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シークス Research Memo(1):次期中期経営計画へ向け、戦略コンセプトを実行

■要約

シークスは、EMS※を軸に電子部品などの部材調達から物流、保守まで、顧客に代わって一気通貫したサービスを提供している。同社は子会社26社、関連会社14社で構成され、世界14ヶ国に製造拠点と販売拠点を約50拠点展開、分野を問わず様々な業種に向けて電子部品や実装基板を製造するサービスを提供している。このため、同社の事業は様々な角度から捉えることができ、財務上の報告セグメントとしては、経営上の意思決定や業績評価を行う基礎となる地域別業務執行責任体制に基づき、日本、中華圏、東南アジア、欧州、米州の地域別に分類される。ほかに、車載関連機器や産業機器、家電機器、情報機器などの品種別や、EMS、TRADING、プラスチック成形、JDM(Joint Design and Manufacturing:共同設計製造)などのサービス別の分類もできる。

※ EMS(Electronics Manufacturing Services):電子機器受託製造サービス。電子基板に電子部品を実装するなど、顧客企業に代わって製造工程の一部や全部を製造するサービス。

1. 産業機器など日本が想定以上に好調だったことから、通期業績予想を上方修正
2026年12月期中間期の業績は、売上高が150,733百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益が5,576百万円(同16.8%増)と好調であった。戦略コンセプトに基づき、ハンガリー工場を閉鎖して欧州の収益性を改善させたほか、在庫や固定資産、有利子負債の削減も引き続き実行するなど、合理化・効率化によって利益体質への転換を進めた。この結果、売上高が順調に拡大し、営業利益率は大きく改善した。2026年12月期の業績予想について同社は、売上高310,000百万円(前期比7.1%増)、営業利益10,500百万円(同18.6%増)を見込んでいる。航空機内AV機器や日本の産業機器などが想定以上に好調だったことから、通期業績予想を売上高で10,000百万円、営業利益で1,000百万円上方修正した。設備投資は増やす方針で、積極策にも転じている。

2. ワンストップサービスやグローバルネットワークなど強みを背景に国内トップシェア
同社の強みは、モノづくりのワンストップサービス、グローバルネットワーク、部材調達力、製造技術力、テクノロジーパートナーとの協業、ケミトロニクスにある。こうした強みにより、EMSにとどまらず部材調達や物流を含めたトータルなサービスを提供することができる。また、世界のどこでも現地調達、現地納品が可能なうえ、取引先との信頼関係を背景に、需給が逼迫する半導体を含め顧客の様々な部材調達要請に応じることもできる。さらに、様々な事業分野における実装経験により高品質な基板実装品を提供している。サカタインクスなど多様なテクノロジーパートナーとの協業によって、開発・設計段階から顧客を支援できる。こうした強みを背景に、国内でトップシェア、世界でも車載EMSで大きなシェアを獲得している。

3. EV失速などで中期経営計画の数値目標は未達見込みも、戦略コンセプトを打ち出し戦略目標は順調
同社は2024年に、2026年12月期を最終年度とする「2024-2026年中期経営計画」を発表したが、EVの世界的失速や中国市場の構造変化などを背景に、数値目標は未達の見込みとなった。しかし、計画2年目の2025年に早くも方向性を見直し、次期中期経営計画へ向けて戦略コンセプトを打ち出したことで軌道修正できた。戦略コンセプトは、長期的に安定成長できる高付加価値の提供、高収益体質の確立、事業ポートフォリオの変革と多様化を目指すものである。5つの戦略軸として、基盤事業の成長に加え、アドバンスドEMSへの進化による事業の高付加価値化、購買改革と調達改革によるサプライチェーンの最適化、新市場の開拓や新ビジネスポートフォリオの構築を通じた事業の多角化、BPR戦略による全体最適を目指した業務プロセスの設計と実装を推進した。この結果、最高品質の提供や経営管理・財務の改善など定性面では順調に進捗することができた。

■Key Points
・EMSを軸に世界の様々な業種の顧客に調達や物流など一気通貫したサービスを提供
・強みを背景にEMSで国内トップシェア、世界的にも車載EMSで大きなシェアを獲得
・戦略コンセプトが順調で2026年12月期中間期業績は好調、通期業績予想も上方修正

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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