マネーボイス メニュー

Michael Candelori / Shutterstock.com

トランプ大統領の「ツイッター依存症」はワシントンを火の海にするか?=浜田和幸

トランプ政権は北朝鮮と交渉などできそうにない。ツイッターでつぶやき続けるだけで、実態は中国からもロシアからも交渉力や実行力を見透かされている。(浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』浜田和幸)

※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2017年8月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

交渉力不足が世界に露呈。ツイッターで吠えるだけのトランプ外交

北朝鮮との交渉は期待できず

ぶっちゃけ、トランプ政権は北朝鮮と交渉などできそうにない

ワシントンやニューヨークに到達できるICBM(大陸間弾道弾)を開発したといわれる金正恩体制に対して、「圧力をかける」「戦争も辞さない」とツイッターでつぶやき続けるだけのトランプ大統領である。これでは北朝鮮は痛くも痒くもないだろう。

中国に影響力の行使を期待する」と繰り返していたが、最近では「中国に失望した」と方向転換。実態は、中国からもロシアからも交渉力や実行力を見透かされているのがトランプ政権だ。

最大の問題は人材不足

最大の問題は、トランプ政権には対北朝鮮政策を立案・実行する専門家が誰もいないというお粗末な現実である。国務省にも国防総省にも、北朝鮮を担当する東アジア太平洋地域の次官補が空席のまま。それどころか、駐韓国大使も不在である。

日本には8月中にハガティ新大使が着任する予定だが、北朝鮮に関してはずぶの素人。

北朝鮮の脅威をあげつらっているトランプ大統領だが、ホワイトハウスの身内だけでは北朝鮮の脅威を封じ込めることなど不可能だ。

ぶっちゃけ、トランプ大統領の周りには「家族」「使用人」「」の3種類の人間しかいない。北朝鮮のような国を相手にするには、外交と軍事双方の専門家の力が欠かせないにもかかわらずだ。もちろん、韓国や日本など同盟国の協力も重要である。

ところが、トランプ大統領は専門家の意見をまったく聞こうとせず、自己満足のツイッター三昧ときている。

Next: 北朝鮮との戦争になれば、屍の山ができるのはワシントンだ



屍の山ができるのはワシントン

先日、大統領と面談したグラハム上院議員によれば、「大統領は北朝鮮のミサイル開発をストップさせるために、必要とあれば、戦争するつもりだ。(大統領は)死者が大勢でるだろうが、死者の山ができるのは北朝鮮内部のこと、と語った」とのこと。

勇ましい限りだが、朝鮮半島問題は不動産売買や投資とは違う世界だ。戦争を仕掛けるにしても、韓国や日本、そして周辺国である中国やロシアの動きも視野に入れた戦略が必要になる。ところが、そうした戦略を描き、勝てる戦いを指揮する人材をどこにも配置できていないのである。

対北朝鮮政策を立案すべきポストに誰一人付けることのできないトランプ大統領。まさに「裸の王様」と化していると言わざるを得ない。これでは、万が一戦争になった場合、屍の山ができるのはワシントンかもしれない。
続きはご購読ください<残約1,000文字>

新たな日米貿易戦争の勃発か?冷凍牛肉の輸入制限の行方

危険なニオイが漂ってきた。この8月1日から日本政府がアメリカ産の冷凍牛肉に対して緊急の輸入制限(セーフガード)を発動したからだ。

これまで38.5%だった輸入関税率が一気に50%に引き上げられたのである。というのは、この4月から6月にかけて、アメリカからの牛肉の輸入量が前年同期比で17%超も急増――
※この項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです →いますぐ購読!

<購読開始ですぐ読める! 8月配信済みバックナンバー>

・新たな日米貿易戦争の勃発か?冷凍牛肉の輸入制限の行方(8/4)
・北朝鮮政策を立案できそうにないトランプ政権のお粗末な体制(8/4)

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。

7月配信分
・NATO加盟国のトルコがロシアに接近する理由は(7/28)
・普及し始めた人体埋め込みチップのリスク(7/28)
・105歳で大往生。現役医師、日野原重明先生の長寿の秘密(7/21)
・さよなら、ガソリン車。再生可能エネルギーで世界をリードするインド(7/21)
・ユダヤ人のオリンピックに日本から初参加(7/14)
・中国返還20周年を迎え、ますます元気な香港人(7/14)
・トランプ大統領をめぐる偽ニュース合戦(7/7)
・世界最高齢のインドネシ人が逝去!何と146歳(7/7)

6月配信分
・共謀罪の成立は1億総監視社会の幕開き(6/23)
・中国による新たな歴史キャンペーン:お寿司を発明したのは孔子様!?(6/23)
・トランプ父娘の建前と本音に彩られた錬金術(6/16)
・北朝鮮の飛ばす偵察ドローンにはソニー製のカメラが搭載!(6/16)
・なぜカタールはサウジアラビアから三下り半を突き付けられたのか?(6/9)
・グーグルの未来戦略は“生命の永遠化”!(6/9)
・“アルカイダの王子”ビン・ラディンの息子によるテロの命令(6/6)
・プロボクサーによる日中決戦は日本の圧勝(6/6)

5月配信分
・マンチェスターのテロ事件で大勢の命を救ったホームレス(5/26)
・悪化する一方の福島原発事故の影響(5/26)
・長生きするにはSNSが欠かせない!?(5/19)
・「一帯一路」国際サミットの裏側でくすぶる不安の芽(5/19)
・なぜ北朝鮮は制裁を受けても経済成長を続けているのか(5/12)
・ロシアの介入を吹き飛ばし当選したフランスの新大統領(5/12)

4月配信分
・第3次世界大戦が5月に始まる!?(4/28)
・フランスで生まれるか、史上最年少の大統領?夫人は25歳年上!(4/28)
・ベトナムで広がるアボガド栽培ブーム!(4/21)
・中国人の訪日観光客は560万人。ロシア人は2万6000人。この違いはなぜ?(4/21)
・次なる競争:ロボット化する人間、それとも人間化するロボット、どちらが早いか?(4/14)
・アメリカによるシリア攻撃は大失敗ではないのか?(4/14)
・中国一恐ろしい特番に反撃した無印良品に喝采の声(4/7)
・世界を虜にするか?セックス・ロボットの台頭を巡る賛否両論(4/7)


※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2017年8月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に定期購読をどうぞ。

【関連】予測不能で進行形。トランプの「果たされない公約」が行き着く先は=大前研一

【関連】窮地のトランプ大統領は「ドル安強制」のジョーカーをいつ切るか?=今市太郎

【関連】ボリビア大統領はなぜ今「IMFと世界銀行からの自立」を宣言したのか?

浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』(2017年8月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

有料メルマガ好評配信中

浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』

[月額550円(税込)/月 毎月第1金曜日・第2金曜日・第3金曜日・第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
かつて人気を博したニッポン放送オールナイトニッポンの「世界びっくりニュース」を彷彿とさせるべく、フランクな語り口で、知られざる内外の『ぶっちゃけ話』をお届け致します。例えば…① 「爆買い」中国人観光客を上回る金額を日本で消費している国がある!?② 「発明王エジソン」の遺言を頼りに、無料の無限エネルギー開発に成功した企業がある!?③ 「不動産王」にしてアメリカ大統領候補トランプ氏に、北方領土問題解決の秘策あり!?…その他耳よりの情報が満載!

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。