日本初、韓国のプロゲーマーに法務省が「アスリートビザ」認定

2016.03.31
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by 横田吉木
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3月30日、プロゲーマーのチーム「DetonatioN Gaming」の韓国人選手2人が、日本で初めて興業ビザ基準省令3号を取得したと発表した。

興業ビザ基準省令3号とは、一般的にアスリートビザと呼ばれるもので、外国人プロ野球選手やサッカー選手など、日本に長期滞在するために取得するビザ。

今回の韓国人選手2人がビザを取得したことで、法務省がeスポーツを正式にプロスポーツとして認めた形となった。

eスポーツとは

エレクトロニック・スポーツの略称で、格闘、シューティング、戦略などの対人ゲームでの競技のことを呼ぶ。高額な賞金のかけられた世界的な規模の大会も多く開催されており、年収1億円を超えるプロ・ゲーマーも存在している。

e-sports大会の様子 写真提供:株式会社SANKO

e-sports大会の様子 写真提供:株式会社SANKO

日本でも最近盛り上がりつつあったが、外国人選手が日本の大会で賞金を得るためのビザ問題や、景品表示法や賭博法による大会での賞金額の規制などの問題が噴出していた。

ビザ取得まで道のり

現在日本で就労可能なビザは、ワーキングホリデー、学生ビザ+資格外活動許可、就労ビザの3種類。ワーキングホリデーは審査基準が高く、学生ビザ+資格外活動許可はコストが高い、就労ビザは申請条件が厳しいという現実がある。

さらにビザを取得した2選手が戦うeスポーツのタイトル「League of Legends」の日本リーグでは、1月から始まったリーグ戦の決勝戦が4月10日に国立代々木競技場第二体育館で行われ、4ヶ月以上の長い戦いを強いられる。

長いシーズンを安定的に戦い抜くには「アスリートビザ」を取得する必要があるため、今回の申請に至ったという。

ビザ申請の理由は他にもある。Jリーグ黎明期に競技レベル向上の一貫でジーコなどの外国人サッカー選手を招聘したように、海外からプロゲーマーたちを招聘し、競技レベルの向上と日本のチームが世界で活躍できるようにするためという目的も込められているという。

実際に2選手が「League of Legends」の日本リーグに参加してからは、リーグの競技レベルも、周りの選手の意識も向上したという。

ビザを取得した2選手。左:Eternal選手 右:Catch選手

ビザを取得した2選手。左:Eternal選手 右:Catch選手

ちなみにアメリカでは、2013年にプロゲーマーに対してアスリートビザが発行されており、世界的にeスポーツをプロスポーツとして認知する動きが進んでいる。

このビザ取得に貢献したとされるのが、公明党所属衆議院議員・漆原良夫氏と、民進党所属衆議院議員・松原仁氏らによる「オンラインゲーム議員連盟」だ。

漆原良夫氏

漆原良夫氏

漆原氏は「若い人たちが情熱をもって取り組んでいる世界があり、海外の子供に聞くとeスポーツの選手になると答える子供もいる。これは政治も応援しなければいかんと議員連盟を設立した」とコメント。

松原仁氏

松原仁氏

松原氏は「1兆円産業で急成長しているオンラインゲーム。世界では4万人のスタジアムに集まって熱狂している。日本も乗り遅れては行けない」と話した。

日本プロeスポーツ連盟が設立

そして同日、国内のプロeスポーツの業界団体「日本プロeスポーツ連盟(JPeF)」の設立も発表された。連盟はeスポーツプレイヤー、チームオーナー、大会オーガナイザー、スポンサーが一体となって設立された。

JPeFでは、「プロeスポーツの感動体験を人々と共有し共に成長していく」ことを理念とし活動していくという。

活動内容としては、ゲームをeスポーツとして扱うことで生じる、周辺企業との橋渡し、大会運営、配信、チームマネージメントといった役割をサポートするとのこと。こうしたサポートから雇用創出も期待できるのではないかと担当者は話す。

さらに日本初となるプロゲーマー養成コースを創設した東京アニメ・声優専門学校の“e-Sports プロフェッショナルゲームワールド”などの教育機関と連携し、eスポーツ専門カリキュラムを作成して、eスポーツ運営の実習を行うとのことだ。

eスポーツ関連の業界団体としては3番目で、先に発足している一般社団法人 e-sports促進機構と、一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)との違いを「スタート段階でやりたいことが違ったため」と説明する。

e-sports促進機構は「賞金問題の解決」、JeSPAは「JOC加入」、今回立ち上がった「日本プロeスポーツ連盟」は、ビザの問題や景品表示法による大会での賞金額の規制など、プロがプロであらんとするための整備をしていくとのこと。

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3団体それぞれがこれからの日本のプロゲーム・eスポーツ業界をより良くしてくれることを祈るばかりだ。

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