知ればすぐ行きたくなる、温泉・10の泉質と効能

2016.03.04
by Mocosuku
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温泉好きで知られる日本人。ある調査では、回答者のおよそ8割が「温泉好き」と答えたそうです。

また、「1年に温泉に行く回数」を聞いたところ、20代の女性が「平均2.73回」と答えた一方で、30代~40代の女性は「平均4.63回」で、30代以降になると、温泉に行く回数が増えることが分かりました。

そこで今回は、温泉大好き女子知っておきたい、温泉の効果や泉質についてご紹介します。

治療効果がある「療養泉」

温泉には、いくつかの種類がありますが、そのうち医学的に治療効果のある温泉水のことを「療養泉」といいます。

療養泉は主成分によって10種類の泉質に分類されており、共通して効果が見られる一般適応症のほかに、泉質別適応症があります。

これらの適応症の中には、女性に多いと言われている、関節リウマチや冷え性、便秘、自律神経不安定症、鉄欠乏性貧血なども含まれています。泉質の種類とそれぞれの適応症は以下になります。

一般適応症(浴用)

・共通して効果が見られる適応症
筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺による筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、抑うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進

10の泉質と泉質別適応症

(1)単純温泉
 浴用:自律神経不安定症、不眠症、抑うつ状態

(2)塩化物泉
 浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
 飲用:萎縮性胃炎、便秘

(3)炭酸水塩泉
 浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
 飲用:胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常、高尿酸血症(痛風)

(4)硫酸塩泉
 浴用:塩化物泉に同じ
 飲用:胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘

(5)二酸化炭素泉
 浴用:きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
 飲用:胃腸機能低下

(6)含鉄泉
 飲用:鉄欠乏性貧血

(7)酸性泉
 浴用:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常、表皮化膿症

(8)含ヨウ素泉
 飲用:高コレステロール血症

(9)硫黄泉
 浴用:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症(硫化水素型の場合末梢循環障害も)
 飲用:耐糖能異常、高コレステロール血症

(10)放射能泉
 浴用:高尿酸血症、関節リウマチ、強直性脊椎炎など

美肌効果はあるの?

温泉と聞くと、美肌効果や美容効果をイメージする人も多いと思いますが、「美肌や美容」というのは、疾患ではないため、適応症の中には含まれていません。

では、なぜよく「美肌効果」が注目されるのでしょうか?

それには、温泉のpH(水素イオン指数)が関係しているようです。pH値はpH7を中性として、それより小さくなるほど酸性が強く、それより大きくなるほどアルカリ性が強くなります。

肌に与える効果としては、酸性の温泉は殺菌効果に優れ、古い角質を除去してくれます。また、アルカリ性の温泉には、お肌の汚れを落とす効果があると言われています。それは、皮脂とアルカリ泉が作用すると界面活性作用と乳化が起きて、まさに石鹸で洗っているようにツルツル・ヌルヌルした感じがするのです。

しかし、肌の強さや受ける刺激は人によって異なるため、なかには刺激が強いと感じる人もいます。お肌に合わないと感じたり、体調に変化があった場合は、無理せず、上がるようにしましょう。

このように、女性にとってうれしい効果が期待できる温泉ですが、温泉には一般的禁忌症、泉質別禁忌症、含有成分別禁忌症などがあり、注意が必要な方もいます。これらの禁忌症や注意事項は、掲示が義務付けられている「温泉分析表」に載っていますので、よく読んで上手に温泉を利用しましょう。

執筆:井上愛子(保健師)
監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)

参考:
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社「温泉に関するアンケート調査」

星のリゾート「温泉のpHがお肌に及ぼす作用」

環境省「温泉法第18条第1項の規定に基づく禁忌症及び入浴又は飲用上の注意に掲示等に関する新旧対照表」

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記事提供:Mocosuku

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