なぜなら、相手にとって、そのような「会社概要」のような情報はあまり知りたいものではないからです。
私の事務所に来る営業パーソンでも、こんな自己紹介をする人がいます。
しかし、私にとっては全く興味がありません。
「私の事務所にとって有益などんなことができるのか、教えてくれ」と言いたくなります。
ビジネスにおいて、自己紹介で相手に示すべきなのは、自分という人間が、いかに相手にとってどのような存在意義があり、どのように役立てる存在であるか、ということです。
ビジネスで役に立てないのであれば、後はプライベートで仲良くなって、ご紹介を得るしかありません。
具体的に、私の職業である弁護士を例にとります。
まずは悪い例です。
「弁護士の谷原誠と申します。弁護士になって22年、47歳です。法律問題に幅広く対応しています。何でもやりますので、困ったことがありましたらお願いします」
自己紹介としては十分に成立しています。
たしかに弁護士は、法律問題に幅広く対応しなくてはならず、何でもやらなくてはならない側面がありますので、間違いではありません。
しかし、法律問題に詳しくない人から見て、これでは何を相談できるのかよくわかりません。
のちに問題が発生した場合に、存在が思い出されることもないでしょう。
ビジネスにつなげるためには、氏名等の後に例えば
「会社側にたって、労働問題を解決したり、未然防止対策を立案しています」
「交通事故の被害者の代理人として、損害賠償請求をしています」
「そのような問題があったり、お知り合いでお困りの方がいらっしゃいましたら、初回は無料で対応しますので、遠慮なくご相談ください」
というように、相手にどのように役に立てるか、という自己紹介をした方がよいでしょう。
自己紹介は、ビジネスの重要なファーストコンタクト。
自分が実現したい目的、話す相手によって、効果が最大になる言葉を選択することが重要だと思います。
そして、その後の話で、時間があれば、「なぜ、その問題を扱っているのか」という思いまで語ることができれば、さらに相手に強く印象づけることができると思います。
「俺は……『一人の軍隊』だ」(ゴルゴ13の自己紹介?)
今回は、ここまでです。
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『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』
人生で成功するには、論理的思考を身につけること、他人を説得できるようになることが必要です。テレビ朝日「報道ステーション」などテレビ解説でもお馴染みで、「するどい質問力」(10万部)、「弁護士が教える気弱なあなたの交渉術」(アマゾン1位獲得)の著者で現役弁護士の谷原誠が、論理的な思考、説得法、仕事術などをお届け致します。
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