相続税対策、タンス預金なら大丈夫でしょ?の落とし穴

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相続税法が改正されて以来、色々な情報が流れましたが、そろそろ対策し始めた方も多いのでは? 税金の裏ワザを惜しみなく提供している有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、相続税対策の情報も配信しています。

相続財産を現金で隠していれば税務署には見つからないか?

相続税法が改正され、課税範囲が広がったので、最近、相続税に関心を持つ人が増えていますよね。

自分にも相続税がかかるんじゃないかって恐れている人もけっこういるのではないでしょうか?

で、相続税を逃れるために、資産を現金化し、隠しておこう、などと思う人もいるようです。土地や預金、株券、金融商品などの場合は、税務署が発見しやすいけれど、現金ならば、税務署はわからないのではないか、と。

実際には、どうだと思われますか?

確かに、現金の場合、預金や株券などに比べると見つかりにくいという面はあります。でも、現金だからといって、見つからないわけではありません。

というのも、税務署は、相続税が発生しそうな資産家については、相続開始前(死亡前)からあらかじめ情報収集をしています。この人は、年収が非常に大きい、だから、相続税がかかるはず、というようなことを調べているのです。

で、その人の年収というのは、税務署にきっちりデータが残っていますから、相続資産も年収から割り出したりするわけです。もし、年収に比べて著しく相続財産が低い場合は、「これはおかしい」ということになり、自宅に赴いて調査をしたりするわけです。

またその人が死亡する前に、預金から多額の引き出しがないかとか、株券を換金してないかとかいうのも、税務署はすぐにわかります。

長い時間をかけて少額の現金をコツコツと隠していた場合は、ばれないこともあるかもしれませんが、でもそれでは脱税できる金額もたかがしれているし、現金を隠す手間と泥棒などのリスクを考えれば、あまり割の合うものではありませんよね。

で、このことに関して、最近、興味深い税金ニュースがありました。

以下の記事です。

たんすや押し入れに3億!隠す 「せっかくの遺産 よけてもいいと…」(産経新聞2015年3月18日)

このように、現金で隠していたとしても、税務署に発見されることもあるわけです。

で、このケースの場合、まっとうな節税をしていれば、かなり税金は少なくて済んだのです。配偶者(このケースの場合は妻)というのは、遺産全体の半分までは無税で受け取ることができます。だから、このケースの場合、遺産15億円のうち、妻が7億5千万円くらいを受け取り、残り7億5千万円を子供二人に分ければよかったのです。

さらに、他の節税策を使えば、相続税額を2億円くらいにするのは、十分に可能だったはずなのです。このケースでは、おそらく追徴税を含めて5億円くらいは払っていると思われます。まともな節税策さえ打っていれば、下手な脱税などする必要はなかったのです。

『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2015年3月15日号より一部抜粋

著者/大村大次郎
元国税調査官で著書60冊以上の大村大次郎が、ギリギリまで節税する方法を伝授す有料メルマガ。自営業、経営者にオススメ。
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