新聞各紙は「五輪買収」疑惑をどう報じたか? そこに電通の名は?

 

5年以下の拘禁刑…

【読売】は社会面。見出しを以下に。

  • 送金「ロビー活動費」
  • 東京決定1か月前 世界陸上で訴え
  • JOC会長 正当性主張 国会答弁
  • 「コンサル料」の使途 捜査焦点

uttiiの眼

《読売》が指摘する重要なポイントは、世界反ドーピング機関の独立委員会がまとめた報告書で、「ディアク氏と(息子の)パパマッサタ氏が関わった不正なカネのやりとり」に、BT社の口座が使われたと書いてあるところだ。《朝日》記事の記述ではその点が曖昧だったし、後で取り上げる《毎日》《東京》も、その点には触れていない。

また、《読売》記事の特徴は、この問題の刑事捜査がどう展開するかということについての説明を書き込んでいる点。この点の記述も、他紙にはない。

それによれば、日本と違い、フランス刑法では民間人同士も贈収賄罪に問われ、贈賄側は5年以下の拘禁刑が科せられるという(未確認:内田)。仮に、BT社がコンサル料の一部を票のとりまとめ以来など贈賄名目で渡していれば罪に問われることになり、日本側が共謀していれば同様に罪に問われる可能性があるという。また、日本とEUの間には、刑事共助協定があるので、事情聴取など、「捜査共助」を要請してくることもあり得、日本の捜査機関がJOC関係者から事情聴取したり、口座記録を取得したりしてフランス当局に提供することになるかもしれないと。ただし、民間人同士の贈収賄は、日本では罪に問わないので、強制捜査の要請は拒否できるという。

思うに、フランス当局は、ロシアから賄賂をもらっていたとおぼしきディアク親子の、いわば「余罪として、五輪招致に関わる贈収賄事件を発見してしまった形だろう。現在のヨーロッパでは、スポーツに関する汚職を罰する国が多いようだ。刑法が直接適用されるドイツやオーストリア、特別刑法が用意されているらしいフランス、スペインなど。日本は公務員に対するものしか罰しない法体系になっているが、竹田会長の見え透いた全否定の様を観るにつけ、そろそろ考えた方が良いのかもしれないと感じる。この問題で、日本だけアウトサイダーというのは具合が悪そうだ

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