新幹線内で震災発生、7時間も閉じ込められたジャーナリストの体験談

 

かつてヤマトの社長に話を聞いたことがあるが、各拠点ではいつも荷物を配送しているのでどこに誰が住んでいるのかを把握している。さらに、その方々が避難所に行ったとしてもどこにだれがいるのかを大体わかっているので荷物を迅速に届けることができた。それだけでなく、市役所に沢山寄せられた荷物の仕分け方の指導もしていた。

また、電話が通じるということが非常に重要で、NTTは東北大震災の際決死の覚悟で電波塔を建てた。こういったプロの仕事は本当にすごい。有事の時のプロの人達の活用は本当に重要である。これらの話からも有事の際、地方行政はいかにプロを集めた組織を作るということも、彼らに課された大きな役割だと思う。

今回も熊本県に日本通運やヤマトの協力の申し出があり、協力を依頼することになった。阪神・淡路大震災の時は海を活用し、物資を運んだ。マネジメントをするのが市役所や役場の役割で、実務はプロに任せ、応援してもらうということが非常に重要である。荷物が積み重ねられて、最初にきた荷物がいつまでたっても運ばれることはなかったが、東日本大震災の際には先に述べたように物流のプロが活躍した。

こうして組織を作るということは平時の際には発想がおよばないけれども、いざ有事の時に慌てて作ろうと思ってもうまくいかず、日頃の訓練は非常に重要

今回、長期間にわたると少し落ち着いてきて、組織づくりもできるようになると思うが、拠点づくりと同時に、日ごろから個人の訓練はするがプロとの連携をどうするのかということを地方自治体等で常に考えておく必要がある。道路などが寸断されるといざ運ぶといってもなかなか困難となるケースも出てくる、その場合に飛行機で運ぶのか、海から運ぶのかというようなことも常日頃から考えておく必要がある。

これまで経済と国土という発想で行なってきたが、人と国土という観点から民間を巻き込んでいってもらいたいと思う。

(TBSラジオ「日本全国8時です」4月19日音源の要約です)

image by: Shutterstock.com

 

ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」
ジャーナリスト嶌信彦が政治、経済などの時流の話題や取材日記をコラムとして発信。会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会やウズベキスタンの話題もお届けします。
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