安倍総理「保育士の給料を上げる」宣言は、なぜ賞賛されるのか?

 

「保育士」は「聖業」

ちょっと極端な話でしたが、国は「保育士」の皆さんを全力で大切にすべきです。まず、お母さんは、お子さんを保育園に預けることで、安心して仕事をすることができます

2番目に、保育所があると、お母さんは幸せでいられます。私も2人子供がいるのでよくわかります。子育ては、「喜びいらだちが共存しています。子育てにかかわる人が多いほど、喜びは増え、いらだちは減っていきます。一番大変なのは、お母さんが事実上1人で子育てしている場合。これは、大変なストレスです。お父さんが子育てに参加し、おじいちゃん、おばあちゃんが子育てを手伝い、保育所にも手伝ってもらう。こういう状態なら、お母さんは、喜びに満ちて子育てをすることができるでしょう。お母さんが幸せであれば子供もきっと幸せであるに違いありません。

第3に、保育士の皆さんは、「日本の未来を育てている」ということです。大げさではありません。保育士さんが預かっている子供たちはやがて成長し、大人になり、仕事をするようになるでしょう。

その保育士さんが、長時間労働で、安月給で、「あ~、しんどい! なんで俺は、こんな安月給で、うるさいガキの相手しなきゃあならねえんだよ~」なんて心の中で思っていれば? そんな人に、大切な日本の未来を預けたくないですね。そうではなく、「私は、日本の将来を担う子供たちを育てている。責任重大だ。大切にこの子たちを守っていこう!」という志ある人に見てもらいたい。

というわけで、保育士はまさに聖業」。国は、「十分な給料」で、保育士さんを守るべきでしょう。ちなみに保育士さんの平均年収は、310万円ほどだそうです。月額26万円弱ですね。正社員の平均年収は、2015年時点で415万円だそうです。ですから、保育士さんの給料も、正社員の平均年収並に、徐々に引き上げていく必要があるでしょう。

ちなみに、日本の就労人口の約4割を占める非正規社員。平均年収は、約170万円だそうです。安倍総理のイニシアチブで、保育士さんたちの待遇を改善する。その後、非正規社員の人たちに、「勉強して保育士になりませんか?」と呼びかければ、「私もやってみようかな」という人もかなりいるのではないでしょうか?

というわけで、「保育士日本の未来を育てる聖業」。政府は、是非待遇改善に、取り込んでいただきたいと思います。

image by: cowardlion / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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