子どもが転んだら、いちいち「痛い?」と聞く親は成長を鈍化させる

 

成長しようという者には手を差し伸べてやりたくなるものですが、過度の接し方は毒になるときがあります。

これは、お店で商品を手に取ろうとするたびに、べったりと後ろに張り付いている店員がいちいち取って渡して説明を加えるようなものです。

もっとじっくり見れば、店員も知らないような発見があるかもしれないのに、情報が店員の説明だけに染まってしまうのです。

何かを習得しようとしている人間に対して、「そうそう、そのまま」「それだと失敗するぞ」と、いちいち口をつっこまなくてもいい

失敗するなら失敗してもいいし、その失敗から何か新しいものを得ているならば、「ほら、それは失敗だ。それだとダメだ」などと決めつけなくてもいい

「そうやったら、そのように歪むことがわかったな。よし、じゃあ次はこうやってみよう」と、ささっと次に移ればいいのです。

実際、研究職の人や芸術家などは、そういう失敗した経験の中から、「そういえば以前、こういう現象が起こったなあ」と、その失敗事例を逆に応用して新しい成果を生み出すことも多くあります。

そして、失敗しなくなって一人前の技術や知識を身につけたときにも、「これでおまえも一人前になったなあー!」などと、特別な壮行会などをやらなくてもいい。

すぐに、一人前の仕事に放り出せばいいのです。

いちいちアマチュアとプロの間の線引きをして講習修了式や授与式みたいなものを行って、「新たな門出」をまた作る必要はありません。

淡々と、次に移ればいいのです。

そうやって、周囲の人が淡々と次に移るから、本人は「自分も淡々と前に進まないといけない」と、プロ意識を持って自立しはじめます。

それは決して、成長しようとする相手を突き放せとか無視しろと言っているわけではありません。

余計な手出しが、成長を鈍化させるということです。

プロフェッショナルというものは、淡々と前に進まなければならないものです。

だからこそ、成長段階からプロと同じように、淡々と進むんだという流れに身を慣らすようにさせることが大事なのです。

 

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

成長しようとしている新人や若者に対して、指導する立場の人物は、その新人や若者への接し方について、どのようなことに気をつけなければならないか。ノートにまとめる。

image by: Shutterstock

 

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