新緑に映える艶やかな舞。チャップリンも愛した京都「鴨川をどり」

 

お待ちかねの鴨川をどりはエンターテイメント性のあるお芝居と花柳界独特が感じられる舞の2部制です。第1部は明るくて楽しく分かりやすい演目が多く、今年は源氏物語の葵です。ちなみに昨年は西遊記でした。第2部は花街の色彩美。舞妓さんも加わって総勢20名ぐらいになります。第1部のお芝居とはガラリと変わって、花柳界独特の雰囲気が楽しめますよ。今回は6景の構成で、道中又六―東下りです。

先斗町の芸舞妓さんの4月のスケジュールはほとんど稽古でいっぱいです。もちろん夜は毎晩深夜までお座敷に上がります。5月の鴨川をどりの直前は大忙しなのです。踊りだけでなく、三味線、浄瑠璃、お囃子のお稽古もあります。彼女たちは生涯現役で昼間はほとんど毎日何かのお稽古をしながら芸を磨いています。贔屓のお客さんから夜のお座敷に呼んでもらえるよう日夜努力しているのです。鴨川をどりの舞台はそんな1人1人の芸舞妓さん達の日々の努力が大きく花開く瞬間です。

花街のをどりは歌舞練場の舞台で行われる演目だけではありません。あまり堅苦しく考えずに、歌舞練場の建物や芸舞妓さんの衣装や花街の雰囲気も楽しんで下さい。私も花街のをどりに興味を持つようになり、歌舞伎や能、狂言などにも少しずつ興味を持つようになりました。伝統芸能は敷居が高いイメージがありますが、庶民の文化に由来しているものがほとんどです。これを機会に芸能への興味、伝統文化への扉を開いてみて下さい。

いかがでしたか? 京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

 

 

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