内容
平林義規氏(以下、平林):みなさま、こんにちは。代表取締役社長兼社長執行役員の平林です。よろしくお願いします。それでは、 2027年2月期中間期の決算説明を行います。説明に入る前に、簡単にサマリーをお話しします。
本日のアジェンダは、スライドのとおりです。
8月28日に今中間期の業績予想を下方修正しました。春夏プロパー商戦の終盤である6月において、統計開始以来3番目に雨量が多く平均気温も前年より3度低いという極度の天候不順があり、夏物の正価での販売機会を逸したことが主な要因だと分析しています。
一方で、前年から続いていた業容不振や諸々のKPI悪化という課題に対しては、過度な値引きやポイント付与をコントロールし、プロパー販売を強化することで対応しました。その結果、7月と8月のプロパー売上は前年比でそれぞれ107パーセント、109パーセントまで回復しました。9月には前年比で116パーセントまで回復し、KPIの改善につながっています。この状況を継続することで、通期の計画は達成可能と考えています。以上が前半の説明のハイライトとなります。
また、不確実な経済情勢が長期化する中、物価高が進む一方で実質賃金が伸び悩み、家計防衛的な消費行動が進んでいます。他方では、資産効果により富裕層の高額消費が活発化するなど、いわゆる消費の二極化が進行しています。当社が主要な顧客層としてフォーカスしてきたアッパーミドル層にも、この二極化の傾向が表れていると認識しています。
かかる状況を踏まえ、当社では販路の多様化を急ピッチで進めています。あらためて、それぞれの販路に適した商品戦略やブランド戦略も進めています。以上が後半の説明のハイライトとなります。
最後に資本戦略についてご説明し、質疑応答に移りたいと考えています。
連結PL:中間連結会計期間
それでは、中間期業績結果についてご説明します。
8月28日に、売上276億円、営業利益1億円、経常利益5,000万円、純利益4,000万円の計画を、売上257億円、営業利益マイナス4億円、経常利益マイナス3億6,000万円、純利益マイナス4億8,000万円に修正しました。実績はおおむね修正計画に沿ったものとなっています。
前年に比べて売上が11億円近く、売上総利益が7億円近く減少した背景については、プロパー販売比率が高いプロパー商戦終盤の6月に生じた天候不順が影響したものと分析しています。
7月と8月はセール売上の減少により売上高が落ち込んだものの、値引きやポイント付与のコントロール、また掛率販売手数料の減少が販管費の抑制につながり、営業利益レベルでは例年並みに推移しました。
連結PL:KPI
主要KPIは、こちらのスライドに記載のとおりです。
前年および計画を下回る結果となっています。販管費は実額で減少しましたが、分母となる売上が減少したため、販管費率は上昇しました。
スライド2ページおよび3ページに記載の結果からは、冒頭でお話しした改善の姿は見えていません。その点を少しわかりやすくしましたので、次のスライドをご覧ください。
月別推移
こちらは、3月から8月までの月ごとの売上高とプロパー販売額について、前年比を示した折れ線グラフです。
第1四半期は、売上を前年並みに維持したものの、利益指標である売上総利益率は前年より1.2ポイントから2.6ポイント低下しており、この点が第2四半期において改善すべき課題となりました。
売上総利益率の低下は、2025年度以降の傾向として見られています。プロパー販売が計画どおり進まず、値引きやポイント付与が拡大したことで売上総利益率が低下するという因果関係があるため、かねて課題と認識し、商品見直し作業に着手してきました。
競合ブランドの価格調査と併行して、商品の価値および価格について見直しました。保守的になりがちな商品企画についても、ブランドごとの個性を取り戻す取り組みを進めるとともに、価格以上の価値を消費者に実感していただけるよう検討を重ね、商品によっては価格の見直しも実施しています。
一方で、販促策としての値引きやポイント付与については、コントロールを図りながら2024年度の水準に戻すことを目指しています。同時に、販売現場の創意工夫を引き出すため、販売コンペを実施しています。さらに、売り損じた原因を販売員から商品企画部門にフィードバックする「ボイス・オブ・カスタマー」といった取り組みも進めています。
また、値引きやポイント付与の削減で捻出した資金をマーケティングに充当し、プロパー販売強化に向けて、全ブランドで運用広告の取り組みを実施しています。オンライン・オフラインを問わず共通するビジュアル広告で商品の魅力を訴求する施策も展開しています。
その結果、プロパー販売は7月、8月と改善傾向が確認されました。この傾向は、9月にはより明確に顕在化しており、再現性のある形で売上総利益率の改善につながっていると分析しています。
参考)販管費実績の内訳
販管費の内訳です。売上に連動する販売手数料の減少により、前期差で4億2,000万円の減少となっています。ご参考までに、値引きやポイント利用は売上高の減少として処理されるため、経費には含まれません。
連結BS:中間連結会計期間
バランスシートです。前年8月末との比較になります。政策保有株式の売却により、「その他の資産」の項目が18億円減少し、現金が増加しています。
その一方で、自己株式の取得および消却が、現金と純資産の減少というかたちで反映されています。
重点施策の進捗状況と評価
続いて、2つ目のアジェンダである中間期の振り返りに移ります。
売上高と売上総利益の改善は残念ながらできませんでした。その背景については、すでにご説明したとおりです。
重点施策の進捗状況と評価
販管費と財務は改善しました。
在庫については、8月末時点で1億7,000万円増加しました。昨年9月の商戦で春夏商材が不足した経験を踏まえ、今年は在庫を厚めに用意しました。9月は雨続きと低温の影響で秋冬商材の出だしが好調でした。併行して、9月末に向けて春夏商材の在庫圧縮にも取り組みました。
このような取り組みの結果、在庫に占める当期品の金額が増加しており、評価は三角(△)としています。
通期業績予想据え置きの背景
続いて、3つ目のアジェンダである、2027年2月期の通期計画についてご説明します。
先ほど、7月、8月にプロパー売上が回復し、9月にはその傾向が顕著になっているとお伝えしました。
9月の店頭販売額については、こちらのスライドに記載されているとおり、前年比で111パーセントと改善しています。プロパー販売比率が上昇したことが主な要因です。
プロパー販売比率は74.2パーセントで、前期比で3パーセント改善しています。プロパー売上も前年比116パーセントと改善しました。
売上総利益については、バランスシートから読み取る調整項目もあるため、現時点では把握できていません。しかし、9月の速報値を確認する限りでは、売上総利益率改善の施策が効果を発揮していると考えています。そのため、通期の業績予想は据え置くこととしています。
2027年2月期計画:連結PL
2027年2月期の上半期と下半期を合わせた通期の損益計算書(P/L)です。下半期の売上高は340億円、営業利益は26億円を計画しています。
下半期の計画はチャレンジングな内容と認識していますが、プロパー販売の強化とスライドに記載の施策を通じて、通期計画を達成できると考えており、全社一丸となって取り組んでいきます。
なお、純利益については、下半期に政策保有株式の売却を予定しており、営業利益にかかわらず達成を見込んでいます。
2027年2月期計画:KPI
こちらは下半期のKPIとなります。売上総利益率は63.2パーセント、営業利益率は7.6パーセントを計画しています。先に述べたように、プロパー販売強化と次のスライドに記載の施策を通じて、売上総利益率を改善し、KPI目標の達成を目指しています。
2027年2月期計画:売総率の改善
こちらのスライドでは、売上総利益率の改善に向けた施策が記載されています。プロパー販売比率の改善については、すでにご説明したとおりです。
原価率の適正化や在庫管理については、これまでも習い性として実施してきました。引き続き緩めることなくきちんと運用し、通期の売上総利益率62.0パーセントを目指します。
定性計画の前提
スライド15ページ以降は、定性的に目指す方向性について述べます。冒頭でお話ししたとおり、国内でも消費の二極化が進んでおり、当社が主要な顧客層として注力してきたアッパーミドル層にも二極化の傾向が見られます。
ITやWebビジネスで富を築いた方々や、昨今の株高や不動産などの資産価値の高騰によって生まれたニューリッチ層は、インバウンド同様にラグジュアリーな商品を盛んに購買しています。
当社としては、日本製や日本の職人が丹精込めて作り上げた「Japan Luxuary(ジャパンラグジュアリー)」の商品を通じて、ニューリッチ層およびインバウンドへのアプローチにあらためてチャレンジする必要があると考えています。
一方で、アッパーミドル層に属しながらも、恒常的な物価上昇による実質所得の低下の影響を受け、節約志向が高まっている購買層も生じています。
ニューリッチ層が主に資産効果の高い大都市圏で増加する一方、節約志向の強い購買層が、地方百貨店の閉店による影響も受け、地域のショッピングセンターなどに購買行動を切り替えるケースも多く見られます。このような傾向にも、当社として対応する必要があると考えています。
また、どちらの購買層にもリーチできる販路として、EC(Eコマース:電子商取引)が挙げられます。百貨店やファッションビル、ショッピングセンターは、商品に実際に触れることができる重要な接点であり、その価値は変わりません。一方で、サイズ感や質感を確認できた後は、ECで商品を購入するケースも多く見られます。さらに、OMO(オンラインとオフラインの融合)の進化に伴い、店頭での商品の試用や受け取りといった利便性が一層向上しています。
当社のEC販路の売上には、まだ成長の余地があり、今後も強化が必要だと考えています。その詳細については、次以降のスライドで説明します。
ブランドポジショニング
こちらのスライドは、当社ブランドのポジショニングと各ブランドがどのような販路を攻める役割を担うのかを示したものです。縦軸にプライスイメージを示し、横軸の左側はカジュアル、右側はフォーマルとしています。本来、紳士と婦人で横軸の指標は異なるべきですが、簡便化して、このようなチャートとなっています。
左側に想定している販路を赤字の矢印で示しています。具体的には、Japan Luxuary、百貨店強化、直営店強化、ファッションビル強化、ショッピングセンター強化などが挙げられます。
当社はメーカーとしてもの作りに強みを持つ一方で、販路や販売ごとに異なる顧客に対応した商品を揃えることがさほど得意ではありませんでした。しかし、先に述べた領域に対応するためには、販路や店舗の所在する地域の顧客に対応した商品を揃えることが必要になります。
例えば、Japan Luxuaryは「SANYOCOAT(サンヨーコート)」「三陽山長」「HANAE MORI(ハナエモリ)」といったブランド、ショッピングセンターには「SANYO Style STORE PLUS(サンヨー・スタイルストア・プラス)」の業態といった具合です。
参考)チャネル別売上高
こちらのスライドは、現在の販路ごとの実績を示しています。百貨店販路の比率は60パーセントですが、売場数の推移を見ると明確な減少傾向が見られます。店舗数減少の背景には、地方百貨店の閉店や、都心百貨店で紳士・婦人売場がラグジュアリー売場へ切り替わる傾向があります。
「SANYO Style STORE(サンヨー・スタイルストア)」の業態拡大や、紳士と婦人を一体化する百貨店での複合店舗化により、売場減少の影響を緩和すること、もしくは百貨店と連携して外商販路を強化することで、既存店の売上強化を進めています。一方で、販路の多様化や強化は急務であると認識しています。目指すべき方向性の背景には、このような現状があります。
Japan Luxury
まずは、Japan Luxuaryについてご説明します。Japan Luxuaryに取り組むにあたり、当社が創業以来大切にしてきた価値観をあらためて振り返りたいと考えています。
当社は創業以来、「用の美」の価値観を大切にしてきました。用途に合わせた正しい素材を使い、必要な機能を備えることで、その道具には自然と美しさが備わると考えています。そのため、長く使うことが可能です。
ファッション性やモードが求められるのは当然ですが、当社のもの作りの根底にはこの価値観があり、他社にはない当社の強みだと考えています。Japan Luxuaryの商品だけでなく、価格の高低にかかわらず、当社が作るすべての商品にこのようなスピリットが込められています。
少し話がそれましたが、「用の美」の価値観をもとに、当社が誇る職工たちが作り上げた商品群は、素材、クラフトマンシップ、モード、そして商品の背景にあるストーリーとともに、日本製としての誇りを持ち、国内外のお客さまにお勧めできるものだと考えています。
「SANYOCOAT」「三陽山長」「HANAE MORI」「Paul Stuart(ポール・スチュアート)」は、そのようなブランドです。特に「SANYOCOAT」については、すでに「PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ・イマージネ・ウォモ/メンズファッションの国際見本市)」で評価を得ており、国内外の卸売、直販、さらに百貨店での外商において、着実に実績を上げています。今後、注力したい領域と考えています。
直営店/FB強化
FB(ファッションビル)および直営店の強化についてです。「AUREME(オーレム)」という、9月にローンチしたブランドについてご説明します。
当社がこれまで、「MACKINTOSH PHILOSOPHY(マッキントッシュ フィロソフィー)」などの百貨店販路でのブランドを、ファッションビル向けのディフュージョンモデルとして出店してきたことはご存じのとおりです。この取り組みは今後も継続します。
一方で、「AUREME」のように、ファッションビル向けに本格的に取り組んだブランドはあまり多くありません。ファッションビルに出店するにあたっては、徹底して商品を作り込む必要があるという思いを込めて櫛部美佐子氏を企画・デザイン・ディレクションに起用し、「空気をまとい素肌に寄り添う 未来のための日常着」をコンセプトに掲げるブランドです。
リアル店舗ではブランドの世界観をしっかりと伝え、オンラインでもファッションビルの顧客を的確に捉えたいと考えています。
SSS/SSS+によるSC強化
SC(ショッピングセンター)強化に向けた取り組みについてご説明します。
「SANYO Style STORE(SSS)」は、かねて百貨店における複合店舗として展開しており、すでに16店舗まで拡大しています。顧客の選択肢を増やし、売場効率を向上させる取り組みとして、百貨店からも高い評価を得ています。
「SANYO Style STORE PLUS(SSS+)」は、岐阜髙島屋の撤退後、当社ブランドの顧客のために立ち上げた新業態です。2号店は、9月16日にイオンモール岡崎にオープンしました。イオンモール岡崎の敷地には、かつて西武百貨店が出店していました。
商品は、当社婦人ブランド「AMACA(アマカ)」の新ラインである「Le Jour(ルジュール)」を加え、手に取りやすい品揃えを実現しています。
今後、イオンモール京都桂川やイオンモール伊達への出店を予定しており、それぞれの立地に合わせた品揃えを展開する計画です。
これら以外にも、地方百貨店閉店の影響を受けた立地や、アッパーミドル層に属しながらも節約志向の高まっている購買層に注目し、立地に応じた品揃えを整えながら、出店を進めていきます。
EC強化
EC強化についてです。当社がECに参画したのは2008年と後発でしたが、2023年にはECサイトを「SANYO iStore」から現在の「SANYO ONLINE STORE」へリニューアルしました。ブランドごとに独立していたWebサイトとEC機能を統合し、より買い回りがしやすく、また店舗の試着予約もスムーズに行える現代的なOMOサイトへと進化しています。
年間売上高100億円を目指して持続的な成長を続け、現在では売上高89億円を達成し、当社全体の売上の15パーセントを占めるまでに成長しています。
売上高100億円の次の目標は、当社売上比率20パーセントです。そのための具体的施策として、EC専用ブランド「BIANCA(ビアンカ)」の展開、CRM(顧客関係管理)の強化、OMOの強化、ライフタイムバリューの最大化などを進めます。
中計に掲げたその他の重点成長戦略の進捗状況
こちらのスライドでは、中期経営計画に掲げたその他の重点成長戦略の進捗を表にまとめています。
PBR改善計画:現状分析・課題・解決策
スライド23ページ以降は、資本政策について記載しています。23ページの現状分析、課題、解決策について変更はなく、再掲しています。
PBR改善計画:ROEの改善
ROEの改善についてです。課題となっているM&Aについては、引き続き具体的案件の検討を進めています。案件の実施を視野に入れ、10月1日付で経営統轄本部内に新規事業開発部という新組織を設置しました。
エクイティのコントロールにおいては、配当水準の段階的引き上げを実施し、6月30日に中期経営計画の残存期間における配当方針をDOE4パーセントから5パーセントに引き上げています。
さらなる株主還元策として、前中期経営計画期間以降に、自己株式の取得を合計5回実施しました。取得総数は1,018万株、総額は116億5,000万円です。なお、この株式数は、株式を3分割した後のベースで計算しています。
PBR改善計画:その他のPBR改善策
こちらのスライドは再掲です。
ネットキャッシュ・アロケーション:2028年2月期までの計画
ネットキャッシュ・アロケーションについてご説明します。2028年、中期経営計画終了までの2年間におけるキャッシュの使途についてです。
M&Aなどの成長投資、社員還元、株主還元を通じてネットキャッシュ水準の適正化を図り、資本効率の向上を目指します。成長投資が進展していないとのご批判もありますが、進捗があり次第、みなさまにご報告します。
キャッシュの使途
こちらのスライドは、使途の詳細を示しており、株主還元策を強化した内容も記載されています。
配当計画
最後に配当計画についてです。当社は配当方針にDOEを採用しており、計画は非常にシンプルですが、株主還元策として自己株式を取得したことで、DOEの基準となる株主資本が減少し、配当総額が減少しました。
一方で、自己株式取得によりROEおよびEPS(1株当たり純利益)が改善しますので、中期的には株価の上昇に寄与すると考えています。
2027年2月末には株主資本額の減少が見込まれることから、本日付で、「配当予想の修正に関するお知らせ」を開示しています。ご確認いただければ幸いです。
質疑応答:天気に左右されないビジネスモデル構築について
質問者:6月から8月の結果を見て、天気に左右されないビジネスモデルや商品開発の重要性をあらためて感じました。今後これらについてどのように対策されますか?
平林:天気に左右されないビジネスモデルについては、私も三陽商会に着任するまでは同じようなことを考えていましたが、着任した後は、完全に天気に左右されないビジネスモデルというのは非常に難しいことだと感じています。特に月ごとで見ると影響は避けられない部分があります。一方で、通年で見ると、影響は一定程度緩和される傾向があると考えています。
月単位、場合によっては四半期でも影響が出る場合があるため、当社としては通年で決算をご覧いただくことが適切だと思っています。
大江伸治氏(以下、大江):不安定な気象条件への対応について、私から補足説明をします。
これまでシーズンMDは春夏秋冬物で大まかに仕分けられていましたが、前々期から当社では「五季」に基づいて1年を5シーズンに分け、MDサイクルを短縮して対応していることは、ご承知のとおりかと思います。
これがどのような効果をもたらしたかについて、この春夏商戦を例にお話しします。
先ほど平林社長からの説明にあったとおり、当社は上期全体では売上が厳しい状況でした。しかし、7月、8月からはプロパー売上が非常に大きく上回る結果となっています。具体的には、7月が前年比107パーセント、8月が109パーセント、9月は116パーセントと、プロパー売上が顕著に伸長しています。
このように、これまで7月のクリアランスセールから8月いっぱいを春夏物のセール期間として売上を確保していた従来のパターンから、7月、8月の盛夏シーズンに実需対応が可能な新たなMDを導入したことで、プロパー売上の伸長につながったと考えています。
質疑応答:Japan Luxuary戦略について
質問者:Japan Luxuaryに関連しておうかがいします。ストーリーと一体で訴求を強化する他に、具体的にはどのようにニューリッチ層やインバウンドのお客さまとの接点を増やすお考えでしょうか? 現段階でお話しいただけることがありましたら、ご教示ください。
平林:Japan Luxuaryについては、ニューリッチ層やインバウンドにリーチする取り組みを進めています。
インバウンドについては、現在、当社の売上全体の5パーセント強を占めており、上期の売上は14億円から15億円程度です。今後の施策としては、日本を訪れる方々が頻繁に目にする場所で、しっかりと告知することを考えています。
それから、売場のロケーションも大変重要な要素だと考えています。例えば、八重洲や新宿にはバスターミナルがあり、周辺にはインバウンドのお客さまが大変多く訪れます。出店にあたっては、このようなロケーションを確保する必要があると考えています。
また、みなさまもご存じのとおり、昨今では、インバウンドのお客さまやニューリッチ層の方々が情報を得る主な手段はSNSなどのオンライン媒体となっています。そのため、オンラインでの露出や運用広告を活用するなど、地道な努力を重ねてしっかりと訴求することが重要です。
Japan Luxuaryの販路について、百貨店の外商との連携は非常に重要な取り組みだと考えています。加えて、インダストリアルツーリズムといった観点を含め、現在検討中です。これから進めていくさまざまな取り組みの中で力を入れていきたいと考えています。
質疑応答:売上高340億円達成に向けた下期重点施策と進捗状況について
質問者:下期について、売上高340億円のチャレンジングな計画を達成するために、さまざまな施策が講じられていますが、目標達成のために特に重点的に取り組むことについてご教示ください。
平林:繰り返しになりますが、やはりプロパーの商品を予定どおりしっかり売ることに尽きると考えています。そのためにまずは、商品自体がしっかりと魅力を備えていることが大前提です。
ややもすると、前年の成功例を踏襲しがちなのは、企業としてある程度宿命的な部分があると思いますが、過去にとらわれず、各ブランドのディレクターが、もともとブランドが持つ個性をしっかりと磨くことによって、各ブランドのポジショニングにふさわしい商品を開発し、顧客に確実に訴求できるものを作り上げます。
さらに申し上げると、それだけでは不十分な場合も当然あるため、マーケティングや告知にも力を入れています。我々は以前から決してこの分野が強いわけではありませんでしたが、運用広告をフル活用しながら、しっかりと告知活動を進めていきます。
大江:下期の売上高340億円という計画は、前年比108パーセントに相当します。それに対し、先ほど社長から説明があったように、9月時点で前年比111パーセントと、目標を上回る基調で下期をスタートできたという状況です。
私は今年で7期目となりますが、ここ2年ほど9月は猛暑が続き、秋商戦が不調に終わっていました。しかし今年は、9月が低気温であったため、久しぶりに本格的な秋商戦を展開できています。
また、商品の中身を確認すると、防寒衣料中心というより、中肉のほどよい厚みのアウターなどの秋商材や現在の時期に売れるべき商品がしっかり売れている状況です。
そのため、ここ2年間とはかなり状況が異なり、防寒衣料についてもまだ在庫を温存できている状態であり、久方ぶりに、10月、11月の秋商戦を迎える準備が整っているといえます。今の基調を維持することで、トップラインを確保できると考えています。
また、第2四半期において、プロパー強化とセール抑制を徹底し、KPIが明らかに改善しました。したがって下期に、トップラインの回復とKPIの改善の双方が効果を発揮すると考えています。
これらを踏まえると、チャレンジングではありますが、前年比108パーセントの売上計画を達成する可能性が十分にあると考えています。