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システムインテグレータ、ERP事業が牽引し中間期は増収増益 事業ポートフォリオの多軸化によりリスク分散を図る

目次

引屋敷智氏(以下、引屋敷):みなさま、こんにちは。代表取締役社長の引屋敷です。お忙しい中、ありがとうございます。2027年2月期第2四半期の決算説明をします。

本日は、最初に決算の概要、続いて通期の業績見通しおよび株主さまへの還元策について、最後に長期戦略としての長期ビジョンをご説明します。

また、Appendixとして損益計算書、貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書を添付しています。

第2四半期 決算ハイライト

まず、決算概要についてご説明します。

スライドのとおり、決算短信でも発表しましたが、前年同期に比べて増収増益で終わりました。売上高は31億6,900万円、営業利益は3億2,500万円、営業利益率は10.3パーセントと、いずれも前年同期比で上回っています。

内訳として、この数字を構成する事業内容についてご説明します。

当社はERP事業を主力としており、経営計画ではERP事業を中核に、ERP事業以外でのポートフォリオを分散し、収益構造を多角化する計画を掲げています。ただ現在のところは、ERP事業、特にその中でも「GRANDIT」が主要な数字を生み出しています。

ERP事業においては「GRANDIT」、「mcframe」という生産管理システムと「SAP」の3つが大きな柱です。売上高は27億円で、事業利益は6億円弱となっています。ERPへの需要が堅調に伸び、これらはいずれも安定した基盤に支えられており、大きな増加を記録しています。

昨年までは「Object Browser事業」としてまとめていましたが、その中身はデータベース開発ツールとプロジェクト管理の2つに分かれていました。

これまでは両者のユーザーが同じだったため、「Object Browser事業」として1つの事業体にしていました。しかし、今期からは収益構造やトレンドが変わってきたため、みなさまにもわかりやすいよう、2つの事業に分類しました。

データベース開発ツール事業は、これまで買取型で提供していましたが、サブスクリプション形態に変更しました。この移行は進んでいるものの、買取型での一括支払いによる売上の減少を吸収しきれず、減収減益となっています。

ただし、現在AIツールが著しく技術進化をしており、こうしたツールへの代替が中期的に進む可能性があります。そのため、当社としても事業転換を含めた方針を策定中です。

プロジェクト管理事業は、前期に比べて売上高が4パーセント増加しました。MRR(月次売上高)は前年同期比で7.7パーセント増加しています。

この事業はパッケージ製品のため開発投資を要しますが、減価償却費の負担が大幅に軽減されたことで、大きく増益となりました。今後、この事業が大幅に成長する可能性は低いかもしれませんが、数年間は大きな償却負担がない推移が続くと見込んでいます。

AI事業については昨年、外観検査から撤退し、現在は製造業の設計領域における検図作業の自動化に新たに取り組んでいます。大きな伸びとはなっていますが、比較対象が非常に小さく、売上高は5,000万円です。また、依然として研究開発投資が先行しているため、事業損失は500万円となっています。詳細については、後ほどご説明します。

通期予想は、売上高63億円、営業利益7億円、配当は1株当たり11円で据え置きとなっています。「下期は一部案件の動向を注視」と記載があることにお気づきかと思いますが、これに関しても後ほどご説明します。

現在は10月に入っていますが、8月末時点で下期分の受注残が約12億円まで積み上がっています。

中間期 業績サマリー(連結)

業績のサマリーです。

前年同期に比べると、スライド下部の純利益が少なくなっています。これは前期、当社が富士ソフトさまと合弁で設立したBizSaaSという新たなERPを開発する会社で増資が行われ、その持分利益が計上されたためです。

前年同期には特別な計上があったため純利益は減少していますが、本体の利益で見ると経常利益は前年同期を上回る成績となっています。

いずれも、この中間期において売上高・利益ともに進捗率は50パーセント近くに達しています。そのため、下期の目標達成に向けて注力しているところです。

営業利益の増減要因(費目別・金額)

営業利益の増減について、ウォーターフォール形式で増加の要因をご説明します。

グラフの右側に受注損失減・原価振替等、子会社と連結調整の影響が5,000万円強あることが示されていますが、これらを除いたとしても、主要な要因によって当社の営業利益はしっかりと増加しています。

開発経費に関しては、大きな要因として生成AIツールの利用が昨年よりも大幅に増加しています。当社ではAIツールを活用して開発効率を向上させています。これはERPをはじめ、エンジニアが日常の開発業務を行う際の生産性を向上させるために奨励し、「AIネイティブ」を掲げて、全社で共通の作業モデルを構築しているものです。

この取り組みによるコスト増が発生しています。他社でも共通の課題となっていますが、トークン数の削減や有効活用を通じて、最小のコストで最大の成果を上げるための取り組みを日々行っています。

また、「AIネイティブ」の取り組みが進む中で、当社のエンジニア新卒者向けの教育体系や教育プログラムを、今期から大幅に見直しました。

通常はプログラミングから始めて上流に進む研修が一般的ですが、このような下積みの作業に相当する研修が不必要というわけではありません。その上で、研修プログラムを大幅にAIに特化したものへ変更し、さらに私ども独自の研修プログラムとして内製化しています。

販管費については比率の変化はほとんど変わりありませんが、管理部門の人件費が大幅に増加しています。これは、社内の組織体制において間接業務を担う人員を管理部門の配下に再編し、業務の効率化を進めたためです。

これは、全社的にAIを活用してこれまでの間接業務を削減する取り組みを進めている結果です。その中には、組織改革も含まれています。

セグメント別業績(中間期)

セグメント別の業績です。ERP事業が全体の大きな比率を占めており、最も大きな伸びを示しています。

ERP事業では、ベトナムの子会社と大阪にあるシステム開発研究所(SDL)という会社が、「GRANDIT」「mcframe」という2つの事業においてシナジーを生み出しつつあります。

データベース開発ツール事業については、先ほど述べたとおりです。

プロジェクト管理事業についても、先ほど述べたとおり、月額収入が増加傾向にあります。また、これまでコスト負担となっていた減価償却費が大幅に減少し、事業利益の増加に寄与しています。

AI事業は、まだ新規事業ではありますが、その可能性については、外観検査よりもかなりスピードが速く、有償のPoCや本番のシステム導入に移行する企業が増えています。実質的に1年目ながら、有償PoCで9社と契約しており、社内の事業部を超えて紹介を受けるケースも増えています。

また、当初は中堅企業をターゲットにしていましたが、現在はエンタープライズ規模の大企業が顧客となっています。そのため、手続きや進行が遅れる場面もありますが、計画どおりPoC件数を推進し、私たちの知識やノウハウを吸収しながら、本格導入を進めています。

現在、本格導入が進んでいる会社が2社あり、来期には実際の設計業務で活用される事例が出てくると考えています。

事業ポートフォリオの多軸化の現在地

事業のポートフォリオは、現在は「GRANDIT」に偏っている状況です。これを徐々に分散させていくという経営方針を掲げ、組織や人員を分けながら、製造ソリューションや「SAP」、AIといった新しい事業領域へと少しずつシフトしていきます。

また、これらすべての製品でお客さまに最適な提案を行い、できる限りリスク分散を図っていきます。さらに、クロスセルにより相互のシナジーを生む計画で進めています。

スライドのグラフはそれぞれ、前期、中間期、および2033年2月期の目標です。

現在70パーセントを超えている「GRANDIT」の比率を、50パーセント以下に抑えたいと考えています。それに伴い、「SAP」や「mcframe」、「mcframe」を含めた計画系システムや設計領域において、残りの部分を均等にリスク分散しつつ収益構造を構築していきたいと考えています。

若干ではありますが、「GRANDIT」から製造ソリューションおよび「SAP」へ比率が少しずつ移行しています。来期以降は、組織を拡大し営業活動にも注力することで、さらに「GRANDIT」からポイント数を奪い、リスク分散を図りたいと考えています。

通期予想に対する進捗と下期の見通し

通期の業績見通しです。

現時点で上期の実績に対し、売上高が31億円積み上がっており、進捗率はほぼ50パーセントとなっています。下期については約30億円と、上期と同程度の売上高を予定していますが、8月末現在の進捗率は39パーセントです。

当社のERP事業では、要件定義を行い、その後基本設計を行うといった工程ごとに分割で注文をいただいています。このような分割の注文は受注見込みの案件としてすでに予備軍として積み上がっていますので、その点については順調に推移しています。

「注視」の記載がある点についてご説明します。

「GRANDIT」の案件に関しては、お客さまのさまざまな事情により、一部の案件で中断または延期が発生しています。

当社のERP事業は、プロジェクトに10人を超える人員がアサインされることもあり、中断や延期が生じると、その人員を別のプロジェクトにアサインしない限り、そのままコスト増となってしまいます。現在そのコストや人員の振り向けを模索し、調整を進めている状況です。

また、AIの活用も並行して進めており、その影響で従来外注にお願いしていた工程や場面において、外注が不要となるケースも出始めています。この状況を踏まえ、外注業務をプロパー社員が担うかたちで、新規案件や既存案件への対応を調整しています。これらの結果については、必要に応じて速やかに業績予想として開示する予定です。

さらに、ベトナムの子会社KEYSTONE SOLUTIONSについても、AI活用の影響がみられます。例えば、詳細設計や製造でのAI活用により工数が少なくなることで、外注が不要となる業務が増え、一部案件の終了という事象が発生しています。

ただし、その影響は全体的な金額としては小さく、業績に与えるインパクトはそれほど大きくないと考えています。この点も含め、全体的な影響を精査し、調整が終了した段階で必要に応じて開示を行いたいと考えています。

株主還元と資本配分の考え方

株主さまへの還元と資本配分についてご説明します。

当社は手元の現金が非常に多いため、資本のアロケーションや資本をどのように効率的に回していくかについて、多くのご質問やご意見をいただいています。

さまざまなリクエストやご指摘を受けていますが、現在は成長投資を優先しています。また、ときには必要な技術や時間を確保するために、他社と連携してM&Aというかたちで投資を行っていきます。3番目として、株主のみなさまへの配当性向を引き上げるなど、配当を充実させることに資金を充てたいと考えています。

さらに、継続的な効果が期待できる場合には、自己株式を取得して株主さまの価値向上を図りたいと考えています。

現時点では、1株当たり配当金として、2027年2月期の配当性向30パーセントに基づき11円を予定しています。

顧客への提供領域と収益構造を変え、売上・利益の成長を目指す

私どもの長期ビジョンと成長戦略についてです。

ERP事業が大きな比率を占めている中で、AIの活用という大きな波を踏まえ、私どもの強みをAIによってさらに強化する取り組みを現在進めています。

今年度はまだ研究開発段階にあり、どの場面でどう活用でき、経済的効果がどれくらいあるのかを検証中です。来期以降には、具体的にどのように活用し、どの程度の効果を経済的かつ数字的に示せるのかをお伝えできるようになると考えています。

そのような目標を含めて、2033年2月期の売上高は120億円、営業利益は20億円、営業利益率を現在の10パーセントから16パーセントを超えるレベルまで押し上げていきたいと考えています。これは決して容易な数字ではありません。

まず1つ目として、業務領域の拡大を挙げています。「GRANDIT」に頼り切っている現状を、「SAP」「mcframe」による拡大で補完していきます。

「SAP」は実質2年目、「mcframe」は1年目の取り組みとなりますが、「SAP」については4案件で進行中です。「mcframe」は1件目で、メーカーも参加いただき、全メンバーで勉強しながら、現在は2件目を提案中です。これは、ERP事業の事業領域を拡大するとともに、AIを活用することによる利益の拡大にも寄与するものと考えています。

設計領域AIについては、現在「KENZ」という設計図面を検査するソリューションのみですが、先月「SEKEY」という新しいサービスをリリースしました。これは、設計領域でのノウハウや属人的な知をナレッジに変えるサービスです。

いかに設計領域のデジタル化を進め、属人化したものを体系化するかということで、現在は設計領域をより業務領域につなげるためにナレッジ化が必要であるという目線で、全体の構想を進めています。

設計領域AIについては、けっして「KENZ」で完結するものではありません。この先、さらに広い業務領域で、AIを活用した業務改革を実現するサービスを、2段、3段、4段と継続的に展開していく計画を立てています。

もう1つは、AIの登場によって、当社は上流工程へのシフトを進めていきます。

これまでも上流工程を重視し、プライムベンダーとして直接取引を通じてお客さまに導入を行ってきました。現在も「GRANDIT」「SAP」「mcframe」のすべてにおいて、直接取引を基盤に上流工程から運用サポートまで一貫して提供しています。

そういう意味では特に大きな変化はありませんが、AIをさらに活用することで、上流工程へのシフトを一層強化していきます。これにより、付加価値の高いサービスをお客さまに提供するとともに、当社の高利益率に貢献する仕組みをさらに強固なものにしていきたいと考えています。

案件の停止や延期といった事象は、受託型のSIerなど人月商売にはつきものですが、業績面では非常に不利な条件で仕事をしている現状があります。

そのため、現在、ストック収益の拡大を急いで進めています。みなさまには「遅い」と認識されるかもしれませんが、現在お客さまに提供しているパッケージライセンスは、ほとんど月額型の提供形式に変更しています。

これまで「GRANDIT」に関してもオンプレミスでの買取型が主流でしたが、独自に月額型へと変更し、基本的にはすべてストック収益へと転換しています。新しい設計領域である「KENZ」についても月額型です。「SAP」や「mcframe」は、もともと月額型でのサービス提供となっています。

このように基幹業務で長期にわたりご利用いただく中で、ストック収益を獲得し、さらに保守や運用サポートといったサービスも月額で提供することで、ストック収益の比率を高めていきます。これにより、事業の偏りや依存度を平準化し、リスクを削減していく方針です。

最後に「GRANDIT」の収益性改善についてです。これは大きな比率を占めていますが、AIを活用した「GRANDIT」モデルを強力に推進しています。すでに3つのプロジェクトにおいて、当社が作成したモデルを適用しながら導入を進めています。

この検証を通じて、どれくらいの成果が得られるか、今後の利用方法、さらにどのような収益構造が生まれるかをこの結果を基に評価し、経営計画などへ反映させていく予定です。

既存の顧客接点から、製造業の複数業務へ提案を広げる

私どもは、最初にERPを導入した際、製造業をターゲットにしました。例えば商社は、物を仕入れて在庫し、それを販売するだけというシンプルな業務形態ですが、製造業の場合は、製造やその後のアフターサービス、さらには現在取り組んでいる設計領域など、商社や卸業よりも業務シーンが複雑かつ多岐にわたります。そのため、製造業を主なターゲットに据えて、事業を推進しています。

スライド左上に記載されているように、私たちが本来ターゲットとしているのは、売上規模が100億円から500億円の中堅企業でした。
スライド中央の4つの箱の部分は実績を示しています。「KENZ」や「SEKEY」は、設計図面を持つ組立会社、特に機械装置を扱う企業において、売上規模500億円以上のエンタープライズ企業からも多く引き合いをいただいています。

また、計画系の生産スケジューラについては、プロセス系の分野で、特に大手の食品や化学関連企業への導入実績が多くなっています。

ERP関連については、組立およびプロセスで、主に500億円前後のお客さまにご利用いただいています。このように、当社のサービスや商材は、組立、プロセス、企業規模など、さまざまな分野で展開されています。

今後は、この相互シナジーを活用してクロスセルを推進する取り組みを強化する必要があります。ただし、「mcframe」「SAP」、および「KENZ」については、すべて立ち上げたばかりであり、まだ本格的な取り組みには至っていません。営業体制や取り組みの強化により、来期以降に効果が現れると考えています。

「GRANDIT」の顧客は現在アクティブなお客さまが81社おり、「SAP」は4社、「mcframe」は1社です。また、「KENZ」は9社で15件の有償PoCを実施しています。

「SI AI Connect」は「GRANDIT」から派生したもので、ERPに蓄積されたデータに「こんなデータが欲しい」と語りかけることで、データベースからAIが自動的にデータを引き出し、分析結果を作成するサービスを提供しています。現在は「GRANDIT」のユーザーから導入を開始しており、ほかのERPでも使える構造で設計されているため、「GRANDIT」でさまざまな成果を確認しながら、さらに拡販を進めていきたいと考えています。

製造業×基幹業務×データモデルで、AIを事業化

AIの事業化については、設計領域向けのAIサービスとERP領域向けのAIサービスの2種類があります。設計領域については、さらに範囲を広げていく予定です。

これまでERPを活用し、物を作り、販売する工程といった業務の変革を支援してきましたが、設計業務の業務変革を実現するためのモジュール群を徐々に拡充していきます。最終的には、設計領域と業務領域をつなげる計画を立てています。

ERPに関するAIは、今後さらに進展すると考えています。AIエージェントを活用して作業を自動化するだけでなく、データを活用して分析や提案を行う取り組みも構想しています。また、AIの活用はさらに進むと考えています。

設計領域に限らず、AIを活用した投資に関しては、2027年2月期および2028年2月期において、一定の金額を研究開発に投資する計画を立てています。

過去契約のストック収益に、新規契約を積み上げる

こちらのスライドは、ストック収益の概念を示したものです。

これまでは売り切り型が多かったため、売上が安定しない時期もありましたが、現在ではすべてライセンス型への変更を進めています。また、「GRANDIT」の導入に関するさまざまな作業についても、月額型に近いかたちで収益を組み立てる方法を模索しています。

収益基盤として、若干ではありますが、売上に対するストック型の比率を上げつつあります。ただし、「GRANDIT」やERPの導入時にかかるイニシャルコストが非常に大きいため、この比率を大幅に上げるのは難しい状況です。

現在、着実に新たな事業を立ち上げており、こうした事業が定着すれば、ストック型収益の比率は必然的に増加すると思います。

当社の製品は基幹業務を支えるものとして、長期間にわたりご利用いただくかたちになります。お客さまから継続的にいただく注文が非常に多く、それらが大きな比率を占めています。したがって、顧客数を増やしていくことは安定収入の増加につながると考えています。

AI活用の手順を型化し、提供能力を高める

一番大きな事業である「GRANDIT」の中で、AIを導入している開発の実態をご説明します。

当社では、システムを導入する際、お客さまと対話しながら要件を定義していきます。その後、基本設計として、画面や帳票のイメージなどお客さまに見える部分を設計します。それ以降は、プログラミングを行うための設計やプログラマーとの対話を通じての進行、さらにテストまでを進めていきます。

このような業務のすべてを、AIを活用して自動化できるようにしています。もちろん、100パーセント自動化することはできませんが、これまで20年近く行ってきた「GRANDIT」のノウハウをすべてAIに組み込み、それに基づいて私どものやり方をAIで自動化しつつあります。人間がチェックする手順も確立しつつある段階です。

これによってどのような経済効果が得られるかについては、現在検証中です。これを踏まえて、事業にどのように反映させていくかを来期以降に決めていきたいと思います。

もう1つ、今までご利用いただいたお客さまのバージョンアップがあります。これも大きな収益源になっており、AIが最も得意としている分野です。

こうした取り組みに加え、AIモデルによる最適なやり方を見つけ、いかに効率的かつ高品質な成果を実現するかを別途研究開発している段階です。

既存プロダクトの基盤を持ちながら、次の柱へ投資

「Object Browser」は開発ツールとプロジェクト管理ツールで、開発ツールは月額のサブスクリプション型へ移行中です。また、「Object Browser」は多くの事業アセットや資産を保有しています。

ユーザー数が非常に多いのが特徴です。これをどのように次の事業へつなげるか、現在さまざまな企画を進行中です。近々、新しい事業としてみなさまに発表できるのではないかと考えています。

プロジェクト管理については、プロジェクト型で業務を行う企業が多いため、この分野の新規開拓を進めるとともに、継続的に利用していただけるような取り組みを行っています。

そのため、新規開拓およびアップセルを重視した組織体制を構築し、月額型収益の向上に注力します。これら2つの取り組みはストック型ビジネスにつながるものであり、安定収益を支える基盤として、今後も推進していきます。

一方、データベース開発ツールについては減収減益の状況です。契約数や顧客数は横ばいで推移しており、若干停滞しているため、早期に次の事業展開を検討する必要があるフェーズに入っていると認識しています。

戦略に必要な能力を、開発・人材・提携・M&Aで獲得

戦略として、どのような分野に投資を進めていくのかについてですが、やはり人材がすべてであるため、AIを活用した人材育成に取り組んでいきます。

従来は技術的な要素として、データベースやネットワークなどをどのように習得させるかを重視していました。今後は、AIを活用した人材育成を前提に置き、その分野に投資を進めるとともに、AIを活用した業務改善についても投資していきたいと考えています。

M&Aについては、自力で対応する部分をどのようにスピードと技術で補うかという観点から、M&Aや合弁事業などへの投資を進めていきます。

また、当社のミッションである「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」に基づき、それに沿った事業を次々と生み出していきたいと考えています。

現在注力している設計領域AIに関しては、来期以降も継続して投資を行う計画です。

このような施策に関しては、社内でゲート制を設けており、この時点で「ここまで進んでいる」「売上が何億円に達している」といった基準を設定し、それに基づいて撤退と継続を決定しています。

すでに過去において、いくつかの事業の撤退を決定してきました。それを踏まえ、今後も引き続きこのゲート制を適用していきます。

なによりも、私どもはAIを活用したネイティブな事業の展開を目指して、現在、AI分野に全面的な投資を進めています。

昨年までは、AIを使う人と使わない人で差がありましたが、現在では、なんらかの業務においてAIを活用することが当たり前となっています。

今後は、自分の業務をAIによってどのように変革させるかに注力し、その成果を業績に反映させていきます。よりよいかたちで業績を伸ばすことを目指していきたいと考えています。

質疑応答:「GRANDIT」依存からの脱却について

司会者:「事業ポートフォリオについて、『GRANDIT』の比率の低下は1.5ポイントですが、実際に脱『GRANDIT』依存は進んでいますか? 今後『SAP』や『mcframe』の売上を伸ばしていけそうですか?」というご質問です。

引屋敷:「SAP」と「mcframe」はご存じのように、「SAP」はワールドワイドでデファクトスタンダードですし、「mcframe」は日本の製造業の中でデファクトスタンダードのポジションにあります。引き合いは非常に多くいただいています。

「GRANDIT」とのすみ分けもしっかりできています。「SAP」はグローバルやグループ会社管理を行いたい会社に適しています。一方、「mcframe」は、生産効率を高めたい場合や、工場の生産改革を行いたい場合に用いるといった切り分けもできています。

現状ではまだ1.5ポイントですが、今後はこれを少しずつ増やしていきます。ある一定の時点で、比率がさらに大きく変わる可能性があると考えています。

質疑応答:「BizSaaS」における利益貢献の展望について

司会者:「『BizSaaS』についてです。近くリリースを迎えると思いますが、持分法の損益、今期、来期への展望はいかがでしょうか? また『BizSaaS』はいずれERPセグメントにおいて販売される展望もあるのでしょうか?」というご質問です。

引屋敷:初期段階では損失が大きい可能性がありますが、いずれERP事業の一環として持分利益の貢献が出てくると考えています。また、現在取り組んでいる3つの事業から得た知見を活かし、この「BizSaaS」をどのように広めていくかについても、私どもとしては当然貢献していきます。

「BizSaaS」については、特定の業界に特化した製品を開発し、それを基に展開を進める計画を立てています。この計画が具体的に決まった段階で、近々にリリースの発表があると思いますが、ブランディングを早急に構築し、信頼を得て購入していただける製品にしていきたいと考えています。

質疑応答:現預金の活用方針について

司会者:「少し説明がありましたが、現預金は35億円と潤沢な状況です。今後の使い道、今後の事業投資について、もう少し詳しく説明をお聞きしたい」というご質問です。

引屋敷:現預金として35億円ありますが、大きく使う先はそれほど多くありません。これまで製品開発に投資しようとしていた中で、皮肉にもAIの登場により生産効率が大幅に向上しています。

一方で、人材への投資や、自社で自力開発するよりもすでに技術を持っている企業のスピードや時間を活用するために、M&Aを通じて新規事業を補完する投資を進めたいと考えています。

株主さまへの還元や株式価値を高める施策については、成長投資および当社が定める安全資金を考慮した上で進めていきたいと考えています。

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