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日本ラッド、IoTインテグレーション事業はCAGR20%超を維持 AI駆動開発への転換と新事業展開を着実に推進

目次

大塚隆之氏:日本ラッド代表取締役の大塚隆之です。第56期の中間期決算説明資料に対する補足を行います。

決算説明と中期経営計画の現状報告を中心にトピックスも紹介します。

01−会社概要

期初にも申し上げた大きな環境的変化(地政学的・AIの飛躍的発展)は規模を拡大しながら継続しています。当社は引き続き中期計画に沿ったリソースシフト経営を展開しつつ、グループでの効率化や新しい事業ユニットの立ち上げを行ってきています。引き続き「現場力」をAI時代の成長戦略の中核と捉え、製造業DXとAI駆動開発化を推進していきます。

02−事業内容

当社は引き続きプロダクト・プラットフォーム提供力をコアにした事業構造への転換を図っていますが、当中間期については映像ソリューション事業での大口案件の下期シフトの影響等があり、中期経営計画目標のIoT売上比率45パーセントからは先期末より若干後退しています。

独立系SIerとして構築してきた高いエンジニア育成能力と柔軟なエンジニアリソースを、AI駆動開発化と製造業向けDX事業での自社開発・ソリューション提案に投入していく流れを継続して推進していきます。

またトピックスでも上げていますIoTセグメントにおける新しい試み、映像ソリューション事業での新展開やエンベデッドソリューション事業でのセキュリティサービス開発なども併せ、独自性のあるソリューションインテグレーターとしての位置をしっかりと確立していきます。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 第2四半期決算サマリー(中間期)

当中間期については、売上高が前年同期比9.7パーセント減少し、売上総利益率の低下も重なった結果、売上総利益は約1億円減少しました。加えて、事業体制強化等に伴う費用も先行し、営業損失は8,700万円となっています。

セグメント別では、エンタープライズソリューション事業はAI駆動開発への構造転換を進めながらも中間期としては前年度並みの利益を確保した一方、IoTインテグレーション事業では検収時期の下期偏重や、映像分野の先行投資等が収益を圧迫しました。

本格的なAI時代に対応できる人員を確保するための人件費・外注費増傾向は依然として継続しており、人員ベースビジネスのエンタープライズソリューション事業の利益を圧迫していますが、今期より本格化させたAI駆動開発は試行錯誤を繰り返しつつ前進しており、当面は利益圧迫要因であり、全面的な移行にはまだまだ課題が残るものの、開発環境の整備や標準化は着実に進められています。

下期は大型案件の完工と採算管理の強化に注力していきます。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 損益計算書(P/L)

売上高は前述のとおり、エンタープライズソリューション事業での事業構造シフト影響とIoTでの大型案件の下期偏重で、当中間期については前期比1.9億の減収となりました。

それに伴い過去数期にわたり定着してきた上半期からの黒字化トレンドは、一時的に従来のボトムヘビー型(上半期赤字)トレンドへと戻っていますが、売上計上時期の変化に伴うものとして今後平準化していくものと考えています。

03− 2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 売上高・営業利益の四半期推移

前ページの資料の視覚化となります。当中間期は中期経営計画策定時の想定を大きく上回る急激な外部環境変化もあり、迅速に対応するための事業構造変更、収益性改善のための売上減、コスト増が敏感に反映されたかたちとなっています。

上期対応の下期案件完工の増加で、売上計上時期の変化に伴うボトムヘビー傾向への一時的回帰となっていますが、赤字幅は縮小してきています。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 エンタープライズソリューション事業

エンタープライズソリューション事業においては、高い優先順位でAI駆動開発の展開を進めていますが、まだまだ技術的・運用的なアジャストメントが必要な部分も多く、手ごたえを感じつつも試行錯誤の道半ばといったところです。

社内エンジニアリソースに対するAI利用環境の充実化は順調に進んでおり、更なるリソースの調達とともに、コスト効率の良いコーディングAI、AIエージェント作成ベースを進めます。

その際にも「現場力」(長年にわたり顧客と培ってきた豊富な業務知識と柔軟な対応力)を核に、脱SES依存・顧客先でのAI化提案に対する新しい差し入れエンジニアリングのかたちとしての「FDE」対応を軸としての、新時代の請負型事業への転換を進めていきます。

また当社として「現場力」のあるエンジニアを育成してきたノウハウは、AI時代においても更に進化・発展すると考えており、まずは大口顧客に対応する中で蓄積されるノウハウの適用を、当期から来期にかけて大きく伸ばしていく方針です。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 IoTインテグレーション事業

IoTインテグレーション事業においては、引き続き製造業向けDX事業における新規と継続案件の拡大・大型化が進捗しており、CAGR20パーセント超の成長を維持しています。

プロダクトシフトにおいて中期経営計画の主眼の1つでもあるコアシステム「Dereva」は、連携サービスのエコシステム化を進める中で、その中核へと進化を続けており、データハンドリングにおいての統合ネームスペース(UNS)化への土台としても成長しています。

一方で既存ソリューションの新生軸として、映像取得から伝送、マネジメントシステム、表示までを一気通貫化すべく立ち上げた映像ソリューション事業において、業界内でのプレゼンスを一気に高めるべく大幅な人員増と新規事業展開を先行投資として進めている部分が、中間期においては収益性を前年度より悪化させていますが、下半期には公共機関向け大口事業の受注・完工が見込まれ、通期での売上利益に貢献する予定です。

またクラウドベースの提案として、重厚長大になりがちな製造業向けERP向けの1つの解である、周辺アプリケーションの「kintone」ベースの「kinterp」でのローコード開発提案が好評であり、OT-IT化現場でのさらなる浸透を目指しています。「kintone」ビジネス全体における開発バランスの需給と利益構造の是正は継続して進めています。

AI利用が製造現場においてもますます促進される中、ハードソフト一体となったAI化提案や、昨今あらためて注目度が高まっている「最適化」提案において、パートナーシップの強化、開発手法の多様化やソリューションへの組み込みなどを積極的に進めていきます。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 キャッシュフロー

キャッシュフローサマリーはご覧のとおりです。当中間期においてはPL上は赤字ではありますが営業キャッシュフローはプラスを維持、投資キャッシュフローについては、前年同期に実施した子会社取得に伴う支出がなくなったこと等から、資金流出額が大きく減少しています。

AI時代での新しい成長戦略を見据えつつ投資案件の見直しを図りながら、引き続きグループバリューを向上させるAI・DX関連を主軸においた未来志向の積極投資を進めていきます。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 貸借対照表(B/S)

貸借対照表サマリーは以下のとおりです。自己資本比率の健全性を維持しつつ、株主資本の効率を向上させる経営を行っていきます。

03−2027年3月期第2四半期(中間期)決算概要 業績予想

当期は、中期経営計画の最終年度として収益構造改革の成果を具現化することを目指していましたが、生成AIの急速な進化に伴う事業環境の変化等を踏まえ、AI駆動開発への移行と映像ソリューション事業の拡充を優先して進めています。

その過程で先行費用が発生したことに加え、大型受託開発案件の売上計上が下期に偏重したため、通期見通しとしては維持しつつも、上期の業績は厳しい結果となりました。

AI時代に対応する業容変更、リソース投資、新規事業の本格化等をすべて並行して進行する中、ボトムヘビーな案件展開により当中間期は売上・利益とも抑制的に進捗していますが、AI駆動開発化についてはいまだ試行錯誤、不透明な部分もあり、特に大口案件においては中期的視野(翌期から2030年3月期への次の3年間の礎)に立って推進しています。

また、ベース収益にインパクトを持つエンベデッドソリューション事業においても、自動車業界全体に影響する地政学的リスクは引き続き不透明感を残していますが、徐々に落ち着きを取り戻しつつある状況です。

04−中期経営計画の進捗

中期経営計画3年間の進捗については、前2期における実績の積み上げを背景に、現行の業績予想ベースでいくと、累計では概ね当初計画に沿った水準を見込んでいます。

一方、当期単年度については、AI駆動開発への転換と映像ソリューション事業の拡充に伴う先行費用等を踏まえ、当初中期経営計画比で約1億円の減益を想定しています。

また、激動した環境変化下においても、人材ローテーション、AI開発に対応できる先行投資、製造業向けDX提案におけるノウハウの「他にはない」プラットフォーム化、「Dereva」エコシステムの拡大、成長戦略に沿った現場力企業・コア技術獲得の重点目標については状況に対応しながら定量定性ともに進捗しており、AI駆動開発と映像ソリューションの統合化対応を取り込みながらの当期展開となっています。

昨年グループ化したワンズハウスのPMIも順調に進展しています。

AIの急激かつ劇的な進化が突き付けてきた従来型SIの人月依存モデルの転換圧力は、人件費のコスト上昇を吸収するかたちとして生成AI活用へと構造的な大転換を要求してきており、いまだ試行錯誤を繰り返しながらの対応となっています。

当社は引き続きこの新時代に向け、単なる受託開発領域への転換ではなく、蓄積した顧客業務知識・現場対応力を「現場力」として持った新しいソリューションインテグレーター、AI駆動開発とDXプロダクトを軸とした独自の存在として確立させていきます。

05−配当 配当金の推移

当社は、成長投資と株主還元のバランスを重視し、配当を重要な株主還元施策と位置づけています。前期の連結配当性向は約32パーセントとなり、当期も年間10円の配当を予定しており、現行業績予想に基づく配当性向は約32パーセントとなる見込みです。

今後も財務健全性を維持しつつ、R&DやAI駆動開発投資による収益性改善、M&Aによる不足機能・顧客基盤の獲得投資と、株主還元の両立を目指していきます。

また、ROE・ROICを意識した資本効率の向上と中長期的な企業価値向上を常に検討していきます。

06−トピックス(2026年5月)プレスリリース(エンベデッド事業/新プロダクト発表

当中間期のトピックスをご紹介します。当社は引き続きテクノロジーエッジを追い続ける高度エンジニアリングカンパニーとして、ハードソフト両面から新プロダクトの独自開発や、優良でユニークなプロダクトをいち早く取り込んだ「他にはない」ソリューション提供を事業の軸とし、プロダクトや新機軸を積極的に発信していきます。

まずこちらは、エンベデッドソリューション事業部が独自開発した画期的な新セキュリティ技術「PEV」です。従来のSecure Bootによる起動時の保護に加え、OS起動後のアプリケーションやライブラリを実行直前に超高速検証することで、不正なソフトウェアの実行を防止する新しいアプローチです。

SDVをはじめ、工場FAが進む中、車載・産業・民生機器へと広がるセキュリティ需要を見据え、当社が長年蓄積してきた組込み技術を新たな独自プロダクトへと進化させ、幅広い産業分野への展開を進めていきます。

06−トピックス(2026年8月)プレスリリース(映像ソリューション/プロダクト使用事例)

続いて、当社が国内唯一の技術・販売パートナーとして展開する米国Bolin社の高性能PTZカメラを活用した、放送事業者さま向けの導入事例です。

この事例において九州テレ・コミュニケーションズ株式会社(TVS・テレビ佐世保)さまでは、スタジアムのセンター観客席に設置したカメラを無人化し、中継席からのリモート操作によって、過酷な屋外環境下でも安定した高品質映像の撮影を実現しています。

Bolinカメラの特徴である、IP67の高い耐候性能とソニーブロックを使用した高ズーム高画質映像を生かし、猛暑や豪雨から撮影スタッフを守りながら放送品質も妥協しない、現場の安全性と映像制作の高度化を両立した好事例となりました。

今後も更に気候環境が激変し労働安全基準もより厳しくなる中、さまざまなタフシチュエーション下での安全な連続映像取得が可能になります。

当社は単なる映像機器の販売にとどまらず、設置から映像伝送、運用までを一体として提供することで、放送・映像市場における新たなソリューションの展開を加速していきます。

06−トピックス(2026年9月)イベント出展(映像ソリューション/高セキュア新プロダクト展示)

こちらは新機軸を続々と打ち出している当社映像ソリューション事業における新展開として、国内唯一のテロ対策専門展示会「テロ対策特殊装備展(SEECAT)’26」に出展した事例です。

事前の資格審査をクリアしたセキュリティのプロフェッショナル向けの展示会として定評があるイベントにおいて、台湾aiseed社の8時間以上の連続飛行が可能な最新VTOLドローン機や、各国の政府機関等で採用されている高セキュアコマンドセンターシステムを紹介し、映像・情報の取得から伝送、統合・可視化、さらには指揮判断までを支援するソリューションを提案し非常に好評を博しました。

当社が得意とするハード・ソフト双方の統合力と現場対応力を生かし、放送分野だけではなく、官公庁・防災・重要インフラ監視など、高い信頼性と専門性が求められる市場への展開を本格化してきています。

重ねて、映像ソリューション事業を単なる製品販売から高度なシステムソリューションを提供する事業へと進化させ、新しい市場と収益機会の開拓を推進していきます。

06−トピックス(2026年8月)プレスリリース(サイボウズ様kintone連携/kinterp商品使用事例・AI-OCR活用)

最後は、当社が長年培ってきた「現場力」とAI技術と「kintone」プラットフォーム開発を、製造業の具体的な生産性向上へと結びつけた事例です。

富士電子工業さまにおいて、当社の「kintone」用ERP「kinterp」と高精度AI-OCR技術を組み合わせ、従来は手書きとパソコン入力の二重作業となっていた加工データを、タブレットで写真を1枚撮るだけで約30項目を自動記録する仕組みを構築しました。

お客さまの試算では年間約6,800時間もの工数削減効果が見込まれており、サイボウズさまの公式導入事例としても紹介されました。

それを受け、当社の技術力が実際の業務改善につながった好事例紹介として発表した当社リリース中においても、サイボウズさまよりもますます今後の両者の「kintone」/「kinterp」連携組み合わせで、日本企業のDX推進に貢献していくことを期待している旨のエンドースメントをいただいています。

既存設備を最大限に生かしながら「紙からデジタルへ」を実現し、現場の課題を具体的な成果へと変えていく、まさに当社が目指す高付加価値型の製造業DXを体現する取り組みと考えています。

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