なぜ子が成長すると「生まれてくれてありがとう」を忘れてしまうのか

2016.02.04
by NozomiK
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育児に悩みはつきもの。ともすれば、思い通りに育ってくれない子供に対して歯がゆさや不満に似た感情を抱いてしまうこともあるかもしれません。そんな方に是非読んでいただきたいのが、無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』で紹介されているエピソード。「生まれてきてくれてありがとう」という思いを再確認させてくれる、とある家族の切ないストーリーです。

生きていてくれるだけで……

以前教えたある男の子のお母さんから年賀状をいただきました。そこには「妹の○○が大学受験です」とありました。

「妹の○○」というのは私が教えたK君の妹のことです。妹のことが書いてあってK君のことが書いてないのは、K君がすでに亡くなっているからです。

K君が生きていれば22才で、立派な社会人になっているか、あるいは就活の真っ最中だったかも知れません。

私はK君が小学1年生の時に受け持ちました。元気いっぱいで、本当に子どもらしくてかわいい子でした。

そして、とても感性が豊かな子でした。K君の書く日記には、自分が発見したことや感じたことが素直でオリジナルな表現で書かれていて、読むのが楽しかったです。

次の年に、私はもう一度1年生を受け持つことになり、2年生に持ち上がりませんでした。

2年生になってしばらくした頃、K君は重い病気にかかり、大きな病院に入院しました。お父さんお母さんは溢れんばかりの愛情で慈しみましたが、無情にも病は進行しほどなく亡くなりました。

このときのご両親の心中を思うと今でも胸が痛みます。同級生の子どもたちも、みんなK君の死を心から悼みました。

K君には本当に大きな未来があったはずなのに、それを思うと何とも言えない気持ちになります。

やる気満々で入学してきて、真新しいランドセルを背負って元気に通っていたのに……。

友達と遊んだりケンカしたり、字を覚えたり計算を覚えたり、大きな声で本を読んだりしていたのに……。

それもわずか1年半の間でした。

今、私は思います。

世の中のお父さんお母さんは、子どもが「勉強しない」「やるべきことができない」「片づけができない」「落ち着きがない」「話を聞かない」と嘆いています。

でも、本当は、生きていてくれるだけでありがたいのではないでしょうか。それは決して当たり前のことではなく、ありがたいことなのではないでしょうか。

もう一度そのことを思い起こし、今ともにあるこのときを大切にしてください。溢れんばかりの愛情で慈しんであげてください。

image by: Shutterstock

 

親力で決まる子供の将来
5年連続でメルマガ大賞の「教育・研究」部門賞を受賞!家庭教育メルマガの最高峰。教師生活23年の現場経験を生かし、効果抜群の勉強法、子育て、しつけ、家庭教育について具体的に提案。効果のある楽勉グッズもたくさん紹介。「『親力』で決まる!」(宝島社)シリーズは30万部のベストセラー。
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