主因に増収となった。一方で太陽光システムなど環境系事業は補助制度のスタート時期の影響で低調に推移した。売上総利益が順調に増加した一方で、販管費は人員増強や情報処理費など成長戦略に必要な投資を行うなかで伸びを抑制した。この結果、営業利益は前年同期比67.4%増と大幅な増益となった。同社の業績は公的機関の事業サイクルに影響を受けて季節変動するため下期(特に第4四半期)偏重の利益構造があり、現時点で順調に推移していると言える。
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.7%増の77,000百万円、営業利益が同10.1%増の4,100百万円、経常利益が同6.3%増の4,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同48.9%増の2,200百万円と、売上高・各利益ともに増収増益を見込んでいる。期初予想を据え置き、売上高・営業利益・経常利益ともに過去最高更新を予想する。同社グループは、「企業ドクター」を起点として企業経営を支援する集団となり、中小・小規模企業の利益に貢献することで顧客とのリレーションを強化し、ビジネスパートナーとしての確固たる地位を確立するとともに、ストック型の収益構造へとビジネスモデルの転換を図る方針だ。外部環境においては、中小企業のDX投資が堅調であることに加え、デジタルを活用した行政サービスの実現に国の支援も充実している。2026年7月に高市政権で閣議決定された“骨太方針2026”では、「AX/DXの推進」「GXの強化」「強い地域経済の構築」「人材力の強化・人材総活躍」が示されており、特に「交付金等を活用した都道府県・市町村による中小企業の生産性向上支援の取組を十分に後押しする。」と明記されている点は、地方で産官学金連携によるGDX支援を推進する同社には追い風である。
3. トピック
同社の企業ドクターは、日々の中小企業への伴走支援のなかで、自らAIを活用するとともに、顧客企業のAI活用を支援する立ち位置にある。この役割は、DXやAIの知識や導入経験が豊富でなければ務まらず、AIを先導できる専門人材に乏しい中小企業が多いなか、その重要性を増している。AIツールの進化も活発に行われているため、どの技術・ツールをどう中小企業経営に生かすかがカギとなる。同社は、2026年6月に北海道大学認定AIベンチャーである(株)調和技研と業務提携を行った。調和技研は、高度な研究開発力を基盤に、製造業や流通業、建設業やIT/通信業などあらゆる業界に対して個社別に最適化されたAIモデル・AIエージェントを開発・提供してきた。両社は、この提携により、中小企業向けAI商品・サービスの提供、自治体DXでの連携、人材育成、コンサルティングサービスの高度化などに取り組む。中小企業との接点を持つフォーバルとAI技術・ツールのプレーヤーは親和性が高く、今後は中小企業・自治体などのAI活用に関する協業・連携が増えることが想定される。
■Key Points
・企業ドクターによる可視化伴走経営支援サービスを軸に、中小企業・自治体のGDX・ESGを支援する企業集団
・「F-Japan戦略」については複数年連続の契約も増え、自治体との提携が積み上がる。地方での人材定着に手応え
・2027年3月期第1四半期は営業利益が前年同期比67%増の好発進。企業ドクターによる中小企業のDX伴走支援が順調
・2027年3月期は売上高77,000百万円、経常利益4,300百万円と、過去最高業績の更新を予想
・AIベンチャーの調和技研と業務提携
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)