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ELEMENTS、本人確認「LIQUID eKYC」が好調 3Q売上高は過去最高、通期予想をレンジ上限に修正

中期財務目標と2026年11月期の位置づけ

長谷川敬起氏:みなさま、こんにちは。株式会社ELEMENTS代表取締役社長の長谷川です。本日はお忙しい中、当社の決算発表にお越しいただき、ありがとうございます。これより、株式会社ELEMENTSの2026年11月期第3四半期の決算発表を開始します。

まず、「事業計画及び成長可能性に関する事項」でも公表している2026年11月期の事業方針ですが、事業方針自体に変化はありません。財務目標については2026年7月に修正した内容を記載していますが、本四半期の足元の業績を踏まえ、レンジを上限値へ切り上げる修正を実施しています。

次ページ以降で、事業の進捗状況と修正後の財務目標についてご説明します。

ハイライト

本四半期のハイライトです。まず財務ハイライトについてお話しします。売上高は「LIQUID eKYC」の好調により、前年同期比49パーセント増の15億3,000万円と過去最高を記録しました。営業利益は前年同期比2億8,300万円増の1億3,000万円、EBITDAは前年同期比3億6,100万円増の3億4,100万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純損益は、前年同期比プラス2億8,400万円の1億1,300万円となり、黒字で着地しました。

次に、各種トピックについてです。「LIQUID」シリーズをはじめとする個人認証領域では、店頭の端末にアプリをインストールするだけで対面の本人確認を完結できる「対面KYC専用アプリ」を開発し、ドコモショップおよび全国のドコモ取扱店での利用が始まっています。

さらに、「LIQUID Auth」については、提供したパスキーの累計認証件数が15億件を突破しています。利用シーンと用途の拡大が順調に進んでいます。

業績ハイライト(四半期)

業績ハイライトの説明に移ります。まず、第3四半期の財務数値の詳細です。全社売上は「LIQUID eKYC」の好調に伴い、前年同期比49パーセント増の15億3,000万円と過去最高を更新しました。

売上総利益率は、ポラリファイの連結化の影響で78.2パーセントとなりましたが、この要因を排除した場合は87.3パーセントとなります。

また、8月末のDaon社との契約終了を受け、自社モデルへの切り替えが進むことで、第4四半期以降、ポラリファイの売上総利益率の向上が見込まれます。

販管費は前年同期比プラス17パーセントの10億6,500万円で着地しました。一方、売上高販管費比率は前年同期比マイナス18.5ポイントの69.6パーセントとなり、売上高に対する販管費は減少傾向にあり、堅調に推移していると考えています。

その結果、営業利益は1億3,000万円、EBITDAは3億4,100万円、親会社株主に帰属する当期純損益は1億1,300万円と、いずれも黒字で着地しています。

業績ハイライト(累計)

累計での業績ハイライトです。全社売上は、ポラリファイの連結化および「LIQUID eKYC」の好調により、前年同期比59パーセント増の43億2,900万円と、過去最高を更新しました。

売上総利益率は、先ほど申し上げたポラリファイの連結化の影響により77.9パーセントとなっていますが、この要因を除いた場合は87.5パーセントとなっています。販管費は前年同期比28パーセント増の29億1,500万円で着地しました。

その結果、営業利益は4億5,700万円、EBITDAは9億9,500万円、親会社株主に帰属する当期純損益は4億1,000万円と、いずれも黒字で終えました。

次ページ以降で各数値について補足説明を行います。

売上について

売上については「LIQUID eKYC」の好調により、前年同期比49パーセント増の15億3,000万円で着地しています。

累計契約社数・パスキーの累計認証件数

個人認証ソリューションの主要トピックとして、累計契約社数およびパスキーの累計認証件数についてご説明します。2026年8月末時点におけるグループ全体の累計契約社数は、前四半期比で32社増加し、743社まで拡大しました。また、「LIQUID Auth」が提供するパスキーの累計認証件数が15億件を突破しています。

パスキーに関しては、金融機関、特に証券業や銀行業を中心に普及の速度がかなり加速していると認識しており、利用件数も順調に増加していると理解しています。

売上総利益について

四半期ごとの売上総利益についてです。売上総利益は11億9,600万円で、前年同期比59パーセント増加しました。売上総利益率は、ポラリファイの連結取り込みの影響により78.2パーセントとなりましたが、これを除いた売上総利益率は87.3パーセントと引き続き高水準を維持しています。

販売費および一般管理費の推移

販売費および一般管理費については、ポラリファイの影響の有無を踏まえてご説明します。まず、ポラリファイを除いた販管費は、継続的な人員強化による人件費の増加に加え、第2の柱となるプロダクトへの投資などにより、前年同期比プラス2億2,300万円の8億6,200万円となりました。

次に、ポラリファイの費用についてです。M&A関連費用はのれん償却額のみの発生となっています。また、ポラリファイの販管費は、連結化開始時の2億1,500万円から3,900万円減少しており、通信費や人件費を中心に低減しています。PMIは順調に進捗しています。

なお、販管費全体では、前年同期比プラス17パーセントの10億6,500万円となりましたが、売上高販管費比率は前年同期比マイナス18.5ポイントの69.6パーセントと堅調に推移しています。

営業利益の推移

営業利益の推移についてです。営業利益は前年同期比プラス2億8,300万円の1億3,000万円となり、3四半期連続で黒字を達成しました。また、ポラリファイのM&A関連費用を除いた営業利益は、前年同期比プラス2億5,700万円の1億5,700万円となっています。

EBITDAの推移

EBITDAの推移についてです。EBITDAは前年同期比プラス3億6,100万円の3億4,100万円で着地しました。ポラリファイのM&A関連費用を除いたEBITDAは、前年同期比プラス3億3,600万円の3億4,100万円となっています。

連結貸借対照表

連結貸借対照表についてです。本社移転に伴い有形固定資産が増加していますが、事業が順調に推移したことで現預金も増加しています。本四半期末の株主資本は36.4億円、純資産は40.2億円、自己資本比率は52.1パーセントと、プロダクトへの投資やM&Aに機動的に対応できる財務基盤を確保しています。

個人認証ソリューションの利用シーンと利用用途の拡大

各種トピックです。まずは、個人認証ソリューションの利用シーンと利用用途の拡大についてです。

冒頭でもお話ししましたが、まず大きな点として、対面での利用シーンの拡大が挙げられます。スライドの表の下部にもあるとおり、もともとオンライン中心で2019年から普及を始めた「LIQUID eKYC」が、徐々に対面シーンにも浸透し始めています。

また、2024年から金融機関や通信キャリアといった法令系事業者の店頭での利用が広がっています。今回、2日前に発表したNTTドコモの件は、通信キャリアの店舗で当社の「対面KYC専用アプリ」が全国的に導入されることが決定したという非常に喜ばしいニュースでした。

このような流れもあり、2024年以降から現在にかけて、KYC(本人確認)が法令で厳格に定められている事業者を中心に拡大を図っています。しかし、昨今は個人情報や本人確認に必要な書類の情報漏えいが、さまざまな事業者で頻繁に発生していると認識しています。

こうした状況の中、例えば先般、特定の事業者で漏えいした免許証の画像情報が、さらになりすましによる本人確認に悪用される可能性があります。その結果、第三者が情報漏えいした方の名義でお金を借りたり、マネーロンダリングに利用するための口座が銀行で開設されたりといった二次被害や三次被害が発生することが、当然のように想定されます。

これを防ぐための1つの手立てとして、日本政府もすでにそちらへ舵を切っていると認識していますが、ICチップの読み取りを用いたeKYCによる本人確認が非常に重要であると考えています。

この利用先は、金融や通信キャリアなど法律で厳格に定められた事業者だけではありません。例えば、不動産仲介・売買に関わる宅地建物取引業法の規定や、医療機関におけるマイナンバーカードと保険証の一体化による利用にも広がっています。

また、先日のニュースでも取り上げられたレンタカーの件では、国土交通省の通達により、本人確認の必要性が定められています。このように、さまざまな場面で本人確認の必要性が高まっている状況です。

そうした中で、不正利用を防ぐためには、対面シーンにおいてICチップ読み取りを用いたKYCがより重要な局面を迎えていると考えています。

私たちは、より安全でありながら利便性の高い仕組みを提供することを目指しています。例えば、対面で書類を単に目視するだけでなく、対偽造性が堅牢で安全性が高く、かつシンプルなUXで手軽に本人確認が完了する仕組みを提供し、安全性と利便性を両立させることを進めていきます。そして、このような取り組みをオンラインだけではなく、対面のさまざまな業態や業界に普及させていきたいと考えています。

KYCだけではなく、特に「LIQUID Auth」のパスキー周りに関しても利用シーンが拡大しています。直近で普及が進む大きなきっかけとなったのは、昨年5月頃に証券業界を中心に発生した大規模ななりすましやハッキングの問題があったことだと思います。それ以降、パスキーの普及が加速度的に進んでいると考えています。

この点については、次のページでご説明します。

LIQUID Auth(パスキー)_パスキー普及後も続く口座乗っ取り

昨今、パスキーの普及が進み、日本証券業協会や銀行業全般でも多要素認証が必須となっています。しかし、直近のニュースでは、パスキーを導入しても、それを含めた乗っ取りや不正が発生する問題が報告されています。

具体的なパスキーの弱点についてご説明します。大きな課題の1つとして、パスキーは最終的にスマートフォンのOSを提供するAppleやGoogleのアカウントへのログインができればパスキーに使用される秘密鍵が取得できる仕組みとなっています。そのため、GoogleやAppleのアカウント自体が乗っ取られてしまうと、パスキーも完璧なものとは言えないと考えています。

基本的には堅牢かつ利便性の高い認証方式であるため、当社ではパスキーの普及を積極的に推進しています。しかし、パスキーのセキュリティを補完的に向上させる周辺の連携の仕組みが非常に重要であると考えており、当社はパスキーの提供開始時から周辺の認証方式とセットでの販売を各社に提供してきました。

具体的には、このスライドに描かれている図のとおりです。被害者の方のスマートフォンに秘密鍵が保存されています。ただし、例えばスマートフォンの端末を正当に買い替えた際、秘密鍵を再発行するのではなく、AppleやGoogleのアカウントにログインすることで、新しい端末に元のパスキーの秘密鍵を再びダウンロードできる仕組みとなっています。

もし不正犯が被害者の方のAppleやGoogleのアカウントを乗っ取った場合、不正犯は自身の端末に被害者名義の秘密鍵をダウンロードできてしまいます。その秘密鍵を使うことで、金融機関をはじめとするさまざまな事業者が導入しているパスキーの仕組みを突破できてしまうという問題が発生しています。

不正なログインを防ぎにくい理由の1つとして、現在アクセスしている端末が、被害者がもともと使用していた端末かどうかを検知することが難しい点が挙げられます。簡便な方法も存在するものの、そこを高精度に端末の変更検知をしっかりと行うことは、相応のノウハウや高度な技術が求められるため、これを適切に実施することが非常に重要であると考えています。

もう1点は、端末の変更が検知できた場合、そのタイミングで利用者本人であることを再認証する必要があるということですが、この際にどの認証方式を採用するかも重要です。例えば、SMSによる電話番号に基づく認証だけを用いる場合、そのSMS認証自体が近年では乗っ取りが頻発しており、突破される脆弱性を抱えています。このような問題が顕在化しています。

LIQUID Auth(パスキー)_Liquid独自の多要素認証ソリューション

そのため、我々の提供するパスキーのみならず、パスキーと連動する周辺の仕組みがあります。

まず、端末の変更を高精度に検知する仕組みを、パスキーとセットでご提供しています。これにより、正規ユーザーが機種変更を行った場合の検知が可能です。それと同時に、例えば攻撃者がAppleやGoogleのアカウントを乗っ取り、秘密鍵を入手して攻撃者自身のデバイスでアクセスを試みた場合でも、未登録端末であることを検知できます。

正規ユーザーの場合、端末の機種変更で買い替えを行った際には、当社がデバイス変更を検知します。その後、新しいデバイスに切り替える際には、本人性を確認するために認証手続きを1つ挟みます。

この際、SMSのようなフィッシングに脆弱な仕組みではなく、例えば口座開設時に事前に本人確認、つまりeKYCをしており、その時に登録された顔情報を使用して当人性を確認します。正規ユーザーであれば顔情報に変更はないため、この顔認証で一致が確認されることで、新しい端末にパスキーを登録することが可能です。

一方で、攻撃者がAppleやGoogleアカウントを乗っ取った場合でも、それだけでパスキーの秘密鍵を発行することはできません。端末の変更が検知された後、顔認証が要求されますが、攻撃者が画面の向こうにいる場合は顔情報が一致せず、ここで弾かれます。このプロセスによって、パスキー登録が拒否されるという仕組みの違いを実現しています。

パスキーの大きな脆弱性であるAppleやGoogleのアカウントについて、現状、依然として「Gmail」などのメールサービスで使用しているメールアドレスとパスワードを他のサービスで使い回している方はやはり多いと考えています。

一度こうした情報が漏えいした場合や、総当たり攻撃などによってパスワードが突破された場合、それを起点とした複数サービスへの不正アクセスが試みられる可能性があります。その結果として、AppleアカウントやGoogleアカウントが突破されるケースも十分に考えられます。

実際にAppleやGoogleのアカウントのパスワードが突破され、パスキーが不正に取得されて攻撃者がサービスへのアクセスを乗っ取るという事例が発生している以上、単にパスキーを使用するだけでは不十分です。

そのため、パスキーを保護するためには、端末変更検知と強力な当人認証が必要となります。この強力な当人認証として、生体認証が重要であると考えており、これによりフィッシング耐性も備えた仕組みを構築できると考えています。

今回のトピックは以上です。

通期業績予想のアップデート

通期の業績予想についてご説明します。第3四半期までの累計実績が堅調に推移していることを踏まえ、売上高および各利益について、前回公表していたレンジの上限値への切り上げ予想を修正しました。

売上高は56億円から57億円の幅だったものを57億円に変更し、その他の利益についてもすべて上限値に切り上げています。売上総利益は44億5,000万円、販管費は40億5,000万円、EBITDAは12億円、営業利益は4億円、親会社株主に帰属する当期純損益は3億円としました。

営業利益および親会社株主に帰属する当期純損益は、第3四半期累計の実績がすでに通期予想を上回っています。これは、第4四半期において業績連動型の株式報酬費用を計上する予定であり、さらに来期以降、持続的な成長や中長期的な利益最大化に向けて、プロダクトへの投資を機動的に実行する可能性を考慮した営業利益の予想です。

第4四半期の事業環境は良好に推移していますが、成長投資の余地を確保する観点から、今回の予想数値を設定しています。

第3四半期の決算発表は以上です。ご清聴ありがとうございました。

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