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一正蒲 Research Memo(1):構造改革を通じて、収益基盤と営業キャッシュ・フロー創出力の強化を図る

■要約

一正蒲鉾は、主力のカニ風味かまぼこ(以下、カニかま)商品を中心に水産練製品を製造・販売する食品メーカーであり、水産練製品業界で第2位のシェアを占める。また、まいたけの生産・販売事業も展開しており、まいたけの生産量では国内第3位である。スーパーなど量販店の全国統一チェーンオペレーションに対応できる営業・生産体制を整え、消費者や生活環境の変化に応じた消費者視点の「モノづくり」に挑戦し続けている。

1. 2026年6月期の業績概要
2026年6月期の連結業績は、売上高35,542百万円(前期比2.8%増)、営業利益611百万円(同31.3%減)、経常利益529百万円(同41.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益326百万円(同56.3%減)と、増収ながら大幅な減益となった。期初予想に対しては、売上高(36,200百万円)は1.8%下回ったほか、営業利益(1,100百万円)を44.4%、経常利益(1,150百万円)を54.0%、親会社株主に帰属する当期純利益(750百万円)を56.5%それぞれ下回った。売上高は、2025年3月1日納品分から実施した価格改定による販売単価の上昇に加え、主力商品の販売数量が増加したことで増収となった。一方、すり身をはじめとする原材料価格や人件費などの上昇が大きく、売上総利益は6,617百万円(同5.3%減)、売上総利益率は18.6%と前期の20.2%から1.6ポイント低下した。販売費及び一般管理費を抑制したものの、原価上昇を吸収するには至らず、営業利益率は前期の2.6%から1.7%へ低下した。

2. 2027年6月期の業績見通し
2027年6月期の連結業績は、売上高38,600百万円(前期比8.6%増)、営業利益800百万円(同30.7%増)、経常利益800百万円(同51.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益480百万円(同47.1%増)と、増収かつ大幅な増益を見込んでいる。営業利益率も前期の1.7%から2.1%へ0.4ポイント改善する計画だ。主力の水産練製品・惣菜事業における価格改定による販売単価の上昇と主力商品の拡販に加え、前期まで損失が続いたきのこ事業の利益転換が増益に寄与する見通しとなる。一方、主原料であるすり身価格の大幅な上昇や鶏卵価格の高止まり、中東情勢等を背景とした包装資材・エネルギー価格の上昇、物流費や人件費の増加などを織り込んでおり、利益回復は限定的なものとなる見通しだ。

3. 中長期の成長戦略
第三次中期経営計画は、2045年度(2046年6月期)のありたい姿を示す「ICHIMASA30ビジョン」の「2nd Stage 2026-2035」の前半5年間に位置付けられ、「深化の5年」をテーマとしている。2026年度(2027年6月期)から2028年度(2029年6月期)までのPhase1を「成長基盤創りの3年」、2029年度(2030年6月期)から2030年度(2031年6月期)までのPhase2を「成長軌道への2年」とし、最初の3年間で既存事業の構造改革を通じて収益基盤と営業キャッシュ・フロー創出力を強化し、生み出した原資を成長投資へ振り向けることで、その後の成長軌道への移行を目指す。2031年6月期の数値目標は、売上高450億円、営業利益20億円、営業利益率5%としており、2026年6月期実績の売上高355.4億円、営業利益6.1億円から収益力を大きく引き上げる計画である。また、2027年6月期から2031年6月期までの5期累計で152億円の営業キャッシュ・フローを創出し、ROE8.0%、ROIC6.0%を目標とする。

■Key Points
・2026年6月期は主力商品が伸長するも、コスト上昇を吸収しきれず増収減益
・2027年6月期は単価上昇と主力品拡販、きのこ事業の利益転換により増益へ
・第三次中期経営計画を公表、「成長基盤創りの3年」へ突入

(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)

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