■クオルテックの今後の見通し
1. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の業績は、売上高が前期比6.8%増の4,600百万円、営業利益が同2.1%増の500百万円、経常利益が同1.7%増の514百万円、当期純利益が同2.4%増の395百万円と、引き続き増収増益を見込んでいる。詳細は後述するが、同社は事業構造改革に踏み切り、信頼性評価事業と微細加工事業のさらなる成長と、新規事業としてパワー半導体試験機や測定器などの評価装置事業の育成を目指すこととし、バイオ事業を解散することとした。当面は信頼性評価事業と微細加工事業を2本の柱として売上・利益面の成長を加速させる。
信頼性評価事業では、前期に引き続き高付加価値案件の受注を強化すべく営業活動を進め、同8.9%の増収を見込む。信頼性試験分野では2026年6月に、試験・分析受託や理化学機器販売等を営むAUテクノサービスからの営業譲受を行ったこともあり、試験メニューの増大と顧客基盤の拡大による受注増を見込んでいる。断面研磨分野では前期に引き続き堅調な受注を予想、パワーサイクル試験分野では主要顧客からの好調な受注に加えて、微細加工事業からの一部業務のシフト効果もあり、2ケタ増収を見込む。微細加工事業では一部業務のセグメント変更により同5.7%の減収を予想している。レーザ加工分野では従来からのターゲットであるメディカル分野等の受注拡大に加え、AI需要に伴う量産案件獲得に注力することで増収を図る。表面処理技術分野はセグメント変更の影響で減収予想となる。その他事業はバイオ事業の解散に伴い同37.5%減収を見込んでいる。
利益面では高付加価値案件の増加等による増収効果による増益を見込む。引き続き研究開発強化等のための販管費・研究開発費の増加(112百万円)や、事業部門の体制強化に伴う人件費増加(75百万円)等のコスト要因はあるが、それらを吸収し増益を見込む。
2. セグメント別業績見通し
(1) 信頼性評価事業
売上高は前期比8.9%増の4,085百万円、営業利益は同8.8%増の1,321百万円を見込んでいる。売上面においては、信頼性試験では、前期に受注が好調だった環境試験への対応を強化すべく振動試験機や塩水シャワー試験機等を増設しているほか、自動車業界やパワー半導体業界、ファウンドリを対象とした分析・解析試験のニーズ増大への営業活動を強化することで同15.8%の増収を予想する。特に、試験の複合化と高付加価値化が可能な案件については受注に向けた活動を強化する。断面研磨においても投資を積極化し堅調な受注に対応する方針で、同4.7%の増収を予想する。パワーサイクル試験についてはパワー半導体向け試験へのリソース投入強化により同22.9%の増収を予想する。利益面では引き続き高付加価値案件への受注強化等により増益を見込む。費用面では人件費(121百万円)や減価償却費(56百万円)等のコスト増加要因があるが、増収効果でカバーを図り増益を目指す。
(2) 微細加工事業
売上高は前期比5.7%減の500百万円、営業利益は同0.4%増の275百万円を見込んでいる。一部業務のセグメント変更により減収予想だが、レーザ加工での受注増とセグメント変更による費用減により増益を見込む。売上面では主力のプリント基板メーカーに加え、メディカル分野やAI需要増加に伴うデータセンター関連の案件獲得に注力する。分野別ではレーザ加工で12.0%の増収、表面処理技術分野でセグメント変更に伴い42.5%の減収を見込んでいる。レーザ加工については同社の誇る高難度な加工技術を背景に各分野における試作品の受注とその後の量産化を図ることで利益率の高い案件受注に努め、増益を確保する見込みである。
(3) その他事業
売上高は前期比37.5%減の15百万円、営業損失は4百万円(前期は19百万円の損失)を見込んでいる。バイオ事業部を解散するが、受託試験に対する今後の需要については信頼性評価事業で対応する。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)