創業者の反逆。セブン&アイの退任劇に見る、カリスマ時代の終焉

 

カリスマが引っ張った20世紀の世界

20世紀の政治、経済界はカリスマが引っ張ってきた時代ともいえる。政治ではケネディ・ニクソン・レーガンのアメリカをはじめ、毛沢東・周恩来・トウ小平の中国、スターリン・ブレジネフ・ゴルバチョフ・プーチンのソ連、サッチャー英首相にシュミット・コール西独首相らが東西両陣営をリードしてきた。

日本の経済界でもソニーの盛田・井深の創業者コンビ、パナソニックの松下幸之助、トヨタ自動車の豊田家などカリスマ経営者らが戦後の中小企業を世界的企業に育てあげた。コンビニは遅れてやってきた業界だが、その先頭に立って日本人のライフスタイルまで変えてきたのが鈴木敏文氏らだった。

冷戦とバブル崩壊後は、どの国もどの経済業界にもカリスマ的存在の人物はいなくなり、過渡的社会の中でもがき苦しんでいるのが実情だろう。世界を統治できる国は衰退、経済界を引っ張ってきた産業も衰弱し、代り得る産業や企業はまだ見えていない。

世界はデフレの時代に入り、先進国に代わって国際経済を下支え、あるいは引っ張るかにみえた中国、東南アジア、資源国もいまや青息吐息でとても世界経済を引っ張れる状態にはない。しかも20世紀をけん引してきたカリスマ型経営者、政界の指導者もこれからの時代がどう動くか、はっきりつかめず混乱している。途上国、貧困国の爆発的人口増大と、先進国、中間層国家の人口減少の中で、世界はどう折り合いをつけながら進んでいくのか。

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