新聞各紙は「五輪買収」疑惑をどう報じたか? そこに電通の名は?

 

東京招致委の危険な「背伸び」

【毎日】は3面の解説記事「クローズアップ」をこの問題に充てている。見出しは以下に。

  • コンサル費「必要」強調
  • JOC会長、疑惑否定
  • 開催費 見通し甘く

uttiiの眼

《毎日》は、招致活動にかかった経費89億円のうち、海外コンサルタント費については、民間からの寄付や協賛金を集めていた招致委で負担しているので、東京都の経費つまり税金からの支出ではないという竹田会長の主張を紹介している。その通りなのだと思うが、さすがに税金が原資となっているところからは、買収用の汚いカネは出せなかったというだけのことだろう。会長自身汚いカネと認識していたからに他ならない。

《毎日》は、不信の目を向けられる理由として、BT社の人脈について書いている。「ロシア選手のドーピングを黙認する代わりに現金を受け取っていた疑い」で捜査対象となっている前国際陸連会長ディアク氏と息子のパパマッサタ氏。そのパパマッサタ氏と親しいのが、BT社の経営者イアン・タン氏(《朝日》の記事に登場するタン・トンハン氏のことだろう)ということになる。しかし、《読売》が書いているような、口座のことは書いていないので、もう1つ関係が分かりにくい。要するに、ディアク前会長のウラ営業担当がタン氏とBT社であり、その会社口座がウラ金の入り口になっていた可能性が高いということ。これが決定的だと思うが…。

しかし、《毎日》の記事の最大の特徴は別の所にある。後段の1,000字ほどは、コンサル費支出に至る招致活動を取り巻く状況についての解説と、この問題に止まらず、「五輪への不信感を招いた背景についても筆が及んでいる。

猪瀬都知事の「イスラム諸国はけんかばかり」発言や東電福島原発事故での汚染水漏れなどで逆風に晒されていた東京が、最大のヤマ場と考えて力を集中したのが、13年8月にモスクワで開かれた陸上の世界選手権。「その前に、タン氏が自ら売り込みを掛けてきた」という。なり振り構わず、招致委が打った手が、2億3,000万円の契約だった(東京がカネを使ってでも必死になってやってくるという「情報」を誰がタン氏サイドに伝えたのか、そのあたりは是非知りたいところだ。そこも利益の分け前に与っているはずだ。:内田)。

さらに、大会費の膨張の背景には、最大の弱点だった国内支持率の低さを改善するためには、大会諸経費をできるだけ低く見せかける必要があり、だからこそ、招致決定後にそれらの「甘い見通しが次々と覆されてきたということだ。《毎日》のこの視点は素晴らしい。

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