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中国株大暴落が警告する危険信号。習近平は世界を道連れにするのか

株価が大暴落し上海株式市場の取引が中止になるなど、年始から何かと騒がしい中国。1月16日には台湾の総統選も控えています。2016年、中国は、そして世界はどう動くのでしょうか。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の中で黄さんは、「自爆テロより恐ろしい中国による無理心中」を警戒しています。

【中国】年初からの中国株大暴落が警告する危険信号

株急落の上海株式市場で初めての「サーキットブレーカー」発動─中国

中国上海株式市場は、中東情勢や経済の先行き不安から、1月4日の年初の取引で暴落し、前年末日6.86%安となったため、今年から導入したばかりのサーキットブレーカーが発動して取引が中止となりました。

この余波は日本とアメリカにも及び、各国で年初から大幅な株安を招きました。

一説によれば、昨年夏の大暴落時に決めた、大株主に対する株式売却禁止措置が1月8日に期限切れとなるため、それを見越して売り注文が殺到したとも言われています。

中国株の売却禁止、解除見通し-海外から批判浴びた措置の期限迫る

再び中国政府が株式売却禁止措置を延長する可能性もありますが、いずれにせよ、アメリカの利上げもあったことで、中国経済から早く脱出したいと考えている人たちが増えていることの現れでしょう。

北京の天安門広場では、華やかな新年歓迎式典が行われましたが、大気汚染は相変わらずだし、大気汚染の根源となっているエネルギー問題を解決するには様々な問題が絡んでいてなかなか着手できないのが現状です。

大気汚染の元凶となっている石炭の消費が減り、鉱山がひとつ閉鎖されれば10万人が失業すると言われています。しかし、去年は石炭の価格が暴落し、生産過剰状態が続いたために閉山や閉鎖に追い込まれる石炭関係企業も多くありました。

ネットにあふれる怨嗟の声 中国と習近平の「悪循環」が止まらない 経済失政、戸籍差別、権力闘争…2016年、何が起きてもおかしくない

その他、鉄鋼やセメント、硝子などの工業系製造業全体が閉塞気味にもかかわらず、習近平は解決策を見いだせずに放置し続けています。おまけに、前述したような中東情勢です。

香港では5日、中国で発禁処分となった書籍を扱っている書店の経営者や社員が行方不明になって騒ぎになっています。香港では、ここ数年中国による言論弾圧が問題となっており、一国二制度を尊重すべきだと市民は反発を強めているところでした。

<中国は今!>香港で発禁本扱う書店幹部4人が不明、中国共産党が圧力?

昨年も「中国の教父(ゴッドファーザー)習近平」という本が大陸で発禁となり、この出版元の香港の出版社社長が失踪し、後に密輸の罪で懲役10年の判決を受けたということがありました。

そんななかでの今回の騒動ですが、一応、香港での連行は騒ぎが大きくなるため避けたようで、関係者は深センやタイで消息を絶っているようですが、年明け早々急いで連行しなければならない事情でもあったのでしょう。

習近平は就任以来、毛沢東を意識した発言を繰り返してきましたが、去年末に開いた中央都市工作会議は、鄧小平が開催して以来開かれたことがなかったもので、じつに37年ぶりの開催でした。毛沢東の次は鄧小平のマネです。

政策をマネして実際に成果を挙げるならまだしも、形式や態度や演説をマネするだけで、表面的にはキレイなことばかり言っていますが、中身は空っぽなものばかりです。

一方、習近平は年末年始にかけて人民解放軍の改革に着手しました。「ロケット軍」「陸軍司令部」「戦略支援部隊」の3組織が新設されたほか、空軍、海軍の司令官などの重要ポストも近く人事刷新が行われ、習氏に近い人物が起用される見通しです。

習近平氏の軍掌握着々と…人民解放軍に「ロケット軍」新設 人事も大幅刷新へ

とはいえ、現在の軍の制服組のトップは、当中央軍事委員会副主席の范長龍と許其亮ですが、この2人は胡錦濤政権時代に選ばれた人物であり、習近平人脈ではありません。つまりまだ習近平は軍権を完全には掌握していないわけです。はたして近々行われる人事がどのようなものか、注目すべき点だと思います。

そしてもうひとつ近々の出来事で注目なのが台湾での総統選です。いよいよ今月16日の投票日が近づいてきました。

台湾では、16日の選挙で民進党の総統が誕生することがますます確実となってきている情勢です。国民党が「汚い手(袖の下)」を使わない限り、この流れは変わらないでしょう。蔡英文の支持率はずっと半数近くをキープしており、国民党の朱立倫、新民党の宋楚瑜2人の支持率を足しても及ばないほど差が出ています。

テレビ討論会では、アメリカ大統領選のそれをモデルにやっているものの、そんなもの必要ないという意見も台湾では多くあります。なぜなら、これまで国民党が公約を守ったことがないからで、事前に公約を討論したところで当選すればどうせ知らんぷりだろうという気持ちがあるからです。

馬英九の「六三三」(所得6万台湾ドル、成長率3%、失業率3%以下)という公約は、実際は「一二三」でした。また、テレビ討論会で好印象を与えることができれば票獲得につながるため、候補者は平気で嘘の公約を掲げたりもします。そのため、台湾ではテレビ討論会反対派が多いのです。

それはともかく、蔡英文総統が誕生した後、中国の台湾政策はどのように変わっていくのか。軍権を掌握するかどうかということも、これに関係してくるでしょう。

かくして、国際政治の大きな変化と、習近平による中国国内での権力闘争が、はたしてどのような事態を招来させるかということが、2016年の注目ポイントとなります。

世界が恐れているのは、習近平が衰退する経済と権力闘争の敗北でヤケクソとなり、暴走して世界を道連れにすることです。中国による無理心中は自爆テロよりも怖いのです。

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黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』より一部抜粋

著者/黄文雄
台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!
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