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日本情報C Research Memo(5):仲介と管理を結ぶ一気通貫のサービスラインナップ体制などが強み

■日本情報クリエイトの事業概要

2. 特長・強み
基本戦略は、顧客の細分化とエリア戦略、及び仲介と管理を結ぶ2つのソリューションで顧客を結び、市場シェア拡大を図ることである。同社の強みは、1)全国の中小規模の不動産仲介・管理会社をターゲット顧客として、仲介と管理を結び一気通貫のサービスラインナップ体制を構築していること、2)全国28事業所(2026年6月期末時点)の営業ネットワークによって地域密着型のきめ細かいコンサルティングとサポートを実現していること、3)無償の不動産業者間物件流通サービス(「リアプロBB」「リアプロ仲介」)によって新規顧客開拓・顧客基盤拡大を推進し、顧客との接点を強化したうえで月額有償サービス(「賃貸革命」「リアプロBB管理」「リアプロ管理」など)につなげるほか、クロスセル・アップセルによって売上拡大を図るフリーミアム戦略を基本としていること、4)低い解約率やストック売上の積み上げによって高い利益率や安定した財務基盤を実現していることなどである。こうした強みにより、同社の賃貸管理システム導入実績(累計)は2026年6月末時点で5,746事業者となっている。

ストック売上拡大に伴ってMRRも拡大基調

3. KPI
2026年6月期のサービス別売上高は、仲介ソリューションが1,999百万円(売上構成比36.5%)、管理ソリューションが3,356百万円(同61.3%)となった。仲介ソリューションは2022年6月期の929百万円から約2.2倍に、管理ソリューションは2,086百万円から約1.6倍に拡大した。売上構成比はおおむね仲介ソリューションが約4割、管理ソリューションが約6割で推移している。

2026年6月期のイニシャル/ストック別売上高は、イニシャル売上(ソフトウェア導入費用等)が1,148百万円(同21.0%)、ストック売上(ライセンス料・サービス利用料等)が4,324百万円(同79.0%)となった。イニシャル売上は2022年6月期の1,071百万円からほぼ横ばいだが、これはストック売上につながる新規導入が順調に推移していることを示している。一方でストック売上は1,982百万円から約2.2倍へと順調に拡大している。これに伴って売上構成比はイニシャル売上が32.1%から21.0%へ低下、ストック売上が64.9%から79.0%へ上昇した。ストック売上の構成比が約8割まで上昇し、強固な安定収益基盤を構築している。

また2026年6月期の期末MRRは、仲介ソリューションが170,686千円、管理ソリューションが198,553千円、合計が369,239千円となった。仲介ソリューションは2022年6月期末の75,806千円から約2.3倍に、管理ソリューションは99,420千円から約2.0倍に、合計は175,225千円から約2.1倍に拡大した。ストック売上の拡大に伴ってMRRも拡大基調となっている。

2026年6月期末時点の利用顧客数・導入事業所数(累計)は、業者間物件流通サービス(無償)顧客数が67,230、月額有償サービス利用顧客数(全プロダクト)が7,073、「電子入居申込」サービス導入事業所数が3,958、「電子契約」サービス導入事業所数が773となった。業者間物件流通サービス(無償)は2022年6月期末20,286から約3.3倍に、月額有償サービス利用顧客数(全プロダクト)は4,186から約1.7倍に、「電子入居申込」サービス導入事業所数は2,467から約1.6倍に、「電子契約」サービス導入事業所数は119から6.5倍に増加した。営業体制やプロダクト機能の強化などの成果により、フリーミアム戦略の顧客基盤となる無償の業者間物件流通サービス顧客数が増加し、さらに有償サービス顧客数(再販による増加は除く)も増加基調である。また既存顧客へのクロスセル・アップセルにより、ストック売上とMRRの拡大を図っている。

解約率(既存契約の月額課金額に占める解約に伴い減少した月額課金の割合)は2022年6月期が0.6%、2023年6月期が0.6%、2024年6月期が0.5%、2025年6月期が0.4%、2026年6月期が0.5%と、おおむね0.5%前後という低い水準で推移している。地域密着型のコンサルティングやサポートにより低い解約率を維持しており、解約率の低さは同社のプロダクトやサービスに対する顧客満足度の高さを示している。

2026年6月期末の従業員数(正社員のみ)は前期末比36人増の348人(内訳は営業部営業が同11人増の96人、営業部SAが同1人増の56人、開発部が同13人増の88人、その他が同11人増の108人)となった。同社は2022年6月期に拠点の全国展開をおおむね完了したため、従業員数は2022年6月期末294人、2023年6月期末307人、2024年6月期末289人、2025年6月期末312人とおおむね300人前後で推移していたが、2026年6月期末は業容拡大に伴い、営業・開発・管理部門それぞれにおいて必要な人員を増員したため大幅に増加した。今後もAI活用による生産性向上を図りつつ、事業拡大に必要な増員を進めていく。

事業環境は良好で市場シェアの拡大余地も大きい

4. リスク要因・収益特性と課題・対策
システム開発・情報サービス産業における一般的なリスク要因としては、景気変動などによる企業のDX投資抑制、市場競合の激化、不採算プロジェクト・品質不具合やシステム障害の発生、技術革新への対応遅れ、知的財産権、人材の確保・育成、協力会社・販売パートナーとの関係、法的規制などがある。

同社が事業展開する不動産仲介・管理領域では全国に約13万の宅地建物取引事業者(個人、法人の合計)が存在するが、小規模事業者が多いため労働生産性が低く、IT・DXによる業務効率化が遅れている事業者が多い。また毎年5,000社前後が廃業している一方で、宅地建物取引資格を取得するなどして新規開業する事業者が毎年6,000社前後あり、事業者の開業・廃業による入れ替わりが多いが、結果的に法人事業者数で見た市場は緩やかに拡大基調となっている。さらに、新規開業する事業者にはデジタルネイティブ世代と言われる若い経営者が多く、DXを積極的に推進する傾向が強いため、不動産関連市場におけるDX投資需要は拡大基調が予想されている。不動産テック業界の市場規模は、同社によると2022年度の約9,400億円が、2030年度には2兆3,800億円に拡大する見込みとなっている。したがって、同社にとって事業環境は良好であり、市場シェア拡大余地も大きいと弊社では考えている。

なお同社の業績の季節要因として、第3四半期(1月~3月)の構成比が低く、第4四半期(4月~6月)の構成比が高い傾向がある。これは1月~3月が引越シーズンで不動産仲介・管理事業者にとって繁忙期となり、システム導入作業を4月~6月に行う傾向が強いためである。ただし同社のストック売上が拡大基調であることに変化はない。また、同社の顧客は中小規模の不動産仲介・管理会社(大手FCチェーンへの個々の加盟店を含む)であり、有償サービスが月額1百万円未満の顧客が大半を占めている。このため特定顧客への依存リスクは小さい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

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