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家購入も個人間売買が主流へ?中小の不動産会社は生き残れるのか

ヤフーとソニー不動産の提携など、不動産業界を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。そんな中、中小の不動産仲介業者はどうすれば生き残れるのでしょうか。『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』では、「専門化しかない」としています。

Question

中小の不動産屋がこれから生き残る道は?

私は中小規模の不動産会社に勤務しております。不動産のWeb集客の今後の可能性についてです。

先日、ヤフー不動産とソニー不動産の提携にからんで、三井のリハウスや住友不動産販売などいわゆる売買の仲介大手の多くが加盟するFRKヤフー不動産への物件掲載取りやめる発表をしました。

FRKは不動産検索サイトでスーモと並ぶ規模のホームズに物件を掲載しておらず、物件検索4大サイト(残る1つはややプロ向けのアットホーム)中2つに物件を掲載しないことになります。

そこで疑問なのが、結局検索サイトでは集客できていないのでは? ということです。そうでなければおいそれと掲載を止める決断が出来ないと思うのです。もしそうだとしたら、一番掲載料が高いスーモも今後は掲載されなくなり、不動産検索のポータルサイトが機能しなくなってしまう気がするのですが、永江さんの見解はいかがでしょうか?

また、そうなってしまった場合(もしくは現状どおり物件検索サイトが機能するとしても)中小の不動産会社がWebで集客する方法として適切なのは、やはり自社サイトでSEO対策及びLPなどで問い合わせをとりやすい体制を作ることでしょうか?

不動産の場合は近隣へのチラシが有効なのは体感しておりますが、大手とのチラシ配布合戦(体力勝負)はしたくないので、Web集客をメインにやっていきたいと考えております。ご回答いただけましたら幸いです。宜しくお願いいたします。

Yahoo! への物件掲載をFRKが止めたのは、今後Yahoo! が個人間売買を進めることへの反発ですよね。消費税が10%、15%と上がっていけば、価格の高いマンションなどは数百万円もの差が出ることになり、一気に個人間売買へ加速します。それをYahoo! は考えてソニー不動産と提携したわけですが、これが進めば従来の不動産仲介業は大打撃です。

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で、中小の不動産仲介業が生き残る道ですが…ドイツでは消費税19%で中古車屋さんは相当前に市場がものすごく小さくなりました。不動産についてはよく知りませんが、車よりリスクが高いので専門家的な仲介はまだ必要で、なくなることはないとおもいます。

生き残るには、正直「専門化」しかないと思います。しかもオリジナル性をもった専門化です。

投資用のワンルームばかりを揃えて資金回転率を独自の資産で表示とか、シェアハウスばかりを取り扱うとか、ペットと暮らせる物件ばかりを取り扱うとか、子供の教育環境が整った物件ばかりを取り扱うとか、格安の事故物件ばかりを扱うとか、つまりはそういうことです。駅前の小さな不動産屋さんは、ネットが使えない高齢者やお金のない層が中心となっていくでしょう(すでにその傾向はあると思いますが)。

よって余力のあるうちに、「他社と差別化した特徴」を鮮明にするしか生き残る道はないと思います。

image by: Shutterstock

 

永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ
著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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