■新興市場は下落、AI関連株を中心に売りが拡大
今週の新興市場は下落。米中間選挙でAI規制を唱える民主党の圧勝が判明すると、半導体関連銘柄を中心に売られ、日経平均は先週末比9.25%安と2週ぶりに下落した。週間下落率は今年最大だった。グロース市場指数も同9.19%安、グロース250指数も同9.15%安、時価総額最上位グループの銘柄を算出対象とするグロース市場コア指数も同9.12%安といずれも2週ぶりに下落し、今年最大の下落率となった。
時価総額上位銘柄では、GENDAが先週末比4.47%高と堅調。10月31日に、グループ会社の企画・配給で、サンリオの人気キャラクター「クロミ」を主役とする劇場アニメ映画を27年に公開すると発表したことを材料に逆行高した。グローバルセキュリティエキスパートは同2.17%高。経営コンサルティング大手アクセンチュアがTOB(公開買い付け)を発表し、買い付け価格にサヤ寄せした。一方、Terra Droneは同25.89%安と急落した。プライム市場で半導体関連株が下げ足を速めると、リスク回避ムードが強まって今週末まで7営業日続落し、株価下落が売りを誘う展開だった。
その他、ベガコーポレーションが同10.74%高。27年3月期通期業績・配当予想の引き上げと自社株買いが好感された。一方、ペイクラウドホールディングスは同40.91%安と、下落率はグロース市場で最大。情報流出が相次いだ子会社のメール配信サービス「アララメッセージ」の停止が嫌気された。
今週の東証でのIPOはグロース市場の3件。4日上場のAllganize Holdingsの初値は公開価格比7.2%高の一方、MabGenesisは同8.1%安、estieは同7.7%安と相場全体の地合い悪化に巻き込まれ、低調なスタートとなった。
■個別材料株にも注目、IPOには慎重な雰囲気
来週の新興市場は反発が予想される。今週はプライム市場の主力AI関連株急落から売りを急ぐ流れが強まり、グロース市場でも幅広い銘柄が値下がりした。個別企業のマイナス材料ではなく市場センチメント悪化で売られた面が強いため、日経平均の週間下落率(9.25%)よりも下げがきつく、短期的な売られ過ぎが意識されるTerra Drone、Synspective、アストロスケールホールディングス、GOなど大商い常連銘柄の自律反発が期待できよう。10年物国債利回りが6日に2.61%まで急低下したことも、金利低下が追い風となる成長株の強材料となろう。ただ、信用取引勢を中心に含み損を抱える投資家による戻り売り圧力は大きいとみられ、上値は重くなりそうだ。
今週末に情報開示のあった銘柄では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業の第3期事業に、低コスト化などの開発・実証案件の採用が発表されたアクセルスペースホールディングス、ヒトiPS細胞由来の心筋細胞を含む特殊シート「リハート」の3例目移植が完了したと発表したクオリプス、27年9月期の増収増益と増配予想を発表したコラントッテなどが注目される。
来週のIPOは1件。10日にRECEPTIONISTがグロース市場に上場予定となっている。今週は3件中2件の初値が公開価格を下回ったため、来週も慎重な雰囲気が残りそうだ。
また、今週の東証による上場承認は1件。NOTAが12月9日、グロース市場に上場予定。年10泊分から別荘を購入できる「シェア別荘」を手掛けるほか、子会社が暗号資産を発行。有価証券届出書ベースの時価総額が1100億円を超える大型案件となる。