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From 首相官邸ホームページ

この夏、安倍“株高”政権を待ち受ける「3つのハードル」 日本金融村の空気はピリピリモード=藤井まり子

安倍政権の支持率低下により、マーケットでは「政治リスク」の高まりが意識されつつあります。しかもこの夏には、さらなる支持率低下に繋がりかねない「3つのハードル」が待ち構えているとあって、市場関係者はピリピリモード。資産管理の専門家・藤井まり子氏が解説します。

アベノミクスのアキレス腱になり得る「政治リスク」の高まり

日本株の「政治リスク」が徐々にではありますが、大きくなり始めています。

この夏、最も注意すべき点は、「安倍内閣への支持率がさらに低下して、30%を切るようなことが起きるか?」です。

安倍晋三政権は、現在のところ、日本財務省の人事権をしっかりと掌握して、日本財務省をコントロール下に置いています。

もし4-6月期の日本のGDP成長率がマイナスに転落するような事態になれば(その可能性は高い!)、今の安倍自民党政権は、この秋には、すかさず、日本財務省に補正予算を組ませて、積極財政へと打って出る可能性があります。

あるいは、日本財務省出身者の黒田氏率いる日銀に、追加の金融緩和策(第3のバズーカ砲)を打たせられます。

日経平均株価 月足(SBI証券提供)

ところが、安倍内閣の支持率がこれ以上低下して、近い将来、30%を切るような事態になれば、「日本財務省の反乱」が起きてしまう危険があります。

本来、日本財務省というところは、緊縮大好き・増税大好き・不況大好き。「デフレマニア」の伝統(DNA)が息づいています。

そのデフレ愛好家の日本財務省がしぶしぶ安倍自民党政権に従っている理由は、何といっても安倍内閣の支持率が高いことと、安倍氏の政治的立ち回りのうまさ。

しかしながら、その安倍晋三氏には「国粋主義者」というアキレス腱(弱点)があったのでした!

今後、安倍内閣への支持率がさらに急低下して30%を切るような事態になれば、政権内に、財務省に悪知恵を付けられた「対抗勢力」が台頭して来るかもしれません。

こうなれば、「経済政策」としては極めてまっとうであった「アベノミクス」そのものが、危機に瀕してしまう危険があります。

この夏の政局には目が離せません。

Next: さらに支持率を落としかねない3つのハードルとは?


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市場関係者は「3つのハードル」にピリピリモード

振り返ると、7月16日に、安倍自民党政権は安保法制を強行採決で衆院通過させてしまいました。

その結果、直近の世論調査では、安倍内閣に対する支持率が39%まで急低下。不支持率は42%と跳ね上がってしまいました。

安倍内閣発足以来、はじめて支持・不支持が逆転した格好です。

衆議院の平和安全法制に関する特別委員会で答弁する安倍総理(7月15日)出典:首相官邸

今後どれだけ内閣支持率が下落するかは不透明ですが、この夏には、

と、安倍内閣への支持率をさらに低下させていきそうな「数々のハードル」が控えています。

特に、国粋主義者である安倍氏は、8月15日前後の「戦後70周年談話」で、「あえて中国の神経を逆なでする」ような「挑発的な言動に出てしまう」危険があります。

「戦後70周年談話」の中身いかんでは、安倍首相の失言が引き金となって、せっかく沈静化していた「東アジアの地政学的リスク」を、再び高めてしまう可能性があります。

折しも、「集団的自衛権の行使」で、中国や韓国は「日本の軍国主義化」に疑心暗鬼、とてもナイーブになっています。

先週号でもお伝えしましたように、8月15日前後に予定されている安倍氏の「戦後70周年談話」が引き金となって、2013年12月の靖国参拝時のような「日本売り」が始まってしまうのではないかと、「日本金融村の空気」は今からピリピリ・モードです。

「2013年、靖国で大失敗してしまった安倍の晋ちゃん」が、今度こそは少しは大人になって、「戦後70年談話」で、「中国の神経を意図的に逆なでするような暴挙」「中国をあえて挑発するような暴挙」にだけは出ませんしように、アーメン。

誰か優秀なブレインが晋ちゃんに寄り添って、大人のふるまい(暴挙や失言は控えること)を教えてくれますように、アーメン。

戦後70年 沖縄全戦没者追悼式で挨拶する安倍総理(6月23日)出典:首相官邸

大人のふるまいとは、外交でも、「ダブル・スタンダード」を持って、賢くふるまうことです。小学生じゃないんだから、「思っていることをそのまましゃべればよい」「正直ならばよい」というものではありません。

安倍の晋ちゃんが「談話」で「とんでもない失言」をして、その直後の8月17日に、「日本の4-6月期の実質GDPのマイナス成長」が発表されたなら、日本株式市場へのマイナス影響も大きくなってしまうのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、もしかりに、近い将来、安倍内閣への支持率が30%を割り込むような事態になれば、「日本財務省の反乱」が始まってしまって、日本の政権は不安定化します。政権の不安定化は、日本株には「悪材料」です。

「アベノミクスは、長期の保守の安定政権による景気浮揚策」ということで、外人も安心して日本株式市場に参入してきていたのです。

が、その安倍政権が不安定化し始めれば、外人も日本株式市場から撤退して行ってしまいます。

この夏、私たちは、国粋主義的な安倍晋三氏が政治的な強硬姿勢を一部改めてくれるかどうか、かなり心配したほうがよさそうなのです。

今後の支持率次第ですが、安倍政権が意外に早く弱体化する可能性についても、私たち個人投資家はそろそろ心配し始めたほうがよいのかもしれません。

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』8月4日号より一部抜粋
※太字と写真はMONEY VOICE編集部による

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