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卑劣な手段は日常茶飯事も、日本がソッポを向くと困る中国

中国の経済手法は、日本人にしてみれば「よくそんなことが出来るな!」と卑劣に感じてしまうことも多いようですが、中国人にとっては自然な常套手段です。果たして、中国はこのままで良いと思っているのでしょうか? また、日本はこうした対応についてどのような姿勢を取れば良いのでしょうか? メルマガ『中国大連ビジネスリポート』の高瀬正博さんは、中国と上手く渡り合うために日本企業が取るべき態度についてのヒントを紹介しています。

日本企業はもっと力強く前へ

一昨日は日本から2泊3日の予定で友人が大連に来ました。彼は8年前大連に2年住んだことがあり、市内はほとんど知り尽くしています。今回は日本企業から依頼された機械部品加工工場や日本製機械の納品先などを訪問し、製品の品質検査などもするとのこと。彼は年に5~6回は大連のみならず上海、広州、杭州、青島など、中国全土を巡回しています。

そんな彼が宿泊した「スイッシュホテル」は市内中心部にあり、このホテルに隣接して「マイカル(高級スーパー)」があります。そこで地下の食料品売り場へ行ってみたところ、あまりの客の少なさに驚いたそうです。ついでにふと「寿司盛り合わせ」が目に留まり、価格を見たら40元(約800円)もして、これじゃ日本のコンビニの方が価格は安いし品数もあるよ、と呆れていました。

ここ3年前あたりから急速価格の高騰が著しくなり、市民たちの生活底から脅かしています。大連での給与上昇により経営者は頭が痛いところですが、それに比例するかのように物価も上がっていくのであれば、プラマイゼロの感覚しか残らない労働者が多くいるのです。

反面、直売を専門とする朝市などには、相も変わらず多くの買い物客で賑わっています。そこで売られている魚肉類、野菜類、果物類などは、新鮮で安価なものが多く、市民の生活を支えています。

この様なことから、大連の経済状況今後どうなるのだろうか? と、不安になる日本企業関係者も少なからずおられることでしょう。

そう思われるのはごく当然のこととは思いますが、中国のやること、仕掛けることを、二、三歩先から観察してみると、そこに見えてくる仕手戦が浮き彫りになってきます。

寄り添ったり、突き放したり

日本人の性格からすると、よくそんな事を平気でするな、出来るな、と、思いがちになる卑劣な手段手法は、中国にとってはごく自然の方法であり常套手段に過ぎません。この様なチグハグな行動を起こし始めたときこそ、日本断固強気な姿勢対応すればいいことで、そこにかつて無かった真の対談の場が可能になるのです。

中国人の夫婦喧嘩にしても同じで、お互い外の通りまで聞こえるぐらいの大声で怒鳴り合うし、なかには2人が叩き合っていることもあるし、また物を投げるなどそれぞれのシーンがあります。直にこういう現場を見ると、本当に凄まじい状況がよくわかります。

そういう喧嘩は、だいたい10分から15分ぐらいでおさまります。一旦収まると何事も無かったように夫婦仲良く語り合っているなんてことは、日常茶飯事なのです。お互い腹に有ることをすべて吐き出してしまうのですね。

日本人夫婦の場合はどうでしょう? 根に持たれてしまいそうですね。ですから、何も言わずに大方は妻のみが我慢するのが多いのでは? 行く末いきなり離婚を告げられるという結末に?

まっ、他人様のことはさておいといて、中国との外交手段手法とても大事なんです。中国にとって、日本が離れていってしまうことは、最大のデメリットであることは百も承知のこと。日本から学ぶべきものが多いことは、政府のみならず一般人民までもが分かっています。

中国人観光客日本で爆買いしている現状をとらえて、中国人気商品の魔法瓶」などの関税率を半減させたりしています。このことからも、いかに日本の製品が中国人に信頼されているかです。今後もメイドインジャパンの製品は、中国全土13億人のマーケット挑戦し続けてもいいのではないでしょうか。

この様なことを日本で会社経営している友人に話したところ、今さら中国に現地法人を設立しようと考える企業は無いに等しい、と言われました。しかし僕は、折角信頼されている日本の商品を売れるときに売った方がいいんじゃないかと思っているのです。たとえ大連市だけでも、ここを基点として全国に広げていけるのですから。

ただ現地法人を設立する経費が壁になるようですから、僕は「業務代行事務所」として進出希望企業のアンテナショップ的な役割を担ってみようと思い立ちました。そうすれば、嵩む経費は少なくおさえられるし、その商品が売れる、売れない、のリサーチも出来るしで、お互いにとっても宜しいのではと思うのですが。

日本企業は、もっと力強く、前へ出てほしい。

image by :中国・大連の街角(撮影/MAG2NEWS)

 

『中国大連ビジネスリポート』
中国大連在住15年目の私が大連市における日系企業の現況、進出企業へのアドバイス、現在から今後起こりうる法務一般、人材育成及び派遣、教育(日本人駐在社員、中国人社員)等について基本的な内容をお届けします。
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