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グリッド Research Memo(2):社会インフラの複雑な意思決定をAIで高度化

■会社概要

1. 会社概要・経営体制
グリッドは、電力、海運、サプライチェーンなどの社会インフラ分野におけるオペレーション最適化を支援するAIソリューション企業である。AI技術と数理最適化技術を活用し、AIエンジンの開発からシステム構築、運用・保守までを一貫して提供している。近年は系統用蓄電所の開発・売却、運用支援を手掛けるインフラアセット事業にも参入した。

企業理念として「INFRASTRUCTURE+LIFE+INNOVATION(インフラ ライフ イノベーション)-テクノロジーの力で社会インフラを支える-」を掲げる。社会インフラ全体の最適化を通じて社会課題の解決に貢献することを目指し、電力、物流、交通などの基幹インフラ領域に特化した事業を展開する。将来的に社会インフラの高度化を支える唯一無二のベンダーとしての地位を確立し、日本及び世界の社会インフラに貢献するデジタル企業のトップランナーとなることをビジョンとしている。

事業は、「AI事業」と「インフラアセット事業」の2事業で構成される。AI事業ではAIや数理最適化を活用したソリューションを提供し、インフラアセット事業では系統用蓄電所の開発・売却及び運用支援を手掛ける。

経営体制は、創業者で代表取締役社長の曽我部完(そがべまさる)氏を中心に、取締役6名(うち社外取締役2名)と監査役3名(うち社外監査役2名)で構成されており、監査役会設置会社としてガバナンス体制の強化を図っている。2026年6月末時点の従業員数は139名で、内訳はエンジニア93名、営業・管理部門46名となっている。エンジニアには社会インフラ運営企業出身者が数多く在籍しており、顧客業務に対する深い知見と技術力を兼ね備えたプロフェッショナル集団となっている。

2. 沿革
同社の沿革は事業展開の内容により、(1)再生可能エネルギー事業を手掛けた創業期、(2)AI事業への事業転換期、(3)社会インフラ向け計画最適化AIの基盤構築期、(4)AI事業とインフラアセット事業を成長の両輪とする成長加速期、の4段階に区分できる。

(1)創業期(2009年~2014年)
曽我部社長は2009年、社会や暮らしへの直接的な貢献を目指し、再生可能エネルギー事業を目的として同社を設立した。太陽光発電システムの販売やメガソーラー発電所の開発・運営を通じ、再生可能エネルギー分野の事業基盤を構築するとともに、関連する知見を蓄積した。

(2)事業転換期(2014年~2019年)
第3次AIブームを背景に、同社はAI技術を活用した電力需給予測に着目し、AI分野へ進出した。2015年に画像認識、異常検知、予測などを対象とするAI開発事業を開始し、2016年には独自AIフレームワーク「ReNom(リノーム)」を開発した。その後、既存の再生可能エネルギー事業(エネルギーソリューション事業)を縮小し、AI事業を主力事業へ転換するとともに、三井物産、伊藤忠商事、丸紅との資本業務提携を通じて顧客基盤と事業領域を拡大した。

(3)基盤構築期(2019年~2025年)
AIによる予測に加え、計画最適化まで支援するソリューションへ事業領域を広げた。輸送、需給、生産などの計画最適化サービスを投入し、電力分野で培った技術を物流や製造業へ展開した。2020年11月にはエネルギーソリューション事業から撤退し、AI事業へ経営資源を集中した。その結果、電力、物流、鉄道、航空などで実績を積み、社会インフラ向け計画最適化AIの事業基盤を確立した。この間、2023年7月には東京証券取引所グロース市場へ上場し、2024年8月には蓄電所関連事業を開始した。

(4)成長加速期(2025年以降)
蓄電所関連事業の拡大を受け、同社は同事業を「インフラアセット事業」として独立セグメント化した。現在は、インフラアセットを活用した新たな収益機会を取り込みつつ、AI事業とインフラアセット事業を成長の両輪とする事業ポートフォリオを構築し、中長期の成長加速を図っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

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