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海外旅行中に怪我や病気…確率は15%!注意したい病気と予防方法

待ちに待ったゴールデンウィーク。この機会に海外旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか? しかし、気をつけてください。メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』によると、実は海外旅行中に病気や怪我をする確率は15%と意外に高いのだそうです。海外で気をつけたい病気や予防法もまとめてくれているので、参考になること間違いなしですよ! 

【1】旅行と健康

海外への日本人旅行者と海外から日本へ入国してくる外国人は近年かなり増加してきています。世界的にも同様であり、2001年のニューヨークテロ事件があった直後の年には一時的に減少しましたが、その後は世界中で旅行者が増えています。日本国外ではISなどの過激派組織の存在は懸念材料ではありますが、現実は旅行が日常化してきているといってよいでしょう。

旅行する人が増えてきているのに伴って、旅行に関係するトラブルも増加しています。旅行中のトラブルのなかでも、病気や怪我に罹る頻度は意外に多く、目的地や期間、現地での活動内容にもよりますが、一般的に約15%程度といわれています。

新興国に滞在した場合はその割合が高くなります。ある研究によると、10万人の旅行者が平均的な新興国に旅行に行って1か月間滞在すると、5万人(約半数)が何らかの健康問題を発症していました。そして、8000人が医師を受診し、300人が入院となっていました。最終的には、このうち、50人が国外へ航空機で移送されていましたが、1人が死亡していました。

【2】旅行中に多い病気

病気の種類で最も多いのは下痢、いわゆる旅行者下痢症です。しかしながら、下痢による旅行者の死亡率は低く、死亡原因でみた場合、心臓病による死亡が最も多く、次に交通事故、溺水(溺れて死亡すること)、となっています。心臓病による死亡の多くは、もともと心臓病の危険因子(喫煙、高血圧、糖尿病など)を持っている人々に起きています。

頻度の多い下痢などを代表とする感染症は旅行につきものの印象がありますが、感染症による死亡は、全死亡ケースのうち約1%と、意外と少なくなっています。下痢以外には、マラリアやデング熱の頻度が多いですが、感染症の内容は地域差が強いので、渡航前に医師などと健康相談をしておくことをお勧めします。ワクチンや薬剤内服(マラリアなど)による予防が確立している感染症があるので、渡航前に余裕を持った期間を確保して受診することが重要です。

その他に頻度の多い健康問題は、体内時計のリセット困難(時差ボケ)、脱水、日焼け(ひどい場合にはやけどの状態にもなります)、下痢症以外の水関連の健康被害(溺水寸前やダイビング・ボートでの事故)などがあります。

【3】旅行の予防医学

高齢の旅行者では、心臓や肺の病気の悪化に注意すべきです。上空を飛んでいるときの航空機内では機内の酸素分圧が低くなるので、これらの病気の増悪に注意する必要があります。妊婦の場合には、冒険や探検、危険な場所へ行くことなどのリスクの高い行動は控えたほうがよいでしょう。

また、持病を持つ方は、その種類と内服薬の詳細内容、アレルギー歴などについて、英語や現地用語で記載したメモを携行することをお勧めします。内服薬は渡航前に十分に補充しておくと安心です。健康保険や傷害保険の内容も確認しておくとよいと思います。巨額の医療費を支払うことになった人も多くいるようです。

最後に、最新の渡航医学知見の「まとめ」をお示しします。

 

参考文献

McIntosh IB. The Pre‐Travel Health Consultation. Journal of travel medicine. 2015;22(3):143-4.

image by: Shutterstock.com

 

ドクター徳田安春の最新健康医学
世界最新の健康医学情報について、総合診療医師ドクター徳田安春がわかりやすく解説します。生活習慣病を予防するために健康生活スタイルを実行したい方や病気を克服したいという方へおすすめします。
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