投資をする上で重要なものは投資ノウハウではなく「投資心」だと語るのは、まぐまぐ大賞2014の無料部門で総合2位を獲得した『ハロー!株式』著者aquaさん。はたしてその投資心はとはいったい何なのでしょうか?「上手く投資成果が上がらない」という方は必見です!
老子『足るを知る者は富者なり』
『ハロー!株式』(2015年5月16日号)より一部抜粋
株式投資をする際には当然のことながら「投資ノウハウ」も必要ですが、それにもまして「投資心」(とうしごころ)が大切です。いわゆる「マインド・コントロール」というものですが、意外とこのメンタル面が弱くて上手く投資成果が上がらないという方は多いです。
そこで本日は、そのメンタル面につきまして簡単に触れさせて頂きます。
まず、押さえておきたいのは、株式投資には常に「不安」が付きまとうという点です。例えば、保有している銘柄が下がってきますと、「まだ下がるのではないか……?」、「永久に上がらないのではないか?」云々。下がった時はまだしも、上がってきても不安になったりします。「もう下がるのではないか?」、「売ってからもっと上がったらどうしよう……」云々です。
株を持ってない方にしましても、相場が上がってきますと「今更こんな高いところはとても買えないし……」、或いは、「あの時買っておけば……」云々。また、相場が下がってきますと「まだまだ下がるのではないか……」、「先行き不安でとても手を出せない……」云々です。
これでは株式投資をしている間、安心できる日は来ないことになります。たとえ儲かったとしましても喜べないこともあります。例えば300円で買った銘柄が500円になったところで売れば、当然利益が出て嬉しくなる訳ですが、その株が自分の売った値段より上がりますと、気分は次第に面白くなくなります。
それも10円や20円ならともかく、200円上がって700円になったらどうでしょうか。1000株の投資で現実には20万円儲かったのに、売ってから上がった分だけ損した気分にさえなったりします。そして、儲かった事実を棚に上げて悔やんだりします。
さらに、1000株で20万円儲かっても面白くないことがあります。買うお金をたくさん持っていた場合、「たった1000株じゃなく、何で1万株買わなかったのか」と自分を責めたくなるからです。場合によっては、「1万株買っていたら200万円儲かったのに、1000株なので20万円しか儲からなかった、180万円儲け損なった……」となる訳です。
事実、こうした経験をされた方は多いと思いますが、人間の欲望とは切りがなく、こうした具合に儲かっても面白くなくなることが多いのが株式投資です。ましてや、損をしては最悪の気分になるのは当然です。
揺れ動く相場に心まで揺り動かされてはまず株式投資は上手く行きません。老子の言葉に『足るを知る者は富者なり』とありますが、その「足る」を知らないものは富者にはなれません。投資ノウハウ以上に心の管理、マインドコントロールは重要であり、上記で申し上げた点はしっかり押さえておいて頂ければと思います。
『ハロー!株式』(2015年5月16日号)より一部抜粋