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日本のメディア最大のタブー。欧米で制限・禁止されたシステムとは

クロスオーナーシップという言葉をご存知でしょうか。欧米などでは禁止されている国もあるこのシステム、日本のメディア界ではこの話題に触れることは「タブー視」されています。メルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』で、そのシステムの詳細について解説していますが、場合によっては「国を戦争に導く」こともあるそうです。

メディア界最大のタブー クロスオーナーシップは大臣も殺す

メディアのクロスオーナーシップは隠された大問題である。現在の日本社会において、この件に触れるのはタブーと言っても過言ではない。

実際、この問題に突っ込んでいった原口一博元総務大臣は、記者クラブメディア全体からの猛反撃を受けて、いまなお苦しい立場にある。

先週、「週刊リテラシー」に出演した竹中平蔵元総務大臣もこの問題を否定しなかった。それどころか、郵政事業と並ぶ一大規制との見解を示したほどだ。

総務行政やメディア問題についてある程度知っている者ならば、誰もがこの問題の危険性を認識しているだろう。

ところが、それがほとんど議論にならないのは、他でもない大手メディアにとってのタブー中のタブーだからだろう。

2012年、この問題について「朝まで生テレビ」で私が言及した以外に、今回の「週刊リテラシー」まで、この問題を扱った地上波テレビの番組はなかったと聞いた。

それほどまでのタブーであるクロスオーナーシップとは果たしてどういったものなのか?

クロスオーナーシップはマスメディアによる独占資本集中といって、欧米では制限、もしくは禁止されているシステムのことだ。簡単にいえば「カルテル」の一種だが、記者クラブのある日本では、他国のそれよりもずっと深刻な問題に発展してしまっている。

現在、日本の大手新聞と民放キー局は、読売新聞は日本テレビ系、朝日新聞はテレビ朝日系といった具合に系列化されているのが普通だ。

おそらく日本で育ったみなさんはこのことに違和感はないだろう。

ところが、日本では常識と思っているこの制度は、欧米の多くの国ではいまや非常識ともいうべきもので、制限、もしくは禁止されているのが現実なのだ。

たとえば、ドイツでは、支配的な地位を占める企業(新聞社)の、視聴シェアが平均25%以上あるキー局への資本参加は不可能となっている。州ごとに多様なメディアが存在するのはこのためだ。

さらに、大都市周辺のメディア(たとえば新聞)では、30%以上のテレビ局への資本参加については例外なく禁じられている。

ドイツの厳しい制限の背景には、メディア資本の独占集中が進むと、言論空間が画一化し、社会の独裁化が起きる。そして、その先にあるのは戦争」ということを、ナチなどの過去の教訓から痛いほど学んでいることがあるのだ。

これに対して、日本の場合には記者クラブという閉鎖的なシステムが加わる。戦前も存在した記者クラブは、大本営発表とあいまって、さらなる言論の一元化を招いたことは説明をまたないだろう。

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image by: Shutterstock

 

上杉隆の「ニッポンの問題点」』より一部抜粋
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