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ラマダン直前!イスラム圏に進出しやすいハラル認証取得企業銘柄が知りたい!

イスラム教徒が日の出から日没まで断食する「ラマダン」が6月18日から7月16日まで行われます。イスラム教というと、「現在世界で最も速く成長している宗教」とも言われており、アメリカのシンクタンク、ピュー研究所のデータによると、2010年のイスラム教徒の人口は全世界でおよそ16億人。2050年までには27億6000万人に増えるという試算もあります。

イスラム教徒の多くはアジア圏に住んでおり、今後はマーケット的な意味合いでもさらなる拡大が期待されています。しかし拡大するマーケットに参入するにあたり、ひとつ大きなハードルが存在します。それがイスラム教の戒律です。

イスラム教では前述のラマダンのほか、豚肉を食べてはならない、お酒を飲んではならないという戒律があり、日本と同じ製品ではイスラムマーケットに参入できないということがあります。このハードルをクリアするために重要となってくるのが「ハラル認証」です。ということで、今回は「ハラル認証」を獲得している日本企業を紹介していきます。

イスラムの戒律にのっとった「ハラル認証マーク」

前述の通り、イスラム教は口にする食べ物への戒律が厳しいことでよく知られています。豚肉を食べてはならない、お酒を飲んではならない、ということもちろんですが、豚肉が触れた食器や調理器具は、たとえ洗剤で洗っていても使うことができず、料理の材料に使用しないというだけでは不十分です。また、ゼラチンやスープの素などは、原材料に豚由来の成分が使用されていることが多いため、使用することが難しいのが現状です。

イスラム教徒は、戒律にのっとり屠畜された肉や豚肉とアルコールが完全に除去された食品を「ハラル(神から許された、の意)」として口にすることができます。しかし、味噌や醤油などは、たいていアルコールが使われていますので、イスラム教徒はこのままでは日本人が食べているような日本食を食べることができません。

また、調理器具の消毒にアルコールを使ってしまうと、その調理器具を使って作られた食べ物は、例え食べ物自体に豚由来の成分やアルコールが使われていなくてもハラルではなくなってしまいます。

そのため、多くの国ではイスラム教徒への宗教上の食の安全を保障するため、イスラム教の戒律に違反していないと認められた食品等に対して「ハラル」のマークが認証されています。この動きは日本にも広がってきており、近年増加する外国人観光客向けのおもてなしのため、レストランやホテルがハラル認証を受けるということもあります。

そこで、投資家として注目すべき点は、「日本の食品メーカーが、ハラル認証を取得しているかどうか」ということです。イスラムマーケットという日本企業にとっては新しい市場を獲得するための努力をどの程度行っているのかということは、今後の投資先選定要因に多少なりとも影響するのではないでしょうか。

Next: イスラム諸国でビジネスを展開するなら「ハラル認証」は必要



イスラム諸国でビジネスを展開するなら「ハラル認証」は必要

日本製の商品は質が良いことからイスラム諸国でも人気があり、日本車や電化製品を持つことがステータスとされていることもあるのだとか。しかしながら、欧米諸国では醤油や豆腐などの日本食が日常に受け入れられているのに対し、イスラム諸国へ日本食の輸出は、「ハラル認証」を得ていないがためになかなか進まなかったのが現状でした。

しかし、昨今、徐々にではありますがハラル認証を取得した企業も増えてきました。有名なところでは1960年代からインドネシアに進出している味の素<2802>がありますが、その他にもキューピー<2809>大正製薬<4534>、マレーシア企業と合弁会社を設立し、魚肉ソーセージを製造している林兼産業<2286>等がマレーシアでのハラル認証を受けています。化粧品分野では資生堂<4911>花王<4452>がハラル認証を受け、イスラム諸国に進出しています。

また、面白いところでは、ユーグレナ<2931>も、生産する微細藻類ミドリムシとクロレラについてハラル認証を取得しています。ユーグレナは健康食品分野で2018年までにアジアを中心とした海外でミドリムシ食品の市場規模を300億円にする目標を立てているだけに見逃せません。

ハラルの食品市場は60兆円規模だと言われていますが前述のピュー研究所のデータから見ても、今後はさらに人口は増加してゆきます。魅力的なイスラムマーケットにハラル認証を取得した日本企業がどう受け入れられるかにも注目が集まるところです。

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