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Apple Musicを始めた。いつもと同じ日が、忘れられない毎日になった

続々とスタートした、定額制音楽ストリーミングサービスのなかでも、大本命の存在と目される「Apple Music」。トライアル利用したユーザーから、さっそく賛否両論の声があがっていますが、『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』に寄稿されていたイラストレーターの吉井宏氏によるレポートによると、かなりイイ感じのようで。「Appleらしい最高のサービス」と吉井氏が評した、その極上の使用感とは?

Apple Musicが始まった~!

事前の情報どおりなら「3か月お試しトライアル」なんていらん! 今すぐ正式申し込みするぞ、と思ったけど、できないのだったw 1日遅れでトライアルを登録したものの、あいまいな情報に翻弄され、結局3日くらいかかっておおよその様子がわかってきた。

基本的な使い方はこれだった

Apple Musicの使い方を説明した記事がWebにいっぱい出てきてるけど、ほとんどiOSのアプリの解説ばかりで、Macのがない。わからないので最初は、iTunesストアで試聴しまくるのと同じく、検索や関連アーチストを辿るような使い方してた。

右肩のハートマークは、「おすすめ」を推測するのにも使われるお気に入りボタンだろう。その左のプラスマークをクリックするとチェックマークになるけど、何? あ~なるほど、わかった! チェックすると、iTunesの従来のプレイリストに自分の所有アルバムと同様に並ぶのね。再生するときはその曲のデータがこちらにあるか向こうにあるか気にする必要はない、と。

で、追加したApple Music由来のアルバムは「オフラインで再生可能なミュージックのみ」表示にすると、プレイリストから消える。納得。

ラインナップが意外に少ない?

iTunesストアにある曲が全部聴けるわけじゃないのね。なんと、YMOが1枚もない。大瀧詠一もない。ビートルズだってない。レコード会社によるだろうしそのうち増えるんだろうけど。

たとえば、カイリー・ミノーグはPWL時代のアルバムがゼロ。Soniaやジェイソン・ドノヴァンも。PWL関連全滅かと思ったら、デッド・オア・アライブのPWL時代のはあった。まあ、PWLでほしいアルバムは全部買ったからいいけどw

マニアックなやつはどうだ? 映画音楽の作曲家アレックス・ノースを検索してみると、いっぱいある! ロン・グッドウィンもある~。ジョン・ウイリアムスなんか死ぬほどたくさんある~w

ブルーグラスもスティールパンもいっぱいある。ペンギンカフェもあった。バブル前のシャラクセエ音楽だけど、好きなんですw ラインナップ、僕的にはまあ、セーフだな。

しかし、聴き放題が各社揃ってくると、聴き放題にないアルバムは存在しないも同然だなあ。

>>次ページ iTunesにない曲はどのくらい?

iTunesにない曲はどのくらい?

おめでとうございます~!! →自分

「あなたの音楽の趣味はそれほど特殊ではなく、ごく一般的なものであることがAppleによって証明されました。」

MacBook Airで新しく空のiTunesライブラリを作り、iCloudミュージックライブラリを有効にしてみたところ、「2090枚のアルバム/195.64GB」とステイタスバーに表示された。

一方、外付けSSDのメインのiTunesライブラリは「2101枚のアルバム/185.25GB」との表示。

つまり、iTunesストアにないアルバムは11枚しかないのだった。僕の音楽の趣味は特殊だから、1~2割くらいはiTunesストアにないアルバムだろうと思ってたけど、たったの0.5%だったw なんだ、ずっこけるくらい普通じゃん。

アルバム数と容量が逆転してるのがよくわからない。カセットテープなどからデジタル化した音源を未編集で放り込んであるのが、アルバムと認識されてるのか? いや、逆か。

iCloudから聴ける音楽は、自分でリッピングしたものより音質がいいはずなので容量大きいはず。僕のライブラリは192kbpsでCDから取り込んだものがほとんどなので、容量小さいのだ。

何はともあれ、外付けSSDを繋がずに自分のiTunesライブラリの99.5%も聴ける。MacBook AirのSSD容量を本来なら5分の2も占有する音楽データから解放されているわけだ。もちろんApple Musicでその何百倍の音楽も聴き放題。素晴らしい!

>>次ページ こりゃー夢のようだw

ようやく人並みに理解できてきたかもw

どこかに書いてあった「オフライン再生に使われるのはキャッシュ」と「オフライン再生は一台のデバイスでのみ可能」と「オンラインで最後に再生したデバイスでしかオフライン再生できない」って話。何だったんだ?

そんな情報がApple Music理解の入り口になっちゃったもんだから、ずいぶん混乱して遠回りすることになった。

iPhoneでiCloudミュージックライブラリを有効にすると、iTunesの中身は(iTunesストアにないものを除き)全部表示される。Apple Musicで「+」を押してライブラリに追加された曲も入ってる。Wi-FiでもLTEでもオンラインのまま再生できる

で、iPhoneでオフラインで聴きたいものは「曲をオフラインで再生可能にする」でダウンロードされる。同様にMacで雲マークをクリックしてダウンロードしたものも、Wi-Fiをオフにして確認したらオフラインで聴ける(MacでダウンロードしたApple Musicの曲データをiPhone同期できるか試したけど、できないらしい)。

同時に再生したらどうなるか? 試すと「別のデバイスで再生中のようです」と警告が出て再生が止まる。もう一度再生ボタンを押すと、そのデバイスで再生が始まる。再生権がそのデバイスに移ったということらしい。けど、タイミングによっては両方で再生されてたり、ちょっと挙動がわからない。

まあ、複数台で同時に再生しないかぎり、特に支障なさそう。外付けSSDのメインのiTunesライブラリに、Apple Musicから好きなのをダウンロードしておき、ネット環境のない実家で再生するのは可能なようだ。ダウンロードした曲はいつでも削除できる。容量に応じて調整すればいい。

↑ ネットをオフにしたMacに外付けSSDを繋いで、Apple Musicからダウンロードした曲が再生できるか確認してみた。聴けます! 僕の使い方では制約はほとんどないも同然。いいサービスだなあ!

あと、プレイリストで持ってるアルバムの表示を「マイミュージック」から「すべて」にすると、同じアーチストの持ってないアルバムやバイオグラフィや、同じタイプのアーチストがずらりと出る。これはわかりやすくていいや!

っていうか、持ってないアルバムをフルに聴けちゃうわけで、こりゃー夢のようだw

>>次ページ Appleらしい最高のサービス

ダウンロードした曲はDRM付きらしい

Apple MusicのiCloudミュージックライブラリはDRM付き:知らなかったと後悔する前に問題を整理してみた – みこぼね

「つまり、いったんApple MusicとiCloudミュージックライブラリで自分の音楽ライブラリをマッチさせたなら、自分のオリジナルファイルをバックアップしておく必要があることを意味します。」……そりゃそうだ。

オリジナルを捨てちゃう人もいないだろうと思ったけど、オリジナルを捨てちゃえば、自分の所有アルバムとApple Musicの差がほとんどなくなり、「数百万曲全部が自由に聴いていいもの」として平坦になる

データの管理やディスクスペース容量の悩みから解放されて、自由を手に入れられるんだよなあw

iTunesライブラリや曲のデータは何重にもバックアップあるし、好きなCDは捨てずにとってある。でも、あっさり全部捨ててもいいかもと思い始めてる。

曲が途切れる件の続報

先日の「10年前にiTunesストアで購入したけど、曲がいくつも途中で途切れてて返金してもらった。10年たったら直ってるかと同じ曲を購入してみたら、やはり途切れてて返金してもらった。」の件。

そのアルバムがApple Musicでどうなってるか聴いてみたら、途切れてないじゃん! 音源直ってるのか? iTunesストアとは楽曲データが別のものなのか? あ、途切れてる曲もある。全部チェックしてみるか。

……なんで僕がこんな検証しなくちゃならないんだ? 結局、途切れていた9曲のうち1曲だけ直ってなかった。

またまたサポートに連絡。Apple MusicとiTunesストアは同じ音源を使ってるのかどうか? もしiTunesストアの音源が直ってるのなら、もう一度購入したいのですが? と。

……「iTunesの音源の直接の調査はできず、解決されているかどうかも特定できない」とのこと orz

* * * * * *

Apple Music、日本では7月1日にサービス開始されたけど、その日は忙しくて翌日までおあずけ。トライアルを申し込んだ頃には、SNSにはすでにいろんな情報があふれてて、追いつこうと必死w

で、次回のデジクリに書こうと試行錯誤について逐一書き留めてたのだけど、最初の理解が間違ってたりして紆余曲折。結局、数千文字分がボツに。最初は「期待はずれのサービス」だと思ったのが、「Appleらしい最高のサービス」まで上昇w

もう普通に使えてます。「せっかくApple Musicがあるんだから」って無理に音楽を聴こうとしちゃいそうでマズい。基本、仕事中は無音。「聴きたいときに何でも聴ける自由」を買ってるもんだと思うことにしよう。iTunesストアで音楽購入に使う金額が大幅に減るのは確実だし。(吉井 宏/イラストレーター)

image by: Apple

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