2027年2月期 第2四半期 [決算ハイライト]
田中潤氏:ウイングアーク1st株式会社代表取締役社長執行役員CEOの田中です。よろしくお願いします。まず、私から決算説明をさせていただきます。
今回の決算ハイライトは大きく3点あります。1つ目に、2027年2月期第2四半期で大幅な増収増益を達成し、売上も好調に推移し、前年同期比12.1パーセントの増収となりました。
利益指標については、売上増加に加え、コスト抑制もしっかりとできたため、前年同期比20パーセントを超える増益となっています。
2つ目は、当社の事業についてですが、ソフトウェアライセンスの売上が非常に大きく伸びているため、特にDEが好調に推移しています。公共系の案件も複数獲得しており、業績に大きく寄与しています。
3つ目として、AI-Readyな「Dr.Sum」をリリースしました。昨今生成AIの活用が企業内で進んでいますが、当社のプロダクトはこの生成AIを活用しやすいプロダクトラインナップとなっています。したがって、「Dr.Sum」の最新バージョンが、まさにこのAI-Readyなものになります。
2027年2月期 第2四半期 [決算ハイライト]
売上収益は164億9,800万円で、前年同期比12.1パーセントの増収となりました。EBITDAは59億2,100万円で、前年同期比21.9パーセントの増益です。
当期利益は37億9,600万円で、前年同期比29.2パーセントと、大きな伸びを示しました。
2027年2月期 第2四半期 [EBITDAの増減要因]
今回、売上が伸びるとともに、コストについても必要なものにしっかりと絞り込むことができたため、大きな利益を出すことができました。
2027年2月期 第2四半期 [ソリューション別売上収益]
ソリューション別に見ると、スライド右側に記載のDEが非常に大きく伸びています。
左側に記載の帳票・文書管理ソリューション(BDS)に関しても、成長は着実に進んでいますが、今回大きく伸びているのはDEのほうになります。
2027年2月期 第2四半期 [ BDS : SVF ]
BDSのプロダクト別についてご説明します。「SVF」は、当社における帳票の出力基盤ビジネスとなります。クラウドは順調に成長しており、オンプレミスもサブスクリプションと保守が特に伸びています。その結果、全体的に売上が増加傾向にあります。
2027年2月期 第2四半期 [ BDS : SVF A/T ]
スライドに「SVF A/T」と記載されていますが、これは「SVF Archiver/Transact」のことで、旧「invoiceAgent」にあたります。現在は、「SVF」ブランドに統合され、「SVF A/T」と省略して記載しています。
クラウドの売上は順調に伸びています。オンプレミスについては、非常に大きく成長しており、売上を牽引しています。
2027年2月期 第2四半期 [ DE : Dr.Sum ]
DEセグメントについてです。これは、いわゆるデータ活用と呼ばれる分野になります。
特に「Dr.Sum」という当社のデータベースエンジンについては、クラウドが大きく成長しており、オンプレミスも堅調に伸びています。したがって、「Dr.Sum」は非常に好調な結果となっています。
2027年2月期 第2四半期 [ DE : MotionBoard ]
「MotionBoard」です。クラウドについては、社数が若干減少した一方で、売上は伸びています。その理由として、今回「MotionBoard」のラインナップの中で収益性があまり良くないサービスについてポートフォリオの見直しを行いました。
その結果として利益率は向上しましたが、見直しの影響で社数が若干減少しているという状況です。
しかしながら、クラウドは利益率を改善しつつ成長しており、オンプレミスに関しても非常に大きく伸びる結果となっています。
2027年2月期 第2四半期 [契約区分別売上収益]
契約区分別では、ライセンス/サービスも第2四半期に増収へと転じ、前年同期比でプラスとなっています。
また、リカーリングについては非常に大きく成長しています。特にクラウドおよびサブスクリプションの伸びが顕著で、その結果、リカーリング比率が大きく増加しています。
2027年2月期 第2四半期 [リカーリング収益推移]
2027年2月期第2四半期は、四半期ベースで過去最高の売上収益となっています。
2027年2月期 第2四半期 [クラウドサービス成長率]
クラウドサービスは全般的に成長しています。
先ほど「MotionBoard」についてお話ししましたが、それ以外のサービスに関しても非常に大きく伸びています。
2027年2月期 第2四半期 [利益指標]
利益指標についてです。EBITDAはマージンを確実に伸ばしています。当期利益も前年同期比でプラスとなり、収益が非常に改善していることがわかります。
2027年2月期 第2四半期 [財務健全性]
Net cashと財務レバレッジについても改善しており、バランスとして良好な状態です。
事業トピックス
ここから事業トピックスに移ります。
今回一番お伝えしたいのは、スライド一番上に記載の「Dr.Sum」と「MotionBoard」に関してです。日経コンピュータがユーザーにヒアリングを行いランキングを作成する「顧客満足度調査」というものがあります。
その中の、「データ分析・活用基盤ソフト/サービス部門」において5年連続で1位を獲得しました。当社の製品が非常にお客さまから支持されていることが、客観的に評価された結果だと考えています。
「Dr.Sum」に関しては、データベースとしてさまざまな製品との連携を進めており、今回は新しい「TROCCO」というSaaSサービスとの連携がスタートしました。
「SVF」については、特にもともと「invoiceAgent」という領域だった「SVF Transact」の部分に関して、「BtoBプラットフォーム」という業界大手のプロダクト・サービスとしっかりと連携を開始しています。
事業トピックス AI-Readyな「Dr.Sum」リリース
冒頭でもお話しした、AI-Readyな「Dr.Sum」ということで、「Dr.Sum」のメジャーバージョンアップを行っています。
「Dr.Sum Ver.6.0」から、「Dr.Sum DataCatalog」という「Dr.Sum」のデータを、AIが管理しやすくなるサービスが今回導入されており、AIから「Dr.Sum」に蓄積されているデータを自由に利用することが可能です。
ここで重要なのは、単に自由に扱うだけではなく、しっかりとデータガバナンスを効かせて利用できることです。まさにAI-Readyなプロダクトとして、今回リリースしました。
事業トピックス Govlong「印刷加工オプション」
当社では自治体向けのソリューションとして「Govlong(ガブロン)」を展開しています。
この中に含まれる「印刷加工オプション」については、昨年リリースし、さまざまな事前準備をした上で、今年度から本格的に展開を開始しています。
また、多くの自治体における事例も増えてきています。自治体の基幹システムが刷新・標準化される中で、印刷加工の領域が課題となっていましたが、この点において、当社のサービスが強みを持っている領域となります。
2027年2月期 [業績予想]
続いて、2027年2月期の通期業績予想についてです。今年度の売上高は343億円を目指すという予想に変更はありません。
また、EBITDAや当期利益に関しても現時点では通期予想に変動はありません。
中間期の時点でもほぼ予想どおりの動きをしており、通期で目標を超えられるよう、引き続き努力していきます。
2027年2月期 [配当]
配当についても当初の予想どおりです。
中間配当は1株あたり54円としており、通期予想に関しても現時点では変動なく、予想どおりの配当を見込んでいます。
以上で、今期の決算のご報告を終了します。
Overview
藤本泰輔氏(以下、藤本):取締役執行役員CFOの藤本です。私からは、当社の財務戦略について説明します。
概要ですが、今期は5年前に公表した中期経営方針の最終年度となります。スライドに記載のとおり、順調に推移しています。この後でご説明しますが、売上収益および利益ともに、当初掲げた計画を達成する見込みです。
中期経営方針期間中に掲げた「質の伴った成長や利益創出の実現」という目標に向けて進めてきましたが、収益性・マージンともに向上し、キャッシュ創出力も引き続き強固なものとなっています。
中期経営目標の達成に向け着実に進捗
スライドでは、計画が定量的に示されています。最終年度である今期について、売上見込みは343億円となっています。
当初計画である売上320億円を上回る見込みです。EBITDAについても121億円と見込んでおり、利益についても計画を達成する見込みであり、現時点では蓋然性が高いと考えており、当社として自信を持っています。
過去の実績については、中期経営方針では最終年度のみを開示していましたが、毎年のガイダンスが毎期上振れしており、順調に推移していると評価しています。
構造改革とAI活用により、収益性は継続的に向上
スライドは、EBITDAマージンの推移を示しています。中期経営方針を発表した際には、多少利益を犠牲にして新たなビジネス創出のために投資を行った結果、EBITDAマージンが一時的に低下しました。しかし、その後業績は順調に推移しており、収益性や投資費用についても適切にマネジメントされています。
最終年度である今期については、毎年1ポイントずつ改善してきていることから、今期も35パーセントを超えるマージンを達成できる見込みです。
マージン改善は、事業ポートフォリオの見直しや最適化、不採算事業の撤退、生成AIを活用した生産性向上が背景にあります。
また、人員に関しては、中期経営方針の初年度から3年目にかけて採用を強化し、その結果採用された人員が戦力化されました。これにより、直近では採用を抑制することが可能となり、マージンや収益性の改善につながっていると考えています。
キャッシュ創出力の増大と強固な財務基盤の確立
キャッシュ創出力の増大についてです。スライド左側には営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローの推移が示されています。昨年は売掛金の回収タイミングの影響で一時的に減少が見られましたが、順調にキャッシュが積み上がっています。
また、スライド右側に記載の財務状況について、中期経営方針初年度はNet Debtの状態でしたが、直近ではNet cashが100億円近くまで積み上がり、キャッシュが順調に増加している状況です。
資本効率を意識し、株主還元を強化
資本効率を強化する取り組みとして、当社は成長投資と還元の両立を目標に掲げています。
足元では、スライド左側に記載のとおり、自己株式の取得(バイバック)を公表しました。規模は120万株、取得価額の総額は30億円であり、この9月から自己株式の取得を進めています。
配当金については、スライド右側に記載のとおりです。2025年2月期は記念配当などがあったため、2026年2月期は同額となっていますが、毎年配当額を積み上げている状況です。
株価は6月を底に反転、 堅調な業績進捗や株主還元施策を公表
株価についてですが、年初に話題となったAIの影響によりソフトウェア領域への懸念が大きかったことが影響し、下落する場面がありました。しかし、直近では足元の業績や我々の取り組みを評価していただき、株価は回復してきたと感じています。
創出したキャッシュを成長投資と株主還元へ
スライドは、4年前に発表したキャピタルアロケーションプランです。4年間の累計で300億円以上の営業キャッシュフローを創出という目標でしたが、こちらは着実に進捗しています。
スライド右側に記載した使途については、成長投資として掲げていたM&Aや出資の部分がやや計画未達の状況です。
ただし、なんでも闇雲に投資をするわけではなく、規律ある判断のもと、当社のビジネスにとって有効なものを厳選して進めています。
そのため、投資が一部計画未達に終わった分については、株主還元に振り分けています。これがアロケーションの変化になります。
公共DX・データ活用領域を中心にM&A・出資を継続的に実行
スライドは、過去3年間で実施した投資やM&Aを示しています。直近では、公共ソリューションに対してトライサーブやウイングアークNEXといった事業体を加え、ポートフォリオの充実を図ってきました。
成長領域への規律あるM&Aを推進
今後のM&Aについてです。当社にとってM&A自体は目的ではなく、当社の事業に有益となるものを厳選して実施していきたいと考えています。
そのような観点から、スライドには3つ掲げています。1つ目は当社が非常に強みを持つデータビジネス、2つ目は現在注力している公共DX、3つ目は当社の領域である高い市場シェアを持つソフトウェア、以上の3つが現在ターゲットとして検討している分野です。
サステナビリティ経営の進化
サステナビリティについてです。当社は事業だけでなく、企業の根本的な強さという観点からも、サステナビリティの領域に非常に注力しています。
MSCIのESG評価では「AAA」を獲得し、「CDP気候変動レポート」においても3年連続「B」スコアを獲得しており、対外的に非常に高い評価を受けています。
また、「健康経営銘柄2026」に選定されています。当社のようなビジネスにおいて、社員の健康や、社員が事業に集中できる環境を整えることは非常に重要な要素であると考えており、これらについても積極的に取り組んでいます。
利益成長と資本効率の向上を両立し、企業価値の向上へ
利益成長と資本効率の向上についてです。本日お話ししたとおり、当社は事業成長を最優先事項として掲げており、それによる収益性の向上が当社にとってのキーファクターとなっています。
それに加えて、創出されたキャッシュを規律ある資本分配のもと、成長投資と株主還元にバランスよく配分していきたいと考えています。これによって企業価値や株価の向上につながると信じています。
スライド右側に記載のEPS/ROEも、当社が非常に重要視している指標です。今回の自社株買いにより、EPSおよびROEは今期末にさらに向上する見込みです。
質疑応答:通期計画に対する上期の進捗について
質問者:上期の進捗に関して「通期計画は変更なし」ということですが、以前示された上期の目標と比較すると、売上高は若干未達だったものの、EBITDAはおそらく3億円ほど上振れたのではないかと思います。この点について、通期で見ると誤差の範囲内ということなのでしょうか? それとも、通期ではもう少し利益面での上乗せを期待してよいのか、ニュアンスを教えていただけますか?
藤本:ご指摘のとおり、上期のガイダンスとしては売上166億3,000万円、EBITDAは55億9,000万円を公表していました。
トップラインについては、第1四半期の説明会でもお伝えしたとおり、大型案件の遅延や後ろ倒しが見られ、多少遅れている部分はありますが、現状では大きな環境変化はないと考えています。そのため、通期のトップラインとしては、現在掲げているガイダンスの達成に自信を持っています。
利益面に関しては、第1四半期の説明会でもお話ししたように、費用の見直しがかなり進んでおり、上期においても当初の予想より抑制できている状況です。この傾向は下期も続くと見込んでいます。
そのため、利益水準として当初の見通しを上回る可能性はあると考えていますが、一方で、下期のトップラインの状況次第では、来期の事業成長に向けた投資や施策を講じる可能性もあります。この点は適切にコントロールしながら、利益の達成、もしくは上振れ着地を目指していきたいと考えています。
質疑応答:マージンの考え方について
質問者:マージンの考え方についてです。上期の営業利益率が31パーセント、第2四半期は35パーセントと非常に高い水準に達しています。EBITDAマージンの改善に関するご説明からも、持続性のある改善ではないかと感じています。
来期以降の改善に関してですが、「今期でかなり良いところまで改善が進んだのですよ」といった方向なのか、「来期、再来期に向けても、まだ改善ペースは続いていきますよ」といった方向なのか、少し時期尚早かもしれませんが、この目線で見た場合、来期からの2年から3年を見据えた利益率の改善についてはどのように捉えればよいでしょうか?
藤本:おっしゃるとおり、当社の収益性やコストアロケーションは、非常に良い形で進んでいると考えています。
このままいくと、来期のマージン改善は見込めるものであると思いますが、現在、来期以降の中期経営方針に向けた議論を進めています。
そのため、来期にどのような投資を行い、それをどのように経営資源として配分するかについては、まさに議論中です。
したがって現時点で、来期の収益性改善目標として何パーセントを掲げるかをお伝えするのは尚早かと思います。一方で、先ほどお話ししたとおり、収益性改善への取り組みは強く意識しており、現時点のマージンを維持、もしくは向上させる余地は大いにあると考えています。
帳票・文書管理ソリューション事業
久我温紀氏(以下、久我):続いて、BDS/DEソリューションの現状と戦略、方針についてお話しします。執行役員 BDE-SBU Managing Directorの久我と申します。よろしくお願いします。
はじめに、BDS事業についてお話しします。BDS事業は帳票・文書管理ソリューション事業で、システム開発における帳票の設計、出力、保管、送受信を担うプロダクトとサービスを提供しています。
設計や出力の領域におけるプロダクトはトップシェアを誇り、売上も順調に推移しています。昨年の売上は202億5,000万円で着地しました。
20年前には「ペーパーレスによって市場が縮小するのではないか」という声もありましたが、現在はPDFなどの電子帳票が主役となり、事業の成長を牽引しています。
BDS 事業目標
BDSの事業目標としては、「帳票生成・保管・データ流通において社会を非生産的な業務から解放する」です。
デジタル帳票基盤とは ~事業目標実現のための製品コンセプト~
これを実現するために、当社は「デジタル帳票基盤」というコンセプトを提唱しています。
これは、企業内および企業間の帳票をデジタル化することで、電子保管、配信、受領、さらに社内システムでの利用までを自動化することを目的としています。
デジタル帳票とは
デジタル帳票についてご説明します。こちらは、汎用的なフォーマットであるPDFを利用しています。汎用性が高いため、お客さまにとっても利用しやすいものとなっています。
また、帳票運用に必要な要素を当社独自に取り込んでいます。1点目は、帳票である以上、人が目視で確認できる帳票イメージを持っている点です。
2点目は、システムが解釈可能なデジタルデータを内包している点です。これにより、帳票をシステムに入力する際に複雑な手順を必要とせず、このデータをそのままシステムに連携して投入することが可能となります。
さらに、AI時代の真正性という観点から、特に後ほど触れますが、AI時代では文章の改ざんが非常に容易になってきています。これを防ぎ、真正性を担保する役割を果たす機能もこの中に組み込んでいます。
国内メインフレーム市場の変化
続いて、モダナイゼーションについて少しお話しします。BDS事業では、IT投資やシステム投資などの需要に大きく左右されますが、その需要を支える市場の1つがモダナイゼーションの領域です。
モダナイゼーションとは、古くなったIT資産を最新の技術に置き換えて最適化することを指します。
現在、いくつかのベンダーが存在しますが、それらはメインフレームと呼ばれる汎用機やホストコンピュータを扱うメーカーです。これらのメーカーが、今後サポートを終了していくことを表明しています。
これらのメインフレームを使用しているお客さまは、他のシステムへ移行しなければならない状況にあります。
当社は、このモダナイゼーションおよびホストマイグレーションの領域に注力しています。
ホストマイグレーション・帳票基盤統合 | 長野県信用組合様
長野県信用組合の事例をご紹介します。もともと富士通のメインフレームを使用していましたが、サポート終了に伴い、自律的なシステム維持を目標として再構築を進める中で、当社の帳票基盤やプロダクト・サービスが導入されました。
従来、複数の帳票ツールを運用していたのですが、リプレイスのタイミングに合わせて、統合的に機能を包括できる当社のプロダクトを選んでいただいたという実績になります。
また、デジタル帳票の利点を活用し、帳票データを経営資源として活用することで、データドリブン経営を推進しようとする取り組みについてもお客さまから期待をいただいている事例です。
帳票印刷基盤 | アイリスオーヤマ株式会社様
アイリスオーヤマの事例をご紹介します。アイリスオーヤマは40年間、オフコン上で「COBOL(コボル)」という言語を使用してシステムを稼働させていましたが、「COBOL」の技術者が年々減少していることもあり、属人化した帳票開発がボトルネックになっていたそうです。
このため、新しい取引に必要な専用ラベルの開発が追いつかず、常に案件が滞留し、事業の進捗速度を低下させる要因となっていました。
これらを内製化し、帳票の基盤を構築するという目的で、当社プロダクトを採用いただいた事例です。
当時の要件としては、オフコンと同等の基幹システムに対応できる印刷管理機能を備えていること、そして将来的にオープン化した後も拡張可能な機能性を持つことが挙げられていました。当社プロダクトを採用いただいた結果、システムのリリースまで無事に到達することができました。
全体の開発生産性も大幅に向上し、現場からも高い評価の声をいただいている事例となっています。
AIへの対応 | SVF Archiver Cloud
AIへの対応についてお話しします。現在、AIは非常に注目されているテーマです。
当社が提供する帳票の保管・管理サービス「SVF Archiver」のクラウド版は、AIに接続するための技術であるMCPに対応しています。
これにより、「Claude」といったフロンティアAIのモデルや、「dejiren AI」という当社のAIチャットツールなどから自然言語で問い合わせを行うと、「SVF Archiver」の機能をそのまま利用できるようになります。
そのため、管理画面を開かなくても、自然言語で検索したい内容を入力すれば、それに応じた結果が返ってくるという運用が可能です。
AIへの対応 | 帳票設計(10月リリース予定)
また、帳票設計の部分でもこのAI技術が対応しています。従来、当社にはこの帳票を設計する「X-Designer」というプロダクトがありますが、その中でお客さまが使用している帳票のデザイン画像データを用意していただき、それを取り込むことで、瞬時に「SVF」で使用可能な様式ファイルに変換する機能を搭載しました。
これにより、帳票レイアウトの生産効率が大幅に向上します。生成AIでは一つひとつの加工や変更修正が難しい点がありますが、「X-Designer」は帳票レイアウトに特化した機能を備えているため、簡単に改変できるよう機能を提供しています。
生成AI×経理DX | 東急様:AIを活用した経理伝票起票の自動化検証
事例として、生成AIと連携させるような案件も複数出てきています。東急の事例をご紹介します。
これは、大規模企業向けのERPパッケージおよび会計システム「Biz∫(ビズインテグラル)」を採用されているお客さまにおける事例です。従来は、紙やPDF形式の帳票を受け取り、それを再入力し、システムに登録するという業務が行われていました。
しかし、当社の生成AIプラットフォームである「dejiren AI」および「SVF Archiver」を連携することにより、請求書の読み取りからシステム連携までを自動化しました。その過程で修正が必要な場合でも対応できる仕組みとなっています。
これにより、最大38パーセントの作業削減効果を目指されており、今後は、他の業務やグループ会社への展開も検討されている事例となっています。
BD製品エコシステムマップ
当社では帳票基盤について、基幹システム内で運用されるケースが非常に多くあります。そのため、多くのアプリケーションやサービスとの連携が必要になります。このような背景から、エコシステムの強化を戦略として取り組んでいます。
アライアンスTopics | インフォマート社との製品連携
冒頭、田中からも話がありましたインフォマート社とのアライアンスは、まさにその一環として進めてきた取り組みです。現在、1社内に複数のSaaSサービスが存在しており、それらの連携が業務効率化を図る上で非常に重要なテーマとなっています。
このような背景の中で、両社の協業によって、これまで両社のプロダクトを連携させ、「SVF」で作成したものを送信・受信する場合に手作業が必要だった工程を、API接続による自動化で効率化します。
これにより、お客さまはSaaS間の連携を気にすることなく、業務効率化を進めることが可能になります。このような環境の提案が実現しています。
データエンパワーメントソリューション事業
DE事業についてです。DE事業はデータエンパワーメントソリューション事業、いわゆるデータ活用領域と呼んでおり、各プロダクトは市場シェアのトップクラスを獲得しています。売上高も順調に推移しており、昨年は106億9,000万円で着地しました。
DE 事業目標
事業目標は「組織のすべての人が、より身近にデータを活用できる世界を実現する」です。
データ活用基盤とは ~ 事業目標実現のための製品コンセプト ~
DE事業も、先ほどのBDS事業と同様に、「データ活用基盤」というコンセプトを提唱しています。
これは、いわゆる基幹システムの上位に位置するシステムからデータを収集・統合し、分析・可視化を行うというコンセプトに基づいています。
ただし、上流システムだけでなく、現場で日々発生するデータ、業務アプリケーション内で生成されるデータや、生産機器から取得できるデータなども活用します。
これらのデータを上流システムのデータと統合することで、さらなる活用が可能な仕組みとなっています。
特にこの現場データは、データ量が最も増えている領域です。これもAI時代において「ドメインデータ」と呼ばれるものであり、非常に重要なデータ資源となることが期待されています。
このようなデータにも対応しながら、当社はデータ基盤の価値向上に努めています。
ユーザー様からの評価
先ほど、ユーザーからの評価ということで、スライド左側に記載の日経コンピュータの「顧客満足度調査」に関してお伝えしました。
その他として、スライド右側に記載の「ITreview」は、国内最大手のサービスで、ユーザーが直接評価やコメントを入力できる仕組みになっており、16万件以上のユーザーの声が集まるサービスです。
こちらも5年連続でリーダーポジションを獲得し、いわば殿堂入りという位置づけとなっています。
ユーザーのみなさまに選んでいただけたことを大変うれしく感じており、今後も期待に応えられるようなビジネスを展開していくために、気を引き締めて取り組んでいきます。
サプライチェーン改革 | 株式会社オカムラ様
DE事業に関して、2件の事例をご紹介します。1件目はオカムラです。オカムラは国内大手のオフィス家具および空間作りを手掛けている企業です。
従来のシステムでは、在庫、受注、生産日程といった情報をそれぞれ別々のシステムで管理しており、人手でExcel等を使用してデータを集計して判断するかたちを取っていました。
しかし、この方法では時間や工数がかかるため、当社の「Dr.Sum」および「MotionBoard」を導入していただきました。これにより、各システムのデータをすべて統合し、サプライチェーン全体の情報を瞬時に把握できるようになり、最適化を進めた事例となります。
これにより、在庫高や倉庫費用の削減、そして納期の遵守率向上が期待されています。
また、経営層からも、各事業所の共通指標を常に確認できるようになり、意思決定が迅速に行えるようになったとの反響をいただいています。
データ活用×AI事例 | 株式会社カクイチ様
2件目はカクイチの事例です。カクイチは農業や産業インフラを支える総合メーカーです。
従来、カクイチは全国1万7,000ヶ所の太陽光発電設備を所有しており、このデータを収集して異常検知を行っていました。しかし、発電状況の確認が売電の入金データ、いわゆる結果データで行われていたため、設備の異常を発見するまでに相当な時間を要していました。
場合によっては1ヶ月ほどかかることもあり、その結果、収益機会を損失する現状に直面していました。
ここに「MotionBoard」「dejiren AI」を活用いただくことで、発電データや予測が可能なデータ、検知可能なデータを事前に投入しました。また、生成AIを用いて異常値の自動検出精度を向上させ、それにより自動通知システムまで連動させることができた事例となっています。
これにより、異常検知から現場対応が迅速化され、収益機会の損失抑制も可能となり、高い評価をいただいています。
今後、業務の中で改善すべきテーマが複数あるため、それらの中でこれらのプロダクトをさらに活用・展開する計画が進められています。
DE製品エコシステムマップ
DE事業もデータ活用の領域であり、複数のアプリケーションやシステムに接続してデータを取得します。
また、データの事前処理を行うプロダクトとのアライアンスやエコシステムは、非常に重要となっています。
アライアンスTopics | グローバルベンダー連携強化
スライドには、今年注目していただきたいトピックを記載しています。
当社はもともと、ServiceNowとSalesforceとは協業してきましたが、今回、グローバルで最も注目されているこの2社のベンダー専用コネクターをリリースしました。
これにより、両社のユーザーである多くのお客さまに、当社のプロダクトをより利用しやすい状況を提供できるようになりました。
今後も、このような複数のサービスとの連携を戦略的に進めていきたいと考えています。
AI-Readyな環境を作るデータマネジメント基盤 Dr.Sum
成長戦略のトピックスについてお話しします。先ほど田中からも説明がありました「Dr.Sum」について、少し掘り下げてお話しします。
生成AIによるデータ活用・分析業務の課題
プロダクトのご紹介に入る前に、生成AIを活用したアンケート結果についてお話ししたいと思います。
生成AIが世の中に広まる中で、「データ活用は生成AIですべてできてしまうのではないか」という声がさまざまな場面で聞かれました。
一方で、生成AIを用いたデータ活用に課題を感じている方は約9割にのぼるという結果となっており、この点は当社の仮説とも一致しています。
生成AIによるデータ活用・分析業務の課題
その理由について最も多くの割合を占めたのが、「出力結果の精度や再現性が想定よりも低かった」という点です。
2番目に「データ整備・準備に想定以上の時間がかかってしまった」という点が挙げられます。
生成AIは、世界中のインターネット上の情報を集めて学習しているため、一般知識については豊富に知識を持っていると思います。そのため、なにか質問をしても、比較的良質なデータを返してくれる場合が多いでしょう。
一方で、社内にあるデータについては、ほとんど学習していないというのが実態です。特に社内データは個社固有のデータ構造を持っています。例えば、データベースのカラム名や項目名を見ても、会社ごとに異なる場合が多いと思います。
Dr.Sum | AI時代に適した機能を強化
それらについて、AIの特長をうまく活用する観点から、「Dr.Sum」は9年ぶりのメジャーバージョンアップとなりました。その中で大きく2つの機能強化を実現しています。
1つ目として、「Dr.Sum」がもともと高速集計を特長としている点をさらに強化し、最大で12倍の高速集計が可能となっています。
2つ目は、生成AIとの連携をさらに強化するかたちになっています。
特にデータ活用の領域では、事前のデータ準備が重要です。しかし、データを使用する前の前処理は全体の工数の約8割を占めるといわれるほど大きな作業を要します。この作業領域をAIによる自然言語処理で実行できる機能を追加しました。これにより、大幅に作業工数を削減することが可能です。
また、例えば、対話形式で「Dr.Sum」に「全国の店舗の売上を拠点別に、地域別に出してくれ」と、自然言語による指示を行えば、その必要に応じたデータを取得することができます。
そのような参照が可能であると同時に、それをフロンティアAIのモデルから直接問い合わせることも可能です。
さらに、先ほど田中からも説明があったように、AIを活用してより賢くデータを利用する仕組みについては、スライド下部に記載の「Dr.Sum DataCatalog」で実現しています。
Dr.Sum | データカタログによるAI-Readyの推進
データカタログについて少し掘り下げてお話しします。従来、企業内のデータは、値そのものやその定義といった情報であることがほとんどでした。
しかし、データカタログでは、データの値にどのような意味があるのか、あるいは用途を付与することが可能です。
また、常に新しいデータが生まれる中で、データの品質を担保したり、鮮度管理したりすることもできます。さらに、データの所有権や機密性の判断を明確にするルールをデータに付与することも可能です。
AIの能力をさらに引き出すことができるだけでなく、データガバナンスを適切に行うことで、AIのガバナンスも確立し、より安心してAIを活用できる環境を構築することが可能になります。
このような機能強化を「Dr.Sum」で進めており、今後もいくつかの開発計画を予定しており、AI対応をさらに強化していく方針です。
AIリスクから企業を守るデジタルトラストサービス Trustee
続いて、昨年発表したAIリスクから企業を守るデジタルトラストサービス「Trustee(トラスティ)」についてお話しします。
冒頭にBDSのデジタル帳票というテーマで、「これからは帳票自体の真正性を担保する技術が必要である」という点をお伝えしました。この「Trustee」の技術がその役割を果たしています。
さらに、このデジタルトラストサービスは今後さらに拡充する計画があるため、今後の内容についても引き続きお話しできればと思います。
企業間取引における電子文書に関する懸念点
実際にお客さまが、生成AI時代における帳票運用についてどのような課題を抱えているのか、アンケートを一部抜粋したものをご紹介します。
スライドをご覧いただくと、AIによって文書の改ざんが行われるハードルが大きく下がっており、それに対して懸念を抱いていることが、ユーザーの所感として明確に表れています。
TOPICS:AI偽造の脅威(Forbes JAPAN 2026年6月29日記事)
スライドは、2026年6月29日のForbes JAPANの記事を引用しています。すでに「AI生成による『領収書の偽造』が急増」というかたちで発信されていました。
私たちが想像していた以上に、現場ではすでに領収書の偽造のような行為が行われている状況があると考えられます。
当社のR&D部門で実際にAIを用いて領収書の偽造を試みたところ、それが非常に簡単であることがわかりました。また、経理担当者が見ても、それが偽物と判断するのは難しいという点も確認しています。
デジタルトラストの強化
このような環境の中で、当社はデジタルトラストサービスの強化を進めてきました。
昨年リリースした「タイムスタンプ」は、いつその文章が生成されたかを担保するシステムです。これは、文章が「タイムスタンプ」を押した後に改ざんされていた場合、それを検知することができます。
そのため、運用されている文章がAIで偽造されたものでないことを証明できる仕組みとなっています。
「タイムスタンプ」は「いつ」といった情報を確認するためのものになりますが、スライド中央に記載の「eシール」は「誰が」といった情報を確認することができます。これは、帳票の発行母体が誰であるかを証明するものです。
これらにより、「誰がいつ発行した帳票なのか」という証拠が確実に残るため、偽造を防止・抑制でき、なにか問題が発生した際にはエビデンスとして活用することが可能です。
また、「電子サイン」の機能に関しては、12月にリリースを予定しています。こちらについては後ほどあらためてご説明します。
Trustee協業事例 | サイバートラスト様
「eシール」機能はすでにリリース済みのため、ご覧いただいた方も多いかと思います。もともと「eシール」を発行する際には、証明書が必要となります。
その証明書とは、どの会社が発行したのかを証明するものです。この発行を、信頼と実績を兼ね備えたサイバートラスト社との提携により、「eシール」サービスとして迅速にサービスインすることができました。
Trustee導入事例 | DONUTS様
「Trustee」の導入事例も複数出ています。その中から1社をご紹介します。
バックオフィスSaaSである「ジョブカン」というサービスがあります。株式会社DONUTSがリリースしたもので、シリーズ累計導入社数は30万社に達しています。
また、利用ユーザーが300万人に上るという非常に大規模なサービスですが、その中に「Trustee タイムスタンプ」が採用され、「ジョブカン」のサービスとともに「Trustee」が展開されるかたちとなっています。
当社は、このようなサービスをすでに提供している会社に「Trustee」という機能を組み込むかたちで提案することも模索しています。今後もこのような事例を紹介できるのではないかと考えています。
SVF Transact 電子サイン(12月リリース予定)
電子サインの領域についてです。こちらは12月にリリースを予定しています。従来の「SVF Transact」では、帳票をお客さまに送付し、そこに記入していただき返送いただくといったやり取りを行っていましたが、その中に、自社サービスとして電子サイン機能を提供する取り組みを進めています。
ビジネス文書の取引に関しては、この「SVF Transact」内ですべてを完結させる機能を提供することが可能です。
これにより、お客さまへの提供価値を高めるとともに、当社のサービスを継続的に利用いただき、さらにはさまざまな領域へ拡大して利用していただける環境を提供できると考えています。
高品質なサポートの提供
高品質なサポートの提供についてです。当社は、プロダクトに関してお客さまの価値を高める取り組みや機能強化を進めています。
特に基幹システムを利用されているお客さまが多く、なにか問題が発生した際にはサポートやサービス面で高いレベルが求められています。
そのため、昨年もご紹介しましたが、2年連続でサポート部門の外部格付けにおいて、最高ランクである「三つ星」を今年も獲得することができました。
今後もプロダクトだけでなく、サポートやサービス面においてもお客さまの価値を高められるよう、取り組みを継続していきたいと考えています。
成長余地の大きい公共市場
大澤重雄氏:みなさま、こんにちは。本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。執行役員PSE-SBU Presidentの大澤です。私は、公共事業を担当しています。また、グループ会社のウイングアークNEXの代表も務めています。どうぞよろしくお願いします。
私からは、公共、特に地方自治体市場における今後の成長戦略についてお話しします。
公共市場では現在、自治体システムの標準化という非常に大きな変化が起きています。一方で、当社は標準化そのものをゴールとは捉えず、標準化によって整備されたデータやこれまで築いてきた自治体との実績を基点に、次のDXにつなげていきたいと考えています。
本日は、現在の事業状況と、その先にどのような成長機会があるのかについてお話ししたいと思います。
まず、公共市場を当社がどのように捉えているかについて説明します。現状では、人口減少、職員不足、住民向けサービスの多様化など、自治体が非常に多くの課題を抱えている状況です。
また、この市場は今後、非常に大きな変化が起こり得ると考えています。こうした複数の変化が同時に進行しており、DX投資そのものもこれから本格化すると見込んでいます。
ターゲット市場:全国1,741自治体のDX市場
当社が現在特に注力しているのは、全国の1,741の基礎自治体です。
自治体市場の特徴は、全国に多数の顧客が存在する一方で、業務には非常に高い共通性がある点です。つまり、ある自治体で成功した仕組みを他の自治体に横展開しやすいという特性があります。
また、当社はすでに多くの自治体にプロダクトを導入しており、市場をゼロから開拓する必要はありません。
さらに、現在、首長(市長など)のみなさまが強い危機意識を持って改革に乗り出しています。
これら3点を、当社は事業機会と捉えており、既存の顧客基盤、共通する業務、そして標準化という大きな政策の流れを組み合わせてスケール可能な市場であると考えています。
公共の市場状況
現状の公共市場についてですが、ここ数年、公共市場を大きく動かした要因は標準化です。
従来、各自治体が個別に構築してきた業務システムを、国が定める標準仕様へ移行する、非常に大きなプロジェクトが進行しています。そのため、2024年から2025年にかけて、標準化関連の需要が大きく拡大しました。
公共の市場状況
当社は、自治体そのもののDX需要が次に来ると予測しています。ただし、標準化そのものが大きなプロジェクトであるため、現在延伸している状況です。この延伸した内容は当面高止まりすると見込んでいます。
標準化が進むにつれて、投資の中心はシステムを標準化することから、標準化されたデータや業務をどのように活用するかに移行していくと考えています。
現在はまさにその転換期にあり、自治体DXへの投資はすでに立ち上がり始めている状況です。
今後数年間は、この標準化需要を着実に取り込みながら、次の自治体DX市場への移行を進めていく期間となります。
当社の公共事業も、この市場構造の変化に対応し、次のフェーズへ移行したいと考えています。
標準化に向けたソリューション
これまで当社が標準化市場で取り組んできた内容についてご説明します。自治体システムの標準化は非常に大規模で複雑な仕様を各ベンダーが正しく実装する必要があります。
当社は、業務アプリケーションには一切手を出さず共通的に利用できる環境、例えば基本データ基盤やデータ連携、帳票出力といった分野に対してサービスを展開しています。
また、単にサービスを提供するだけでなく、スライドに記載のとおり、各仕様に基づいたコンテンツそのものを当社がすべて読み解き、常に最新のものを追従しています。
仕様変更や自治体ごとの移行タイミングの差異に伴うさまざまな問題にも、当社は継続的に対応し、標準化を支える基盤としてご利用いただいています。
導入実績
導入実績に関してです。今年6月末時点で、自治体向けのデータ基盤サービスの名称は「Govlong EUC」として自治体で認識されています。「Govlong EUC」というサービスそのものが、すでに500団体を超える規模まで広がっています。
全国の自治体の中でも、一定のポジションを築いているのではないかと考えており、今後さらに導入を拡大していきたいと考えています。
また、数字そのものも非常に重要ですが、なによりも当社が重要視しているのは、導入支援です。標準化後の「自治体DX」を展開していく上で、重要な起点になり得ると考えています。
もう少し具体的な事例として、千葉県市原市の事例をご紹介します。標準化におけるデータ移行の問題について、当社のサービスをうまくご利用いただいたという事例になります。
システム同士のデータ連携については、標準化の中で決まったフォーマットで連携することが定められています。しかし、導入されたベンダーや、そのシステムが採用しているバージョンによって、データ連携が円滑に進まないという課題がありました。
そこで、当社のデータ連携基盤である「Govlong」を利用していただき、ハブとしての役割を果たし、この差異を吸収することができました。
昨年立ち上げたこの公共事業は、導入シェアが広がり、具体的な事例も増加しています。引き続きご期待いただければと思います。
ここまで、公共シェアの現状と標準化の力で構築してきた基盤についてお話ししましたが、次にこの基盤を活用し、どのように事業を成長させていくのかをご説明します。
公共の市場状況
今後、当社が注目するのはスライドの右側に示されている自治体におけるDX需要です。標準化によってデータやシステムの基盤が整備されている状況ですが、自治体が次に取り組むべきテーマは、そのデータを活用して行政業務や住民サービスをどのように変化させるかという点になると考えています。
そのため、標準化需要自体は今後徐々に減少していくと想定されますが、標準化によって次のDX市場へ進むための土台が整備されつつあると考えています。
この市場変化を、当社がどのように事業機会へと変えていくかについてお話しします。
事業方針
まず、事業方針についてです。既存のアセットを起点に既存事業を伸ばしつつ、標準化後に本格化する需要に対応し、事業を拡大していきたいと考えています。また、その次の成長を創出していく方針です。
具体的には、1つ目に既存事業の成長として、標準化で構築した事業と顧客基盤をさらに拡大していきます。
2つ目は、隣接領域へ展開を進めることで、特に今後大きな需要が見込まれる住民接点のDXにおいて事業を広げていきたいと考えています。
3点目は、次の成長を創ることです。現状、住民との接点や行政内部の業務が十分につながっていない状況があります。これをデータでつなげるサービスを新たに立ち上げ、この分野の需要を獲得していきたいと考えています。
なお、まったく新しい市場にゼロから参入するのではなく、既存事業の延長線上にある領域、いわゆる染み出し領域を獲得していくことが基本的な方針です。
事業方針 | グランドデザイン
この3つの方針を1枚にまとめたのが、こちらのスライドになります。大きく分けると、左側の緑の領域が住民との接点を示し、右側が自治体内部の業務そのものを表しています。
左側はウイングアークNEXが現在担当している領域であり、右側はウイングアーク1stが担っている領域です。
右側の自治体内部の業務については、冒頭でお話ししたとおり、当社の強みは業務そのものではなく、それを支えるデータ連携、データ基盤、帳票など、システムにおける共通的な課題の解決です。この分野で現在もシェアを拡大しています。
一方、スライド左側の住民向けサービスに関しては、昨年度にグループ入りしたウイングアークNEXが中心となり、住民向けの情報発信や電子申請などのサービスを展開しています。
このウイングアークにおける公共事業が目指しているのは、住民接点と行政業務そのものをデータでつなげていくことです。申請された情報が行政内部に連携し、行政からの通知がデジタルで住民に届くという一連の体験を提供するため、新たに濃い青色の領域を立ち上げ、このサービスに注力しています。これが公共事業のグランドデザインとなっています。
戦略1 自治体情報システム標準化ビジネスの拡大
各戦略について詳細をお話しします。まず、戦略の1つ目は、現在の標準化ビジネスをさらに伸ばすことです。これは、現在行っている活動の延長線上に位置づけられます。
2025年が現行標準化のひとつの区切りとなる年となっており、すでに当社のプロダクトの組み込みは一定の成果を上げています。しかしながら、さらに進展する余地があると考えています。引き続き、自治体向け行政機能や統合行政パッケージへの当社プロダクトの組み込みを強化していきたいと考えています。
次に、スライド右側に記載の大規模自治体案件に関してです。冒頭で触れた移行支援についてですが、政令市、特別区、中核市の約9割超がまだ標準化に完全移行していないことが国のデータで示されています。
また、大都市では業務の複雑さから、標準化仕様だけでは対応が難しい領域が多く残されており、そうしたモデルを大都市の案件を通じてサービス化し、それを他の自治体へ展開していきたいと考えています。
標準化によって整えられたデータを、中長期的にAIが活用しやすい状態にしていきます。これを入口として顧客基盤を広げ、データ基盤の価値をさらに高めていくことが、戦略の1つ目です。
戦略2 通知書デジタル化による住民接点DX需要の獲得
戦略の2つ目は、標準化後に本格化すると考えている住民接点のDXです。その代表的なテーマとして、当社が今後最も注力しようと考えているのが、通知書のデジタル化サービスです。
自治体では現在、多くの書類を住民の方に郵送しています。その中で最も大きなコスト割合を占めているのが郵送費です。昨今の物価高騰に伴い、郵送料金も上昇傾向にあり、自治体の予算にとって大きな負担になると考えています。
税の領域については、国が主導でデジタル化を進める検討が行われていますが、それ以外の通知関連、例えば子育て・福祉・給付など、多くの通知がいまだに紙で扱われています。
当社は帳票を作成するだけでなく、先ほど久我が説明したように、その帳票が正しい情報であり、その真実性を保証する仕組みを自社のサービスとして提供しています。
また、昨年度グループ入りしたウイングアークNEXが得意とする住民接点の領域で、電子送達を一気通貫で単独の会社、単独グループとして実現できる点を強みとしています。
現在、今年度中に実証実験を開始しており、来年度以降に正式リリースし、これを今後の事業の主軸にしていきたいと考えています。
戦略3 住民接点を起点とした新サービス創出
戦略の3つ目についてご説明します。その先の成長に関して、当社は住民が行政サービスを利用する際の体験そのものを変えていきたいと考えています。「書かない」「待たない」「迷わない」、そして「行かない」という方向性が、国が示している今後の自治体の姿であると認識しています。
自治体側は、人口減少や職員不足といった大きな問題を抱えています。そのため、住民サービスを向上させながら、同時に職員の業務負荷を軽減していく必要があります。
その一環として、住民向けに申請やプッシュ通知、デジタル通知といった一連のサービスを、ポータルのようなかたちで住民マイページとしてつなげていきたいと考えています。
また、接点をさらに広げることが重要です。現在住んでいる方のみならず、地域と関わりのある方々にも対象を広げていきたいと考えています。今後、人口減少が進む中で、特に地方都市では、これまでの住民に加えて関係人口も増やしていくことが国の方針となっています。
行政からの情報発信についてですが、一方的に平等に発信するのではなく、住民や地域のサービスやニーズ、その属性に合わせて情報を発信することで、継続的な接点をデジタルの場で構築していきたいと考えています。この取り組みを通じて、新たな需要を生み出す力として育てていきたいと思っています。
最後にまとめとなりますが、私たちは自治体システムの標準化を一時的な需要としてではなく、デジタル化の本格的な進展の一環として捉えています。そのため、標準化を次の成長の入口と位置づけ、さらに成長を加速させていきたいと考えていますので、今後の展開にご期待ください。
IR DAY 2026 技術開発戦略
島澤甲氏(以下、島澤):みなさま、こんにちは。取締役執行役員CTOの島澤と申します。最後に私から技術に関するトピックについてお伝えします。
1年ぶりの方もいらっしゃるかと思いますが、ふだんはお客さま向けに説明する機会が多い中で、今回は投資家のみなさまに企業価値をお伝えする貴重な場と考えています。今年もホットトピックをお伝えしたいと思います。
ご説明に入る前に、昨今、世界的に情報漏えいが多発している状況について、当社の現状をお伝えしたいと思います。当然ながら当社もこの状況に対して敏感に対応を続けており、別の会社が提供するクラウドサービスの情報漏えいの影響を受けたこともありました。こちらについては先日発表しました。
ただし、当社が提供するサービスにおいて、情報漏えいのような事例は一切発生していません。この理由として、当社がこれまで情報セキュリティ分野において外部からは見えにくい部分ではありますが、相当注力してきたことが効いていると考えています。
「ランサムウェア」や「トロイの木馬」といった攻撃者のアプローチが多角化していますが、当社では例えばエンジニアのPCが乗っ取られるような事態を想定し、そのような状況が発生してもお客さまが利用するクラウドの本番環境に影響を与えないよう、構造的に対策を講じてきました。
セキュリティに関する話題のため、詳細については言及できませんが、例えば1人のエンジニアが買収され、仮に社内から悪意を持って攻撃を試みようとしたとしても、攻撃が成立しないような仕組みを構築しています。具体的には、1人の判断ではお客さまの環境にアプローチできないよう、非常に厳格にクラウド環境を運用しています。
こうした日々の取り組みの結果、各社が情報漏えいの発表を行っている状況下においても、当社のクラウドサービスについては現状そのような事態は発生していません。この点をまずお伝えしておきます。
主要LLMファミリー別 SWE-bench Verified スコアの推移(2023年10月~2026年7月)
当社がリリースしたさまざまなバージョンアップや新しいプロダクト・サービスについて、上期だけでも約70件ありました。
現在、当社は戦略的に戦闘力のあるプロダクトやサービスに注力している状況です。本日は特にAIに関する内容を中心にお伝えしたいと思います。
AIの進化については言うまでもありませんが、2023年までのAIではできなかったことが、今日では極めて高度に実現できるようになっています。例えば、プログラミングの分野では、AIの能力が飛躍的に向上しており、当社の社内開発業務にも劇的な変化をもたらしています。
エンジニアという職種に求められる能力も、ここ数年で大きく変化しています。より魅力的な商材をどのように設計するかといった上位の業務能力が必要とされるようになり、世の中全体が本当に大きく変わってきたと感じています。
AIのテーマをプロダクトに適用する際、非常に悩ましい点があります。AIは偏差値50の成果を出すという観点では非常に優秀で、当たり障りのない結果を提供します。落第点を取るような出力は行わない一方で、エッジの効いたプロダクトを作るという観点では、AIで作ったものにはどこか面白みが欠けていると感じます。
こうした状況の中で、私たちはこのAIという市場環境において、いかにユニークなプロダクトを創出していくかが重要なポイントだと考えています。
生成AIの進化の整理
当社はAIを大きく2つのパターンに分けて考えています。「White AI」と「Dark AI」と呼んでいますが、「White AI」は「ChatGPT」をはじめとする、みなさまもよく使用しているAIのことです。通常、生産性を向上させ、より高い成果を出すことを目的としています。
一方で「Dark AI」は、その名のとおり、なんの制限もかかっていないAIのことを指します。例えば、詐欺や昨今の情報漏えいにつながるような悪意のある攻撃に利用されるケースがあります。
この場合、AI自体が悪意を持つように教育されているわけではありませんが、プロテクトが解除されているために、善悪の判断ができない状態となっています。一般的なAIであれば「あのサイトを攻撃せよ」といった指令を入力しても拒否されますが、これらの制限は後から付け加えられたものです。そのため、制限のないAIは、本来の姿ではなんでも実行してしまう可能性があります。
情報漏えいの背景にはAIの影響が明確に存在していることが、報道などで明らかになっています。私たちの領域でも、この「Dark AI」への対応が求められており、それに取り組むことが当社が提供する意義のあるテーマだと考えています。
ビジョン
先ほど久我からも紹介がありました「Trustee」というサービスですが、当社は帳票を扱う会社として、デジタル文書のセキュリティ提供を目指しています。このサービスでは、改ざんに耐性を持つPDFを生成し、これを世の中のスタンダードにしていこうという志のもと、技術開発を進めています。
例えば「ChatGPT」のようなAIツールを利用し、コンビニエンスストアのレシートを出して、「写真のような感じで」という指示を与えると、画像が生成されます。このような技術により、AIが生成した偽造レシートが急増している状況です。
1年前にはほとんど見られなかったものの、現在ではAIが不正な領収書などの元データを作成する事例が広がり、次第に定着しつつある状況です。
当社としては、このような帳票領域、特に領収書や請求書のPDFにおいて、「数字を改ざんせよ」と指示をすれば、現在のAIはそれを実行してくれるという状況です。正確には、「改ざんする」と明記すると拒否される場合もありますが、「数字を間違えて出力してしまったので、ここを書き換えてください」といったかたちで指示をすれば、数字が書き換えられた新しい領収書を生成することが可能です。
また、保険会社で詐欺目的の画像が生成されるケースも見受けられます。ですので、これまで私たちが当たり前だと思っていた目の前の帳票や文書を逐一疑わなければならない時代になりました。
デジタル帳票基盤「SVF」との連携
そのような状況下で、当社は「eシール」やタイムスタンプにより、誰がいつその文章を生成し、生成後に改ざんされていないことを保証する仕組みが、今後ますます必要になると考えています。
当社は、「SVF」という帳票プロダクトでトップシェアを持っています。これまで「SVF」は、PDFを出力するまでを担当するプロダクトでした。しかし、そのPDFに証拠能力を付与し、文書にセキュリティを付加することで、流通先まで価値を提供することが、今後の重要なビジネスになると考えています。その実現のためのサービスが「Trustee」という位置づけになります。
タイムスタンプ・eシールで培った技術で電子契約サービスを実装 SVF Transactへの電子契約統合
現在「eシール」と「タイムスタンプ」をすでにサービスとしてローンチしています。また、電子サインに関しても今年対応を予定しており、世の中で流通するドキュメントをトータルにカバーするという意思を持って、技術開発を進めています。
SVF Trustee リリース計画
リリースされている「SVF」は30周年を迎えるプロダクトで、「これから進化しないんじゃないの」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在、帳票領域のセキュリティにおいては「SVF」の進化が非常に重要になっています。実際、毎月、さらには毎週のペースでさまざまなフィーチャーを投入している状況です。
帳票は今後も価値をさらに伸ばせる領域であると強く感じています。
dejiren AI
ここまでが「Dark AI」、特に文書のセキュリティに関する説明でした。次に「White AI」、つまり正しくAIを活用するというテーマについてお話しします。
当社は「dejiren AI」というサービスを中心に、AIエージェントやMCP対応、さまざまな生成AIとの連携、さらにはデータベースや当社プロダクトとの連携に注力しています。当社はAI対応に関して、かなり初期から取り組んでいる企業だと自負しています。
AIが当社のプロダクトを利用する際に必要な機能や、当社プロダクトにAIを組み込むための実装は、大部分が進捗し完了しています。そのため、当社プロダクトはひととおりAI-Readyの状態になっていると言えるでしょう。
さらに、「dejiren AI」という仕組みを用いることで、エージェント的にコントロールし、正当にAIの価値を引き出すことがすでに可能になっています。
ここから先が当社のユニーク性になると考えています。当社がこれから取り組むべきテーマは何かと言うと、これは当社自身も直面した課題ですが、AIをお客さまが使い込んでいく中で、その先に現れる壁や困難です。私はそれが大きく3つあると考えており、これを打破するのが当社の新しいテクノロジーであると考えています。
壁1 コンテキスト腐敗
1つずつ簡単にご紹介します。壁1から少しマニアックですが、コンテキスト腐敗という壁が現在の生成AIにはあります。
AIの進化で見るべき最重要ポイント
これは何かというと、みなさまもAIとやり取りをしていると、突然応答の性能が低下したり、「ここを修正して」と言ったにもかかわらず別の箇所が修正されるなど、そのような傾向を感じたことがあるのではないでしょうか。
現在のAIは、データ量が増えるほど精度が低下するという一面があり、これはある意味で人間との最大の違いと言っても過言ではないと思います。
もちろん、人間もAIと同じように情報量が多すぎると扱い切れず、忘れてしまうことがあります。しかしながら、人間は重要な情報と捨ててよい情報を意識的に判断できます。
人とAIの最大の違い = AIで苦労する理由
人は経験を積むと成長しますが、AIの場合、長期間にわたってフィードバックを繰り返し入れると、つまり経験を積むほど精度が落ちるという現象が起こります。
例えば、最初は非常に高いパフォーマンスを発揮していたにもかかわらず、長く運用していると徐々に劣化してしまいます。そのため、最近ではAIエージェントが正しく稼働しているかを人が継続的に確認する必要が生じています。
それによって、人によるチェック業務が増え、リソースが不足しているという指摘もあります。このような課題が現実として起きています。これが1つ目の壁です。
壁2 安定性の壁
壁2は非常にわかりやすい話で、安定性の壁になります。AIは意外と動作が止まることがあり、性能の劣化も感じることがあります。例えば今年に入って、「Claude」のようなシステムでいくつかそうした事象が発生しました。
応答が少し馬鹿げたものになる、つまり「前と違って全然使えない結果返してくるんだよね」といった現象が起きることもあります。このような問題はユーザーには見えにくい上に、予告なく設定が変更されることもあります。
一度AIを活用して仕組みを作り上げたと思っても、運用を進めるうちに「なんか今日は調子悪いな」といった事象が起こることがあります。
読みにくいAIの稼働や性能について
AIは根本的に不安定さを抱えています。さらに、最近アメリカでトランプ氏が活発に動いているように、AIは国対国の地政学的な側面も持っています。そのため、誰かの意思決定が大きく影響を及ぼすことがあります。
したがって、AIを業務に深く取り入れすぎると、AIがうまく動かなくなった際に受ける影響が大きくなるという懸念があります。
壁3 コストの壁
壁3は、コストの壁です。当社にとって最も衝撃を受けた壁になります。
6/15のA社AI値上げ発表に伴う影響(WingArc社内)
スライドは、自社の使用データ量を明確に示したグラフになります。これは当社がA社のAIを利用していた際のトークン使用量で、継続的に右肩上がりで増加していく様子を示しています。
このグラフは累計のように見えますが、実際には単月の集計結果を表しており、月単位で倍増するような状況が当社内で発生しています。例えば、AIエージェントで処理を実行したり、AIのプロジェクトを一括処理させるといった使用法では、トークンが際限なく増加します。
ただし、この時点ではライセンスの関係で、当社のAI環境は定額制でした。しかし、「従量課金制に移行します」という通知が突然届いたのです。
当社の支払金額についてですが、もともと年間で数千万円台後半のコストを支払い、AI環境を構築していました。しかし、来年には支出が20億円を超える見込みとなりました。その結果、最終的には別の会社のAIプラットフォームへ移行するという対応を今年行いました。
この移行は大きな負荷がかかり、大変なプロセスでした。また、最近ではコストに悩むお客さまが明らかに増加している状況です。
コンピューティングのコスト
今申し上げた3つの壁についてですが、最終的にはコストが最も大きな影響を受けるように感じています。昔はオンプレミス環境が導入フェーズで一番費用がかかり、クラウドやSaaSは段階的にコストがかかるかたちでした。
しかし、AIの場合、マネジメントをせずにただ利用を許可し、そのAIが従量課金を採用している場合、指数関数的にコストが増加していくという状況が生じます。
確かに、AIのコストは性能あたりで見ると1年で10分の1になると言われています。しかし、恐らく本日お聞きいただいているみなさまの中に、「AIのコストが去年と比べて10分の1になったな」という方はいないと思います。その理由は、トークン量あたりのコスト自体はそれほど変わっていないからです。
さらに、ハイエンドモデル、つまり最も性能の高いAIに関して言えば、トークンあたりのコストが昨年と比べて平均で1.7倍ほどに増加しているケースもあります。そのため、「AIのコストはそのうち下がるでしょ」という期待を持ちながら無計画にAIを利用すると、コストが肥大化してしまうという問題が発生します。
私たちの目指すところ
さらに言うと、社内でAIを引き剥がそうとしても現場から強い抵抗を受けるといったことが、当社でも過去にありました。そのため、AIはオンプレミスやクラウドのように、ある程度コストが収束する設計を運用時に目指すことが必要だと考えています。
WingArcが実現したいこと 生成AIのおいしいところだけを使うプラットフォーム
当社が取り組もうとしているのは、生成AIのおいしい部分を適切に活用することです。運用面については、AIに100パーセント依存しないような設計が可能なプラットフォームプロダクトを、今後も積極的に開発していく方針です。
AI Agent / AI Reinforced
構造を簡単に説明します。例えば、AIエージェントでなにか仕組みを作る場合、まずAIエージェントを定義し、AIを通じてすべてのデータをやり取りします。運用時もAIに問い合わせをかけ、データを取得し、ファイルを生成した上で、最終的な結果もAIによって作成します。
この使い方では、データが肥大化したり使用頻度が増加すると、AIコストの影響が非常に大きくなります。
当社が現在提唱しているのが、「AI Reinforced」モデルです。このモデルでは、AIが高精度でプログラムを作成できる仕組みを構築します。例えば、「MotionBoard」の中でAIを使用して業務ロジックを事前に構築します。
この業務ロジックを構築した後、運用フェーズにおいては、「MotionBoard」側がデータ、ファイル、映像といった情報を後から注入できるアーキテクチャを開発しています。その結果、業務ロジックが接続しているデータベースの内容が変われば画面も変化し、業務ロジック上でアクションを起こすことでデータベースの書き換えも可能となります。ただし、この過程ではAIの力を借りず、プログラムとして実行するかたちになります。
このような構造を取ることで、設計段階では柔軟に画面を作成でき、自分たちの業務をデザインすることが可能です。運用フェーズでは、一定のコスト、すなわちAIを使用していないため、例えばクラウドインフラを利用する場合はお客さまのサーバーの電気代などを払い続けることで、予算を計算しやすい仕組みで運用が可能です。このような運用を実現できる仕組みを、私たちのような会社が提供していくべきだと考えています。
AI Reinforced DEMO MotionBoard
本日は短時間ではありますが、デモンストレーションを行いたいと思います。
まず最初にお見せするのは、「MotionBoard」の最新版の画面です。このプロダクトは、さまざまなデータベースのデータや防犯カメラの映像を一元管理・表示し、さらにデータベースへの書き戻しが可能な、データを統合して扱える仕組みを備えています。現在の画面に映っているメーターなどは、すべて生成AIによって作成されています。
いろいろとグラフが動いていますが、これはいったい何の画面かというと、私が現在いる自宅の部屋のサーバーの消費電力量をモニタリングしている画面です。当然、消費電力量は毎秒変動します。
そのため、AIがその瞬間のデータを生成するだけでは、動きのある画面にはなりません。しかし、データが変われば「MotionBoard」が新しくなったデータをAIが作成したプログラムに渡すことで、実際に動きのある画面になります。このように、私の自宅の消費電力量が増えればこの画面も変化する、といった画面を本当に数分で作成できるようになっています。
さらにここからが、「MotionBoard」、つまり当社の技術のユニークなところです。この画面をどのように作成しているかというと、指示書は非常にシンプルです。適当にパワーポイントでざっくりと作成し、「このあたりに電圧表示したい」や「ここに負荷率を出したい」のような要素を置いていきます。
例えば「右側に防犯カメラの映像を引っ張っていきたい」や「自宅のUPS(無停電電源装置)のコントローラーをここに置きたい」といった内容を書きます。みなさまがAIを使用する時に、「私の部屋の電気を消して」といったことをAIに指示しても、それを実現することはできないはずです。なぜなら、クラウドとみなさまのネットワークは基本的に接続されていないためです。
一方で、当社の「MotionBoard」には、クラウドと自社の工場のデータを接続する技術があります。この技術により、クラウドから工場データへの接続を簡単に設定できる仕組みを提供しています。
こちらの画面は、島澤家のUPSコントローラーが定義されており、そこにさまざまなアクションが記載されています。このように「MotionBoard」で定義しておくだけで、先ほどのような指示書を渡すと、私の部屋を統合コントロールできる画面を簡単に作成できます。
静止画は少しフレームレートが低いですが、カメラを動かすとこのように私が映っています。みなさま、私が見えていますでしょうか?
このように、私の部屋のコントローラーを簡単に作ることができます。また、これはUPSから情報を取得しており、ここにオン・オフの操作盤があります。この「オフ」を操作すると、私の家のブレーカーを遮断して、この部屋を停電させることも可能です。
では、試しにオフを押してみましょう。停電時に赤い非常灯が点灯するように実装してみましたが、Zoomの画面でみなさまには見えていますでしょうか? 私のいる場所は真っ暗ですが、これはあくまで技術デモです。ただ、この技術は工場で異常が発生した時にアクションを起こすといった用途に活用できます。
このようなものを以前の「MotionBoard」は「MotionBoard」の機能で実装していました。現在ではAIを活用することでこれらを非常に簡単に実装できるようになっています。
真っ暗なままでは不便ですので、元に戻したいと思います。オンにするとこのように復旧し、画面も正常に戻ります。この画面では単にデータを見るだけでなく、異常が起きた際にデータベースへログを残すといった機能も実現できます。また、運用中においてAIのコストがかからない仕組みになっています。
「AI Reinforced」については、「MotionBoard」を例に挙げましたが、さまざまな領域で活用が可能です。例えば「MotionBoard」のケースでは、工場のレイアウト図を入力することで、AIがそれをある程度自動的に立体化します。
また、データを与えると、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)や自動ロボットの情報が3D空間上で表現されるようになります。さらに2階の構造を追加したり、人の動きのデータを組み込んだりすることで、その空間上で人が動く様子も表現できるようになっています。
データを加工するレイヤーにも、AIの影響は非常にプラスに働きます。
少しイメージしにくいかもしれませんが、例えばみなさまの手元にあるデータで、製品名が縦の列にあり、月別の売上の列が横に並んでいるような構造のデータを保持しているケースもあるかと思います。しかし、データベースで扱う際には、このような構造は非常に使いにくいのです。
したがって、縦持ちのデータ構造に変換することが重要です。具体的には、画面下のサンプルにあるように、月ごとの列と売上の列という形式にデータを変換します。これまでは専門的なプログラムを書く必要がありましたが、現在では、列方向のデータを行方向に変換するよう指示するだけで、必要なプログラムが自動的に生成されるようになっています。
また、この変換後のデータに対して、スケジュールや実行タイミングを設定して自動化することも可能です。これにより、データを継続的に分析し続けるようなシチュエーションにおいて、やりたいことをAIに指示し、ジョブを登録しておくだけで運用が可能になります。このプロセスではAIコストがかからず、効率的なデータ運用を実現する提案が可能になってきています。
他にも「SVF」で帳票が自動作成できる機能など、さまざまなアップデートがありますが、本日は時間が迫っているため、紹介はこのくらいにしたいと思います。
当社ウイングアーク1stは、AIの機能開発に非常に積極的に取り組んでおり、それをお客さまの価値につなげるようにデザインするのはもちろん、商売としても展開しています。
私たちの提案がユニークなものとなるよう、AIソフトウェアの開発においても、単なるエージェントの実装や言葉で制御できるといったプロダクトが多い中で、「なぜウイングアークのプロダクトがAI時代において重要なのか」を明確に説明できるようなかたちで、引き続きソフトウェアデザインを進めていきます。投資家のみなさまには、当社の今後の発展に引き続きご期待いただければ幸いです。
質疑応答:BDSの将来展望と基幹系更新の見通しについて
質問者:BDSについて、基幹系のモダナイゼーションが進むにつれて御社の案件も拡大しているとのことですが、日本ではのびのびになっている印象があります。
現時点で2030年頃になると、一般的な基幹系システムの更新についてもかなり目処がついてくるのではないかと思いますが、御社のBDS案件に関してもその時期がピークになるとお考えでしょうか? 見通しについて教えてください。
久我:おっしゃるとおり、進行が遅れている状況ではありますが、現時点でもモダナイゼーションの案件は多く見受けられます。一方で、それを受けられるシステムインテグレーターの数が限られているため、これらの案件は2030年以降も継続するのではないかと見込んでいます。
先ほどモダナイゼーションに関して、当社が需要をしっかりと創出していく必要があるというお話をしましたが、ホストのリプレイスのタイミングで新たにリプレイスされる基幹システムにおいて、当社が帳票基盤としての位置づけをしっかり獲得できれば、次のシステムのリプレイスにおいても、当社のプロダクトを基盤として使用いただけるようになると考えています。
現在、これまで当社プロダクトが使われていなかった基幹システムにおいても、ホストで運用されていたものをしっかりと当社プロダクトに置き換えていき、その後のビジネスにつなげていくという組み立てで、注力している状況です。
質問者:ドイツでは2027年から2028年に電子商取引の納税、いわゆる電子納税が義務化されると発表されています。一方で、日本ではまだそのような機運が高まっていないと理解しています。
2030年以降、基幹系システムの更新もピークアウトすると思うのですが、その後に市場が爆発的に拡大する要因として、電子商取引の納税の義務化が挙げられると思います。この件について、現時点でわかっていることがあれば教えていただけますか?
久我:現時点で私が捉えている領域では、欧州では「デジタルトラスト」のようなものが非常に盛んになっており、その分野で成長が見込まれると考えています。そのため、ある程度それを織り込んだ対応を進めています。ただし、ご指摘のイベントが日本における新たな市場を形成し、それがどの程度拡大するかについては、現時点では見通せていない状況です。
質問者:わかりました。将来の楽しみとして期待しています。
質疑応答:オンプレミスサービスが選ばれている背景について
質問者:DEについてですが、特にオンプレミスが好調とのことです。例えば、「ServiceNow」や「Salesforce」はすべてクラウドサービスですが、お客さまがデータ基盤やデータレイクのビジネスや基盤を構築する際に、日本ではやはりオンプレミスが非常に好まれている状況にあると思います。
その中で御社のサービスが選ばれている背景として、例えば円安によって競合の価格が高くなっていることなど、さまざまな理由が考えられますが、そのあたりの事情について教えていただけますか。
久我:オンプレミス事業に関しては、いくつかの要因で需要がさらに増加する可能性があると考えています。今年特にオンプレミスが好調だった理由は、大型案件、とくに基盤系の案件が多く取れたためです。まだオンプレミスを選択されるお客さまが多い状況にあります。
一方で、グローバルマーケットや日本のマーケットにおいて、DWH(データウェアハウス:Data Warehouse)に関してはクラウドが主流となり、伸びている部分もあります。このため、今後も需要は増えていくと予測しており、オンプレミスとクラウドの両方を推進していきたいと考えています。
ただし、今期は特に大型案件がオンプレミスによるものが多かったことから、こうした状況になっていると捉えています。
質問者:特に日本でオンプレミスが中心になるというよりは、クラウドと両方が伸びていくということですね、理解しました。
質疑応答:コストに関する顧客の意識について
質問者:先ほどコストに関する問題が話題になっていました。また、実際に御社のソフトやソリューションを利用されているお客さまについて、先ほどいくつかの実例を挙げていただきました。
顧客がそれらを理由に御社のソリューションを採用した事例というのは、現状ではまだそれほど多くないものの、今後お客さまの意識が高まるという理解でよろしいでしょうか?
島澤:そうですね。先ほどお見せした「MotionBoard」のケースが最もわかりやすいと思います。今年の初めに新バージョンを投入し、それ以降AIの機能を利用して画面を生成するだけでなく、その後のコストコントロールが容易である点についても評価をいただく機会は増えています。
当社もKPIとして、AIを活用した先ほどお見せしたような機能がどのくらい顧客に浸透しているのかを毎月モニタリングしていますが、私たちの想定どおりの伸びを示しています。近いうちに事例化できるお客さまの情報も発信していきたいと考えています。
質問者:そうすると「SaaSの死」と言われていましたが、SaaSとAIのよいところを組み合わせたサービスが特に日本で伸びていくのではないかという理解でよろしいでしょうか?
島澤:SaaSの場合、System of recordを持つSaaSや、当社のような情報を可視化するSaaSなど、さまざまなジャンルがあります。例えば、当社の場合、以前はパッケージ製品がお客さまの要件に細部まで応えきれない点がありました。
つまり、プロダクトの仕様上「ここは諦めてください」といった制約が存在していましたが、現状ではAIによってさらに補完することで、細部まで対応可能となっています。
きちんとチューニングして、お客さまのやりたいことを実現するという点において、AIは非常に重要な機能であると私たちは捉えています。
質疑応答:生成AIにおけるリスク面での影響について
質問者:BDSやDEにおける生成AIの影響について、チャンスとリスクの両面でおうかがいしたいと思います。チャンスの面についてはさまざまご説明をいただき、「MotionBoard」との組み合わせや顧客体験が良くなるという印象を受けました。
一方でリスク面については、AIが登場した当初に指摘されていたお客さまの内製化の動きや、競合他社がAIを活用して類似したプロダクトを投入する可能性などが挙げられると思います。
このようなAIのリスク面での影響について、この1年から2年の間での現状認識を、あらためてお聞かせいただければと思います。
久我:おっしゃるとおり、AIによって生まれている新しい市場に関しては、AIは予想以上にデータの構造をしっかりと整備する必要があります。全社で利用できるデータ基盤、すなわち、確定した情報をもとに精緻なデータを生成し、それを経営の意思決定に組み込むという工程は、人がその判断を行い責任を取るという観点からも、容易に実現できるものではありません。
そのため、AI時代におけるデータ基盤の構築需要は今後さらに増加する可能性が十分にあると考えており、当社としても、これに対応するための機能強化を進めています。
一方でリスクとして、当社もデータ活用をどんどん内製化していく動きがあるのではないかと考え、その点については常に観察しています。ただ、ワンショットで終わるようなアドホックな分析をセルフで行うケースはよく耳にしますが、組織で活用するデータ基盤そのものをすべてAIで置き換える動きについては、現時点では確認できていません。
しかし、今後もその状況が続くとは考えておらず、この点について引き続き注視していく方針です。
質疑応答:AIに関するコストと収益性の改善について
質問者:先ほど話に出たAIのコストについてです。御社が活用されているプラットフォームを他のプラットフォームに移行することでコストを抑えているという話がCTOからありました。
しかし、もしその移行先でも従量課金制となれば、結局同じような問題が発生してしまうのではないかという印象を受けました。
また、財務説明の中で、AIの活用によって生産性が向上し収益性が改善しているとのお話もありました。そのため、AIのコスト、収益性の改善、そして根本的なコスト問題の解決について、あらためて整理してご説明いただければと思います。
島澤:まず、AIのコストについてですが、ご指摘のとおり、乗り換え先も従量課金制である可能性があり、AIの値上げが唐突に発生することは課題となっています。これまで契約更新は1年単位が一般的とされていましたが、数ヶ月単位で値上げが通知されるケースもあり、急な契約変更に対応する際は、当社も相当慌てることがありました。
ただし、現在主力として利用しているAIについては、数ヶ月単位で急に値上げされるような契約形態ではないことを確認し、契約を結んでいます。今回の件で学んだことを踏まえ、再発防止のため、適切な契約条件を重視して対応を進めています。
根本的な課題として挙げられるのは、トークンの管理の不十分さです。社員がどのような業務で生成を行っているか、マネジメント体制が十分に整備されていなかったことが問題の背景にあります。
AIは、使えば使うほどコストがかかる存在であるため、企業としてしっかりとしたマネジメント体制の確立が重要です。当社では、今回の件を受けて体制の見直しを進めており、たとえ従量課金制が導入されたとしても、コストコントロールが可能な業務設計が整いつつあります。
さらに、「AI Reinforced」モデルという当社の考え方を自社にも積極的に適用し、AIを活用するべき場面とそうでない場面を明確に分けることが重要だと考えています。「すべてをAIで解決すればよいわけではない」という姿勢を、当社自身が体現していくことが大切だと考えています。
質問者:財務の観点から見ると、AIにかかるコストが今期の予想や来期に向けて予想以上になっているのか、それとも想定の範囲内で進んでいるのか、どちらなのでしょうか?
藤本:こちらについては先ほど島澤が申し上げたとおり、当社ではAIを活用するオペレーションを確立しており、うまくマネージできています。
一方で、先ほどの資料にもありましたAIによるコスト生産性の観点で、一番大きな効果が出ているのは、エンジニアリングや開発の分野だと思います。それによって生産性が向上しているだけでなく、これまで外部に発注していた、いわゆるアウトソーシングコストをかなり抑制できたことが、最も大きな効果だと考えています。
ただし、当社のようなバックオフィス業務やコーポレート業務において、AIがエージェントを動かして適切に生産性を向上させているかというと、正直なところまだ途上段階にある部分があります。そのため、今後は本当に活用可能な領域を吟味し、どのように業務に適用できるかについて課題意識を持ちながら対応していきたいと考えています。