主食をイノベーションし、 健康をあたりまえに。
橋本舜氏(以下、橋本):みなさま、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。ベースフード株式会社代表取締役CEOの橋本舜です。みなさまと対話の機会を持ち、当社の事業や成長戦略へのご理解を一層深めていただきたいと考えています。
この機会がみなさまにとって有意義であれば幸いです。それでは、2027年2月期第2四半期決算についてご報告します。
当社のミッションは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」です。「主食にバランスよく栄養素が含まれていれば、だれもが健康でいられる。かんたんで、おいしくて、からだにいい、すべてを叶える未来の主食を創り広める。」を推進していきます。
10th Anniversary
当社は10周年を迎えましたが、先ほど述べたミッションは、今後10年、20年と変わることはないと考えています。
現時点でベースフードは、アンケートなどの結果から、例えばコンビニのチョコレートパンと比較してもおいしさに遜色ないレベルに達しています。しかし、パン屋で提供される出来たてのパンと比べると、まだ改良の余地があると感じています。
コストに関しては、かなり削減が進んできていますが、一般的なパンと同じレベルには至っていません。そのため、生産速度の向上や配合の工夫、サプライチェーンの工夫などを通じて、さらなるコスト低減を図っていきたいと思っています。
その結果、10年後には当初掲げたミッションのとおり、普通のパンと同じくらいおいしく、普通のパンと同じくらいリーズナブルで、普通のパンと同じくらいのバリエーションがあり、それでいて食材と栄養のバランスが良いという商品を実現し、「買わない理由がない」と言えるものを世界中に広げていきたいと考えています。引き続き応援のほど、よろしくお願いします。
エグゼクティブサマリー
2027年2月期第2四半期の実績についてご説明します。エグゼクティブサマリーです。
売上高は43.7億円で、前年同期比プラス16.7パーセントとなりました。主力商品である「BASE BREAD チョコレート」の商品力強化と成長戦略が功を奏し、力強い成長を示しました。
そのうち、自社ECの売上は28.5億円で、前年同期比プラス14.4パーセントとなりました。獲得の山場である第1四半期において、定期購入者数の増加が売上に反映されたほか、AIを活用した広告の内製化が引き続き効果を上げ、定期購入者数はさらに増加しました。
卸は11.2億円で、前年同期比プラス18.2パーセントとなりました。店舗あたりの月間売上高が大幅に増加したほか、前期まで減少傾向にあったコンビニの展開店舗数が引き続き増加し、力強い成長を遂げました。
他社ECは3.4億円で、前年同期比プラス54.5パーセントでした。特にAmazonのパン部門でベストセラー1位を達成し、それを継続したことが大きく寄与し、力強い成長を記録しています。
一方、海外事業は0.4億円となり、前年同期比マイナス36.0パーセントとなりました。こちらは、中国におけるアリババ集団傘下の生鮮スーパーマーケット「盒馬鮮生」(フーマーシェンシェン)での販売開始に注力し、他社でのEC広告を戦略的に抑制した結果、前年同期比で減少しました。ただし、前四半期比では増加しています。
営業利益はマイナス0.1億円で、営業利益率はマイナス0.3パーセント、前年同期比ではマイナス1ポイントとなりました。この減益は計画どおりであり、前期と比較して高効率な広告投資を継続できた結果ともいえます。この施策は第3四半期以降の利益の源泉となる予定です。
また、SBIR採択に伴う研究開発投資の増加分は、翌期に補助金として営業外収益で回収を予定しています。
(2026年2月期通期決算説明資料再掲)営業利益の四半期推移イメージ
こちらのスライドは、2026年2月期の通期決算発表で、業績予想として開示した今期の営業利益の四半期推移イメージです。4月中旬に開示したとおり、第1四半期と第2四半期は赤字計画を立てており、計画どおりとなっています。
前期の第2四半期が黒字となっているのは、広告のCPAが予想以上に高騰し、整理せざるを得なかったためです。一方、今期に関しては小売店とECの好循環を回す成長戦略や、AIを活用した広告内製化の効果が大きく現れました。
また、「BASE BREAD チョコレート」のリニューアルを第1四半期の中旬に実施し、大型マーケティングプロモーションを投入しました。この継続により第2四半期にある程度の成果が現れています。
第1四半期は赤字となりましたが、これは計画どおりであり、第3四半期と第4四半期で利益を生む見通しです。我々としては成功と捉えており、計画どおりに推移できたと考えています。
決算ハイライト
決算のハイライトです。売上高は前四半期比でプラス10パーセントと、力強い成長を遂げました。売上総利益率は、「BASE BREAD チョコレート」の希望小売価格の戦略的見直しが影響し若干低下しましたが、展開店舗数と店舗あたり月間売上高が向上し、奏功しました。
また、小売店は自社ECへの流入動線としても重要な役割を果たしています。スライドに記載のとおり、広告宣伝費率がある程度高いため、「BASE BREAD チョコレート」の希望小売価格を少し下げることで、展開店舗数が増え、店舗あたり月間売上高が増加しました。
小売店は広告を使用せず認知やトライアルを獲得できる場であり、そこに広告を投入するとCPAが大幅に低下するため、我々としては計画どおりに成功したと考えています。
売上高は、今期は43.7億円となり、前四半期比でプラス10パーセントの成長を遂げています。売上総利益は24.1億円、売上総利益率は55.1パーセントとなりました。売上総利益は前年同期比でプラス12.7パーセント、前四半期比でプラス7.4パーセントです。
一方、売上総利益率は前年同期比でマイナス2ポイント、前四半期比でマイナス1.3ポイントとなっています。この結果は先ほど触れた「BASE BREAD チョコレート」に関する戦略の影響を受けたものです。
広告宣伝費は10.4億円となり、1年前と比べ増加していますが、費用比率としては低下しており、広告が効率的に運用されていると捉えています。第1四半期に集中して費用を投下した影響で前四半期比では広告宣伝費が減少しており、規律ある広告戦略が実現できていると考えています。
営業利益は前四半期比でプラス1.6億円となりました。これは第1四半期中盤に実施した「BASE BREAD チョコレート」リニューアルの効果によるものです。
売上高ハイライト
売上高のハイライトです。売上高は成長軌道に回帰しています。自社EC、他社EC、卸、海外の全販売チャネルにおいて、前四半期比で増収しています。2026年2月期の第4四半期まで、売上がなかなか伸びませんでしたが、今期の第1四半期および第2四半期では売上を伸ばしています。
我々は売上成長率でプラス10パーセントから30パーセントを成長軌道することを掲げていますが、前期および前々期にはこれに達していませんでした。そのため、今期は営業黒字を維持しながら売上成長率を取り戻すことに注力しており、その結果が現れていると考えています。
これは一過性ではなく、構造的に今後も継続していく常態的なものにしたいと考えており、その実現に向けた確度が高まっていると考えています。そのため、スライドには「売上高が成長軌道に回帰している」と表現しました。
チャネル別実績:自社EC
チャネル別実績の自社ECについてご説明します。ECについては、獲得の山場である第1四半期において、定期購入者数の増加に奏功したことが売上に反映されるとともに、AIを活用した広告の内製化も引き続き効果を発揮し、定期購入者数がさらに増加しました。
LTVと解約率が前四半期比で悪化しているのは、第1四半期における新規獲得の集中による一時的な結果であり、前年同期比では商品とサービスの継続的改善により改善しています。こちらはある種の季節性と捉えていただいてかまいません。
パンは4月の新生活期に需要の増加が見られるように、当社の場合も健康習慣を取り入れるという需要期になると考えています。また、商品開発において年に1回しっかりとアップデートするというApple社の方針が良いと思っているため、今回、当社の基幹商品である「BASE BREAD チョコレート」の大型アップデートを春に行いました。
そこを起点にテレビCMや店舗でのコミュニケーションなどを行い、合わせて広告投資や過去に解約された方の復帰促進などにも集中して取り組むのが効率的だと考えています。これが第2四半期、第3四半期、第4四半期の利益の源泉となるため、第1四半期に赤字を覚悟して集中投資を行うことは、ある種の季節性として捉えていただければと思います。
第1四半期にユーザーを大幅に獲得していますが、始めたばかりのユーザーと長期にわたって利用しているユーザーでは継続率が異なるため、一時的に解約率が上がります。ただし、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と利用が継続するにつれて解約率は大きく低下し、改善していきます。
そのため、前年同期比で見ると継続率、LTVのいずれも改善しています。第1四半期のみ一時的に悪化するもののユーザー自体は増加しているという状態は、狙ったものであるため、問題ないと考えています。
顧客単価について一部の供給制限が発生しましたが、これは当初の予測を上回る売上があった結果であり、一時的な事象と捉えており、今後は同様の事象は生じないと考えています。
チャネル別実績:卸
チャネル別実績の卸についてご説明します。主力商品である「BASE BREAD チョコレート」の商品力強化と各種販促施策が奏功し、店舗あたりの月間売上高が大きく増加しました。また、前期まで減少傾向にあったコンビニの展開店舗数が引き続き増加し、卸売上高は前年同期比でプラス18.2パーセントと力強く成長しました。
前期と前々期の売上成長率が似ていたのは、当社が成長していなかったわけではありません。コンビニ3社ほぼすべてで同じブランドの同一商品が展開するという事例は極めて特殊なことだと考えています。
どんな会社のどんな商品であっても、初めて取り扱いが始まる際は目立つ棚に陳列されますが、定番化するにつれて陳列順位が下がるため、徐々に売上は減少する傾向にあります。
そのため、当社のECやスーパーマーケットの成長がコンビニの売上減少に相殺される状況にありましたが、直近の第1四半期および第2四半期では反転し、コンビニでの売上が相殺要因ではなく増加要因になりました。
スーパーマーケットにはまだ大きな成長余地がある上に、コンビニが伸びれば「コンビニで見たことがある」「食べたことがある」という人が増えるため、ECにおいても広告効果が高まります。コンビニ売上が相殺側から増加側へ転換したことは画期的であり、この状態を継続することが重要だと考えています。
ポイントとなるのは、店舗あたりの月間売上高です。いくら営業活動を行っても、店舗で売れなければ導入は進みません。店舗で売れることで他店舗展開やフランチャイズによる拡大が進む可能性があります。そのため、店舗で売れることが大前提となります。
この点において、このスライドは極めて重要だと考えています。コンビニの展開店舗数が前期の第4四半期を底として反転していること、さらに店舗あたり月間売上高が第2四半期で大きく伸びたことがわかります。
第2四半期で売上が跳ねた理由は、第1四半期の中盤に販売を開始した「BASE BREAD チョコレート」が第2四半期にフルで売上に計上されたためです。この結果から、コンビニにおいて、当社製品の質の向上やその訴求により売上を伸ばすことができるということを示すことができたと考えています。
翌期においても、春に今期を超えるリニューアルとプロモーションを展開し、より拡充したかたちで今回の成果を再現したいと考えています。
また、ECとコンビニは、ユーザー属性や利用シーンが近いため、もともとECで売っていたものをコンビニで売っていましたが、スーパーマーケットやドラッグストアは価格帯や利用シーンが異なります。そこで、当社ではスーパーマーケットのセールスチームの声を受け、スーパーマーケットでの販売に最適化した「LITE」シリーズの販売を開始しました。
このシリーズは第2四半期の売上にはまだ反映されていませんが、非常に好評です。まだ始めたばかりであり、より売れる商品としてアップデートの余地があるため、スーパーマーケットやドラッグストアにおいて導入が期待されると考えています。
チャネル別実績:海外事業
チャネル別実績の海外事業についてご説明します。海外売上高については、香港の展開店舗数が拡大し、前年同期比で減収となりましたが、前四半期比では増収しています。
また、中国事業の立ち上げに海外事業のリソースを集中させたため、ECの広告は抑えています。ECは、越境ECを活用して空輸で商品を送るなど、あくまで需要調査を目的とした活動です。
需要調査が成功すれば、コンビニやスーパーマーケットへの商品展開や現地企業との提携といった次のステップに進むというのが従来の方針です。今回は中国という大きな市場で大きな動きがあったため、そちらに集中したという計画的な取り組みです。
香港において、セブン‐イレブンが1,000店舗を展開していることは驚異的であると思います。市場規模が日本と比較して小さい香港において、当社の「BASE FOOD」の認知度は、日本を上回る密度にあると考えています。そのため、中国市場においても十分な成長の余地があることが示されていると感じています。
次のスライドでもご説明しますが、中国では非常に好調なスタートを切ったと評価しています。もちろん、この後も順調にいくとは限りませんが、引き続き全力で立ち上げを進めていきたいと考えています。
台湾や韓国ではECを中心に展開していますが、コンビニや空輸による輸送を続けることは効率的ではないと判断しています。そのため、船便の活用も視野に入れつつ準備を進め、将来的にはこれらの市場でも成果を上げられるよう努力していきます。ここは期待していただきたい点です。
また、台湾や韓国にこだわっているわけではなく、米国市場なども含めた戦略を、グローバルチームと共に検討しています。
中国展開における業務提携
中国展開における業務提携についてご説明します。こちらは本日のリリースではありませんが、適時開示を出しているものです。現地の大手企業との協業により、大手食品メーカーである盼盼(パンパン)食品グループと提携し、アリババ集団傘下の大手スーパーマーケット盒馬鮮生で販売しています。配荷店舗数は、約600店舗規模を計画しています。
盼盼食品グループは国家認定のリーディングカンパニーで、17ヶ所の大型近代化生産拠点と先進的な大型輸入設備1,200台を有し、製品は世界50ヶ国以上の国や地域に輸出されています。
私も現地を視察していますが、日本の大手パン工場の5倍ほどの規模の生産拠点が中国全土にあり、生産の規模の大きさを実感しています。もちろん、中国の消費者数の多さも関係していると思います。
盒馬鮮生は、アリババ集団傘下の生鮮スーパーマーケットであり、「ニューリテール」と呼ばれるその先進的な取り組みが世界的に有名です。当社は、アリババとのダブルネームにより、「盒馬鮮生×ベースフード」というかたちで商品展開を行っています。
このようなコラボレーションは、日本企業としては初の試みであり、世界的に有名なブランドとしか実現しない形式であるため、準備に少し時間を要しましたが、ここから販売を開始します。今回の取り組みは、展示会を契機に声をかけていただきスタートしたものです。中国市場において、ベースフードのポテンシャルの高さを示していると考えています。
ベースフードの役割として、この10年間、栄養バランスの良い主食の提供に取り組んできたのは、世界的にもほぼ当社だけといえる状況です。そのため、研究開発の基盤やブランディングの手法が構築されています。
また、通常のパンと健康志向のパンとでは、販売する際のマーケティング手法やターゲット選定、販売方法が大きく異なるため、マーケティング支援も提供しています。そして、売上基準でレベニューシェアを受け取っています。
販売開始当初は当然ながらマーケティング投資によって赤字になることも想定されますが、長期的視点でしっかりとレベニューシェアを得られるよう進めていきます。レベニューシェアの割合などは非開示ですが、初期の段階では控えめに設定するなど、利益が適切に折半されるような料率でフェーズごとに着実に進めていきたいと考えています。
知財保護に関しては、ベースフードがノウハウとブランドを提供する中で、知財保護に関する契約を締結しています。原材料は指定の第三者のミックス粉工場で配合し、ノウハウの保護を図っています。この点は日本国内の場合と同様です。
また、信頼できるパートナーを選定し、先方とも互いに協議を行い納得できるかたちで進めた結果、今回の販売開始に至りました。
ベースフードの海外展開には大きな可能性があると考えています。世界中のパンメーカーやカップ麺メーカーが抱える共通の課題は薄利多売です。おいしくしたからといって価格を引き上げられるわけではありません。
そのような状況の中で、ベースフードは200円台のパンを大手コンビニでも販売することに成功しており、世界的にも稀有な成功事例となっています。また、日本の食文化は世界中で注目されており、日本の大手コンビニやAmazonは世界の大手メーカーから注目されています。
当社にはグローバルの大手企業から問い合わせが寄せられており、現在協議を進めている段階であるため、焦る必要はないと考えています。完全栄養の主食という点では、日本は圧倒的にプロダクトとしてリードしており、日清食品のような大手企業が参入している市場もほとんどありません。
例えばGLP-1という薬によって高タンパク、高食物繊維を摂取することが求められているような世界的なトレンドの中、ベースフードが日本においてさらに良い商品を開発することで、それを世界の企業とともに展開し、広げられる可能性があると考えています。このように、グローバル展開には大きな可能性を感じています。
利益ハイライト
利益のハイライトです。売上総利益率は「BASE BREAD チョコレート」の希望小売価格の戦略的見直しなどによりやや低下しましたが、展開店舗数と店舗あたり月間売上高の両方が向上し、奏功しました。また、小売店は自社ECへの流入導線としても重要な役割を果たしています。
営業利益の前年同期比での減益は計画どおりであり、前期と異なり高効率の広告投資を継続したことが理由です。これは第3四半期以降の利益の源泉となる見込みです。また、SBIR採択に伴う今期の研究開発投資の増加分は、翌期に補助金として営業外収益として回収する予定です。
売上総利益率は若干低下していますが、広告宣伝の代わりになるものとして計画的に進めており、予測したとおりの結果となっています。粗利益や限界利益を最終的な利益に回すのか、売上成長に回すのかは選択の問題であり、今期に関しては売上成長を回復させることを最優先課題とし、黒字の範囲内で売上成長に注力しています。
営業利益もマイナスですが、先ほど述べたとおり、前期のSBIR分の研究開発費は営業外利益として純利益に計上されるため、これを踏まえて計画しています。
販管費の推移
販管費の推移です。販管費対売上高比率は前四半期比および前年同期比で低減しており、効率化と規律あるコスト管理を継続しています。人件費はAI活用等により前年同期比で減少しています。また、広告投資額自体は増加していますが、売上高に対する比率では減少しているため、AI活用も踏まえながら、強い会社になっていると考えています。
バランスシート
バランスシートです。自己資本比率が26.9パーセントとなり、財務基盤は安定しています。なお、現預金は需要期である第1四半期に強化した広告投資の未払金を第2四半期に支払ったことにより減少しましたが、計画どおりです。
新商品及び商品リニューアル
新商品および商品リニューアルについてご説明します。スライドに掲載した商品は、第2四半期の売上に反映されている商品ではなく、第2四半期において販売開始する商品に関するご説明となります。
「BASE Pound Cake」シリーズのキャラメル味を展開しています。本商品は間食やご褒美としての食事に特化しており、栄養密度は「BASE BREAD」より低いものの、非常においしい商品です。私の知る限り、パウンドケーキの中で最もおいしいと感じるほどで、思わず食べたくなるような商品となっています。
また、統計的なおいしさ評価でも高い数値を示しており、間食需要を取り込むことが可能です。その結果、既存のお客さまの食べるシーンを増やすことにもつながります。コンビニでも販売しています。コンビニではパン棚と焼菓子の棚が別の棚に設置されているため、それに合わせた戦略的商品であり、現在のところ順調に販売が進んでいます。
また、「BASE BREAD LITE」シリーズを展開します。こちらも戦略的商品であり、すでに第3四半期が始まっているため開示します。この商品は「BASE BREAD」より栄養価を抑え、希望小売価格を税抜198円と手軽な価格に設定しています。
「家族の小腹にちょうどいいパン」というコンセプトでテレビCMを実施し、新たな顧客層の獲得とスーパーマーケットへの展開拡大を企図しています。「チョコバナナ」「キャラメル」「ミルク」の3商品を同時展開し、第3四半期以降の業績貢献を見込んでいます。
現時点で非常に良い商品だと考えていますが、さらに改良を加え、より売れる商品群を準備しています。これらはスーパーマーケット向けに作られた商品であり、バイヤーのみなさまやお客さまからも好評をいただいています。
スライド右側に商品のポジショニングマップを載せています。顧客数と顧客単価の両方の成長を図る際、特に顧客単価という観点では、食べるシーンが重要です。
例えば、「BASE BREAD」を朝食で食べ、「BASE YAKISOBA」と「BASE RAMEN」をランチで食べ、間食には「BASE Pound Cake」というようにさまざまな商品があれば、顧客が飽きることなく購買単価が向上し、継続率も高まると考えられます。
また、顧客層という観点では、これまでライト層の獲得が課題となっていました。そのため、エントリーモデルが求められており、「BASE BREAD LITE」の展開を今回始めました。栄養あたりの価格では「BASE BREAD」が安くなるため、まずエントリーモデルとして「BASE BREAD LITE」を購入いただき、良いと思ったら「BASE BREAD」を購入いただく流れが考えられます。
「BASE Pound Cake」も同様に、間食ニーズにより「BASE Pound Cake」を試してみたらおいしかったため、「BASE BREAD」も購入するという流れはあると考えています。
「BASE BREAD」にはランチやがっつりした食事のイメージが薄い点が弱点だと考えていますが、それは「BASE YAKISOBA」と「BASE RAMEN」が補完できます。「BASE BREAD」を知っているけれど、まだ試していないという方も多いですが、その際に「LITE」シリーズや「BASE Pound Cake」が良い選択肢になるのではと考えています。
戦略的ポートフォリオによって、ユーザー数とユーザーあたり売上を増やす基盤は整ったため、この全商品をさらに良くしていくことが重要だと思います。
2027年2月期 通期業績予想
2027年2月期の通期業績予想です。上期は、業績予想を上回るペースで推移していますが、下期の動向を見極めるため、現時点では期初の業績予想を据え置きます。スライドには2026年2月期の通期決算説明資料を再掲しています。営業利益の減少は意図的なものであり、構造的なものではないと考えています。その点をご理解いただきたいと思います。
売上が大きく伸びる中でリコールが発生し、次の成長に向けた準備に注力した部分もありますが、その後、売上成長率の回復に苦労しました。今期こそ売上成長率を回復させることに全社を挙げて取り組んでいるため、営業黒字の範囲で売上を重視していく方針です。
これは、経営マネジメント上、適切と考えたリーダーシップのもと実行しています。今期は、第1四半期に15パーセント程度の成長を達成し、売上成長率は10パーセントから30パーセントという目標に近づいてきています。
今後20パーセント、25パーセントの成長を目指していきますが、これらの数値は今期中に達成の見通しがついています。そのため、翌期以降は営業利益を増やしていくことも検討していきたいと考えています。
営業利益はマイナスとなる見込みですが、株価の評価に重要なのは純利益であり、ここには前期分のSBIR補助金が含まれます。当社は2月決算ですが、一般的な会計年度は3月であり、入金のタイミングは政府団体のワークフローに左右されます。
当社でのコントロールは難しく、SBIR補助金の計上時期が不透明なため、営業利益のみを開示していますが、純利益は少なくとも前期を下回らない水準を見込んでいます。
2027年2月期 業績見通し
業績の見通しです。売上高の進捗率は51.4パーセントとなっており、予想を上回るペースで推移しています。その理由として、上期における定期購入者数や展開店舗数の増加が下期の売上高にも反映されることが挙げられます。このため、上期の進捗率51.4パーセントは当初の予想を上回るペースとなっています。
売上総利益についても、同様の理由による結果です。営業利益は繰り返しになりますが、計画どおりの進捗となっています。上期への広告投資の集中は計画に基づいたものであり、下期の黒字を見込んで通期業績予想の達成を計画しています。
なお、前期が厳しかった要因は第2四半期にマーケティング活動を停止せざるを得なかったためでしたが、今期は課題を分析し、解決した結果が反映されていると考えています。
2027年2月期成⻑戦略の現況
業績予想においてご説明した2027年2月期の成長戦略が順調に進展していることをお伝えしたいと思います。また、想定を超えて好調だと感じる成果もありました。
前々期を振り返ると、リコールの影響を受け、広告宣伝を大幅に抑えました。売上高の大幅な成長を前提に人員を採用するなどの準備を進めていた中で、急激に抑制せざるを得なくなりました。ただし、黒字にすることをコミットした年だったため、リコールの翌年でしたが、黒字化することを目指し、広告投資を抑制しました。
前期は広告投資を再開し、売上成長を目指す年となりました。その具体策として、AIを活用して外注費の削減と広告運用の効率化を図りました。この方法は一定の成功を収めましたが、市況の影響でCPAが大幅に上昇したため、期待された成果を得るまでには至りませんでした。
そのため、今期は広告市況が悪化したとしても成長できる、広告に依存しない成長戦略を打ち出しました。当社の商品は栄養バランスの良い主食として一番だと考えているため、これをさらに向上させるとともに、過去の定期購買者の方々にオンラインでリーチし、クーポンを配布してオフラインチャネルである小売店への来店を促します。
そして実際に試していただき、再び定期購買に引き上げ、その収益を原資として商品をさらに改善するモデルを構築しました。この仕組みが「BASE BREAD チョコレート」で大成功しました。
定期購入者が20万人以上、小売店は5万店舗規模で展開しており、これを両立しているのはベースフードのみです。ベースフードでしかできないマーケティングを、今回の「BASE BREAD チョコレート」で実証できたと考えています。
さらに、広告についても市況が悪くても内製化の効果が現れ、CPAが改善されたことで広告を継続的に投資でき、成長につながりました。今後もこの二枚看板で進めていけると確信しています。
商品をさらに向上させ、それを積み上がっていく過去の定期購入者に伝えていきます。また、伝える手段についても、よりターゲティング精度を高めていきます。
コンビニやスーパーマーケットで試してもらうことで販売実績が向上し、それによって導入店舗が増えていくモデルです。一度試食して「おいしくなった」と感じてもらえると、定期購入へ引き上げてもらえる仕組みになっています。
また、AIを活用して広告運用を内製化することで、効率が向上しています。これを勝ちパターンとして確立し、今後5年、場合によっては10年にわたり継続していきたいと考えています。
売上高の四半期推移イメージ
売上高の四半期推移イメージです。前期では第1四半期は良好な結果を出したものの、順調だと思っていた第2四半期で大きく減少しました。今期は第1四半期に良い兆しが見られ、第2四半期でしっかりと成長しています。第3四半期や第4四半期の成長は、第1四半期と第2四半期の成果に依存します。
当社の売上高を支える要素には、定期購入者の数や、製品がどの程度コンビニやスーパーマーケット、ドラッグストアに置かれているか、あるいは週販の平均売上などがあります。前期では、第2四半期に大きく売上が落ち込んだことが、第3四半期および第4四半期に影響を与えました。
一方で今期の第1四半期の業績が前年同期比で悪い理由は、今回の第1四半期が特段悪かったわけではなく、前期の第2四半期、第3四半期、第4四半期の実績を基準として始まっているためです。
第1四半期は伸びが悪く見えているだけであり、第1四半期と第2四半期はしっかりと成長を遂げています。この成長は第3四半期や第4四半期にも影響を与えるため、当社では翌期に向けてさらに精度を高め、規模を拡大するための準備を進めています。
営業利益の四半期推移イメージ
営業利益の四半期推移イメージは、もともと公表しているとおりです。上期に広告投資を集中させることは計画どおりであり、これはマーケティング戦略の一環です。下期に黒字化を目指し、通期業績予想の達成を計画しています。
第1四半期と第2四半期で獲得した顧客の利益は、第4四半期で終わるわけではなく、継続的に反映されます。また、SBIR採択により研究開発投資が増加しており、営業利益にはマイナスの影響を与えるものの、営業外収益として翌期に回収される予定です。一方で、前期に投入した分は今期に収益として入ってきます。
わたしからの説明は以上です。以降の資料は再掲となるため、初見の方はご覧いただければと思います。
質疑応答:中長期での利益目標の数値設定について
司会者:「中長期では利益率等、穏やかに改善としていますが、今期は1.4パーセントから0.4パーセントに下がります。中期での利益目標の数値を、どのくらいに置かれるのかお聞かせください」というご質問です。
橋本:先ほど述べましたが、増収すれば減益になるという構造ではありません。いわゆる会社の効率や潜在的な利益率を高めた場合、それを利益率として残すか、売上成長率に反映させるかの2択だと考えています。
このバランスをどう取るかが重要であり、もともとの計画としては黒字の範囲で営業利益を緩やかに上げていきながら、売上成長率をプラス10パーセントから30パーセントの範囲で確保するものでした。ただし、今期業績予想を出した4月中旬は、まだ「BASE BREAD チョコレート」の結果がわからない時期でした。
結果的に、前期も前々期も売上成長率が0パーセントに近い状況だったため、今期は、売上成長率を10パーセントから30パーセントに回帰させることに集中する一方、純利益での減益は避けるという方針を立てました。そのため、営業利益は減益となってもやむを得ないというかたちで業績予想を出しています。
もう少し強い業績予想を出していれば、営業利益もプラスを狙えたかもしれません。しかし、期初は、前期に下方修正を行った経緯から、保守的な予想が必要だと考え、営業利益は減益を前提にしつつ、売上高は前期比プラス7パーセントとして発表しました。
実際には、売上高は第2四半期ではプラス15パーセントまで伸び、第1四半期も前年同期比では見劣りするものの、前四半期比では着実に成長していたことが確認できました。
この時点でマーケティング手法を変更し、一気にマーケティング予算を削減して営業利益をプラスにすると、もともとの計画が崩れてしまいます。そのため、今期に関しては期初の計画どおりに進め、売上成長率をどこまで高められるかを重視するべきだと考えています。
一方、翌期の計画を現在進めていますが、翌期は営業利益を緩やかに増加させる計画でもよいのではないかと考えています。この点については、みなさまと意見交換しながら検討していきたいと考えています。
基本的に、翌期には営業利益を緩やかに上昇させていくことを基本方針としています。ただし、仮にそうしない場合には、それ以上の売上成長率を目指す必要があると思っています。また、翌期の方針に関わらず、翌々期以降には営業利益を上げる方向に戻ることがほぼ確実だと考えています。
多くの企業は、一定の営業利益を維持しながら売上のトップラインを両立させています。例えば、配当についてはまだ予定していませんが、配当を出すことについても理解はしています。そのため、ユニークすぎることはしないつもりです。
質疑応答:「BASE BREAD チョコレート」の小売価格戦略について
司会者:「『BASE BREAD チョコレート』の希望小売価格の見直しは値下げだと思われます。値下げ幅、数量の伸び、粗利額への差し引きの効果、全体のネットワーク効果を教えてください」というご質問です。
橋本:開示している数字以上の詳細は差し控えますので、定性的なご説明となることをご了承いただければと思います。希望小売価格は税抜260円から248円に設定しています。これは前期に値上げした分を元に戻したかたちになります。
今回の取り組みは実験的でした。ブランド名は控えますが、飲料の分野で、ブランドの看板商品を少し安くし、その他の商品を比較的高めに設定することで、多くの方が看板商品を試してそれをきっかけに他の商品へ派生するという事例があることを認識しています。
「BASE BREAD チョコレート」がとてもおいしくなることもわかっていたため、今回は全体を一新してみました。おいしくするだけでなく、パッケージの変更や小売価格の値下げ、コンビニ内の販促キャンペーン、TV CMなど、「BASE BREAD チョコレート」に関してやれることを徹底的に実施しました。その結果、良い成果を得ることができました。
特に、コンビニの導入店舗数が増加に転じたことは、全社的にも大きな画期的出来事といえます。その背景には、週販、つまり店舗当たりの販売実績が大幅に伸びていることがあり、小売業の方々にも話題にしていただいたことが大きな効果となっています。
当社は広告宣伝費率が20パーセントから30パーセント程度あり、戦略的に売上総利益率を多少減らしても、広告宣伝費率を減らせるなら問題はありません。単純に進めれば、広告宣伝費率は売上総利益率の悪化以上に下がります。ただし、今期は売上成長に注力しているため、これらをすべて売上成長への投資に割り当てている状況であり、それは結果的に良かったと考えています。
中東情勢や円安の影響で値上げが続いており、当社もその影響を受けています。ただし、当社では配合の工夫や生産速度を通常のパンに近づける取り組みを行っており、さらに新しい商品であるために価格を下げる余地もあります。また、当社の取り組みとしては、おいしさを追求するだけでなく、コストの削減にも注力しています。
その結果を示す一例として、大手企業の類似商品が当社の商品よりも単価が高いという事実が挙げられます。スタートアップでありながら、10年間の継続的な努力やサプライチェーンの工夫などにより、他社と比べてかなり効率的な製造ができていると理解しています。
また、今回良かった点としては、「BASE BREAD チョコレート」の小売価格のみを下げるという方法で大きな成長を遂げました。例えば「BASE YAKISOBA」や「BASE RAMEN」といった製品においても、看板商品だけを値下げする、もしくは特定のチャネルのみで価格を下げるといった戦略も可能だと考えています。
「LITE」シリーズも同様に、スーパーマーケットで販売している栄養価が比較的低い商品は価格を下げるという戦略も考えられます。顧客獲得の時期には消費者の目に触れる機会を増やすことが重要だと考えています。広告宣伝費率は高いものの、認知度向上にはコストがかかりますが、一方で認知率を低下させないためのコストは大幅に抑えられると考えています。
大手食品会社では認知率や導入店舗数の向上がすでに完了しているため、広告宣伝費が削減されていると考えられます。一方、当社は現在認知率を上げている最中であるため広告宣伝費がかかっていますが、これもいずれは落ち着くと見込んでいます。
そのため、当社はもともとプレミアムな価格帯であることを踏まえると、将来的には他社よりも高い利益率を実現できると考えています。
質疑応答:「LITE」シリーズの特徴と販売戦略について
司会者:「『LITE』シリーズは税抜198円とほかの商品より安価となっていますが、粗利率は既存品に比べていかがでしょうか? 既存ブレッドとのデマンドや需要のカニバリリスク、現状の売れ行きなどはどうなっていますか?」というご質問です。
橋本:栄養価を「BASE BREAD」の半分程度にしている代わりに、200円を下回る価格に設定しています。これによって原価が下がっているため、いわゆる利益率に大きな変化はありません。
また、スーパーマーケットで主に販売されているため広告宣伝費が発生せず、広告宣伝の代わりになっています。当社では広告宣伝費率が全体的に高いため、トータルではプラスになると考えています。
スーパーマーケットに伸びしろがあると見て、精鋭の方を採用し、アプローチしていましたが、スーパーマーケット向けに適した商品がないため、営業活動が無駄になってしまう場合がありました。今回は、その課題を解消し、しっかりと商品を置いて定着させるところまで持っていけると考えています。
原価率としてはそれほど変わらず、営業活動費や広告宣伝費を含めると全体的には良くなると考えています。一部で競合する部分が出てくることは想定していますし、むしろカニバリゼーションが起こらない状態はあり得ないと思っています。
例えば、iPhoneにも普通のiPhoneだけでなく「iPhone Pro」など商品ラインナップがあり、それは王道のiPhoneにとっても良いことだと考えています。「BASE BREAD」についても同じで、もともとやるべきだったと思っています。
栄養密度が高く、たんぱく質や食物繊維の量がかなり多い商品ですが、それがすべての方に求められているわけではありません。また、ハードルが高いとか、プロ向けの商品だと思われているケースも少なくありません。そのような意味で、エントリー版を出すべき時期に来ていると判断しました。
商品バリエーションが増えると技術開発が分散するため、これまで実現できなかったという事情もあります。しかし、現在は当社の布陣にある程度余裕があり、その結果、満を持して今回の商品を発売するに至りました。
質疑応答:供給制限の影響について
司会者:「供給制限のニュースが出ましたが、その影響はいかがでしょうか?」というご質問です。
橋本:供給制限はすでに解除しています。比較的速やかに解除できており、お客さまにはお知らせ済みです。要因としては、いくつかが重なっています。もちろん売れると予想していましたが、当社の予想以上に売れたことと、それが「LITE」の販売準備および在庫を確保する準備の期間に運悪く重なったことが挙げられます。
昨年は可能だと思っていたことが実現できなかったこともあり、当社の運用がやや保守的になっていました。工場のラインを押さえる際には、使用しない場合に工場にご迷惑をおかけするだけでなく、当社自身も損失を出す可能性があるためです。
業績予想はあくまで予測ですが、当社は当然ながらそれ以上の高みを目指しています。本来であれば、予想を100パーセント信じてリスクを取るべきだったのですが、リスクヘッジをした結果、今期は第2四半期で約15パーセントの成長を達成しました。
翌期もこの成長を継続させたいと考えています。第2四半期における成長分は、前期ではほぼ0パーセントの成長率から約15パーセントまで上がりました。一方、翌期は一定の高さからの成長になるため、成長の差分は小さくなり、今回のような課題は発生しないと思われます。
また、今回の事例を踏まえ、受発注の分散を可能にする商品改善や新商品の開発、マーケティングスケジュールの平準化、さらに工場との連携強化などの取り組みを進めています。そのため、供給制限が再びかかる可能性は完全に否定できませんが、確率は大幅に低下していると考えています。
質疑応答:定期購入者の新規獲得者数と解約数の内訳について
司会者:「第1四半期は定期購入者が2万人以上増えたのに対し、第2四半期は3,000人程度で伸びが鈍化しているように見えます。新規獲得者数と解約数の内訳を教えてください」というご質問です。
橋本:こちらも開示している以上の情報について質疑応答でお伝えしないほうがわかりやすいと思いますので、定性的な話になります。鈍化したというよりも第1四半期、第2四半期という区切りは、決算期によって決まります。
現実にはそこで明確な区切りがあるわけではなく、4月中旬の「BASE BREAD チョコレート」のリニューアルに合わせてマーケティングパッケージを実施しているため、第1四半期は3月、4月、5月、第2四半期は6月、7月、8月で、かぶっている部分が入ってくるということになります。
もともと計画していましたが、前期の第2四半期を見ていただくと、むしろ減少しています。多くの新規顧客を獲得すると解約率は上がりやすいですが、一部が抜けて減少しているものの、今期はそれをキープした上で増加しています。この点をポジティブに捉えています。
もちろん、第1四半期から第4四半期までなだらかに成長するほうがよいという考え方もあるかもしれませんが、マーケティングは話題性が重要だと考えています。
1年間で平準的にコミュニケーションを取るよりも、Apple社のように年に1回、例えば春に「こんなに良い商品が出た」「こんなに商品が進化した」と大きな話題を作り、累計会員数100万人のうち80万人に知っていただき、試していただくことで大きな山を作ることが有効であると思います。
当社ではアップデートするリズムに合わせ、商品開発や技術開発の目玉もそのタイミングで実施するという方法を採用しています。今回は「BASE BREAD チョコレート」単体で行いましたが、次回は「BASE BREAD チョコレート」以外にも「BASE BREAD」なども含め、「BASE YAKISOBA」「BASE RAMEN」と合わせた施策を展開することを検討しています。
さらに、テレビCMなども統一感を持って実施し、復帰していただくためのコミュニケーション手段やターゲティング精度をさらに向上させる手段も考えています。翌期も第1四半期で大きく伸び、春を迎える第2四半期でもさらなる成長が見込まれるため、この山を一層大きくできないかということを検討しています。
前期までは資金面の影響もあり、第4四半期に一気に広告出稿を抑制することがありましたが、抑制をなくすことができれば、第4四半期の成長が第1四半期の成長の土台となります。
今期について厳しかった点は、前期の第4四半期においてかなりマーケティング活動を控えた結果、第1四半期開始時の3月時点ではマイナスからのスタートとなったことです。実際には第1四半期の4月からが今期計画のほぼスタートとなるのですが、相殺されてしまい、前年同期比では第1四半期は成長していないように見えてしまいました。
いずれにしても、第1四半期や第2四半期に山を作ることは今後継続的に取り組むことになると考えています。
質疑応答:中国事業展開と今後の可能性について
司会者:「中国での今後の事業の伸びであったりだとか、ノウハウの流出をどうやって具体的に防止しているのですか? いわゆる中国の今後の伸びしろとリスクヘッジをあらためてお聞きしたい」というご質問です。
橋本:600店舗ある盒馬鮮生への進出は、率直に言えば偉業だと思っています。アリババ集団傘下の盒馬鮮生に参入することは、メーカーの中国展開における「そういうことできたらいいよね」に匹敵するレベルだと思っています。これは大手企業も含めての話です。
創業時に、「BASE PASTA」がAmazon Japan食品部門で1位を獲得しました。また、「BASE BREAD」がファミリーマート、セブン‐イレブン、ローソン全店舗に導入されたことなどを含め、我々としてはおそらくこれまでにない挑戦を行ってきたと思います。
最高のスタートを切っていますが、今回のアリババ集団傘下のスーパーマーケットとの協業も同様の状況だと考えています。ただし、Amazon Japanで「BASE PASTA」が1位を獲得した後でも在庫切れが発生し、継続購入があまり進まなかったという課題がありました。
また、ファミリーマート、セブン‐イレブン、ローソンにおいても、過去2年間で緩やかに売上が減少する局面があったものの、それを乗り越えて成長していくものと考えています。現在は良いスタートを切っていますが、これが500店舗、400店舗に減少していく可能性もあります。最悪の場合1回撤退を検討せざるを得ない状況になるかもしれませんが、それを回避するために努力していきます。
しかし、いわゆるプロダクトマーケットフィットの前段階として、プロブレムソリューションフィットが成立していることは確実だと考えています。中国という巨大市場、そして膨大な人口の中で、健康問題が大きな課題となっており、肥満などの割合もますます増加している状況です。
中国では糖尿病患者だけでも日本の人口を超える規模で増加しており、またパン食が本格的に普及し始めています。これまでは麺やおかゆが主食となっていた市場において、パン食が浸透し始めていることから、そのポテンシャルは非常に大きいと考えています。
盼盼食品グループの方と話している際も、長期的な視点で粘り強く取り組めば必ず成功すると確信しており、その意識で事業を進めています。
また、ノウハウの流出に関しては、日本でも同様に起こり得る問題ではありますが、実際には現在まで発生していません。そのための方法として、秘密保持契約や競業避止契約を活用しています。また、資材やミックス粉を送ることで、原材料が判別されないようにしています。
さらに、たとえ同じものを製造できたとしても、販売方法がわからない、ブランドがないといった点から、総合的に守っています。10年前に創業したスタートアップの商品が1位を維持し続け、ほぼ世界的に唯一の存在となっているのは、私の知る限りベースフードだけだと思います。
他のDtoC企業で成功しているところもありますが、大手が次々に同じような製品を出している状況です。ただし、ベースフードのやり方は非常に参入障壁が高く、競争優位性があります。この点は、中国でも同様に展開できていると考えています。
中国の市場展開は、現在難しい時期であると思っています。ただし、なにもしなければなにも起きないだけでありデメリットはありませんが、参入しなければ成果もゼロであるため、参入することでプラスの効果が生まれると考えています。
仮に模倣品が出てきたとしても、それによって市場に新しいカテゴリが形成されるため、それは国内においても競合が出てくること自体は必ずしも悪いことではないと思います。市場としてのカテゴリが成立することが必要だからです。
そのため、ネガティブな状況とは、何も起きない、無風といった状態を指すと考えています。無風を避けるためにはまず行動を起こすことが重要であり、その副作用としての模倣品対策が必要になるということだと考えています。加えて、本件について取り組むパートナーは誠実で信頼できる存在だと感じています。
質疑応答:他社競合に対する競争力や今後の参入障壁の構築について
司会者:「日清食品をはじめとする大手企業や、他の食品メーカー、プライベートブランドなどが、高タンパクや栄養強化商品を増やしています。このような環境の中で、御社の競争力や今後の参入障壁の構築について教えてください」というご質問です。
橋本:まず、栄養バランスが優れたドリンクではない主食として「BASE BREAD」「BASE YAKISOBA」「BASE RAMEN」「BASE BREAD LITE」「BASE Pound Cake」は、世界でも最高のクオリティを有していると私は考えています。
名前を挙げるのは避けますが、アメリカやイギリスで販売されている商品の中には、日本の我々の動きに対抗するようにドリンク以外の商品を展開している企業もあります。そのような商品も試食しましたが、我々の商品は圧倒的においしいと感じています。同じ販路を持てば、アメリカ市場でも十分に勝負できると考えています。
国内では、すばらしい大手企業が商品を展開していますが、パンについては当社に比べて食物繊維量やたんぱく質量が約半分程度であり、価格も当社製品より高い状況です。
アメリカ市場は技術戦略が異なるため一概に比較することは難しいですが、後味が残ったり、異味や雑味が感じられたりする商品が多いと考えています。当社の基準でいえば、それらは「これはけっこう異味が強い、雑味が強い」と評価される商品であると感じています。しかし、切磋琢磨することによってカテゴリ全体が成長していくことが最も重要だと思っています。
大手企業の参入は2018年頃にさかのぼります。当時、当社は「BASE PASTA」を展開しており、他社も「BASE PASTA」とかなり近しいパスタ商品を取り扱いはじめました。
当社としては、2018年からの取引の経緯があり、当時は社員が10人程度だったと思います。それを考えると、現在はまったく問題ないと感じており、「負けてなくなる」といった感覚もまったくありません。
売上が停滞している時期も含め、当社の商品力が向上していることは、おいしさ統計を活用しているため把握しており、先行指標が伸びています。昨年の売れ行きが芳しくなかった理由は、仕入れ値が大幅に上昇したことやデジタル広告市場の状況などが影響しています。
一昨年はそもそも資金不足がありましたが、商品力自体は力強く成長しており、そこについてはまったく心配していません。むしろ、海外展開をしっかりと進めることができれば、安定して売上を構築できると考えています。
また、ベースフードが大手の一角に位置づけられ、業界でもその継続性が認識されつつあると思います。そのため、大手企業との提携がさらに増えるのではないかと考えています。そうなれば、既存の販路を活用し、当社の商品を展開することが可能になると見込んでいます。
また、私が注目に値すると考えているのは、AI時代において人件費の負担が大きくなる点です。当社では正社員の数が現在80名から90名程度と非常にリーンな体制で運営しているため、スケールメリットによる原材料価格や加工の変化はごくわずかですが、人件費の割合がかなり大きくなってきています。
現代では本部営業によって営業活動が完了することが多く、研究開発においてもAIを活用することで論文や特許を一括で収集できるようになっています。当社では平均年収が高い一方で社員数を少なく抑えることで、少数精鋭によるコスト構造が大きな優位性となっています。
いずれにせよ、大手企業の参入により競争が激化する中でも当社の脅威は軽減されていると感じています。むしろ競争を通じて切磋琢磨しながら成長を遂げるという感覚が強まっているのが私の考えです。