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個人が売り越すマーケットは下がらない / 日経225のボリンジャーバンド分析ほか~大阪Nさんとの交信

投資歴54年の山崎和邦氏が思い出の投機家を振り返る本連載、今回は特別編として、好評配信中の有料メルマガ『投機の流儀』より、いまも頻繁に交信のある投資家「大阪のNさん」と山崎氏のリアルタイムなやりとりをお届けします。

山崎和邦 週報『投機の流儀』vol.156 2015/5/24号より、マネーボイス編集部にて再構成

個人が売り越す間は下がらない 2015年4~5月の株式市場

現役投資家・大阪のNさん(以下「大阪N」):

4月は、外人が2兆円の買い越し、個人が1.5兆円の売り越しだったんですね。

山崎和邦(以下「山崎」):

5月も2週、3週と連続して売り越したようですから、朝倉慶氏が「株売却ブーム」というのも当たっているかもしれませんね。

確かに月額としては非常に大きく記録的ではなかったでしょうか。

大阪N:

確かに高値をつけるまでは呆れるくらいの強さがありました。必ずしも「外人=海外資金」ではないとは思いますが、銀行株を買ったのは外のファンドが中心だったということであれば、納得もいきます。

5月は額こそ減っていますが、相変わらず個人は売り越し。2万円から上を買い進む気持ちは個人には無い様子です。

山崎:

野村をはじめ各証券会社や、自分でポジションを持たない評論家は22,000円と言うが、それは誰かが22,000円を買わなければ実現しない話で、「ではお前が買う気があるのか」と問いたくなります。

言うだけ、書くだけなら、何とでも言えますからね。

Next: 2015年4月の日経225 ボリンジャーバンドによる振り返り


山崎和邦(やまざきかずくに)

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、近著3刷重版「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)等。

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2015年4月の日経225 ボリンジャーバンドによる振り返り

大阪N:

後講釈になってしまうので申し訳ありませんが、先週日経平均が25日線を越えた時点で「再度2万円を超えるだろうな」と考えておりました。

ただし問題は「2万円」ではなくて20,300円ちょっと手前にあったボリンジャーバンド(25日)の+2σにタッチするかどうか?タッチした後どうなるか?だと思ってました。

日経平均株価日足(チャート提供:SBI証券)

相場が難しい時には「一にも二にもチャート」と思い、今年に入ってからのチャートを再点検してみたのですが、私がいつも注視している株価指標に常識的ではない動きをしているものはありませんでした。

特にボリンジャーバンドの+2σにタッチした直後はセオリー通り短期の調整をしています。ただし、今年前半の強い相場の中で、-2σの線にタッチしたのは1月の上旬だけです。

25日線をかすることはあっても-σさえタッチしない期間が4ヶ月もありました。

昨日、今日と+2σに2回タッチしましたが、超える感じは無かったです。これまでと同様、短期の調整に入るのか、入るとして-2σにタッチできるのか?注視したいと思います。

山崎:

4月23日高値の20,252円を、ザラバで抜いても引け値で抜けない現象が続きましたが、週末に抜きましたね。

Next: もう1つの投資先~WTI原油、ロシアルーブル、ロシア国債について


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もう1つの投資先~WTI原油、ロシアルーブル、ロシア国債について

大阪N:

さて、前回の山崎先生のご返信メールでご教示頂いた通り、日経平均が解読不能なのに敢えて日本株を売買しなくても、トレンドがはっきり出ている場所で売買する方が精神衛生上宜しいかと思い、日本国内の市場で売買可能な海外指数を洗い出してチャートを眺めておりました。

私の目には4月初旬にWTIがダブルボトムを付けたタイミングが堅実そうに見えたので、原油ETFを仕込みました。日経レバで700万円稼いだ方には及びませんが小遣い程度の利は乗っております。

WTI原油日足(チャート提供:SBI証券)

山崎:

日経レバで700万を稼いだHさんは、以前に一度ご紹介しましたが聡明で謙虚な人ですね。

さて原油のチャートを見て買ったのは、私もWTIとロシア・ルーブルでした。ロシア・ルーブルは1.8円台で買って2.3円台で売りました。ロシア国債との組み合わせです。国債は格下げになって投げ物が出たところを87円台で買い92円台で売りました。

両方組み合わせると結構利益になりますがプーチン次第ですから、もう止めます。

大阪N:

原油価格の回復に連れて米長金利も上がって来ているので、今年の相場の柱の一つから目を離さないという意味でも良かったと考えています。

山崎:

今後も原油価格は政治や戦争の道具として「不健全な市場動向」をすると思いますから面白いのではないでしょうか?

仕手株と似ていて「不健全な中に妙味あり」ですね。変な例えですが海外に行くと闇市の方が活気があって面白いようなものです。

或いは既報で述べたような東芝の罫線通りの動きでストップ安の後の完全合致のヨリを380円を買い2日後の材料出尽くしの高ヨリ441円で売ると言う個別物色。これは私が実行した売買ですから、証券会社の実際の売買報告書を示して23日のセミナーで解説しました。

また、320円くらいでW底をついた大平洋金属が5円復配を発表した瞬間に10円窓を開けてとびだすとかもあり、壮年期相場は物色買いか、他の市場を見るしかないように思います。

Next: ブラジル・中国市場の動向 / 低ボラティリティの続く日本市場について


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ブラジル・中国市場の動向 / 低ボラティリティの続く日本市場について

大阪N:

山崎先生ご指摘のボベスパ指数は大統領選の結果が出る前に底離れしていてちょっと意外でした。さすがに山崎先生は目線の置き所が的確ですね。

ボベスパ指数日足(チャート提供:SBI証券)

山崎:

これは所謂ドタ勘というヤツです。謙遜ではなくホントのことです。

大阪N:

岡崎良介氏はGMが中国国内で最大100万円近い値引きを始めたというニュースを取り上げておられましたが、私も身構えてしまいました。ただ危機が来るとしてもどんな形で来るのか想像もつきません。

山崎:

彼は出身大学も学部も私と同じ、元野村と言うのも同じ故か私を立ててくれるのでBS12チャンネルで気持ちよく付き合っていますが、多方面にわたって勉強しているようです.

大阪N:

今は市場のボラティリティが非常に低い時期ですが、1年を通してこのままとも思えません。次の変化の兆しをどう捉えていくか、今後ともご指導を頂きたくお願い申し上げます。

山崎:

今は強い相場と言うよりは膠着状態の相場ですね。膠着はあくまで臨時の姿だから、いつか大きく動くのではないでしょうか。

でも、下値が人工的官製カンヌキが掛っている相場はつまらないです。古い話ですが昭和39年と40年不況の前半にカンヌキ相場は体験しました。

あのときそれを突破したのは佐藤内閣の財政出動で、今でいう第2の矢でした。それがそのまま57ヶ月の史上最長のいざなぎ景気につながりましたが、今度は何が契機になりましょうか?


大阪の投資家・Nさんと山崎氏のやりとり、いかがでしたでしょうか。

好評配信中の有料メルマガ、山崎和邦 週報『投機の流儀』では、山崎氏のマーケット分析のほか、毎号、今回のような読者との交信が活発に行われています。

読者層は個人投資家から現役ファンドマネージャまで幅広く、株・為替・商品などテーマも多彩。山崎氏を中心とした真面目なコミュニティで、じっくり腰を据えた議論が楽しめます。

初月購読無料ですので、お気軽にお試しください。

山崎和邦(やまざきかずくに)

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、近著3刷重版「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)等。

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