新幹線内で震災発生、7時間も閉じ込められたジャーナリストの体験談

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今だ混乱が続く熊本地震。道路の寸断などの問題により、物資がスムーズに被災地に届かない問題は連日報道されています。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、嶌さんが2004年の新潟中越地震に新幹線内で遭遇した体験から、行政主導のマニュアル対応に限界を感じたエピソードを紹介。さらに、今後の有事の対応には「民間のプロフェッショナルの力を巻き込んでいく必要性がある」と説いています。

有事の備えのカギはプロを巻き込む組織作り

この度の熊本県を中心とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

本日の「森本毅郎・スタンバイ」の「日本全国8時です」では新幹線(Maxとき332号)に乗車中、新潟県中越地震に遭遇した話をお届けいたしました。

大震災の救援について

熊本県と大分県では地震が相次ぎ、終息のメドが立たない状況。震度7は過去にもほとんど例がない。私は2004年10月23日の18時頃新潟県中越地震が発生した時、ちょうど新幹線で震源地のほぼ直上にあたる浦佐駅と越後湯沢駅の中間位の所を通過中だった。その後、新幹線がストップし7時間閉じ込められた後、鉄橋を歩いて車に乗車できる所まで移動し、避難所となっている中学校に辿りついた。

これまで発生した震度7の震災は今回の熊本地震、新潟県中越地震、1995年に発生した阪神・淡路大震災、2011年に発生した東日本大震災だが、私は阪神・淡路大震災と東日本大震災にそれぞれ発生後早いタイミングで取材にも行っている。

地震発生直後、閉じこめられた新幹線の車内は、子供が泣き、大人もいったいいつ出られるのかという不安で心配な状況が続いていた。余震が断続的に続き、停車したところが地面から20m位上の鉄橋だった為(下は川ではなく農地道路の上)、地震の揺れで新幹線が横倒しになるのではないかという不安もあった。途中でのどが渇き、水を飲みたくなって洗面所に行くが水が出ない。さらに電気が消え、非常灯が点灯する暗がりの中で心理的にも非常に不安定な状況に置かれた。

アナウンスは「現在線路を点検中で、直り次第走行を開始する」と繰り返されるのみだった。私はラジオを携帯していたので、30分位聞くことができ「この後相当大きな余震がくる」という情報を得ることが出来た。有事の際にこういった情報を持っていることで心構えもできる上、その後の対応にとっても非常に有益だ。そこで車掌室に行き、社内にラジオを流すことで不安が解消されるので流したらどうかと提案したがマニュアルに書いていないから対応できないと言われ実現はできなかった。

その後、水の確保やJR職員・お医者さんを集めた対応処置が出来る組織づくりの提案、各車両で幹事を作ることなどを30分おきぐらいに思いついたことを車掌室に提案しにいったがそこでもマニュアルに書いていないということを理由に対応が難しかった。

そこで、同じ車両にJR貨物の伊藤直彦社長が乗車していたので、こういう状況の時はアナウンスしたほうがいいよとアドバイスしたところ「新幹線は脱線したことはありません。安心してください」というアナウンスをしたことでやっと乗客が安心することが出来た。後でわかったことだが、2、3分前にすれ違った新幹線が実は脱線していた…。

こういった有事の時には情報をきちんとみんなで共有したり、組織を作るということが非常に重要である。この時の車両は10両編成位だったが、車掌が2人と運転手が1人という状態なのでみんなの所をまわるということは難しい。アナウンスを使うとみんなの不安が増幅する為車両をまわって伝えるというのだが、それでは時間がかかりすぎる。

今回の震災では大量に物資を届けようという動きはあるが、それがスムーズに機能しないという話が毎回有事の際に出てくる。地方市町村ではマネージメントは出来てもそれを運ぶということには慣れていない。その為、荷物が送られてきてもたまったままで、現場にもっていけないというようなこともある。そういう時には日通、ヤマト、日本郵政、佐川急便といったプロの物流会社に手助けしてもらったり、電話が不通になると困難な状況に陥るのでNTTに助けてもらうというようなことが必要だと思う。東日本大震災ではヤマトやNTTが大活躍している。

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