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【法律相談】不倫相手の住所がわからなくても慰謝料は請求できるのか?

不倫離婚の裁判を起こしたいけれど、相手の住まいが分からないという相談を受けた弁護士が取る手段とは? 無料メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』では、「探偵と連携する」という意外な方法が紹介されています。

住所がわからない不倫相手への慰謝料請求は可能?

□相談□

夫が浮気をして、離婚しました。

 1.肉体関係があったこと

 2.既婚者で子どもがいた事を相手が知っていた事

 3.この浮気が原因で離婚することになったこと

この3つを書面にして夫からは拇印をもらいました。ただ相手の女性については、名前電話番号住んでいる市しか分からない状況です。

この場合、どうすればいいのでしょうか? 相手の女性からは慰謝料はとれるのでしょうか? (30代:女性)

 

□回答□

不倫が原因で離婚した場合、元夫と交際相手に対して、不法行為に基づく損害賠償請求が可能です。こうした事例では、共同不法行為と言って、元夫と交際相手が共同で、ご相談者様に対して権利侵害(平穏な夫婦生活を侵害)したという構成になるため、元夫と交際相手の双方に対して損害賠償請求が可能となります(民法709条、民法719条など参照)。

ご心配は、相手女性の氏名や電話番号がわかるものの住所がわからないという点であり、この状況でも訴訟を通じて損害賠償請求が可能かということにあると思われます。

この点、弁護士に依頼した場合、弁護士法に基づく「23条照会」というものを活用したり、弁護士経由で探偵を雇ったりして、居所をつきとめる作業が必要になってくるものと思われます。

23条照会とは、弁護士法23条の2に基づく照会制度で、弁護士活動を行う上で、証拠を収集し、真実の発見と公正な裁判を実現させるために法が認めた照会制度です。これを用いて、携帯電話キャリアや固定電話キャリアなどから契約者情報引き出すなどの行為が行える場合があります。

一方、意外に思われるかもしれませんが、とりわけご相談いただいた離婚問題などでは、弁護士はいわゆる探偵興信所連携して事実調査を行ったりもします(実際、弁護士会で信頼のおける興信所を紹介していたりします)。こうした協力を得て、相手方の居所をつきとめていくことになります。

ただ、今回のご相談内容からは仮に訴訟に発展した場合、「本当に肉体関係を伴う交際が、相手の女性にあったか」という部分を相手女性に認めさせる主張立証活動が伴うと思われます。元夫が、肉体関係があった、交際関係にあった、と認めていたとしても、相手女性がそれを認めるとは限らないためです。

そのため、元夫から入手した書面以外に、たとえば2人でいる写真や2人で外出していたスケジュールなど、できるだけ証拠を集めておく必要があると思われます。その点においても、ひょっとしたら弁護士経由で探偵を利用して証拠収集を行う必要性があると思われます。

いずれにしても、まずは離婚問題で実績のある弁護士に相談や依頼をすることが解決への早道だと考えます。

[関連情報]
個人で裁判を視野にいれた証拠集めはできる?

image by: Shutterstock

 

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