サービス概要
武冨健二氏:株式会社KOMPEITO取締役CFOの武冨です。本日はお忙しい中、2026年8月期通期決算説明会にご参加いただきありがとうございます。
当社は今年9月11日に東証グロース市場に上場し、本日が上場後初めての決算説明となります。前半で2026年8月期の実績、後半で2027年8月期の見通しと成長戦略をご説明し、最後にご質問にお答えします。
初めての方もいらっしゃると思いますので、最初に事業の概要をお話しします。当社の主力サービス「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」は、オフィスに冷蔵庫や冷凍庫を設置し、健康的な食品を継続的にお届けする設置型の健康社食です。会社負担分があるため、従業員の方は1品100円から購入可能です。冷蔵のやさいプランと冷凍のごはんプランの2タイプがあり、毎月約160品目から自由に選んでいただけます。
商品は宅配便または自社便で全国のオフィスに直接お届けし、健康的で片手で即食しやすい自社プライベートブランドの商品も企画・開発しています。
毎月の収益構造は、企業からの月額利用料と商品代金の2階建てです。料金体系の詳細は補足資料に記載しているため、本日は事業のご説明をここまでとし、業績についてお話しします。
エグゼクティブサマリー
まず全体像です。スライド上段が2026年8月期の実績、下段が2027年8月期の予想です。2026年8月期は連結売上高98億7,000万円で、前期比72パーセントの増収となりました。連結営業利益は9億円、利益率は9.1パーセントで、創業以来初めて通期で営業黒字となりました。
当期純利益が10億8,000万円と営業利益を上回っていますが、これは繰越欠損金に関わる税効果によるものです。後ほど、来期予想の部分でも触れるため、ここで覚えておいていただければと思います。
スライド右側に記載している主力事業のKPIについてです。ARRは96億8,000万円で前期比55パーセント増、本契約社数は7,056社で前期比41パーセント増、ARPUは137万円で前期比9パーセント増、解約率は月次1.1パーセントで前期から0.3ポイント低下しました。規模と質の両面でARRが拡大した1年となりました。
2026年8月期の実績について、トピックスを3点お伝えします。1点目は、通期黒字化です。ストック収益の積み上げと限界利益率の改善により損益分岐点を超え、営業レバレッジが効くフェーズに入りました。
2点目は、営業獲得です。Web広告の比率を適正化し、スライドでは「PS」としているパートナーセールス、つまり営業連携企業からの紹介を通じた商談数が増加しました。さらに、下半期にパートナーセールスの人員を31人から47人へ増員しており、本格的な増員の効果は2027年8月期からと見込んでいます。
3点目として、期中に乳販店2事業と給食事業1社をグループに迎えました。
2027年8月期の計画では、売上高136億8,000万円で前期比39パーセント増、連結営業利益は17億1,000万円で前期比90パーセント増、営業利益率は12.5パーセントを見込んでいます。当期純利益は10億2,000万円で前期比5パーセント減ですが、これは前期の税効果の反動によるものであり、税引前利益では前期比92パーセントの増益を計画しています。
今期も売上成長と利益水準のバランスを考慮しながら、成長投資を継続していきます。
右側のKPIは、ARRが139億6,000万円、本契約社数が9,317社、ARPUは150万円を目指します。
目次
決算説明資料の構成は、スライドに記載の5章です。
2026年8月期 連結業績
2026年8月期の連結業績です。売上高は98億6,500万円となり、前期比71.9パーセント増加しました。内訳は、主力のオフィスでやさい事業が87億6,400万円で前期比60.1パーセント増と、引き続きオーガニックな成長が続いています。その他事業が7,100万円、連結子会社であるODYデリバリーズ、優食、KOMPEITO USAの3社で11億700万円、内部取引等の消去が7,600万円となっています。
売上総利益は64億7,000万円で、売上総利益率は65.6パーセントとなり、前期から0.4ポイント低下しました。これは子会社の原価の区分によるもので、次のページで詳しくご説明します。一方、主力事業の粗利率に関しては改善が見られます。
販売費および一般管理費は55億7,500万円で、前期比38.9パーセント増となり、売上の伸びを大きく下回りました。営業利益は8億9,500万円と、前期の2億2,500万円の損失から黒字に転換しています。親会社株主に帰属する当期純利益は10億7,900万円となりました。
営業利益が当期純利益を下回っている理由についてですが、これは繰延税金資産の計上による税効果が主因であり、黒字化によって繰越欠損金の回収可能性が高まったことによる会計上の処理です。
スライド下段のKPIについて、ARRは96億7,600万円で前年比54.7パーセント増、本契約社数は7,056社で前年比41.4パーセント増、ARPUは137万円で前年比9.4パーセント増となっています。また、解約率は1.1パーセント、限界利益率は60.7パーセントで、前年比1.7ポイント改善しました。
スライド右側のポイントは以下の3つです。1つ目は、本契約社数の増加とARPUの上昇が牽引し、解約率の低下傾向も続いているという堅調な増収体制です。
2つ目は、ストック売上の積み上がりにより販管費率が低下し、限界利益率が改善したことで、2026年8月期に初の通期黒字化を達成した点です。
3つ目は、2025年8月期に実施した乳販店事業の堅調なPMIを踏まえ、当期に乳販店のM&Aを2025年9月と11月にそれぞれ1件ずつ、また製造機能の内製化などを目的に、給食・配食事業のM&Aを2025年10月に1件と、計3件実施した点です。
2026年8月期 連結業績予想との比較
上場時に公表した業績予想との比較です。売上高は予想比で0.1パーセント減、営業利益は1.7パーセント増と、ほぼ予想どおりの着地となりました。本契約社数、新規本契約数、ARRといったKPIは、いずれも予想を上回っています。
売上総利益率は予想の66.7パーセントに対し65.6パーセント、販管費率は57.8パーセントに対し56.5パーセントと、それぞれ1ポイント強ずれています。これは、子会社の製造関連費用、具体的には人件費や減価償却費などの9,300万円を、製造の実態に即して販管費から売上原価に振り替えたためであり、営業利益への影響はありません。
経常利益と当期純利益は予想を下回りました。経常利益は上場関連費用の追加発生などの営業外要因、当期純利益は期末の税効果会計の精査に伴う税金費用の増加などが影響しており、いずれも一過性のもので、事業の収益性への影響はありません。
グループリカーリング収益の推移
スライドには、グループ全体のリカーリング収益を2024年8月期から2026年8月期まで、四半期ごとに示しています。濃い緑で示しているのは、オフィスでやさい事業の本契約からの月次収益で、四半期ごとに着実に積み上がっています。オレンジがODYデリバリーズの個人宅向け定期販売、黄色が優食、薄い緑がKOMPEITO USAです。
2026年8月期第4四半期では、グループ全体で四半期累計26億5,000万円を達成しました。当社の売上の大半は、解約がない限り毎月続く安定性の高い収益で構成されている点をご確認いただければと思います。
営業利益増減分析:限界利益の増加が固定費の増加を大きく上回る
スライドは、前期の営業損失2億3,000万円から当期の営業利益9億円まで、計11億2,000万円の改善要因を分解した図です。黄色で示した部分の限界利益の増加が合計で20億7,000万円です。
その内訳は、社数の増加が15億3,000万円、ARPUの上昇が3億5,000万円、限界利益率の改善などが1億9,000万円です。限界利益とは、売上から商品原価と配送費を差し引いたもので、トライアル分は除いています。
一方、費用の増加は合計で9億4,000万円です。新規獲得のための広告宣伝費や営業獲得費、冷蔵庫の設置費用で3億2,000万円、人件費で2億8,000万円、その他の固定費で3億4,000万円です。連結調整や子会社の損益などのその他が1,000万円です。
限界利益の増加が固定費の増加を大きく上回っています。これが当社で言う「営業レバレッジが効く」の中身です。
オフィスでやさい事業:連結売上高から各KPIまでの分解
スライドは連結売上高をKPIに基づき分解したものです。このページでは数字の読み方を整理しています。
連結売上高98億7,000万円の内訳は、オフィスでやさい事業が87億6,000万円、その他事業と連結子会社が11億円です。オフィスでやさい事業の内訳は、本契約のサブスクリプション売上が82億5,000万円、トライアルや初期導入費などのワンタイム売上が5億1,000万円となり、94パーセント程度がストック型の売上です。
サブスク売上を支えているのは、期末のARR96億8,000万円です。これは、本契約社数7,056社とARPU137万円の掛け算で成り立っています。
本契約社数は新規本契約2,927社の獲得と解約861社が影響し、月次解約率は1.1パーセントとなっています。また、ARPUは1社あたりの導入台数と台数あたりの単価に分解されます。
次のページでは、この構成要素に沿ってご説明します。
オフィスでやさい事業: ARR成長
ARRの伸びを社数と単価に分類しました。期首の本契約社数は4,991社で、新規に2,927社を獲得し、解約が861社あった結果、期末では7,056社となり、41パーセントの増加となりました。
ARPUは、年換算で125万円から137万円へと12万円上昇しました。要因は、1社あたりの導入台数の増加により4万円、商品単価の上昇により5万9,000円、その他で1万9,000円の上昇となっています。
台数の増加については、1社あたり平均1.77台から1.82台へ増加しており、その要因として冷蔵プランと冷凍プランの併用が拡大したことが挙げられます。営業の商談時に冷蔵プランと冷凍プランの併用を提案していることが、効果を発揮しています。
商品単価の上昇については、冷凍弁当など高単価商品の構成比が増加したこと、および商品価格の改定が要因です。
その他には、1台あたりの注文個数の変化や月額利用料の改定などが含まれます。
以上の結果として、ARRは62億6,000万円から96億8,000万円へと前期比55パーセント増加しました。社数の寄与が41パーセント、単価の寄与が9パーセントです。
オフィスでやさい事業:顧客数の推移
本契約社数の推移についてです。2024年8月期より12四半期連続で増加し、期末時点で7,056社となりました。純増は、期末社数ベースで2,065社となり、前期の1,766社から加速しています。
新規獲得社数は2,927社で、前期の2,567社から増加しました。一方で解約社数は861社と前期の697社から増加していますが、これは契約社数の母数が拡大したことが要因であり、解約率そのものは低下しています。
営業チャネルにおいては、顧客獲得コストの効率化を考慮し、営業リソースの配分を見直し、パートナーセールス経由での獲得に注力しました。その結果、パートナーセールス経由比率は前期の56パーセントから64パーセントに上昇しました。また、パートナーセールス営業の強化により、獲得コストの効率が改善し、獲得スピードも向上しており、パートナーセールス経由での獲得数は堅調に伸びています。
2027年8月期は、パートナーセールス営業の人員増加や営業連携先、特に金融機関との提携拡大により、パートナーセールス経由の顧客獲得をさらに加速させ、通期で2,261社の純増を目指します。
オフィスでやさい事業:営業獲得の状況
営業獲得の詳細についてです。スライド上段の4つの数字は、新規本契約獲得数が2,927社で前期比14パーセント増加、パートナーセールス経由比率が64パーセントで前期の56パーセントから上昇、パートナーセールスの正社員数が期末で47人、営業連携先数が319社と前期末から134社増加しました。
スライド下段左側のグラフは、チャネル別の四半期獲得社数を示しています。獲得コストの効率化と獲得数の伸びが良好なパートナーセールス経由の強化に注力した結果、パートナーセールス経由の獲得数が前期比で堅調に伸びています。
中央のグラフはパートナーセールス正社員数の推移を示しています。第2四半期末の31人から第4四半期末には47人へと、下期に大幅な増員を行いました。ただし、ここでご留意いただきたい点として、人員増加が本契約の獲得に結びつくまでには時間がかかる点があります。パートナーセールスは、入社後の立ち上がり期間とお客さまの無料トライアル期間を経て本契約に至るため、この増員の効果が現れるまでには4ヶ月から5ヶ月を要します。
下期の増員は第4四半期の後半から一部寄与し始めており、本格的な寄与は2027年8月期からと見込んでいます。これが来期の獲得計画の1つの根拠です。
スライド右側は営業連携企業数を示しています。金融機関85行に加え、その他の営業連携企業が234社に拡大し、1年で72パーセント増加しました。
オフィスでやさい事業: LTV構成指標(ARPU・限界利益率・解約率)の推移
顧客生涯価値(LTV)を決定する3つの指標の推移についてです。いずれも改善傾向が見られます。まず、スライド左側のARPUは、2021年8月期の90万円から137万円まで上昇しました。これは年次の価格改定と商品ミックスの改善によるものです。
スライド中央の限界利益率は約55パーセントから61パーセントへと改善しています。インフレにより仕入れ価格や物流費が上昇する環境下でも、価格改定に加え、調達先の分散、プライベートブランド比率の向上、物流ボリュームディスカウントなどにより吸収できています。
スライド右側の解約率は2.2パーセントから1.1パーセントまで低下しました。値上げを継続している中で解約率を下げることができたのは、提供価値がお客さまに評価されている証拠だと考えています。
補足資料には、値上げの時期と解約率の推移を重ねたページを掲載しています。
オフィスでやさい事業: コスト構造と圧縮推移
コスト構造についてご説明します。KOMPEITO単体のコスト構造を売上高に対する比率で示しています。この構造は主に3層に分けられます。
スライド下層に位置する商品原価と配送費は、サービス提供に係る変動費で、売上の約4割を占めており安定しています。インフレ環境下においても、商品原価は28パーセント、配送費は11パーセントと、いずれも低下傾向にあります。
中央のS&M(セールス&マーケティング)費用と冷蔵庫の費用は、新規顧客獲得時に発生する一時的な費用です。特にセールス&マーケティングの費用は、2025年8月期の28パーセントから21パーセントまで減少しました。
上部に記載のその他人件費とその他販管費は、売上に直接紐づかない固定費であり、売上の成長に伴って比率が下がり続けています。
その結果、営業利益率は前期のマイナス4パーセントから当期10.5パーセントに改善しました。売上が伸びるほど一時費用と固定費の比率が下がる構造は今後も続くと考えており、これが2027年8月期における利益率改善の前提となっています。
過去に実行したM&Aの状況
これまでに実行したM&Aの状況についてです。累計で4件あり、取得事業の2026年8月期の売上高は約10億7,000万円です。
乳製品販売配送事業では、東京都内で3件のM&Aを実行し、現在の顧客軒数は約1万件となっています。また、都内に7店舗を展開しており、明治の調査によると、明治の特約店として都内シェア第1位を獲得しています。
このM&Aの目的は、顧客満足度の高い自社配送エリアの拡張、解約率の低下を図ること、そして中期的には共同配送商材の多様化を進めることにあります。給食事業においては、社食事業における製造の内製化と、乳販店事業との相互クロスセルを目的としています。
社食事業の配送内製化と乳販店事業自体の成長力強化は堅調に進んでいます。今後は、オフィス向け新サービスを含めた社食事業とのクロスセルや給食事業とのクロスセル、さらにラストワンマイル配送を起点としたtoBおよびtoC双方での収益機会の拡張を図っていきます。
2027年8月期業績予想
2027年8月期の見通しについてです。売上高は前期比38.7パーセント増の136億8,300万円、営業利益は前期比90.5パーセント増の17億500万円、営業利益率は前期比3.4ポイント改善の12.5パーセント、経常利益は前期比92.7パーセント増の16億7,400万円を計画しています。
当期純利益は10億2,200万円で、前期比5.3パーセントの減益となりますが、前期に計上した繰延税金資産の影響が剥落したことが原因です。一方、営業利益および税引前利益については、前期比90パーセントの年次成長を見込んでいます。
売上高はオフィスでやさい事業の堅調な成長を計画しており、新規のM&Aは織り込んでいません。また、営業利益は営業レバレッジが効く局面にあり、増収に伴う利益率の改善が続く見込みです。
KPI分解:業績予想の前提
業績予想の前提となるKPIについてです。まず、スライド上段の本契約社数は、期首7,056社から新規獲得を増加させ、解約率は横ばいを前提として、期末9,317社、前期比32パーセント増を計画しています。
新規獲得の根拠としては、先ほどご説明したパートナーセールス人員の増員と営業連携先の拡大があります。下期に増員したパートナーセールスの効果が、2027年8月期から本格的に現れる見込みです。解約率については、2026年8月期から横ばいを計画しています。
スライド中段のARPUについては、期首137万円から期末150万円、前期比9パーセントの上昇を計画しています。
1社あたりの導入台数は、冷凍プランの併用拡大により微増する見込みです。台数あたりの単価は、冷凍弁当など高単価商品の構成比上昇や契約更新時の価格改定によって上昇する前提となっています。
スライド下段に記載しているように、期末の本契約社数9,317社とARPU150万円を掛け合わせた結果、期末ARRは139億6,000万円となり、前期比44パーセント増を見込んでいます。これが2027年8月期の連結売上高136億8,000万円の基盤となります。
既存事業の強みをレバレッジした中長期的な事業展開構想
成長戦略についてです。当社のオフィスでやさい事業は、全国の配送網と営業網が交差する地点に位置しています。この2つのネットワークを活用して事業を拡大していく構想です。
スライド左下に示している配送網を活かし、飲食料品配送領域では乳販店のM&A、給食事業のM&A、オフィス向けの飲料販売などを検討しています。また、スライド右下に示している営業網を活かし、福利厚生・総務領域では福利厚生カード事業などを進める考えです。
なお、薄色で示しているテーマは、今後の検討項目となります。
まず、現時点では、まだ開拓余地の大きいオフィスでやさい事業のオーガニック成長、自社配送の拡大、マテハン投資、商品ラインナップの拡充、営業連携の拡大が最優先と考えています。
オーガニック成長施策の概観:更なる競争優位性の獲得と成長加速を志向
オーガニック成長施策についてご説明します。オーガニック成長の施策を、当社の3つの強みに基づいて整理しました。
1つ目は、商品ラインナップと顧客接点です。160品の商品ラインナップ、55社の製造委託先、自社の決済アプリによる顧客管理を強みとし、商品ラインナップの拡充と決済アプリを活用した顧客接点の強化により、解約率の低減、ARPUの上昇、商品原価率の圧縮を目指します。
2つ目は、全国へのコールドチェーン網です。47都道府県への翌日生鮮配送網、全国7拠点における配送センターを基盤に、マテハン機器を含む物流投資や自社配送網強化を目的としたM&Aを進めながら、スケールメリットを追求することで、配送費率の圧縮と自社配送エリアの拡大を図ります。
3つ目は、全国への営業体制です。営業連携企業319社の継続開拓とアクティブ化、パートナーセールスの継続的な採用により、営業連携先の増加・活性化、パートナーセールス営業人員の拡大、顧客獲得コストの改善を図ります。
Q:黒字化の継続性はあるのか? A:損益分岐を超えて営業レバレッジが効くフェーズに突入。契約安定性も踏まえ増益継続を予想
よくいただくご質問にお答えします。1つ目は「黒字化は続くのか?」です。当社は損益分岐点を超えて、営業レバレッジが効くフェーズに入っており、増益の継続を予想しています。その根拠は3点あります。
1点目は、限界利益率が継続的に改善していることです。インフレや物流費高騰が続く環境下でも、価格改定に加え、商品発注量の増加と物流規模の拡大によるボリュームディスカウント効果により改善しています。
2点目は、営業レバレッジによる販管費率の低減です。全国規模の物流・営業基盤はすでに構築済みで、積み上がったサブスクリプション収入に対して販管費率は継続的に低下しています。
3点目は、供給制限が生まれにくい事業モデルである点です。商品供給力や物流キャパシティの上限について多くのご質問をいただきますが、当社ではこれまで規模拡大に応じた製造委託先の拡大や物流拠点の移転を行っており、委託を中心としたモデルを採用しています。そのため、現状で見込まれる制約はありません。
Q:黒字化の継続性はあるのか? A:損益分岐を超えて営業レバレッジが効くフェーズに突入。収益安定性も踏まえ増益継続を予想
2つ目は、収益の安定性です。社食事業の売上は、企業からの月額利用料と、企業および利用者の双方から受け取る商品代金の2階建てで、月額利用料がその約7割を占めます。
商品代金については、前月に注文を確定いただき、お届け時点で企業に買い取っていただくため、生産ロスと在庫ロスを最適化しています。一般的な食品小売とは異なり、福利厚生サービスとして企業負担があることが、収益の安定性の源泉となっています。
以上をまとめると、2026年8月期は初の通期黒字化を実現し、ARRは前期比55パーセント増で着地しました。2027年8月期には営業利益の前期比90パーセント増を計画しています。
今後も成長投資を続けつつ、利益率の改善に取り組む方針です。
補足資料には、連結とオフィスでやさい事業を区分した四半期KPIの一覧、財務データ、事業の詳細、用語集を掲載していますので、併せてご覧ください。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:オフィスでやさい事業の成長戦略について
「今後もこの成長が続きますか? 5年計画はありますか?」というご質問です。
当社は5年計画などの中期経営計画については開示していませんが、その方向性については決算説明資料の成長戦略に記載のとおりです。オフィスでやさい事業に関しては、営業連携先の拡大やパートナーセールス人員の増員による新規顧客の獲得、ARPUの上昇、解約率の低減を通じて成長を継続しており、市場には依然として大きな開拓余地があると考えています。
配送網を活用した食品配送領域や、営業網を活用した福利厚生・総務領域への展開を中長期の構想としています。
質疑応答:2027年8月期の予想と黒字化の継続性について
「ガイダンスは達成可能なものですか?」というご質問です。
2027年8月期の予想は、2026年8月期の獲得ペース、パートナーセールス人員の増員計画、営業連携先の拡大を前提に積み上げたものであり、無理のない水準だと考えています。
決算説明資料のFAQの黒字化の継続性に関するページでご説明したとおり、前期から損益分岐を超え、ストック性の高い売上が積み上がることで、販管費率が低減され、利益幅が徐々に増大していく、営業レバレッジが効くフェーズであると認識しています。
2027年8月期において、営業利益は上期で通期の約4割となる見込みです。基本的に利益はストック型で積み上がっていくフェーズにあるため、利益は下期に偏重することを想定しています。
黒字化の継続性については、決算説明資料のFAQページをご参照ください。継続性に関する要点は次の3点です。1点目は限界利益率が継続的に改善していること、2点目はストック性の高い売上の積み上がりによって販管費率が低下していること、3点目は売上の約9割がリカーリング収益であるため、安定性が高いことです。
2027年8月期は、営業利益率12.5パーセントを計画しています。
質疑応答:2027年8月期の月次解約率と値上げ対応について
「2027年8月期の月次解約率は、どの程度を想定していますか? 値上げや新規顧客構成の変化によって、解約率が上昇するリスクはありませんか?」というご質問です。
2027年8月期の月次解約率は、2026年8月期から横ばいを前提としています。値上げについては、2022年8月期以降、物価高を背景にほぼ毎年改定を行っていますが、解約率は直近で1.1パーセントまで低下しています。商品ラインナップの拡充・改善や、カスタマーサクセスによる顧客企業とのコミュニケーションを通じて、一定の抑制ができていると考えています。
月次解約率は、当社でも重要なKPIとしてモニタリングしています。
質疑応答:ARPU上昇の見込みと値上げ検討方針について
「ARPU上昇は今後も続きますか? 値上げ、設置台数増加、冷凍商品の販売増のうち、今後最も成長余地が大きいのはどれですか?」というご質問です。
上昇は今後も続くと考えています。成長余地が大きいものについては、冷凍のごはんプランにおける高単価商品、特に冷凍弁当の販売拡大が挙げられます。また、冷蔵のやさいプランと冷凍のごはんプランを併用する割合の向上により、1社あたりの平均台数を押し上げる効果があると考えています。
サービスの値上げに関しては、毎年の更新時の改定として検討しますが、お客さま満足度や解約率とのバランスも考慮し、慎重に判断しています。
質疑応答:「オフィスでやさい」の値上げと計画への織り込みについて
「値上げの可能性はありますか? 計画に織り込まれていますか?」というご質問です。
「オフィスでやさい」は年間契約のサブスクリプションモデルです。既存のお客さまへの値上げは、年間の契約更新時にお願いしており、基本的には1年の期間を通じて実施するものです。
現在は、昨今の物価高騰を受け、その1年間の値上げの期間中であり、適用中の新価格の値上げ分はすでに計画に織り込まれています。
質疑応答:消費税減税が当社事業計画に与える影響について
「事業計画に、食料品に関わる消費税減税は織り込まれていますか?」というご質問です。
今回の事業計画を制定した時点では、消費税減税について政府内で閣議決定がなされていなかったため、計画に織り込んでいません。なお、食品を扱う当社においては、概ねポジティブな影響を想定していますが、あくまで過去実績に基づいたKPIを積み上げるかたちで計画を編成しているため、保守的な内容となっています。
質疑応答:法人営業網、宅配便流通網、商品開発に関する競争優位性について
「オフィスでやさい事業の参入障壁は?」というご質問です。
こちらは、決算説明資料の補足資料として、「複雑性の高いサプライチェーンと顧客開拓網により構築される参入障壁」「パートナーセールス(PS)の参入障壁」「コールドチェーンの参入障壁」の3ページがありますので、ぜひご参照ください。
要点としては、1つ目が地方部や中小企業を含む法人営業網、2つ目が「生鮮×少量多品種」の宅配便流通網の構築、3つ目が月替わりで約160品のメニュー開発力の3つを併せ持つ企業が限定的である点です。
こちらはよく聞かれる質問ですが、模倣自体は可能かもしれません。しかし、それらの要素を複合的に構築し、収益化するには相当の時間とリソースが必要な事業だと考えています。
質疑応答:食事補助の非課税限度額引き上げによる影響について
「福利厚生の食事補助に関する非課税限度額の引き上げは、御社にどの程度の追い風になりますか? 2027年8月期の計画に織り込んでいますか?」というご質問です。
食事補助の非課税限度額の引き上げについて、当社が属する業界の制度改編となるため、基本的にはポジティブに捉えています。実際、限度額の引き上げによるサービスへのお問い合わせが確認されており、既存のお客さまからの注文増加や弁当などの高単価商品の注文が増加傾向にあるなど、一定の追い風を感じています。
2027年8月期の計画は、過去の実績を基にした保守的な設計となっているため、非課税限度額引き上げの効果は織り込んでいません。実績に基づいた計画であり、非課税限度額引き上げによる効果で上振れた場合は、計画からのアップサイドになると考えています。
質疑応答:米国事業の投資方針と展開計画について
「米国事業、サービス名『Lumeal』は、2027年8月期にどの程度の先行投資、赤字を見込んでいますか? 本格展開するのか、引き続き検証段階なのか、方針を教えてください」というご質問です。
米国事業は引き続きPoC段階にあり、2027年8月期も限定的な投資にとどめる方針です。売上は依然として小規模であり、2026年8月期の実績は3,500万円でした。本格的な投資フェーズや本格展開への移行については、現地での顧客獲得状況とユニットエコノミクスの検証結果を踏まえ、適切に判断していきます。
質疑応答:新規M&Aおよび事業シナジーについて
「今期のM&Aの予定はありますか?」というご質問です。
現時点で決定している案件はありません。先ほどご説明した乳販店を通じたラストワンマイル配送の内製化、製造機能の内製化など、オフィスでやさい事業とのシナジーが明確な領域を中心に、継続的にソーシングなどを検討しています。今後、決定した場合は速やかに開示します。
なお、2027年8月期の業績予想に新規M&Aは織り込んでいません。
質疑応答:M&Aの目的と事業シナジーについて
「今後M&Aを行う際、主目的は売上成長ですか? それとも物流の内製化、原価率改善ですか? 具体的なシナジーをどのように考えていますか?」という、M&A関連のご質問です。
目的としては、両面を考えています。主な目的は、オフィスでやさい事業とのシナジーの創出です。乳販店ではラストワンマイル配送の内製化、給食事業では製造機能の内製化とクロスセルを目的としています。
先ほどご説明したとおり、既存の3件については堅調に進捗しており、今後も配送網、製造、営業網のいずれかを強化できる案件を優先して考えています。現時点では、主力であるオフィスでやさい事業とのシナジーがなく、飛地となるような、売上成長だけを目的とした買収は想定していません。
質疑応答:営業利益率の改善見通しと営業レバレッジについて
「2027年8月期の営業利益率は、今後も改善していくと考えてよいですか? 利益率改善は、売上規模拡大に伴う構造的なものですか?」というご質問です。
こちらについては構造的な改善だと考えています。売上総利益率は横ばいですが、販管費率は低下する計画となっています。広告宣伝費や営業獲得費は新規顧客獲得時に費用として計上されますが、獲得した顧客のARRは解約がない限り積み上がるため、売上規模の拡大に伴い比率が低下していきます。
人件費やその他固定費も、売上の伸びより緩やかに増加するため、現状しばらくは先ほどご説明したような営業レバレッジが続く状態とお考えいただいてよいと思います。
質疑応答:2027年8月期の売上成長と利益率改善の計画について
「売上成長と利益成長のどちらを優先しますか? 広告宣伝費や人件費を積極的に投下して、一時的に利益率が低下する可能性はありますか?」というご質問です。
まず、我々は株主価値の向上を目的としており、売上成長と利益のバランスを取ることを重視しています。
2027年8月期は、売上高が約4割増加し、営業利益率が12パーセント強となっており、前期比で3ポイントから4ポイント向上しています。これは、成長投資を継続しつつ、利益率の改善を両立させる計画となっています。
ただし、個別に有望な成長が期待できる投資機会があれば、個々の判断で投資を優先する場面が出てくる可能性があります。その場合も、通期の利益水準とそのバランスを見ながら、適宜判断していく方針です。
質疑応答:新規本契約獲得社数の加速計画の根拠と獲得ペースの維持について
「2027年8月期の新規本契約獲得社数は、2026年8月期実績に対して加速する計画ですか? また、今後も同程度の獲得ペースを維持できますか?」というご質問です。
こちらについては、加速する計画となっています。その根拠は主に2点あります。1点目は、2026年8月期下期に増員したパートナーセールスの営業人員の寄与が、2027年8月期の第1四半期以降に本格化することです。2点目は、営業連携先が前期比134社増加し、319社に拡大していることです。
パートナーセールスは、人員と営業連携先を増やすことで、獲得ペースを維持し、向上できると考えています。